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ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

葡萄の個性

2015年10月03日 02時11分20秒 | ワインの事
ワインには個性があります。

それは葡萄品種によるものや地域によるもの、勿論生産者によるものもあります。

その中でも葡萄品種がもっとも大きな部分を占めているといわれます。

よって認定試験やコンクールなどでも「品種の特定」の比重が高くなるのです。


確かに判り易い品種、例えばゲヴルツトラミネールやソーヴィニヨンブラン、シラーなどは特定しやすいですし、ネッビオーロやリースリングもそうかもしれません。
他の品種でもメジャーなものはそれなりに個性を持っています。


しかし、地域や作り手、或いは同じ生産者でもクラス違いで「とんでもなく違う個性」を発揮することもあり得るのです。

シャルドネなどは典型で樽なしの安いものと新樽バリバリの高級なものでは「別品種か?」と思う人も少なくありません。

シシリアのインソリアもフレッシュなものと熟したものでは全く別の顔。

シラーの産地違いも他の品種以上に「別顔」を見せますね。

ソーヴィニヨンブランも昔カリフォルニアで多かった「フュメブラン」呼称のものはシャルドネと間違えることが多かったと記憶しています。


「じゃあ、品種特定って意味ないやん」と言われそうですが、世の多くの場合は「品種特性」を持っているわけで、それは日本人がどこで生まれても日本人の顔をし、筋肉の付き方もアングロサクソンと違うのと一緒ですね。



改めて言いますが「品種特定」は私の仕事の中心ではありません。

そういう色々な個性の品種を上手に使ってお客様に提供する、とか・・・

お客様に「家で飲むワインを買うときの指標」を提示できる、とかが大切なんですね。



今月のそむりえ亭では「判り易いパターン」と「判り難いパターン」が混在しています。


ま、だから面白いんでしょうね!!

ソムリエ冥利な楽しい世界です。


             樋口誠