さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

PPV購入しました フランコ井岡再戦、土曜日に迫る

2023-06-21 09:19:11 | 井岡一翔




まあ、しょうがないので、という感じでPPV購入しました。
はい、ジョシュア・フランコvs井岡一翔戦のPPVです。
6200円とは高額で、しかもクレジットカード払いじゃないと駄目なんですね。
d払いとか、楽天とかPayPayとか、そういうのでは駄目らしいです。

しょうがないのでわざわざカード番号入れたりしましたが、なんでこの試合見るためにこんな手間を...とか、今更なことをぐちぐちと思ってしまいます。ハイ、潔くないです(笑)。


チケットやPPVの売れ行きは、さすがに苦しかろうと思いますが、チケットの方は実売どうとかいうのはともかく、場内はそれなりに人が来ることでしょう。
あくまで中規模会場ですし。アンダーに志成ジムの有力選手が多く出るので、そのルートで一定数、チケットが捌けるということもありますし。


PPVについても、おそらく厳しいと思うのですが、元々実数が公表されるでなし、我々が何を思おうと関係ないんですよね。
数字伏せるの当たり前、という文化というか風土というか、何しろそれもこれも含めて、PPVというものにはそぐわないよなあ、と改めてしみじみ思う次第です。
井上、ディパエン戦のときも同じことを思いましたが、数字公表しないんだったら、PPVなんて、やったうちに入らんやろう、と。


プロモーションとしてはABEMAでプレビュー番組とかあったみたいですね。
あと、こんなインタビュー記事とか。
先入観、予断、偏見、まあ何でも良いですが、そういうものを全部取っ払い、澄み切った素直な心で読んだら、井岡一翔って凄いなあ、と思う人が、全体の何%かわかりませんが、きっといることでしょう。
インタビュー、記事、といっても色々ありましょうが、これは「そのため」に書かれたものです。書かれた方の労を多とします、としか。



対するジョシュア・フランコ、公開練習。





体重調整も順調、好調をアピール、とのこと。
内山高志のコメントにもあるとおり、前回は井岡が受け身に回り、それでも「わかる人にはわかる」という姿勢で闘った末のドローでした。
今回は引かず、受け身になり過ぎず、違う展開を、という展望ですが、例の騒動以前のような、体力に自信を持つが故に、心身の安定が見えた闘いぶりが影を潜めつつある今の井岡に、それが出来るか否か...疑問にも思いますが、前回を踏まえて、その辺はしっかり考えているでしょうね。



ところでフランコ陣営の写真キャプション、一番右に弟のジェシー・ロドリゲス、とありますが...。
間違いじゃないですかね、これ。もし違ってないのだとしたら、随分ふくよかですが。普段はこんな感じなんでしょうか。いやはや。



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関西の次代を担うエース候補 小林豪己、U-NEXT二度目の登場

2023-06-20 05:22:25 | 関西ボクシング




8月5日神戸、真正ジムの興行でトリプルタイトルマッチ開催、とのことです。
会場は神戸市立中央体育館。かつてはよく行った会場です。
しかし意外に遠く、終電がシビアだったりします。むー。






ラインナップのうち、芝力人と大内淳雅が日本タイトル決定戦をやる、ということだけは、さる筋から聞いて知っていましたが、メインは小林豪己とのこと。
前回、セミファイナルながら、Who's Next という言葉に試合内容で応えてみせた小林、今回は地元神戸のU-NEXT配信興行でメインを務めます。
個人的には、関西の次世代ホープの中で、最大の「エース候補」と思いますし、やはり一番の注目は彼ですが、相手が未定では、試合についてはなんともかとも、ですね。


ということで現時点の感心はこちらのカードに向かいます。





冨田大樹と分の悪いドローとなった芝、その冨田とのタイトルマッチを一方的にキャンセルされた大内。
その両者がタイトルを賭けて対戦するわけですね。
両者共に、この一戦がキャリアを大方、決めることになりましょう。



タイトルマッチ、もうひとつは女子の世界タイトルマッチ。WBAとWBOの統一戦だそうです。
世界アトム級、WBO王者黒木優子と、WBA王者モンセラット・ラーヤ・アラルコンが対戦。



あと、那須川天心に敗れた与那覇元気が再起戦。
かつては世界スーパーフライ級上位ランカーだった反面、最近はSバンタムやフェザーでも闘うなどして、来日戦績1勝7敗というベテラン、ペッチバンボーンが相手です。






