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穴にハマったアリスたち

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スマイルプリキュア! 第42話「守りぬけ!なおと家族のたいせつな絆!!」

2012年12月09日 | スマイルプリキュア!感想
先週の感想が書けてないですが、ひとまず今週分。

■スマイルプリキュア! 第42話「守りぬけ!なおと家族のたいせつな絆!!」

緑川さん家に第7子が生まれることになりました。
近頃では珍しい大家族です。
プリキュアさんの弟妹数の平均を、たった一人で上げまくっておられる。



これだけ沢山弟妹がいると、長姉にはかなりの負担がありそうなもの。
でも緑川さんは溌剌と頑張っておられます。
たまにプリキュア仲間の間では幼く見えるは、その反動もあるかと思われますが、可愛い範囲です。
これが弟妹ではなく姉が6人だった日には、酷く歪んだ性格になりそう…。
今一瞬「レモネ」とかいう単語が脳裏に浮かびましたが、すぐに忘れよう。

さてお留守番を任された緑川さん。
いつものように張り切りますが、ふと目を離したときに、弟妹ふたりが外に出てしまいました。
しかもマジョリーナさんの人質になってしまいました。



魔女さん:
 「今日こそ倒してやるだわさ、キュアマー…」

歴代のプリキュアさんたちならば、この時点で殴りかかり、人質作戦がいかに愚かであるか、相手を教育するところでした。
プリキュアさんに会話なんて通用しないのです。
だけど賢明なる魔女さんは、ちゃんとその対策もされていた。



緑川さん:
 「………」

弟妹の前で変身…。
今まではお友達と一緒にわいわいきゃーきゃーやってたので感覚麻痺してましたが、家族の前であのコスプレとか。
思わず動きが止まってしまう。大ピンチ。

だけど弟妹思いの緑川さん。
即座に恥を振りきりました。迷っていても、先に進めない。
ならば宜しい。見たくば見せようこのコスプレ姿。弟よ妹よ、姉の雄姿を目に焼き付けるがいい。



この瞬間、姉・緑川なおは、伝説の戦士・プリキュアとしてクラスチェンジされました。

緑川さんが変身初回で悩んでいた「家族はいつかバラバラになる」問題。
これは避けようがないし、避ければいいってものでもない。
子供はやがて大人になり、社会に出て、自分たちの家庭や人生を歩んでいく。

特に緑川さんは長姉です。
年齢順で言えば、最初に「家族をバラバラにする」のは、他ならぬ緑川さん自身。
「いつかはバラバラになる」なんて受け身な発想ではなく、「自分が最初にバラバラにする」くらいの覚悟を要求されます。

緑川さんのまとめ回としては、ここは不可避のはず。
とはいえ女子中学生様の緑川さん、就職や一人暮らしさせるわけにはいかないだろうから、どう描写するのかと思ってたら…。
なるほど、家族の目の前で「変身」か。確かにヒロイン様の「変身」には、大人への成長の意味合いもあるし納得。

一度その道を踏みだしたら、もう以前のメルヘンには戻れない。
だけど家族を守るために、緑川さん改めキュアマーチさんは戦う。
そしてその姿を見て、二女と長男も立ち上がる。



以前は絶望していた彼と彼女が、今度は立ち向かったのは美しすぎる展開。
ここでマーチさんが敗北し、二女さんが新プリキュアとして戦い始めても、受け入れてしまいそうなくらい。

確かにプリキュアになったことで、緑川さんは家族からちょっと離れてしまった。
恥ずかしいコスプレも見られたし。
でもそのおかげで、家族もまた、次のステージに進めた。
それによって、今度は緑川さん自身も励まされる。
メルヘンと現実の相互フィードバック。



マーチさん:
 「プリキュア・マーチシュート・インパクト…!」

謎の新技を繰り出し獅子奮迅。
だけど魔女さんも奮戦。
結果、流れ弾が弟妹の方に。

その危機を救ったのは、麗しきプリキュア仲間たちでした。



ここはちょっと特筆したい。
緑川さん単体では、この危機は乗り越えられなかった。
もしも1年前に同じ状況に陥っていたら、(仮にその時に現在と同等のマーチ能力を保有していても)守り切れていません。
プリキュア(仕事)を始めたことで、緑川さんは家族と離れ、バラバラになった。
だけどプリキュア(仕事)を始めたことで知り合った人たちの存在で、家族を守れている。

星空さん視点でいえば、1年前の彼女にとっては、緑川弟妹はその辺でうずくまってる絶望男女でしかありません。
ジャングルの動物やアリとおんなじ。メルヘンだの大事な家族だの言われても、ちょっとリアクションに困る。
う、うん。あたしもテントウムシ好きだよ…?

