漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

Coney Island Baby 2

2013年11月05日 | 消え行くもの
 二日ほど前に、ルー・リードの「Coney Island baby」の試訳を載せてみたけれど、アップした後でもう一度見てみて、もしかしたらこう訳した方が本当かもしれないとも思ったので、載せてみることにします。
 パーソナルなことを歌ったものだし、ルーの声が強いこともあって、今までそうは思いつかなかったけれど、語り手がドラッグクイーンであると考えてみた、こっちの方が何となくしっくりくるような。

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Coney Island baby

Lou Reed

ねえ、あなた、あたしがまだ少年で、ハイスクールに通っていた頃
一人のコーチのために、アメリカン・フットボールをやりたかったのよ
あんたが信じてくれるかどうかは、わからないけど
先輩たちはみんな、口を揃えて
あの野郎は陰険だしイカれてやがると言ってたけど、わかるかしら
あたしはそのコーチのためにアメフトをやりたかったのよ
お前はラインバッカーにしてはチビだし、痩せすぎだろって、皆には言われたわ
だからあたしは、ライトエンドをやってるんだって言い返した
コーチのためにアメフトをやりたかったから
あなたはいつか知ったのね
真っ当(ストレート)でいなければ虐げられるってことを
そうして死に向かうんだってことを
あたしが知っていた誰よりも完璧に真っ当(ストレート)な男は
いつでもあたしを公平に扱ってくれたわ
だからコーチのためにアメリカン・フットボールをやらなくちゃいけなかった
そのコーチがいたから、アメフトをやりたかったのよ

たった一人の孤独な時間
真夜中頃に
あなたは自分の魂が
売り渡されようとしていることに気付くのよ

そうしてあなたは考え始める
自分がやってきた、すべてのことについて
そして憎み始めるの
ありとあらゆることを

だけど、丘の上に住んでいたプリンセスのことを思い出して
あなたがおかしいと分かっていても
それでもやっぱりあなたのことを愛した、彼女のことを
そう今こそ、彼女は光り輝く道を開いてくれるのかもしれないわ
そして、その――

――愛の輝きが、愛の栄光が
愛の持つ力が、まさに道を示してくれるのかもしれない

つまらない友人たちはみんな
あなたを罵って、去ってしまった
彼らがあなたの背中に向って語りかける、あのさ
お前の甘っちょろさは直しようがねえな
あなたは身体を震わせ、また考え始める
自分がやってきたあらゆること、そのすべてについて
それが誰だったのかとか、どんなことだったのかとか
さまざまな場面で起こった、あらゆることすべてについて

ああ、だけど思い出して、この街が普通じゃない場所だってことを
サーカスか、あるいは下水道のような場所だってことを
そしてちゃんと思い出して、いろんな人がいて、みんなそれぞれに個性を持っているんだってことを
そして、その――

――愛の輝きが、愛の栄光が
愛の不滅の力が、道を示してくれるかもしれないわ
そう、でも今なら
愛の輝きが、愛の栄光が
愛の不滅の力が、道を照らしてくれるかもしれないわ
愛の輝きが、栄光に満ちた愛が
不滅の愛が、愛の栄光が
愛の不滅の力が、ああ、そうよ、今こそ、愛の輝きが
愛の力が、愛の至福が
光り輝く愛が、そうだ、素晴らしき愛が、今
愛の至高の光が、今あたしを祝福し
栄光に満ちた愛の輝きが、あなたに取るべき道を指し示すのよ
おお、愛しきコニー・アイランド・ベイビー、今こそ
(今のあたしは、コニー・アイランド・ベイビーの一人よ)
あたしはこの歌をルーとレイチェルに送りたい
それから、すべての若者たちと 第192パブリック・スクールのみんなに
コニー・アイランド・ベイビー
ねえ、あたしはあなたのためにすべてを捧げると誓うわ

    (訳:shigeyuki)

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