再起戦の相手としては、名前のある相手ではあります。頭に「昔の」がつきますが。
ただ、元々の階級で言えば与那覇が上ですが、最近は中嶋一輝や亀田京之介とも闘っているペッチバンボーンを、バンタムがベストと見える与那覇が倒すのは難しいかもしれません。まずはクリアに勝ちたいところです。


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苦いDAZN初戦でした プログレイス、2-1判定で防衛

2023-06-19 06:50:30 | 海外ボクシング



昨日はDAZNで、レジス・プログレイスのDAZN初戦がありまして、感想でも書くかと思っていました。
しかし、じっくり見ようという気にはなれない試合でした。簡単にいきます。


プログレイス、WBCタイトルを引っさげてのDAZN登場、相手も格下、豪快に倒してやろう、てなところだったのでしょう。
しかし、見るからにへっぴり腰の痩身ダニエリート・ソリージャに、いつもの感じで威圧して出たところ、初回右食ってダウン...したのですが、相手にしがみついて堪えたのを見てもらえたか、スリップの裁定。

一応倒したんだから、挑戦者ソリージャが次行くか、と思ったら、2回3分、ほとんど手を出さず、足だけ使って回っている。
そりゃ、ダメージ自体はさほど、なダウンではあったかもしれないが、右が当たったんだから、それを嫌がらせに見せるくらい、すればいいのに、と思うのですが。
案の定、ダメージの有無は確かめるまでもなく、3回にプログレイスが左を決めて、ソリージャダウン。
これもまた、芯食ったというわけではないが。


で、この後はプログレイスが逃げられて単調になり、ソリージャは逃げて、時々ポイントかすめ取ろうとして打ち、即座にクリンチ、という繰り返し。
試合終了、判定が割れてプログレイス。大差でプログレイス勝利ふたつと、小差でソリージャ、という、幅のある数字が出て、ソリージャはカメラ目線で被害者面。
プログレイスは喜びも中程、という感じでありました。


ひとこと、つまんない試合でした。DAZN初戦、怖さのない相手を選んでもらって、こんなこっちゃいかんですね。
統一戦やりたい、誰と彼と、とか言ってたらしいですけど、そんな記事を読もうという気にもならない、そんな試合でありました。




もうひとつ、海外ではティム・チューがWBO暫定、初防衛戦で初回KOしたそうです。
SNSで、一部始終とは言わずとも、概ね試合内容を見られてしまうのだろうなあ、と。
ていうか、この記事にも動画へのリンク貼ってありますね。
私はWOWOWでやるまで、一応待ちますが(笑)。


こちらは154ポンド級、4ベルト独占の「世界」スーパーウェルター級王者ジャーメル・チャーロとの対戦が、改めてセットされる「はず」です。
こういう試合の方をライブで見たかったなあ、と。


で、こちらのアンダーでは、先日、フルトンvs井上戦予想を語ったライース・アリームが、地元のサム・グッドマンに敗れたそうです。
試合内容についてほぼ記述がないのに「あっけなく」も何もないやろう、と呆れる適当記事ですが、敵地で接戦、割れて負けた、というところでしょうか。


この選手、いずれ井上尚弥と対戦するかも、と思って、動画を数試合分チェックしていたんですが、パワフルなパンチを打ちそうな身体付きのわりに、KO率は普通、という数字が示すとおり、いまいち鋭さがない、決め手に欠けるかなあ、という印象でした。
敵地で倒すなり、ダウン取るなり出来たら良かったんでしょうが、それが出来なかったのも、さもありなん、という気がします。



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決戦までひと月わずか 井上尚弥を様々に語る声

2023-06-17 15:58:22 | 井上尚弥



来月25日のスティーブン・フルトンvs井上尚弥戦まで40日を切り、両者のトレーニングも一番激しくなっている頃かと思います。
ボクシングビート誌にも、その辺を特集した記事がありました。
写真を見ても、身体がまた大きくなっている印象。というか、バンタム最後の2年くらいは、無理をして抑え込んでいた、ということかもしれません。


さて、勝敗予想についても、あちら方面からは色々、散発的に話題として上がってきます。
中には極端なご意見もあるようですが。
私は以前少し触れたように、基本井上有利と見ます。むしろ、この試合の注目点は、スティーブン・フルトンの真価が遂に問われる、というところにあるのではないか、と。


で、こちらはIBFのイリミネーションバウトに出るというライース・アリームの記事
ティモシー・ブラドリーなどは以前から井上支持派ですが、アリームも趣は違えど、同意見のようです。
フルトンの闘いぶりを、割と厳しい表現で斬っていますね。