でも今の星空さんにとっては違う。
緑川さんの大事なメルヘン(家族)は、星空さんにとっても大切なメルヘンになった。
そこから更に広がる相互フィードバック。美しすぎる。まさしく現実もかくあって欲しいと思う。



その後。第7子も無事に生まれました。
懸念された正体バレは「夢を見てた」として処理されました。
真実は風の彼方ですが、個人的には弟妹たちの優しさで、本当は覚えているけれど伏せたんだと思いたい。
事情はよく分からんが、バレるの嫌がってたみたいだし。実姉のコスプレとか、なかなかえげつないし。
こうして弟妹たちも、一つ大人になりました。


(左画像)
スマイルプリキュア DXガールズフィギュア ~キュアピース&キュアマーチ 全2種セット

(右画像)
スマイルプリキュア! キュアマーチクッションカバー


「7人弟妹」「毒りんご」と来たので、「白雪姫」と関係があるんだろうかとか、あれじゃあ他の4人もお伽噺モチーフがあったのかとか悩んだけど、終わってみれば全然関係なかった…のかな。
強いて考えれば、森で7人の小人と楽しく暮らしていた白雪姫は、外界の影響で外に世界に行くようになるのだから、そんなに外れてはいない…かもしれない。

【今週の星】

この世界ではプリキュアさんの存在は認知されていると思われます。
問題は数や名前。スマイルチームが5人で、「キュアマーチ」はその一人と認識されてるんでしょうか。
私らも、消防官や警察官の存在は認識してても、個人名やメンバー数までは意識しないものなぁ…。

もしもマーチさんが5人のメンバーの一人として認識されてるとしたら。
常識的な推察力があれば、マーチさんが出現した時期と、その頃から出来た友だちの存在などから、「たまに家に遊びに来るお姉さんたち」もプリキュアだろうと予想できるはず。
あの顔面に座布団ぶつけられて悶絶してるお姉さんも、コスプレして戦ったりしてるかもしれないのです…!
もう星空さんのことを、普通の目では見られない。

【今週の緑】



マジョリーナさんがこの子に目をつけたのは、彼女がこっそりと外に出る前。
何が一体魔女さんの興味を引いたんだろう…。
「男の子よりも女の子の方が御しやすい」「末っ子は幼すぎて会話が成立しなさそう」「上の妹は迂闊に刺激すると新プリキュアになりかねない」とかそんなあたりでしょうか。
魔女さんはああ見えて、意外と思考を巡らせてる。

【今週の緑2】

家族を失ったと思った時の緑川さんの心境は、後の語りによれば「怖かった」。
これはとてもリアルだと思う。
「哀しい」や「辛い」ではなく「怖い」。
「お化けが怖い」とは根本から異なる足元から崩れていくような「怖い」。
この怖さはなかなか表現できない。

【今週の緑3】

末っ子の名前は「ゆい(結?)」さんだそうです。
台無しなことを書きますが、大家族の末っ子が「結」なのは、無駄に生々しいです。
「子供はこれで最後」的意味合いが、どうしても出ます…。(「トメ(留)」さんとか「マツ(末)」さんと同様)

「人との絆を結ぶように」というのは、テーマ的にぴったりだとは思いますけれど。

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スマイルプリキュア! 第40話「熱血!あかねの宝さがし人生!!」

2012年11月25日 | スマイルプリキュア!感想
【今秋のプリキュアさん】



おそらく最後と思われる特殊OP。
謎のメルヘン生物との触れ合いから、戦闘、多段変身まで。
最後の最後で、綺麗に全体をまとめた構成にしてきました。
もはや映画館に行かずとも展開が伝わります。
早く行かないから、全部見せちゃったよ感が…。

■スマイルプリキュア! 第40話「熱血!あかねの宝さがし人生!!」

プリキュアさんとバッドエンドの死闘が始まって早1年。
当初バッドエンドサイドの圧勝かと思われた戦争も、蓋を開けてみれば連戦連敗。
特にここ最近の行動には目にあまるものがあります。
幼児化して遊ぶだの、ロボ戦だの、女装してお芝居だの…。
そろそろいい加減、ピエーロ様の我慢も限界に近づいてきました。
怠惰を信条にしてるからって、いつまでものんびり構えてもらえると思ったら大間違いだ。

ジョーカーさん:
 「ピエーロ様もお怒りですよ」
オオカミさん:
 「いや、ていうかピエーロ様ってなんなんだ」

さらりとオオカミさんから疑問が漏れる。
どうやら彼らも、ピエーロ様のことをよく分かっていなかったらしい。
まぁ怠惰に寝てるのを是とする上司なんて、理解しようもないし…。

ジョーカーさんが言うには、オオカミさんらは辛い昔の状態から抜け出すために戦っている御様子。
お伽噺の悪役たる彼らには色々と溜まってるものもあったのでしょう。
実際、「そして赤ずきんはオオカミさんと仲良く暮らしましたとさ」とはなりようがないですし。
「オオカミは野蛮だから物語に登場させるな」というのが酷いように、「オオカミがカワイソウだから退治するな」も酷い話。
とはいえ、やられ役としては辛いところもあるわけで。



ターゲットを一人選べ。
ジョーカーさんの言葉に、ウルフさんが選んだのはサニーさん。
先日の総力戦での敗北を根に持っておられたようです。地味に熱い。

一方その頃、平和に平和を満喫する女子中学生たちは、呑気に課題とかやってました。
お題は「宝物」。
日野さんも頭を転がします。バレー、お好み焼き、男、etcetc。



そんな折、ちょうど試合が近かった日野さんのために、星空さんらから手縫いのお守りがおくられました。
傷まみれ血まみれの星空さんのお手々が大変に可愛いです。もはや悪意がなければ誤刺できないようなところにまで、傷を作っておられる。
大丈夫かな、この子…。どこか病んでて、刺すのが楽しくなっちゃったりしてないかな…。

このタイミングでこんなものを貰ったら一択です。日野さんは「宝物」に、このお守りを選ぶことにしました。
星空さん達も微妙に渡しづらかったろうに。まるで選んでくれと言ってるようなものです。
別に課題と関係なく、前々から用意してたのにな…。

