スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

オークス&第二部定理一七

2007-05-20 22:22:28 | 中央競馬
 牝馬クラシックの第二冠目にあたる優駿牝馬(オークス)。
 好枠から先手を奪って逃げたのはスマートストーム。前半の1000メートルは59秒1でこれはハイペースといっていいと思うのですが,2番手以降は少し離れての追走でしたので,事実上はミドルペースでのレースであったと思います。
 一番人気に推されていたベッラレイアは,後ろからのレースを予想していましたが,今日は好発から無理に控えずに好位集団から。直線でも無理なく捌いて完全に抜け出したのですが,ここを馬場の外目からミンティエアー,ローブデコルテ,ラブカーナが急追。このうち3頭の真中のローブデコルテが最後までよく伸び,ゴール寸前で僅かにベッラレイアを捕えて優勝となりました。かなりきわどい差で,僕にはどちらが勝ったのか分からなかったのですが,ローブデコルテが勝ったと実況したラジオNIKKEIの小林アナウンサーは見事でした。2着にベッラレイアで3着がラブカーナ。ミンティエアーは4着まで。
 優勝したローブデコルテは大レースはもちろん重賞もこれが初制覇。松元茂樹調教師は2003年3月の高松宮記念,福永祐一騎手は昨年のエリザベス女王杯以来の大レース優勝。今日はたまたまだったと思うのですが道中でベッラレイアをマークできる位置を取れ,直線で外に出そうとしたときにミンティエアーに先にいかれてしまい立て直すことになったのですが,その分かえって脚を溜められることができ,最後の伸びにつながったように思います。距離適性にはやや不安が感じられた馬だけに,レースの綾がうまく作用し,それを最大限に生かしきれたのが勝因といえるのではないでしょうか。
 ベッラレイアは結果だけでいえばほんの少しだけ仕掛けが早かったということですが,これを責めるのは酷と思います。むしろ堂々とした横綱相撲で押しきろうとした点には好感が持て,今日のところは少しばかり運が足りなかったということでしょう。

 シンガポールでは日本の2頭がワンツーフィニッシュだったようです。詳細は後日。

 まずはいかにして人間の精神のうちに混乱した観念,とくに事物の表象ということが生じるのかということから始めなければなりません。エチカにおいて第一にこれを示しているのは,ここで問題としている一文を含む備考が付されている第二部定理一七です。
 「もし人間身体がある外部の物体の本性を含むような仕方で刺激されるならば,人間精神は,身体がこの外部の物体の存在あるいは現在を排除する刺激を受けるまでは,その物体を現実に存在するものとして,あるいは自己に現在するものとして,観想するであろう」。
 僕が思うに,この定理の文章だと,人間の身体が外部の物体から一方的に刺激されることをいっているように考えられそうですが,これは人間が物体から刺激され,また同時に物体を刺激するというような双方向の関係と理解するのが適切でしょう。そしてこれに注意してこの定理を解釈すれば,その意味は,人間の身体がある外部の物体と,その外部の物体の本性が含まれているような何らかの関係をもつとき,人間の精神のうちには,その外部の物体が現実的に存在するという観念,いいかえれば自分の前に現実的に存在しているその物体の観念が生じ,人間身体がその物体とのそうした関係を失うまでは,その観念が人間の精神のうちから消滅することはない,ということになるだろうと思います。
コメント
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