対して、国内からは、井上尚弥から逃げずに、その挑戦を受けたのみならず、実際の試合でも王者の誇りを見せて大健闘した、田口良一へのインタビュー記事です。
お馴染み林壮一氏の記事で、NumberWebに掲載されているもの。






ある意味「被害者の声」でもありますか(笑)冗談はおいて、こちらは実際に対戦し、スパーも重ねた間柄、より説得力を感じます。
確かにフルトンとて、並々ならぬ意欲で臨む試合でしょうから、過去の試合からさらに数割増しで来る、と思いますが、それでもなお...まあ、実際どうなるか見ればわかるのですけど、本当の勝負、体格面での困難はフェザーからかな、という意見には、同感ですね。



こちらはスティーブン・フルトン本人。杉浦大介氏のリモートインタビューを受けたとのこと。
近々、記事が読めることでしょう。楽しみですね。
来日の日程は内緒だそうです(笑)。






最後に、井上のスパーリングパートナー来日。ジャフェスリー・ラミドだけじゃなくて、若くて階級も上の、戦績の良いのがふたり、さらに加わるんですね。
その中に、あの(あの、って何だ)ホルヘ・バカの甥がいる、へー、と思うのみならず、井上のタトゥーまで入れている、と。

叔父さんについては、昔、ロイド・ハニガンとの二試合...この頃から「メジャー」になりつつあった負傷判定での王座奪取と、再戦でのあっけない転落が思い出されます。
映像は某社のビデオで後日見たと思いますが、当時は、へー、へー、と思いながら専門誌の記事を読んだものです。
あれから35年以上の時を経て、あの選手の甥が、日本人ボクサーの名前を身体に彫るとは、さすがに想像もしませんでしたね。いやはや。



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戴冠試合を見るより先に テオフィモ・ロペス、WBO王座返上

2023-06-16 06:59:18 | 海外ボクシング


WOWOWさんがライブ配信を見送ったため、まだジョシュ・テイラーを破っての戴冠試合を見ていないのですが、新王者テオフィモ・ロペスが、WBOスーパーライト級王座を返上したとのことです。
本人が、WBOプレジデントのパコ・バルカセルにメールで連絡し、それをバルカセルが受け容れ、それに対してロペスが謝辞を述べている、というTweetです。








やれ報酬への不満だとか、トップランク社やESPNの解説陣に文句があるとか、離婚協議中だとか、挙げ句引退宣言とか、試合自体に負けないくらい賑々しいロペスの周辺ですが、報道を通じてより、本人の言葉を直接聞けば、それがボクサーの要求として妥当なものかもしれない、という想像はします。
しかし何しろ、こういうTweetなどを見ても、エゴや自己陶酔にしか受け取れないようなものばかりですね。


まあ、この手のボクサー、チャンピオンは昔からごまんといて、引退と言っても少し間を置いて撤回、結局ちょっとした休養やったね、でおしまいだったりするものですが。
もし本当に若くして引退し、二度と戻ってこないほど、俗に言う「第二の人生」を確立出来るのなら、それは素晴らしいことかもしれません。
しかし現実には、第二の人生を健康に過ごすことが大事だ、という言葉通りに生きた名選手がいた、とは聞いたことがないように思います。
ロッキー・マルシアノがそれに該当するかもしれませんが「若くして」とは言えないですし。
これが野球なら、サンディ・コーファックスのような事例がいくつかあるのでしょうが。



何しろ、テイラー戦を見る前からこれですから、色々な思いを通り越して、笑いが込み上げてくる感じです。
で、さらなる話題として来日希望と。スティーブン・フルトンvs井上尚弥戦を見たいのだそうで。

ジャーボンテイ・デービスなんかも同様の希望を語っていたらしいですが、残念ながら自宅におらないかんという禁を破って、放り込まれたって話で、ただでさえ「前」のせいで難しいのでは、と言われていた来日が完全に不可能となりました。
しかし他にも数名、来日希望の選手がいるらしいですね。リングサイドにタダで座らせろ、というのが本人とパートナーくらいならまだしも、しょうもない取り巻きとかも込みだったら、たいがいにせえよ、というだけの話です。

私はリングに上がって試合をしてくれるならともかく、ただ見に来てるだけの奴には特に興味もありません。
話題になるのはプラスかもしれませんが、日本においては、海外の有名ボクサーの影響など、たかが知れているのがほとんどでしょう。
タイソンやメイウェザー、パッキャオのレベルならまだしも、と。