しかしてそこに襲来するオオカミさん。
今回のターゲットは日野さんただ一人。単独行動してたところを狙い撃ち。
使用したアカンベェも対サニー初めての戦いのときと同じもの、という徹底ぶり。

初陣を想起する戦いの中、奮闘虚しく、サニーさんは敗北。
どれくらいのレベルの敗北かというと、



「必ずガードはする」が信条のプリキュアさんなのに、あからさまに直撃食らってるくらいの敗北。
スタントマンの方、超頑張った。
何気に「スマイル」さんは、他シリーズよりも過酷な芝居を要求されてる。



そして「宝物」にしようと思ってたお守りも壊されてしまいました。
努力したからといって、目標を達成できるとは限らない。
現実はメルヘンのようには行かないのです。

オオカミさん:
 「…次はキュアハッピーだ」

ハッピーさんは2番目なのね…。
何かこう、喰い散らかすかのような邪な印象がわく台詞だ。。
この言葉にサニーさんも超反応。

守りたかった「宝物」は何なのか。
物理的にはお守りですが、本質的にはお守りそのものじゃない。
単なる布と綿の不格好な集合体に過ぎないお守りに価値があるのは、それを作ってくれたのが星空さんらだから。

バレーだって単にボールを打ち合ってるだけです。
お好み焼きも炭水化物の変形に過ぎない。
ブライアンの手紙に至っては、ろくに読めもしないミミズがのたくってる絵ですよ。

そんなしょうもないモノに価値があるのは、それらに関係している人々がいるから。
例えバレーの試合に負けたとしても、皆でバレーに参加してた時間は事実。
勝つことが目的でバレーが好きなのではなく、関係性が好きだからバレーも好き。
思えば日野さんが好きだと言っていた事柄は、ことごとく他者が関係してます。
一人で閉じこもって絵を描いてた美翔さんとは分かりあえなさそうだ。



ここに来て新技炸裂。
残りの4人(ハッピーさんは前回のとすると、3人)も同じ展開なんでしょうか。
最後のメイン回で新技…というのは、色々と深読めそうで面白そう。

「お守り」そのものに価値があるのではなく、それを提供してくれている存在に価値がある。
そしてそれらに価値を見出すからこそ、「お守り」にも価値がある。
宗教学の大原則たる「『神がいるから信じる』ではなく『信じるから神がいる』」にも通じる事柄です。

「努力しても勝てないこともある」による絶望から始まった日野さんのお話。
確かに完勝はできなかったけれど(お守りは破壊されてる)、本当に守るべき一線はちゃんと守れた。
バレーの試合に負けたとしても、それ自体は真の勝敗じゃない。

第2話の時点では他者との関係性は描きようもなかったので、「努力したことそれ自体は無駄じゃない」と個人の内面にフォーカスが当たってた、と思う。
そこに「応援してくれる人たちの思い」も加わりました。
同様に、応援を受けて戦う日野さんの姿は、応援する星空さん達の力にもなってるはず。
素晴らしき循環。
この1年の時間を使って、綺麗に昇華してまとまったように思います。


(左画像)
スマイルプリキュア! DXガールズフィギュア キュアハッピー&キュアサニー バンプレスト(全2種フルセット)

(右画像)
スマイルプリキュア! キュアサニークッションカバー


【今週の茜】



いろいろあってOPにたどり着いた。

スマイルさんは過去から未来(つまり現在)を目指すお話なのだぁと思ってみる。
「シンデレラ」のお話が、読み終える前から結末は決まっているように、「スマイル」さんも結末は決まってる予定調和。
でもその予定調和にたどり着くためには、皆の必死の戦いがある。

【今週の星】



今週の星空さんは、正攻法でエロいです。なんだこの可愛い生き物。

【今週のプリキュアさん】

今現在、プリキュアオンリーイベント・レインボーフレーバー開催中。
お暇な方は行ってみよう。お暇でない方も行ってみよう。

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スマイルプリキュア! 第39話「どうなっちゃうの!?みゆきのはちゃめちゃシンデレラ!!」

2012年11月18日 | スマイルプリキュア!感想
【今週のプリキュアさん】



恐怖の「早く見に行かないと全部見せちゃうよ」月間も最終編。
行かなかったから全部見せちゃったとばかりに、全公開されました。
通常OPを模した私服シーンを、あえて違う場面に持ってくるとは、細かいところで熱い真似を…。

■スマイルプリキュア! 第39話「どうなっちゃうの!?みゆきのはちゃめちゃシンデレラ!!」

本日もまた、星空さんは図書館を徘徊なされてました。
頭の弱い系プリキュアにしては珍しく、本の虫の子です。
うろうろと物色してると、落ちてる1冊の本を発見。

表紙にメルヘンランドの紋章がついてる謎本でしたが、そんなものはガン無視して開いてみたところ。
中には超リアルなガラスの靴が。思わず触れてみたら、本の中に吸い込まれてしまいました。
メルヘンランドの放つデストラップに、いたいけな文学少女がまた一人犠牲に…。



星空さん:
 「ここはシンデレラの世界…」
 「あたしの役目は、シンデレラなのね」

聡明なる星空さんが状況に適応したころ。
外に残されたキャンディさんらも、ポップ兄さんから情報を得ていました。
曰く、「始まりのシンデレラ」なる本で、全ての「シンデレラ」の元になってるとか。

