スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

フジキセキ&読み筋

2007-07-15 20:44:50 | 名馬
 ヴィクトリアマイルを勝ったコイウタの父,フジキセキを紹介します。
 タヤスツヨシと同じサンデーサイレンスの初年度産駒。デビューは2歳の8月で,新馬を勝つと一息入れ,10月のオープン特別に出走して連勝。さらに12月の朝日杯3歳ステークス,現在の朝日杯フューチュリティステークスまで3連勝して大レース制覇を達成。サンデーサイレンスの産駒で初めて大レースを勝った記念すべき馬がこのフジキセキでした。3戦3勝の内容も文句なしで,もちろん翌年のクラシックの最有力候補となりました。
 年が明け3歳になると皐月賞の最大の前哨戦である弥生賞から復帰。ここまではデビュー戦が1200,その後の2戦が1600ということで,2000メートルへの適性が問われたわけですが,抜け出して詰め寄られそうになってまた突き放すというかなり強い内容で問題なくクリアしました。これは皐月賞もこの馬で仕方がないという雰囲気になったのですが,残念ながら故障を発症。この若さにして引退,種牡馬入りとなってしまいました。
 結果的に4戦全勝の競走馬生活はなんというか,予告編だけで本編のない映画のような印象ですが,もしも無事にいっていれば,ダービーは分かりませんが,少なくとも皐月賞は勝っていたのではないかと思います。
 種牡馬入り後も順調に重賞の勝ち馬を送り出しています。日本での大レースの勝ち馬は休養中のカネヒキリグレイスティアラに続いてコイウタが3頭目です。また,この馬もタヤスツヨシと同様にシャトル種牡馬として活躍。オーストラリア産の産駒からも,南アフリカでGⅠを勝ったSun Classiqueという産駒を出しています。

 明日は盛岡でマーキュリーカップ。ここはシャーベットトーン◎が中心で,クーリンガー○とエイシンロンバード▲,さらにサイレントエクセル△とテンショウボス△の地元2頭。

 台風で順延となった四日市記念の決勝。並びは成田ー有坂の北日本,小嶋ー岩見ー山内の中部,井上ー前田の西日本で,残った佐々木に渡辺。当然ながら小嶋選手◎が中心で,岩見選手○が相手になります。ほかのラインでは井上選手▲と思いますが,渡辺選手△の突込みには警戒が必要でしょう。

 唯名論イデア論に関する話はここではひとまずこれまでとして,再び話題をスピノザの哲学でいう想像力という力potentiaのあり方の方へと戻します。
 ここまでは,たとえば小倉優子の精神mensのうちにあるこりん星の観念ideaとか,あるいはある人間の精神mens humanaのうちにあるペガサスの観念という,一見するとなぜそれが力であるといえるのか理解に苦しむような例を示してきましたので,今度は,確かにそれが力であるということが容易に認められるような実例を挙げてみます。
 棋士は,というか,正確にいうならこれはプロ棋士に限らず将棋を指す場合には多かれ少なかれだれにも妥当することだと思いますが,ある局面で指し手を選択する場合に,先を読むことによって,最も自分にとって有利になるような手を選択します。この過程のうちにおいて棋士の精神のうちには,出現していない局面の観念がたくさん生じます。そしてそれは間違いなく現実的に存在する観念として,すなわち表象imaginatioとして生じるのであって,これは僕がいう表象の種類として想像に属すること(過去に経験がある局面の場合には,単に想起memoriaの場合もあるでしょうが)は否定できないと思います。
 ところでこのとき,この表象がより多く生じるということは,それだけ多く局面を読んでいるということに等しくなります。より多く読めれば,その分だけ自分を有利に導く可能性が高くなるでしょう。いい換えれば,棋士の強さというのは,少なくとも部分的に,この表象するimaginari力の大きさに左右されるわけです。この点からすれば,棋士の読み筋は,まだ出現していない局面の表象なので混乱した観念idea inadaequataであるということは間違いないところですが,棋士にとって力であるということがよく理解できるのではないかと思います。
コメント
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