スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

弥彦記念&全体と個

2007-07-14 20:35:30 | 競輪
 弥彦記念は雨に祟られ,11日に争われた決勝(動画)も,滑りやすいバンクでの争いとなりました。
 坂上選手がSを取って山田選手の前受け。新田選手が中団,矢口選手が後方で周回。残り2周のホームから矢口選手が上昇,バックで山田選手を叩きました。ここで中団の攻防となり,内から新田選手が制して4番手,山田選手は7番手に後退。この攻防を前で見ながら流していた矢口選手が,決着したとみてホームから先行となりました。新田選手はバックの入口あたりから捲り発進。行けるだけの勢いもあるように思いましたが,矢口選手の番手の藤原選手にうまくブロックされ失速。藤原選手はその勢いでそのまま発進,バック8番手から外を一気に伸びてきた山口選手にかなり詰め寄られたもののわずかに凌いで優勝。山口選手が2着に突っ込み,3着は藤原選手マークの内海選手でした。
 優勝した新潟の藤原憲征選手は嬉しい記念競輪初優勝を地元で決めました。骨折明けでそんなに調子はよくなかったとのことですが,有力選手が脱落,決勝もまず先行が予想される矢口選手の番手を回れるなど,今回は運に恵まれた感があります。まだ本当のトップクラスとはいえない選手ですが,まだ27歳ですし,今後も頑張ってほしいです。
 特筆すべきは山口選手の伸び脚。ゴール後に手を挙げてしまったのはご愛嬌としても,もう少し展開に恵まれていればこちらが優勝だったでしょう。

 明日の四日市記念は台風の影響を考慮して明後日への順延が早々に決定しています。メンバーも出揃い,並びも分かっていますが,予想は前日がこのブログの基本ですので明日。

 スピノザがイデア論の立場を採用せずに唯名論の立場に立つということは,ここでのテーマとはあまり関係してはいないといっても,そんなに軽く扱えないような事柄です。なぜなら,事物の一般性と特殊性の関係というのをどのように考えるのかということは常に,類と個とか,全体と個といった関係をどのように把握するのかということとパラレルな関係にあるからです。
 たとえば,国家と国民の関係をどのように把握するかとなった場合に,もしもイデア論の立場に立つならば,特殊的なものは一般的なものに還元できる,すなわち,一人ひとりの人間はある国家の国民という一般性に還元が可能であるということになりますから,国家があることによってはじめて国民は存在することが可能になるという考え方に傾きます。国民というのは国家の一部分であって,部分というのは全体があって成立できるという考え方です。
 これに対してスピノザのように唯名論の立場になると,国家というのは国民,この場合にはある意味では国民といういい方でさえあまり適切ではなく,ほかのものに還元が不可能であるような固有名詞を有する各々の人間のある一定の集団の総体が国家であるにすぎないということになりますから,個人がなければ国家なるものも存在することができないという考えに傾斜します。
 これらのことは国家論,あるいは政治論に属することであって,そもそもこのブログ自体の趣旨に沿いませんが,哲学的立場というのが,そうした政治的立場に密接に関連してくること,あるいは関連せざるを得ないということの,これはひとつのよい例であると思います。
コメント
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