漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

Coney Island Baby

2013年11月03日 | 消え行くもの

Coney Island Baby

Lou Reed


なあ、おれはハイスクールに通っていた頃
一人のコーチのためにアメリカン・フットボールをやりたかったんだ
あんたが信じてくれるかどうかは知らないがね
先輩たちはみんな口を揃えて
あの野郎は陰険だしイカレてやがると言っていたが、わかるだろ
おれはそのコーチがいたからアメフトをやりたかったんだ
皆に言われたね、おまえはラインバッカーにしてはチビだし、痩せすぎだろって
だからおれはライトエンドをやってるんだって言い返した
コーチのためにアメフトをやりたかったからな
お前はある時、知ったんだな
真っ当(ストレート)でいなければ虐げられるということを
そうして死に向かうんだってことを
おれが知っていた、誰よりも完璧に真っ当(ストレート)な男は
いつでもおれをちゃんと公平に扱ってくれた
だからコーチのためにアメリカン・フットボールをやらなければならなかった
そのコーチがいたからアメフトをやりたかったんだ

たった一人の孤独な時間
真夜中頃に
お前は自分の魂が
売り渡されようとしていることに気付くんだ

そしてお前は考え始める
自分がやってきたすべてのことについて
そして憎しみを募らせ始める
ありとあらゆることに対して

だが丘の上に住んでいたプリンセスのことを思い出すんだ
お前がおかしいと分かっていても
それでもなお、お前のことを愛した彼女のことを
まさに今こそ、彼女は光り輝く道を開いてくれるのかもしれない
そして、その――

――愛の輝きが、愛の栄光が
愛の力が、まさに道を示してくれるのかもしれない

つまらない友人たちはみんな
お前を罵って、どこかへ行ってしまった
彼らはお前の背中に向って語りかける、あのさ
てめぇはどうしたって悪魔にゃなりきれねえのさ
お前は身体を震わせ、また考え始める
自分がやってきたあらゆること、すべてについて
それが誰だったのかとか、それがどんなことだったのかとか
様々な局面でやってきた、あらゆることすべてについて

ああ、だが思い出すんだ、この街が奇妙な場所だってことを
サーカスか、あるいは下水道のようなものだということを
そしてしっかりと思い出すんだ、様々な人々がいて、それぞれに個性を持っているのだということを
そして、その――

――愛の輝きが、愛の栄光が
愛の不滅の力が、道を示してくれるかもしれない
そうさ、だが今なら
愛の輝きが、愛の栄光が
愛の不滅の力が、道を照らしてくれるかもしれない
愛の輝きが、栄光に満ちた愛が
不滅の愛が、愛の栄光が
愛の不滅の力が、ああ、そうだ、今こそ、愛の輝きが
愛の力が、愛の至福が
光り輝く愛が、そうだ、素晴らしき愛が、今
愛の至高の光が、今おれを祝福し
栄光に満ちた愛の輝きが、お前に道を指し示すのさ
おお、愛しきコニー・アイランド・ベイビー、今こそ
(今のおれは、コニー・アイランド・ベイビーの一人さ)
おれはこの歌をルーとレイチェルに送りたい
それから、すべての若者たちと 第192パブリック・スクールのみんなに
コニー・アイランド・ベイビー
なあ、おれは君のためにすべてを捧げると誓うよ

          (訳:shigeyuki)

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