スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

棋聖戦&こりん星の否定

2007-07-06 23:07:38 | 将棋
 棋聖戦第四局は佐藤康光棋聖が勝ち,3勝1敗で防衛,このタイトル六連覇という偉業を達成しました。実はこのシリーズの開始前,今期の両者の成績は7勝2敗と好調の渡辺明竜王に対し,佐藤棋聖は2勝5敗と不調でしたので,タイトル移動があるのではないかと予想していたのですが,ここを境に調子が入れ替わってしまったようです。
 将棋は後手・佐藤棋聖のごきげん中飛車に渡辺竜王の▲5八金という超急戦。ふたりの将棋だと昨年の竜王戦第四局(この将棋は佐藤棋聖が急戦を避けましたが),渡辺竜王にとってはこの棋聖戦の挑戦者決定戦と同じ戦型。定跡ではLogical Spaceさんの解説のように進むのですが,本譜は22手目に後手が△5四歩と新手を出しました。しかしわざわざ交換した筋に歩を打つのですから損な気もします。
 途中はほとんど見ていないのでまた端折ります。形勢は微差で揺れ動いている(渡辺竜王は30手目の△6二銀打の時点で不利と感じられていたようです)と思うのですが,56手目の△6二同歩まで進んだところでは先手の攻めが切れ模様で後手が優勢だと思います。
 66手目に△7四銀とかなり上の方から押さえていったのはおそらく好手(これは渡辺竜王によるとその通りだったみたいです)。▲同金△同歩で角が逃げるのでは駄目でしょうから,飛車交換になったのは妥当なのではないでしょうか。この後,74手目の△5七歩成では△5八飛▲同玉△6六桂で詰んでいたとのことですがこれは逃しました。しかし本譜の76手目の△7七角も豪快な手。取るのは△7九馬で変化は多いものの詰むようなので▲6六歩(ですのでここで先に▲6四桂の方が難しかったとのこと)。この瞬間,後手の玉が少し危なくなっていますが,△5五金が攻防の手。▲5六飛と打ったのには驚きましたがこれに対しては△7八馬が決め手。▲6四桂に飛車を使わせているので△8二玉。ここで▲5五飛と金の方を取ると△5六金▲同飛△7九馬で詰み。なので▲7八銀と馬の方を取りましたがこれも△5八飛で詰みでした。
 竜王戦,棋聖戦と観戦して,終盤力は渡辺竜王の方が上回っているように僕には思えます。逆にいうとトッププロレベルではそれ以前が渡辺竜王の課題なのかもしれません。一般に,年齢とともに終盤力だけでは勝てなくなってくるものですが,まだ若いですからそんなに心配することもないのでしょう。
 佐藤棋聖は冒頭にも書いたようにこれで六連覇。郷田,丸山,森内,羽生,鈴木,渡辺と,当然ながら倒してきた相手も豪華メンバーです。

 日本時間で明日の午後,キャッシュコールマイルの発走です。

 こりん星の観念をどういう場合に否定し得るのかといえば,少なくともスピノザの哲学においては,それがある誤謬を含んでいる限り,すなわち,こりん星の観念を有する人間が,その観念が混乱した観念であるという認識をもたない場合に限られるのであって,それが虚偽であるということだけ,つまり,この観念が実在的な対象を形相的にはもたないということだけでは,否定することができないわけです。
 もしもそれが形相的な対象をもたないということだけをもって,こりん星の観念を有する人間,たとえば小倉優子を否定するなら,この否定には二重の意味で誤りが含まれていると僕は考えています。ひとつはもちろん,そうした仕方での否定が,虚偽と誤謬の相違を認識していないという意味の誤りです。
 さらにもうひとつ,この否定は,形相的に現実的に存在するものを表象することは真理であるという前提からなされています。そうであるからその対象が形相的に実在しない観念を否定し得るのですからこれは明らかだと思います。しかし実際には,想像であれ知覚であれ,表象が混乱した観念すなわち虚偽であるということに変わりはないのです。すなわちこの否定は,虚偽を真理とみなすような誤りも同時に犯しているということになるのです。
 この例から分かるように,観念というのはそれが単に虚偽であるということだけをもって否定できるものではないのです。むしろそのように否定することこそ,虚偽を真理と信じているわけで,誤謬を犯しているのですから,否定されるべき当のものであるということになると僕は思います。

 ※昨日も冒頭に書きましたが,ここでこりん星を実例として挙げていることに他意はありません。小倉優子のみに関連したトラックバックは一切受け付けませんのであらかじめご了承ください。
コメント (2)
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