で、テオフィモ・ロペスとてその範囲には、残念ながら入りません。しかも来日時は、というかもう無冠です。
本人は自分の偉大な業績をもって、引退してもセレブとして生きていく、みたいなことを言っているようで...まあ、健闘を祈る、としか言いようがありませんね(笑)。


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佐々木尽、Leminoとサポート選手契約 次戦はU-NEXT配信とも

2023-06-15 15:44:10 | 関東ボクシング

佐々木尽、LeminoBoxingと、サポート選手契約、とのことです。







先日はABEMAが、堤駿斗と契約した、という話がありましたが、こうして配信局が、特定有力窓口ジムの選手「のみ」を推す、という形ではなく、魅力ある、可能性を秘めた選手を「買う」話は、良い傾向だと思います。

出来ればもっと、首都圏以外からもピックアップされるようなことがあれば素晴らしいですが。
例えば岡山のユーリ阿久井政悟、沖縄の仲里周磨、大阪の下町俊貴など、各地域に「これは隅に置けん」選手はいるわけですし。
中でも阿久井については、本当に、なんで放っとくんや、誰かさっさと大金積んで囲ったらええのに、あほちゃうか(失礼)と、他人事ながら思うところです。勿体ない...。


それはさておき佐々木尽ですが、何しろ階級が階級ですし、と思うものの、スーパーライトに戻す可能性も含め、今日発売のボクシングビート特集記事でも、色々触れられています。
興味深い内容でしたので、皆様是非、ご一読を(と、突然回し者と化す)。
元々荒川仁人、チャールズ・ベラミー(チャーリー太田)、淵上誠など、重いクラスの選手を世界の舞台に挑ませることに積極的な八王子中屋ジム、佐々木については、それらの経験を踏まえた上で、さらに具体的な戦略を描いているようです。



で、そのビート、お昼休みにぱらぱらと見たのですが、佐々木の次戦、来月8日、八王子エスフォルタ・アリーナという会場で行われる星大翔戦、試合予定の一覧ページには、「U-NEXTにて配信」という記述あり。
え?と思ってU-NEXTのページで、ヘルプページのお知らせをチェックしてみましたが、まだ記載はありませんでした。
誤記でなければ、その一週間前のダイナミックグローブ(中川健太vs白石聖、永田丈晶vs飯村樹輝弥のダブルタイトルマッチ)に続いて、二週連続の配信となります。
ボクシングモバイルの試合予定にも表記がありますので、間違いなさそうですね。


ビートの記事には、「爆発的な攻撃力で人気を集める21歳の佐々木は大橋ジム主催興行への出場のほか、プロモーション、海外合宿などのサポートをLeminoから受ける。それ以外の興行に出てはいけないという縛りはない。」という記述がありますが、ちょっと驚きでもあります。
しかし、こういう縛りや柵を越えた話は、時代の要求でもありましょうし、なかなか良いことだ、と嬉しい気持ちにもなりますね。

TV局の窓口だったり、世界戦に選手を供給しているジムの所属だから、という理由だけで、色々不足ある段階の選手を、無理から次代のホープです、と無理押しされるたびに、心中もやもやしたものを溜め込む、という経験は、一定程度続けてボクシングを見てこられた皆様には必ずおありでしょうが(笑)もう、そういう適当さ、いい加減なお話が通じる時代でもご時世でもないのだ、と、ボクシング業界が気付き...或いは否応なしに気付かされたか、どちらにしても、悪い話じゃありません。
色々な側面から、佐々木尽の今後に注目、そして期待ですね。


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力による制圧 強打の高山涼深、技の川浦龍生をTKO

2023-06-14 05:43:51 | 関東ボクシング

ということで昨日はFODプレミアム、ライブ配信がありました。
楽しみにしていた試合でしたが、期待通りに、濃密な内容の試合が見られました。簡単に感想。



注目のメインはサウスポー対決ながら、対照的な両者の一戦。
強打の迫力は叔父、渡辺雄二譲りの高山涼深と、技巧の王者といえば歴代屈指、川島郭志会長の弟子、川浦龍生。
通じるのは、共に上昇期にある上位ランカーというところ。
世界への距離が近く、歴代王者の数も多いクラスで、中谷潤人や田中恒成に続き、世界を狙う次世代の旗手は、というテーマが見える試合でした。


