漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

回転ジャングルジム

2005年05月15日 | 消え行くもの

 今日は、義母の葬儀のために神戸から出てきてくれた母を見送るために、中央線に乗って東京駅まで行った。数日間続いた曇り空のせいで、いくらか日があるとはいえ、肌寒い。しばらく忙しかったから、曜日や日にちの感覚はかなり狂っていたが、季節の感覚まで狂いそうだ。
 東京駅で母と別れた後、妻と娘を連れて、そのまま丸の内口から駅の外へ出た。
 しばらく歩いて、歩き疲れたら、それから電車に乗って帰ろう。そう思ったからだ。
 休日のオフィス街を歩いた。途中で将門の首塚にちょっと参って、御茶ノ水を目指した。

 御茶ノ水は、神田まつりが今日の宵から始まるというので、賑わっていた。町のあちらこちらに神輿が出ていたし、可愛らしい子供たちの半被姿も見た。囃子の音があちらこちらから聞こえてきて、わくわくする。神社に寄って、祭りを少し覗いてみたかったが、忌中のため、叶わない。残念だったが、仕方が無い。横目で見て、通り過ぎた。

 飯田橋を通り抜けて、神楽坂へ入った。
 神楽坂は、どうやらひそかなブームになっているようで、人の出が多い。
 若い女性の姿が、妙に目に付く。最近の日本回帰の風潮のせいだろうか。
 だが、神楽坂が女性に人気なのは、よく分る。少し裏に入ると、秘めごとの香りがするし、それが儚くて、綺麗に見える。この辺りは、これからしばらくは人気が続くだろう。

 ところで、神楽坂の裏道を歩きながら、ちょっと大きな公園を見つけた。
そこには、回転ジャングルジムがあった。
 最近は「危ない」ということで、撤去が続いている遊具の一つだ。
 だが、僕が子供の頃は、公園や学校には大抵これがあった。
 目が回るくらいに廻して、その眩暈に酔ったものだ。
 だがこれも、「消え行くもの」なのだろう。

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