もしもその本がバッドエンドになると、大変なことになってしまうそうです。
なるほど。で、開いた途端に人さまを拉致したのは何故ですか?黙秘ですか、そうですか。
ではそんな大事な本が流出した原因は?それも黙秘ですか、そうですか。

同時刻、バッドエンドの方々も本件を察知。早速バッドエンドにするべく押し掛けることに。
本を破壊して「シンデレラ」を消滅させる、ではなく「バッドエンドにする」なあたり、彼らのモットーが伺えます。
それらに対抗するべく、スマイルさん達も「シンデレラ」の世界へ。



乱入したバッドエンドさん達は、姉&母として星空さんをいびります。
が、それはそもそもの物語通り。星空さん的には待ってました的展開です。
星空さん…。変なプレイとかにハマりそうで心配だ…。

バッドエンドさんのおかげで物語は順調に進み、ミノムシの助けで念願の舞踏会へ。
途中で馬車を壊されてしまいましたが、そこからは裸足でダッシュ。エリさま活動大写真。
駆けこんだ御城には、青木さん扮する王子様が。



問答無用で納得する星空さん。
星空さんは素敵な異性を夢見て「シンデレラ」好きなのではないらしい。
もしくは青木さんが問答無用すぎるのか。



楽しい時間はやがて終わり…というか終わりにするため、24時前に御城を出ることに。
そこに再来するバッドエンドさん達。ガラスの靴をアカンベェに変え、全速で逃げさせます。
これでお話は終わらない。シンデレラは舞踏会から帰ることができず、末長くお城で幸せに暮らしましたとさ。



ハッピーさん:
 「みんなの大好きなシンデレラを」
 「バッドエンドにしちゃダメなんだから!」

それを阻止すべく、星空さんは果敢に単独変身。
残りの4名の方はパクトを忘れてきたとかで変身できませんでした。
あの玩具、物理的に携帯してるものだったのか。
いつもどこからともなく取り出してたから、普段は異次元空間にでも収容されてるのかと。
それなりにデカいと思うのですが、どうやって隠し持ってるんだろう…。



単独名乗り&単独プリンセス&単独技。
だけどここまでこれたのは、他の皆さまの力があったからこそです。
そして「シンデレラ」という物語の力。
「シンデレラ」があったからこそ、星空さんは戦える。
「シンデレラ」を完成させるために。

虚構にしか過ぎないメルヘンは、やっぱり虚構でしかないのだけど、影響を受けた星空さんに現に変化を与えてる。
その星空さんにより、「シンデレラ」もまた影響を受ける。
星空さん達以外に「シンデレラ」のキャラクターがいないのが、何とも良い演出。
メルヘンを作るのは他ならぬ自分たちとも読めるし、メルヘンは特定の人物ではなく世界そのものだともとれる。
さすがの星空さんメイン回です。

こうして星空さんにより「シンデレラ」は守られました。

兄さん:
 「…大筋はあってるでござるが、少しお話が変わってしまったでござるな」
 「大丈夫でござろうか」
キャンディ:
 「大丈夫クル」
 「もっともっと楽しい『シンデレラ』のお話になったクル!」



世界は改変されました。だけどそれで何が困るのだろうか。
「シンデレラ」の基本ストーリーは決まってて、登場人物は全員それを知ってて、いわば予定調和なのだけど、そこに至るまでには紆余曲折と苦労と努力と感謝がある。
「スマイル」さんを象徴する大変に素敵な回でした。


(左画像)
スマイルプリキュア! DXガールズフィギュア ~キュアハッピー&キュアビューティー~ 全2種セット

(右画像)
スマイルプリキュア! ボーカルアルバム2


どうして星空さんがあの本を拾ったのか。
「シンデレラ」を愛するプリキュアさんの存在に、「シンデレラ」の謎生物的何かが会いに来たかったから、と思い込んでみる。
お互いに影響しあうというテーマとも一致すると思うんだ。

「シンデレラ」を「プリキュア」に、星空さんを視聴者に置き換えると、胸が熱くなります。
制作者の皆さまの熱意が伝わってくるようだ。
人にとってメルヘンは必要だけど、メルヘンにとっても人が必要。お互いに感謝しあえる関係って、良いな。

【今週の青】



青木さん:
 「誰も、来ません」

このお方の台詞はことごとくが名言で困る。

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スマイルプリキュア! 第38話「ハッスルなお!プリキュアがコドモニナ~ル!?」

2012年11月11日 | スマイルプリキュア!感想
【今秋のプリキュアさん】

今年の映画は初のランキング1位を獲得されたそうで。おめでたい。



今まで取っていなかったのが不思議と言えば不思議。これでまた一つ肩書が増えました。
累計動員数も夢の1000万人突破確実とか。
この勢いで来年も再来年も続いてくれると嬉しいのですが…。

「シネマトゥデイ」さんより引用
 先月27日より公開されている『映画 スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!』は9日までに観客動員数41万5,500人を記録。これでシリーズ累計動員数は960万人となり、今月中の1,000万人突破は確実に。これを記念して、10日にはワーナー・マイカル・シネマズ浦和美園にてイベントが行われた。

 これまでのシリーズで最高の動員数を記録したのは2010年に公開された『映画 プリキュアオールスターズDX(デラックス)2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!』で100万人。近作でもコンスタントに80万~95万人を動員しており、現在公開中の『映画 スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!』はシリーズ初の週末興行ランキング1位に輝いたことも話題になった。
[引用終]


…『近作でもコンスタントに80万~95万人を動員しており』

ごめんなさい。美翔さんのせいで「毎回70万人以上を動員しており」とか書けなくてごめんなさい。
もう気になさらず「※ただしSplashStarは除く」とか書いてくださればいいですから。
なんならいっそ知らん顔して黙殺してくれても。ああもう肩身が狭いですね美翔さん…!

