スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

スパーキングレディーカップ&想像力

2007-07-04 22:38:56 | 地方競馬
 どうも川崎で行われる重賞は雨に祟られやすいという印象が僕にはあります。今晩の第11回スパーキングレディーカップもそうなってしまいました。川崎競馬場は川崎駅からも歩いていけるくらい立地条件に恵まれていますので,これは残念なことです。
 先手を奪ったのは愛知のレイナワルツ。前半の800メートルが48秒7でミドルペース。これをアグネスカルミア,クインオブクイン,ヤマトマリオン,クリムゾンルージュが追い掛け,メイショウバトラーはその後ろの外。3コーナーあたりからそのまま外を上昇し,レイナワルツに並び掛けると,ここで後続との差がかなり離れました。直線に入るとメイショウバトラーの土壇場で,楽々と抜け出し,6馬身もの差をつける圧勝となっています。レイナワルツが2着に逃げ粘り,後方から追い上げたベルモントノーヴァに詰められたものの,先行して粘ったクリムゾンルージュが3着を確保しました。
 勝ったメイショウバトラーさきたま杯に続いて重賞3連勝。父はメイショウホムラ。牡馬相手に重賞を勝ってきた馬ですので,牝馬同士のここは勝って当然。武豊騎手も負けるわけにはいかないといった感じの騎乗に思えました。重馬場とはいえ,1分38秒7の勝ちタイムは,時計の出にくい川崎としてはかなり優秀で,後ろが離れたのも当然でしょう。
 レイナワルツは能力を安定して出せない弱みを抱えていますが,出し切ればおそらくここではメイショウバトラーに次ぐ力の持ち主ですので,ある意味では順当な結果。今日はスムーズに逃げられたのが幸いしたと思います。
 3着~5着のクリムゾンルージュ,ベルモントノーヴァ,ライラプスはほぼ互角の能力と思いますので,競馬場や展開面で今後も着順の入れ替わりがありそうです。

 僕たちはよく,想像力ということばを用います。しかし用いながらも,想像が何ゆえに力potentiaであるのかということについては,はっきりと理解していないのではないかと思います。このように考えた場合に,ここでテーマとしている第二部定理一七備考の一文の中には,それに対するスピノザの哲学としての答えが入っているといえるのではないかと思います。
 たとえば,もしも人間が,事物を表象するimaginari際に,現実的に外部の物体corpusからある刺激を受けている場合にのみ,その物体を現実的に存在すると表象することができる,すなわち,僕のいう表象の種類のうち,知覚だけが人間には可能であって,想像や想起memoriaは可能ではないと仮定してみます。するとこう考えただけで,いかに現実的には存在していないものを現実的に存在すると表象することが,人間にとって大きな力となっているかが理解できると思います。イエスの復活について僕はこの想起をあたかも否定的に説明しましたが,これは誤謬errorに関してであって虚偽falsitasに関してではありません。たとえばマグダラのマリアがこの想起を十全な観念idea adaequataでないと把握するなら,これはむしろマグダラのマリアの力に相違ないのです。
 もちろんこの例からも分かるように,想像や想起が人間にとっての力となるのは,あくまでもその観念が十全な観念ではないということをその当人が認識している場合のみに限定されるのは間違いありません。そこでこれを条件にして,さらにどのようなことがいえるのかということを,もっと具体的に考えることにします。
コメント
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