スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ナイトライト&第二部定理一七備考まとめ①

2007-07-22 20:18:45 | 血統
 シンガポール航空国際カップGⅠを制したシャドウゲイト。この馬の母系も,ある程度の歴史を日本で刻んでいます。
                
 日本での祖となっているのは1953年にイギリスで産まれたナイトライト(22-d)という馬。現在まで続いているのは主に3系統あるのですが,最も繁栄しているのは,日本に来て最初に産んだナイトアンドデイから続く系統。社台を中心に子孫を増やし,シャドウゲイトもこの系統に属します。このナイトアンドデイの系統も主にふたつに分かれ,そのうちのひとつが今回シャドウゲイトが出たシャダイプリマの系統ということになります。
 重賞で活躍した馬は多いのですが,大レースを制覇したのはこの系統ではシャドウゲイトが2頭目。前の1頭は,同じシャダイプリマの系統に属するダイナコスモスという馬で,1986年の皐月賞を勝っています。これはちょうど僕の競馬キャリアの始まったダービーの直前の皐月賞なので,後に後ろを離して抜け出した2頭による叩き合いを制したビデオ映像は見ていますが,ライブでは知りません。つまり僕の競馬キャリアの中では,シャドウゲイトがこの系統の初の大レース勝ち馬ということになります。
 祖先が輸入されて20年以上が経ってようやく大レースの勝ち馬が輩出。そしてまた20年以上経過して2頭目の大レース勝ち馬として海外のGⅠを勝つ馬が出る。こうしたことを経験できるのも競馬の楽しみのひとつです。

 今回は『エチカ』第二部定理一七備考,とりわけその中の一文についてそれをテーマに設定して考えてみました。そこにおける問題の所在というのは,人間の精神mens humanaが事物を表象するimaginariというのは,人間の精神のうちにある混乱した観念idea inadaequataが生じるということだと考えられるにも関わらず,スピノザが,ある場合にはそれを人間の精神の力potentiaであるとみなしているという点です。つまり,混乱した観念は十全な観念idea adaequataとの対比でいえば,有と無の関係において無に属するものであり,また,スピノザの哲学における力と実在性の考え方からすれば,混乱した観念は無,すなわち非実在的なものですから,それは最も無力impotentiaであるようなもの,力といわれるのとは反対の意味で無力なものであると考えられるべきであるのに,ここでは,ある条件つきとはいえ,それを力とみなしているという点に関係しています。
 このためにはまず,表象imaginatioというものの性質について考えることが不可欠であるといえます。僕がスピノザがいうところの表象の種類として理解するのは,一般的なことばでそれをいうなら,知覚perceptio,想起memoria,想像のみっつであって,そのうち知覚については,自分自身の身体corpusの知覚については第二部定理一九,それ以外の外部の物体corpusの知覚に関しては第二部定理一七,想起に関しては第二部定理一七系,想像に関しては『エチカ』においてはそれ単独の説明はないものの,想起と同じ第二部定理一七系によって,それがいかにして人間の精神のうちに生じるのかということを説明することができます。そしてこれらはすべて,第二部定理一六系二と関連付けられると思います。
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