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ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

25度

2015年02月23日 02時10分52秒 | 食・レシピ
もう30年近く前です。

業界の大先輩がセミナー講師をしていた時、その先輩は聴衆である私達全体に向けて怒鳴りました。

「君らはそんなことも気にせず仕事しているのかっ!!!!」

それはそれは怖かった、と記憶しています。

さて何に対して怒ったのか?

温度に対する意識です。

「水は何度位が美味しいと感じ、お湯は何度位が美味しいと感じるのか?」と聴衆に向けてした質問に対してです。

確か聴衆の一人が「水は4度位、お湯は70度位」と答えたような・・・・・・

しかし講師は「それは実験して言っているのか?」と聞き返し、答えた人は「そんな感じだと思いました」と返したと思います。

「違うんだよッ!!水もお湯も体温の上下25度なんだよ!!」

つまり36度5分が平熱なら11度から12度が水として美味しく、61度から62度がお湯として美味しい、という事になります。

私はセミナーから帰って、直ぐに試してみました。

「お~~~~~っ!!」です。

確かに何処かでビールは4度が美味しいとか、お茶は70度位が美味しい、等と聞いたことがありましたが純粋な水はマイナス25度、お湯はプラス25度が美味しいのです。

そこに酸とかタンニンとか諸々の要素が加わって「もっと冷たく」とか「温度を上げめで」とかソムリエの仕事が始まるのだ、と大先輩は言いました。

今でも忘れません。



勿論、仮にピッタリの温度で提供してもグラスの中で刻々と変化します。
またお客様の料理、外気温で身体の求める温度が変ることもあります。


しかし「試してみる」ことは大事なんですね!!

昨日の暖房の暑苦しさを感じて思い出した懐かしい話、でした。


                樋口誠