川浦は三迫ジム移籍初戦。ボクシング自体は技巧と精度に賭けて闘う、という風。
スタートから高山が強打を振るって迫り、川浦もインサイドから正確に当てる。
早々から「詰めた」間合いでの攻防。高山は力まず手数を出しつつ、要所で強く打ち込む。

川浦は間が空くと右のジャブを正確に当てるが、高山はまた左ボディから強打。
川浦、左カウンターで迎え撃つ。しかし高山また前進。左クロス上、右ボディの、対角線のコンビを惜しまず繰り出す。


初回は力と技の均衡が保たれていたが、川浦のクリーンヒットは、高山の前進を食い止めるにはパワー不足か。
徐々に、力勝負の間合いになっていきそうな雰囲気。
このままいくとパワーにまさる高山が、より力を発揮していくだろう、川浦はジャブやカウンターが当たるからといって迎え撃ちにこだわらず、一度間合いを外し、相手の力をまともに受けずに闘う展開に変えないと、と思うところでした。


2回早々、川浦は右ジャブ当てていたが、高山のワンツー、左ストレートがクリーンヒット。
川浦、間合いが取れていると思ったところだったか、まともに打たれる。
川浦は右リードが出るが、高山がすぐボディから上、上からボディと打ち込んでくる。
ラスト、互いに左のヒット応酬。しかし威力で高山まさる。川浦、右瞼をカット。パンチによる。

3回、高山がボディに右ジャブを突く。左クロスで攻め込むが、川浦も左返す。
しかし高山、打たれても間を詰めて出る。圧力、馬力に差がある。
高山の左クロス、まともに入って川浦失速。高山、上下に強打を散らして追撃。
川浦打ち込まれ、出血で顔が朱に染まり始める。


この辺の高山の攻めは、強打は要所で狙い、それ以外は強振しない、というもの。
コンビも組み立てもなくラッシュする、という風ではない。
一発ずつしっかり狙っていて、威力も充分。
川浦からすれば、パンチ力のある相手に、しっかり構えられて、狙われるという、最悪の展開。
こうなる前にもっと、動いて外して、という流れを作れていれば...と思うところ。


4回、高山出て、左ストレート二発に右ボディを挟む。打ち合いでコンタクトがあり、川浦足元乱す。
高山、左右ボディを集めて追撃。左ストレート好打、そして手打ちの連打で追い立て、左ボディブロー。
これがさらに効いた。反撃の手が出せない川浦を見て、レフェリーが止めました。


終わって見ればパワーヒッターで、なおかつ連打も惜しまず出せて、組み立ても良い、という高山涼深の良さが出て、技巧派の川浦龍生を捉え、制圧した、という試合でした。
闘い方一つ、展開一つで、川浦には充分、高山に対抗し得る戦力があるか、と見ていましたし、そうだったかもしれませんが、実際の試合は、そのような想像を打ち砕くものになりました。



高山はこれで戦績がやっと6勝(5KO)と、試合数が少なく、今後相手のレベルがさらに上がったとき、長丁場でのペース配分などが課題になるかもしれません。
強打者らしく強引に攻められる反面、打ち方や狙いに無理がないので、それも杞憂に終わるかもしれませんが。

何しろ強打をしっかり狙えて、組み立ても見える闘いぶりは魅力です。
もう一回り大きく、スケールアップ出来たら、世界挑戦までは充分期待出来る素材だと思います。

次は元WBOアジア王者、村地翼との指名試合とのことですが、地域タイトルを捨てて日本王座を狙ってくる相手との試合、将来のことも見据えて、要注目ですね。




それにしてもFODプレミアムの「三迫枠」ダイヤモンドグローブは、あれこれ賑々しい作りの配信も多い中、随分地味というか簡素な作りで知られるところでしたが、昨日の配信には、改めて驚きというか。

基本、アンダーは実況解説なし、セミセミか、そのひとつ前くらいから実況解説がつく。
それは勝負の世界ですから、ひとつの形としてアリだと思いますが、さすがにメインにすら煽りVTRもなく、メインが終わったあと、KOシーンのリプレイ映像もないというのは...。
要は予算がない、或いは作り手に意欲がない、またはそこまで手をかけられない。いずれにせよ、それは何故かというと、良い数字が出ていないから、なのでしょう。