それはそれとして。高らかにCMも変更。



改めておめでたい。

■スマイルプリキュア! 第38話「ハッスルなお!プリキュアがコドモニナ~ル!?」

とある長閑な昼下がり。
今日も公園で遊んでいた星空さん達は、突如空から降ってきた謎の液体により、幼女化してしまいました。
恐るべき超兵器による恐るべき不意打ちです。ぶちまけられたのが濃硫酸とかじゃなくて良かった。



例によって理屈は分かりませんが、やらかしたのがバッドエンドの方々であろうことは分かる。
元に戻るには、奴らを探して殴り倒すしかありません。
まぁお子様になったところで戦闘不能になるわけでもありませんし。
テレビの前のお友達だって、いざとなればプリキュアさんになって戦えます。
物理的にリーチ半減するので、そういう面では効果はありそうですが…。

そこで探索の旅に出てみましたが、そこは哀しいお子様。つい寄り道して遊びにふけってしまいました。
まぁ仕方がないです。もう戻らないと思っていた、あの若かりし日に戻ったのです。
しばしの幸せに我を忘れても誰も責めはすまい。ねぇ、水無月先輩に月影先輩。

そこにバッドエンドの方々の方からやってきた。
彼らも幼児化して。何があった。

察するに彼らもまた同じ薬品にやられたのでしょう。
だから化学兵器は危険なんだ。
さりげなくバイオハザードしておられる。

すわ戦闘かと思われましたが、一同は無意味に打ち解けて一緒に遊ぶことに。
なんてことだ。肉体だけでなく、精神面まで残念な退行をしてしまってた。
先日の映画でも幼女化されてましたが、舞台挨拶では「普段から幼いのに幼児の時なんてどんな演技をしたらいいか迷った…」とのこと。
普段から5歳児な星空さん、本当に5歳児になったら救いようのないことに。
映画の5歳児星空さんは、聡明そうに見えたのにな…。なんだかんだで致命的なことやらかしてたし、やっぱダメなのか…。



とはいえ、戦闘が収まったのならそれ自体は良いこと。
もはやバッドエンドと戦って、殴り倒して「グッド!」とか喜ぶ必要もない。
難しいことを考える必要もなく、こうして無邪気に遊んでいられるのなら、それが一番です。

皆を引率する役回りを引き受けてた緑川さんも、ふと思う。
この楽しい時間はいつかは終わる。子供はいつまでも子供のままではいられません。
ていうか子供のままでいられても困るし。

だけど大人になったからといって、この楽しいメルヘン時間がなくなってしまうわけじゃない。
戻ろうと思えば戻れるんです。メルヘンを終わらせるのは自分だけど、始めるのもまた自分。
どちらかを全否定するのではなく、その切り替えができてこそ、大人なのかもしれない。

そこにやってくる諸悪の原因たる魔女さん。
ちなみに魔女さん自身は今回の騒動の全容を把握できておらず、プリキュアさんが巻き込まれていることすら後々から知りました。
もしも職務熱心な警察官さんが、魔女さんにお孫さん(?)の世間話を振らなかったら、このまま星空さんのやり直し人生第2章が始まるところでした。

一方の星空さん達も、影で自分たちを見守ってくれていた警察官さんの存在を知りません。
中学生の星空さんたちは5歳児と比べれば大人だけど、やっぱり誰かに守られてることは変わらない。
これは中学生から大人になったとしても同様。世界は一人で成り立たせられるわけじゃない。今回一番印象的だったのかはここかも。



見守られていたことには気づかぬまま、星空さん達は星空さん達で頑張ります。
お子様にはお子様の戦いがある。
「楽しいメルヘンな子供時代」と「そこから卒業した自分」の二分ではなく、個々のフェーズの境目はもっと優しいもので、もっと複雑なんだろうな、きっと。



当初から緑川さんが抱えていた「いつかは家族がバラバラになる」問題の返答も示されたように思う。


(左画像)
映画スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ! オリジナル・サウンドトラック

(右画像)
プリキュアまんがえほん(5)プリキュアオールスターズ スマイルプリキュア! (講談社 Mook(たのしい幼稚園))


いつかは終わる(終わらせないといけない)子供時代からの卒業の話かと思ってたのですが、違った。
そんなことはもう当たり前の大前提としてアバンで無言で描写し、その上で「断絶してなくなるのではない」「ひととき戻ることはできるし、関係性が変わるだけで楽しかった空間そのものは変わらない」だった。

5歳児の緑川さんと中学2年生の緑川さんはもちろん違うし、庇護されっぱなしのあの頃からは卒業してます。
が、だからといって「もう子供っぽい遊びはできません」でも「親から完全独立して1個体になりました」でもない。
中学生から高校、大学、社会人となっても、更にもっと年をとっても、これはずっと続いて行くんだと思う。
緑川父母だって、やっぱり誰かから守られたりしてるわけで。(例えば地域の警察官さんとか。無論、彼も知らないところで誰かから守られてる)
端々で、とても優しい演出がなされた素敵な回でした。

