スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

JRA賞&学習の基礎

2019-01-13 19:23:51 | 中央競馬
 昨年のJRA賞の競走馬部門は8日に発表されました。
 年度代表馬はシンザン記念,桜花賞,オークス,秋華賞,ジャパンカップと5戦全勝のアーモンドアイ。牝馬三冠を制したのみならず古馬最高峰のレースも制したのですから当然の満票でした。部門別では最優秀3歳牝馬でこちらも当然の満票。
 最優秀2歳牡馬はデイリー杯2歳ステークス,朝日杯フューチュリティステークスを含め4戦全勝のアドマイヤマーズ。例年なら文句なしの受賞となるところですが,票は割れました。僕はレースの内容からサートゥルナーリアの方が選出されるのではないかと予想していました。
 最優秀2歳牝馬はファンタジーステークスと阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったダノンファンタジー。唯一の大レースの勝ち馬ですから順当な受賞でしょう。
 最優秀3歳牡馬は毎日杯,新潟記念,有馬記念を勝ったブラストワンピース。ここは5頭に票が入っているように,難しい選択だったようです。ですが僕なら迷わずにルヴァンスレーヴに投票したでしょう。逆にいえば大レースを複数勝した馬がほかにない中で3勝,しかも古馬相手に2勝しているルヴァンスレーヴ級の実績でこの賞を獲得できないのなら,ダート馬がこの部門で選出されるのは不可能ではないかという気がします。
 最優秀4歳以上牡馬はオールカマーと天皇賞(秋)を制したレイデオロ。昨年はジャパンカップと有馬記念を3歳馬が勝ったようにこの路線はやや低調でした。その中ではこの馬の選出が妥当という気はします。2017年の最優秀3歳牡馬で2年連続の受賞。
 最優秀4歳以上牝馬は東京新聞杯とエリザベス女王杯に勝ったリスグラシュー。この部門の選択は難しくない筈で,当然だと思います。
 最優秀短距離馬はシルクロードステークス,高松宮記念,セントウルステークス,スプリンターズステークスを勝ったファインニードル。1200m路線の大レースとその前哨戦を完全制覇ですから文句なし。満票であるべきだったと思います。最優秀4歳牡馬に選出されてもよい実績でした。
                                
 最優秀ダートホースはユニコーンステークス,ジャパンダートダービー,南部杯,チャンピオンズカップを制したルヴァンスレーヴ。これは当然の受賞で,満票でなかったのが不思議です。
 最優秀障害馬は中山グランドジャンプを勝ったオジュウチョウサン。障害はこの1戦だけで夏以降は平地競走を走りましたが,この1戦だけでこの馬が最強ということは明らかなので十分に受賞に値すると思います。2016年,2017年の同部門に続き3年連続の受賞。

 身体的技能の習得の際に,僕たちには何らかの思惟作用が必要とされています。これと逆に,知的な事柄を学習によって習得するときには,何らかの運動作用,すなわち身体corpusの働きactioが必要とされているのだというのが,「スピノザ的スピノザ」の当該部分の主旨です。田島正樹は人間が学習という行為をするときには,精神mensと身体の双方が働かなければならないというときに,知的作業の方に重点を置いて説明しています。なので僕はここでは逆に,身体的技能の習得にも知的作業は欠くべからざるものであるということを重点的に示しました。田島の論述と僕の探求を合わせれば,身体的技能の習得も知的作業の上達も,同じ意味で学習といわれなければならないということを,補完し合えるのではないかと思います。そして人間にとっての学習がこのようなものであるのは,人間の身体とその人間の精神は合一した同一個体であるということ,いい換えれば人間の精神とは第二部定理一三で示されているように,その人間の身体の観念であるということに由来するのです。このことと無縁の,あるいはこれを無視した学習というのは成立しません。トイレトレーニングという学習は,このことをよく示している一例であるといえるでしょう。
 本論とは無関係ですが,ここで誤解を招かないために次のことをいっておきます。
 トイレトレーニングというのは,排泄を自己の統御の下に,あるいは自己の管理の下に置くことの習得を意図した訓練です。ただしこの訓練は,完全に習得されることはあり得ません。僕たちの精神のうちには,自分の身体が排泄への移行期にあるという観念ideaは必然的にnecessario存在し,よってそれを意識化することは可能です。ただし第三部定理二が示すように,精神は自分の身体に対して,ある運動motusをなしたりなさなかったりするようには決定することができません。ですから僕たちがいくら自身のある個別の排泄の観念に対してそれを否定する意志作用volitioを有しているとしても,身体はそれとは無関係に排泄という作用をなす場合があるからです。これは排泄の観念と同様に第二部定理一二で説明される,睡眠の場合で考えればより明らかだといえるでしょう。
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