先の松本圭佑、佐川遼戦などもそうですし、昨日もメインは好カードでしたが、特に変わった広報もせずに、試合映像を流す「水路」が違っただけでは、さらなる展開など、あるわけもない。
確かに関東ローカル深夜録画、メイン中心、セミ以下はせいぜいダイジェスト、という状況よりは、全試合切り貼り無しで見られるし、全国どこでも見られるわけですが、その反面、作り手も興行者も、従来と変わったことをやろう、広い展開を作ろう、という発想はほとんどありません。
これではそのうち、CSで起こったのと同じことが...以下同文、ですね。


昨日のメインなど、第三者というか部外者というか、そういう人にも、見さえすれば刮目せざるを得ないような凄い試合だったのに、本当に...色々と「もったいない」なあ、と改めて思った次第、です。



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映像が見られない方が珍しい昨今ですが 石田匠、高山勝成共に勝利

2023-06-13 05:16:07 | 関西ボクシング



日曜は観戦に出かけられなかったので、京都と大阪であった試合を見ることはかなわず。
いずれもネットで動画配信がなく、今のところBoxingRaiseや、他のYouTubeチャンネルなどに動画も見当たりません。
最近ではこのようなパターンの方が逆に珍しいですが...いずれ、どこかで動画が(当然、公式のものが望ましいです)見られるように、と思う次第です。


石田匠は、WBA3位、4位対決によるバンタム級挑戦者決定戦で、ビクター・サンティリャンに2-1の判定勝ち。
こちらの記事によると、判定は割れたものの、石田が負傷をものともせず打ち勝った、という内容だった模様。
精神的な話が前に出ている記事でもあり、割り引いて見るべきかもしれませんが、会場で見た人によると、石田の勝ちで問題無い、とのことでもありました。

あとはWBAが、すんなり井上拓真への挑戦を公式に認めれば、世界挑戦が遠からず実現するはずです。
理屈で言えばそうなって当然で、承認料取ってやっている試合でもありましょうが、それでもWBA...に限らず、ボクシングの統括団体(マフィアみたいなものだ、と見下げる向きもありますが)のやることなんて、実際そうなるまで安心出来ん、というのが実際のところです。
また、大橋ジム側の「意向」も、よくわかりません。そんなもの関係ないやないか、と普通なら思うところなのですが、普通が普通で通らないこともあるのが、ボクシング界です。
何しろ、妙な話にならんよう願いたいものですが。はてさて。




高山勝成は、谷口将隆や重岡銀次朗相手に判定まで闘ったジョエル・リノと再起戦を行い、ダウンを喫したが8回判定勝ち。
こちらは、試合展開について詳細な記述を避けた?ような記事ばかりです。

邪推かもしれませんが、こういうときは大抵...だったりするもの、でもあります。
序盤のうちは好スタートでも、途中から失速があった、という感じなのかな、と想像しますが。
京都のKBSホールで行われた試合、実際に見た人は数百人かと思いますが、その人たちの実際の見方がどういうものだったのか、と思うところですね。


高山のコメントは、もうある意味、判で押したようなものです。悪い部分も前向きな言葉で表現して、それで押し切るという。
ある意味では、いかにも高山らしいし、このような心の構えだからこそ、ここまでの類例無き拳歴があったのだ、とも言えるのですが。

この辺りが変わっていない限り、彼の闘いはまだ続くことでしょう。
その是非、意見は様々にありましょうが、先日の野中悠樹同様、40歳で、最軽量級においてビジーファイターのボクシングを続けて、リングに上がっていること自体は、本当に凄いことだと思います。



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失われたものと足りないもの 野中悠樹、復帰戦即戴冠ならず

2023-06-12 05:20:02 | 関西ボクシング



土曜日の府立地下二部興行、配信の感想続きです。


昼の部、試合順でいうとセミファイナル、新設なった日本スーパーミドル級王座決定戦は、野中悠樹と帝尊康輝のサウスポー対決。
以前なら頭に「関西」がついたのですが、帝尊が一力ジムに移籍しているとのことで、これはなし。
共に関西重量級の貴重なタレントで、新旧対決でもありました。
闘う階級がスーパーミドル級というのが、意外な成り行きではありますが。


序盤、野中は足使って右ジャブをボディへ突くスタート。
スピード生かして左を決め、クリーンヒットでダメージ与え、なんならダウンも奪って先行し、そのリード、優勢を元手に、フットワーカーとして試合を良い回りに持っていく、というのが全盛期によく見た、野中の勝ちパターン。