…「プリキュア」さんは、自分の予想なんぞ軽く超えてくれる(それも、とても優しい方向に)のが大好き。

【今週の青】



無邪気に遊ぶ青木さん可愛い。
これがあと半年早かったら、ウルみゆも違う展開を迎えていたかもしれないのに。

アニメージュさんによれば、全プレ用のイラストに描かれたオオカミ&鬼人形がかわいくて、今回の話を思いついたそうで。
むしろ今回の主役はオオカミさん達の方でした。
青木さんから手をつなぐことを拒否られて落ち込んだ後、「だるまさんがころんだ」を口実に手をつなげた時のオオカミさんの笑顔がなんともかんとも。

【今週の星】



ハッピーさん:
 「キラキラ輝く未来の光」
 「よいしょ」
 「キュアハッピー」

星空さん…。その「よいしょ」はお子様特有の可愛いものではなく、年輪を重ねたことによる「よいしょ」だったような…。

【蛇足】

黄瀬さんが履いてた「音の鳴る靴」。
あれ可愛いからだけではなくて、子供が歩くと音で分かる(視界から外れても動きを感知できる)ためもあるんですね。
視覚だけでなく聴覚でも行動を把握できるって便利だ。意外といぶし銀な発明だと思った。

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スマイルプリキュア! 第37話「れいかの悩み!清き心と清き一票!!」

2012年10月28日 | スマイルプリキュア!感想
【今秋のプリキュアさん】

恒例の「早く映画館に行かないと、良いところ全部見せちゃうよ」キャンペーンが始まりました。
終わりのないメルヘンはないのです。いつまでも映画がやってると思ったら大間違いなのです。
だから自分から出かけて行って、結末を見届けよう。そうしよう。



映画館には行きづらいと言う人には、東映アニメ様のお膝元・大泉学園さんがお勧め。
少なくとも店員さんから変な目で見られることはないはず。
ちなみに大塚監督は、浦和美園さんに行こうかどうかとか。毎回、前売り券の売れ行きが良いらしい。

■スマイルプリキュア! 第37話「れいかの悩み!清き心と清き一票!!」

早いものでもう年末。
年が明ければ、2年生の星空さんたちも間もなく最終学年です。
そんな日が本当に来るのかは別として。

年度が変われば組織も変わる。
次の生徒会長を決める選挙も近付いてきました。
下馬評では現・副生徒会長の青木さんが最有力候補。
どれくらい有力かと言えば、他には誰も立候補してこなかったくらい有力。
まぁ得てしてそんなものかもしれない。生徒会選挙は信任投票。

しかしその平穏は破られた。
悪い情報を吹き込まれたバッドエンドの三人が、わざわざ転入してやってきた。
生徒会長になるために。暇なのかこの人たち。

オオカミさん:
 「生徒会長になったら宿題をなくす!」
赤鬼さん:
 「ゲームも漫画も持ち込みOK!」
魔女さん:
 「授業中にお菓子食べ放題!」

魅惑的な提案がなされます。
恐ろしく頭の悪い行動をしてるのに、三幹部自身も意識せぬ内に、ピエーロ様推奨の怠惰な世界の実現に大幅前進。
ジョーカーさんも頭が痛い。
強力アイテムを渡しても失敗ばかりなのに、適当に遊んでたら結果を出しかけた。
この三幹部、どうやって運用すればいいんだ。

この状況に義憤を掻き立てられた青木さん。
元々立候補するつもりはなかったけれど立ち上がってみました。
ちなみにどれくらい怒ってるかと言えば、これくらい。



恐ろしい。恐ろしすぎて、もっと睨まれたい。

こうして青木さんの選挙活動が始まりました。
しかし困ったことに、周囲のイメージとは逆に、青木さんはこの手の事柄が苦手です。
己の道に悩みがあり、具体性を持ったビジョンを描けない青木さん。
自分自身でさえもその状況では、組織を導くことなど更に無理。
「清く明るく美しく」の精神を説いては見るものの、何をすればいいのかすらまるで分からない。

まずいことに、三幹部の掲げている公約はあながち否定はできません。実際に似たことをやってる学校も知ってる。

宿題をなくすことで生徒の自主性を重んじ、自分の興味や成績に合わせて勉強をすることが可能になる。
ゲームや漫画でコミュニケーションを活性化すれば、勉学もはかどるというもの。実際、社内SNSやメッセ等、活用されてる場面はある。
授業中の飲食も大事です。育ち盛りのこの世代、空腹や体調には個人差もあるし、適度な糖分・水分の摂取は能率をあげる。お茶会形式のディスカッションとか、すごく勉強になりそう。

もっとも三幹部としてはそんなことを考えていたのではなく、単にポイントを稼ぎたかったからではありますが。
犯罪のように無条件に否定できることではなく、一方のこちらは対案を何も出せていない。
これでは場を巻き返すのは苦しすぎます。



分かってくれると思っていた生徒一同も、続々と三幹部側に転び始めました。
候補者三人で票を食いわけてしまいそうですが、それを考慮しても青木さん劣勢。
なんて見る目のない生徒たちでしょうか。
どうしてそこで「私は青木さんを応援しますから!」とすり寄らないのか。
大チャンスですよ大チャンス!実は隙だらけなんじゃないか青木さん。

苦しい戦況の中、青木さんは悩みます。
取り巻き4人がまるで役に立たないので、とにかく一人で悩みます。
あの三幹部のように何か楽しいことを提示できないと勝ち目がない。だけど。

