ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

顧客という響き

2019年05月03日 02時36分15秒 | サービス
例えば、そむりえ亭では顧客が殆どで飛び込みのお客様は殆どありません。

それが「スタイル」と言えばスタイルです。

必ずしも顧客でないと入れない、と言うわけでもありませんが、店の形態からして「樋口がマリアージュを提案する」「グラスでしかワインを出さない」などの理解が必要な店ですので「飛び込みの方には難しい」と思うのです。


しかし、沢山の顧客がいたとしても、それで経営が成り立つはずもありません。

これまでのソムリエ歴の中で沢山の方が天に召されましたし、転勤で大阪にいなくなり、病気で飲めなくなり・・・


いや、それだけでなく・・・

「他の店への回数が増えた」

「大阪には居るが引っ越しをして乗降駅が【ほんの少し】変わった」だけでも遠ざかるもの。

私自身、大好きな店があったとしても必ずしも定期的に訪問できるかと言えば「そうでもない」のです。


で、大事なことは顧客という言葉の響きを狂信しない事です。

いらっしゃる顧客は大事ですから、私の出来る範囲でもてなします。

しかし、大事などなたかに紹介されて来られた「初めての人」は潜在顧客として「より大事」にしなくては将来は無いのです。

そういう場合は既に顧客である方より「ほんの少し」手厚くします。

そういう様子は従来の顧客の方は「よしよし」と見守っていただけると信じています。

仮に「そんな新人の客はほっておいて俺の世話をしろ」と言う人がいたら、その時点で顧客ではないのですね。


難しい事です。

私は出来ているだろうか?

いつも振り返りますが、上手くいっていないことが殆ど。


そむりえ亭が移転して5か月を過ぎ、恐らくかなりの数の方が「移転を知らないまま」

私より年輩でネットも使えなかったり、名刺も持たないことも多く、しかし、確かに「長年の顧客」であったのです。

私的にはそういう方に再度お越しいただきたいのですが、しかし、新しい潜在顧客の確保も重要。


「顧客」という言葉は甘い響きがあります。

或いは「絶対的な」響きもあるでしょう。

しかし実は大事な顧客は寛大で私達を親戚の叔母さんのように見守ってくれる存在でもあるんです。

どうぞ若いサービスマンの方には「言葉の響き」に縛られないように接客してほしいと思います。


            樋口誠

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