しかし年齢も45になり、元の階級から二階級上、そして直近の試合でもTKO負けを喫しているという状況は、執念のフットワーカー、野中から、そのような試合展開を作る力を失わせていたようでした。
序盤のうちから、野中の足があまり動かないなあ、と見える。かつてのフットワーカーと同じボクシングを求めるのは無理だ、とわかっていても、やはり。


対する帝尊康輝はあまり動かず、右ジャブから当てて行く。野中は左ボディにも手を伸ばすが、帝尊ジャブから左へ繋げる。
3回、野中の左カウンター、この試合随一のクリーンヒット。しかし帝尊動じず。左当て返す。

こちらも恵まれた体躯、パンチ力、サウスポーという優位性がありながら、若手の頃から体力、スタミナに難があり、新人王戦を戦い終えても、その辺り、鍛え込まれて仕上がっていく印象があまり持てなかった選手。
それはこの日の試合ぶりでも半々で、以前よりは良いが、序盤のうちから、緩急や攻防の切れ味はあまり感じない。
しかし、右リードがけっこう出るようになっていて、慌てず当てて行き、後続打もある。
確かに、もっと打てるだろうという歯がゆさは若干あれど、以前よりは良い、と見えました。



中盤、野中も動いて左のヒットを取るが、帝尊はアッパーやフック気味の軌道のものも含めて、左を再三当てて、プレスかけて攻めていく。
けっしてハードヒッターではない野中、帝尊にパワー負けしている。元々階級も違い、無理からぬところ。

7回、左当て合うが、帝尊が優勢。野中、足使って回り込んで、左当てるが、帝尊は肩越しに左決めて、ボディにも攻撃していく。
野中が二発当てていても、帝尊の一発の方が印象的。さらに帝尊、右ジャブ当てて、左の追撃へ繋げる。
8回は身体寄せた間合いから、帝尊が肩越しの左、右フック返しを際どく飛ばす。野中、危ないところへ追い込まれている。

最終回、野中が奮起して左ストレート、クロスを連発。果敢に攻めきって、この回は取るが、挽回及ばず、という絵。
判定は3-0で帝尊でした。



やはり、上記したような野中悠樹の現状は、かつての先行逃げ切りパターンで、日本上位や世界ランカーを破ってきたフットワーカーとしての技量力量が失われている、と言わざるを得ないものでした。
体格、パワーで勝り、歳も若い帝尊康輝相手に、パンチャー寄り、ヒットの有効性を競う方向に若干傾いた展開で闘う苦しさが、試合全般に渡って、つぶさに見えてしまったように思います。

もちろん、45歳でありながら、タイトルマッチでこれだけの試合が出来ることは、本当に凄いし、感嘆します。
しかし、それを殊更に言い、称えねばならないのだとしたら...すでにボクサー野中悠樹の存在意義そのものが揺らいでいるが故だ、とも思います。

本人の試合後のコメントは、飽くなき闘志で追い求める「世界」を、ひとつの基準として語られたものでした。
ならば、と傍目には思うところですが。




新王者となった帝尊康輝ですが、以前よりはスタミナの不安など、あからさまな不足は見えなかったし、移籍して初のタイトル獲得は、この一戦に賭けていたであろう彼にとり、歓喜の瞬間だったこともよくわかりました。
試合運びは割と落ち着いていたし、丁寧に右リードを当てることで圧力をかけ、様々な「測定」も出来、という利点を得ての闘いぶりは、良いものだったと思います。

しかし、タイトル自体の存在意義や是非は置くとして、タイトルホルダーとして見れば、やはり天与の体躯、パワーをもっと発揮してほしいし、そうでなければいかん、とも思います。
大ベテラン野中の偉大をわかった上で、それでも、もっと激しい形での新旧交代を目指して、闘って欲しかったなあ、と。
実際にそれがかなうかどうかは別にして、ですが。そういう面では不足を感じた次第、です。





メイン、と言っていいのかどうかはともかくも、ヘビー級の但馬ミツロは、ルイス・マリンという選手に初の判定勝ちでした。
スピードもセンスも随所に出ていて、左フックのカウンターやリターンパンチは、階級どうこう以前に鮮やかなものが何度も見られました。

とはいえ、相手については...35歳で、戦績がどうで、という以前に、体格こそ立派ながら、但馬の同じパターンのリターンを、何度も繰り返してもらい続け、何の対応も出来ない一点だけ見ても、ボクサーとしての作り、という観点で言えば、あまりに大きな欠落がある相手でした。
しかしながら、あの体格と、打ち返そうという気がある、という二点がありさえすれば、但馬にとって、思うようには闘えない試合になってしまう。