青木さん:
 「でも単なる人気取りでは正しい道にはなりません」

そうして迎えた立会演説。先日の反省を活かし、具体性を持った説明をしてみた。
清くとは清掃で、明るくは朝の挨拶、美しくとは花壇の手入れのことです。
よし、具体化しました。どうでしょうか皆さん。



この反応。一切さっぱり芳しくありません。

もしもこのまま投票に移っていたならば、青木さんの敗北は必至。
ところがうっかり三幹部らの正体がバレてしまいました。
おかげでなし崩し的に戦闘に突入。救われた。

ですが、そもそも劣勢から始まった戦闘です。

オオカミさん:
 「誰にも賛成してもらえないで、何が正しい道だ」
 「手前の言うことは、全部自己満足で押しつけがましいんだよ」
 「ついてくる奴なんているなんているわけないだろ」

痛いところを突いてきます。
青木さんの脆いところをグサリ。
正しいと思ってた道は、実のところ間違って…

星空さん:
 「そんなことない!」



星空さん:
 「確かにお掃除も勉強も好きじゃない」
 「でも、れいかちゃんはそんなあたしにも」
 「掃除や勉強の大切さを教えてくれる」
 
どうやったらその大切さが、他の生徒にも伝わるかは分からない。
だけどちゃんと伝わってる人たちもいる。自分の道は間違ってない。
青木さんにとって一番嬉しいお言葉が、星空さん達から。

まぁよくよく立ち止まって考えてみれば、何で同学年たる星空さんたちに「こうするのが正しいのです」と教えなきゃいかんのかは疑問ですけれど。
星空さん達、もはやお守されるのが当たり前になっておられる。
それも勉強しましょうとか、掃除しましょうとか、そんな事柄で。頑張れ、青木さん。道は間違ってないんだ。

意思を立て直した青木さんにより、戦闘にはひとまず勝利しました。
が、生徒会選挙は終わらない。
ここで敗れては元も子もありません。

青木さん:
 「…皆さんは掃除や挨拶が好きではないかもしれません」



でも勇気を出して挨拶をしてみれば、明るい気持ちになれる。
清掃して綺麗になれば気持ちがいいし、心も晴れやかになる
元気がないとき、上手くいかないとき。お花は心を癒してくれる。
そうすれば素敵な友だちにも巡り合えるかもしれない。

青木さんの話している事柄は、先ほどまでと変わりません。
しかし「それをするとどんな良いことがあるのか」の視点が加わった。
この差はでかい。

こういっては何ですが、理念とか方針とか理由とかは、いくら説明されても納得は得られません。
実現手段を具体化したところで同じこと。
肝心なのは、それをやったらどうなるのか。
具体化して欲しいのは手段ではなく、目的の方なんです。
目的がなかったら、お話を進めることもできません。

青木さんの思いはちゃんと皆様にも伝わりました。
目的を明確化したことで、青木さん自身も「この道は正しいのか?」の確信が見えたはず。
手段をいくら実装したところで、それによって何を求めるのかを意識できていなければ先に進めない。
青木さん自身は「みんなで豊かな学校生活を送る」ことを道の先に想定なされた。
その目的は、生徒皆さまの利害とも一致する。それなら伝わる。

三幹部による、かつてないほど明後日の方向なのに、かつてないほどにプリキュアさんを追い込んだ作戦は、こうして打破されました。
逆にいえば、もしも三幹部も方向性を持って「宿題廃止の目的」を説明できていたら、どう転ぶか分からなかったかもしれない。
手段の是非ではなく、目的の是非なんですよね。。


(左画像)
映画スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ! オリジナル・サウンドトラック

(右画像)
映画スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ! テーマ曲収録シングル


「そもそもその公約は実現可能なのか?」や「実現する気はあるのか?」は、論外の大前提なので置いておきます。

【来週のプリキュアさん】

[大塚監督のTwitterから引用]
 大塚隆史_φ(・_´・‏@takaswy1981

 来週のスマイルプリキュア!はお休みです。(´д⊂)‥ゴメンネ
[引用終]


え、そうなの?
何かの冗談かと思ったら、本当らしい。
多分、映画のあいさつ回りで忙しいんでしょうね、星空さん…。

映画感想(1周目)
舞台挨拶&ちょっとだけ感想2周目

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スマイルプリキュア! 第36話「熱血!?あかねの初恋人生!!」

2012年10月26日 | スマイルプリキュア!感想
【今秋のプリキュアさん】

いよいよ本日24時から映画公開。
今年一年の総決算です。
いつかは終わるメルヘン。それ対する星空さんの回答を楽しみに見たい。

■スマイルプリキュア! 第36話「熱血!?あかねの初恋人生!!」

やんごとなき事情により、どこぞの国から留学生がやってきました。
お名前はブライアン君。
そしてやってきて早々、プリキュア娘の一人と接触。なんたるラッキーボーイ。

海外人ということでちょっぴり気がひいてた日野さんも、逢瀬を重ねるごとに急速に親密になっていきました。
ブライアン君、期せずして日本文化の真骨頂・変身娘と仲良しに。
恐ろしい国です。娘さんと見たら、プリキュアと疑え。そんな日本。

だけど一緒の時間は長くは続かない。ブライアン君は再び旅立っていくことになりました。
今のこのご時世、パソコン一つあれば幾らでも遠距離対話できますが、そうは言っても侘びしいものは侘びしい。
日野さん、ちょっとばかしやさぐれ。