でも、こういう試合から始めて、まずは数を積み重ねていかねばならない。
前回までは、ボクサーとしての耐性がそもそも無い、足りない相手だったが、今回は少なくともそれがある相手との試合だった、ということなのでしょう。
こういう試合があとどれくらいの数、必要なのかは不明ですが、但馬ミツロの、ヘビー級ボクサーとしての「現在地」が、はっきり見え(してまっ)た試合だったかな、という印象でした。




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世界への第一歩としては上々 力石政法、元上位ランカーをボディでKO

2023-06-11 01:00:04 | 関西ボクシング



昨日は府立地下の昼夜二部興行を、両方ともABEMAが無料でライブ配信してくれました。
全部で18試合あったとのことですが、さすがに全部TVやタブレットの前に張り付いて見るわけにもいかず、かいつまんで見ることになりました。

アーカイブ見るにはプレミアム会員になる必要がありますが、この画質ではなあ...と二の足を踏むところです。
タブレットで見る分には大丈夫なんですが。



とりあえず夜の部メイン、簡単に感想です。
力石政法は、元世界2位リカルド・ヌーネスを3回、左ボディのカウンターで効かせ、追撃...は半ば蛇足だったか、もう一発左ボディ入れてのKO勝ち。

かつて強打の挑戦者として鳴らし、ジャーボンテイ・デービスへの挑戦試合でも、倒されるまでは鋭いパンチで迫っていたヌーネスですが、最近は負けが込んでいるようで、今どんな感じかな、と思っていました。
しかし立ち上がり、右を叩きつけて牽制し、強打と圧力で、リング上に緊迫の空気を広げました。

力石、かつて対戦した坂晃典や木村吉光、フレディ・フォンセカ以上の強敵、と言える相手に対し、さすがに圧されて下がる場面がありましたが、それでも2回、左カウンターを決め、ヌーネスの腰が落ちかける。
さらに左ボディアッパーを突き刺し、上への左アッパーで脅かし、返しの右フック。
ヌーネスも引かずに出て、打ち合いになる場面も。


日本、東洋のレベルで抜きん出ていても、世界となるとまた一段違う、と言わざるを得ないスーパーフェザー級において、力石が踏み出す世界への第一歩としては充分な相手、そして試合になりそう、と思っていたら、決着は思った以上に早かった。
3回、ヌーネスの右パンチの下を通った、力石の左ボディアッパーは、ヌーネスがパンチを受ける体勢、腹筋を締めるタイミングを外して入り、甚大なダメージを与えました。
力石、追撃しましたが、不要だったかもしれません。ヌーネス立てず、そのままカウントアウトとなりました。


もちろん世界へ駆け上がる途上にあった頃の鋭さ、怖さが完全に生きていたとは言えないにせよ、なかなかの馬力を維持している、と見えたヌーネスでしたが、力石は際どい展開もあったにせよ、怯まず怖いタイミングでも打ち込みに行きました。その姿勢が勝利を呼び込んだ、と言えそうです。
欲を言えば、往年の内山高志のように、リードパンチでしっかり突き放してから叩く、くらいのことを、このレベルの相手にしっかり出来ないと、この階級で世界タイトル挑戦に太鼓判、とはとても言えないでしょうが、日本や東洋の枠を越える第一歩、として見れば、充分な試合、勝利だったと思います。


ところで、リングサイドには兄、矢吹正道の姿もありました。弟の勝利もあって、笑顔も見えました。
ちょっと安心しました。辛いところでしょうが、焦らずケガを治して、頑張ってほしいものです。



第一部の感想は、また後日。色々思うところがないこともない試合について、簡単に感想書きたいと思っています。
今日はまた、DAZNの英米ライブ配信二本立てがありまして、これまた大変です。メイン中心に見ると思いますが。

あと、関係ないですがサッカーのチャンピオンズ、決勝もあるんですよね。サッカーについて、毎年これだけは見よう、と思っている試合、というか「行事」です。
そして、これまた関係ないですがMotoGPも(笑)。
まともに全部、生中継にかじりついてたら、体調がガタガタになりますんで、録画や追っかけ再生を駆使して、なんとかついて行こう、と。


...しかし、もしこれでテイラー、ロペス戦のライブ配信があったら、とてもじゃないが一日で消化するのは無理でしたね。
なくてさいわいだったかもしれません(笑)。
ちなみにWOWOWでは、来月上旬に録画放送される模様。まあ、何ごともほどほどが良いのかも、です。



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