そこにやってくる悪いオオカミさん。

オオカミさん:
 「なんだかんだ言ったところで、最後は分かれちまって終わりなんだろ」
 「そんなもん無意味で無駄なだけじゃないか」

いくら楽しくてもいつかは別れる。
ならば楽しかった時間には意味がないのか?
スマイルさんで何度も繰り返される問いがまたしても。



サニーさん:
 「離れ離れになったとしても、一緒に過ごした時間は消えへん」

デコルで武装してサニーさんが吠える吼える。
もはや武器です。デコル。
支援担当のキャンディも、何かコツを掴んだな…。

戦闘後、日野さんはブライアン君のいる空港を目指す。
残りの面々に協力して貰いながら、それはもう必死に。
不思議図書館を目指した方が早かったのではとか、いやそもそも不思議図書館あれば幾らでも会いにいけるじゃないかとか、そんなことは言うまい。
困ったら走れ。答えが分からなかったら走れ。
それで結果的に間違ってたら身も蓋もない気もするけど、とにかく走るんだ。多分。



お別れはある。いつかは楽しい時間は終わる。
だけど過ごした時間とそれによる影響は、日野さんとブライアン君にそれぞれ残る。
英語も覚えた。文化にも触れた。だからきっと無駄じゃないんです。

…最大の文化であるプリキュアに直接遭遇できなかったことだけは、惜しいことをしましたが。


(左画像)
スマイルプリキュア! ラバーストラップ2 BOX

(右画像)
 スマイルプリキュア! ショー
 スマイルプリキュア! ショー

 スマイルプリキュア! ショー価格:556,500円(税込、送料別)



先日フランスのリオンに行きました。
知人のフランス人のところにお邪魔したのですが、いたって普通にお好み焼きを作ってた。
街でオタフクソース売ってたし。

出前のできる寿司のチェーン店も何件もありました。
(ちゃんとまともな寿司だった)
納豆や漬物も、特段に珍しいものじゃなかった。

まぁ冷静に考えてみれば、日本人の私らも、普通にパンやチーズやワインを飲食するわけで。
逆の立場で考えてみれば、フランス行ってワインをご馳走されて「どうだ珍しいだろう」と言われても、若干戸惑ってしまいます。
「この○○地方の特産のワインだ」くらいのこと(単に漬物をご馳走するのではなく、地元特産の漬物を紹介するような)じゃないと。

そんなことも踏まえると。
ブライアン君が日野さんと一緒に楽しんでくれたのは、日本文化が好きで物珍しかったからではなく、彼も日野さんと居ること自体が楽しかったからなんだろうな、と思ってみる。

…あと蛇足ですが、リオンでは普通のスーパーで「きらりん☆レボリューション」の単行本が売ってありました。
オルレアンではキヨスクで「セーラームーン」さんの同人誌を見かけた。
アルプス山脈の麓のホテルでは、「爆丸」の放送を見た。
ルーアンのジャンヌダルク博物館の前には「ドラゴンボール」のガチャガチャがあったし、コンピエーニュを始めあちこちの街の商店でフィギュアや遊戯王が大量に。
百世帯もいないドンレミ村の田舎で、ジャンヌ・ダルクの家の隣でニンテンドーDSで遊んでいる地元の子を見たときは何が何だか分からなかった。

あの国は我々以上に日本文化を熟知しておられる。生半可な知識では文化紹介もままならない時代です。

【今週の星】



国際空港あるのか七色ヶ丘。

【今週の青】



青木さんが最も邪悪な顔をされてる気がする。

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スマイルプリキュア! 第35話「やよい、地球を守れ!プリキュアがロボニナ~ル!?」

2012年10月19日 | スマイルプリキュア!感想
【来週のスマイルさん】

早いもので、来週末から映画公開です。
恒例の舞台挨拶は池袋と新宿。発売は20日から。

…今年も最速上映はあるのかしら。

■スマイルプリキュア! 第35話「やよい、地球を守れ!プリキュアがロボニナ~ル!?」

前略。
星空さんがロボットになりました。
うぃんうぃんがしょんがしょん。



何を書いてるのか自分でも良く分かりません。

が、よくよく思い返せばかつての黒白先輩や花鳥風月は精霊パイロット式でした。
ミポメポやフラチョピからすれば、こんな感覚だったんでしょう。
国防兵器・プリキュアに搭乗する勇敢なる精霊たち。
あの戦いが、自我によるものだと思ったら大間違いなのですよ美翔さん。



ごつり。

プリキュアさんの暗黙のルールが、また一つ破られました。
『攻撃は全てガードする』。
激しいアクションが売りのプリキュアさんですが、打撃のクリーンヒットは禁止事項。
それなのに。
無防備なハッピーさんに完全直撃ですよ。

…あ、でもそういえば前にもハッピーさんはやられてた気がします。この子、何気に苛烈な撮影を要求されてる。

ロボット番組は現代のメルヘン。
一瞬限りの逃避かもしれないけれど、いざ現実に立ち戻ったとき、立ち上がる勇気をくれる。
無茶なことをやりつつも、根本を貫いてるあたりがさすがの回でした。

あと今回の星空さんが大変にエロス。
中の人の声にも、いちいちクラクラします。
ポテンシャル高いな、この子は。


(左画像)
スマイルプリキュア! ラバーストラップ2 BOX

(右画像)
 スマイルプリキュア! ショー
 スマイルプリキュア! ショー

 スマイルプリキュア! ショー価格:556,500円(税込、送料別)



ここまで無茶をやられると、もはや感想書くのも野暮に思えてきた。
お話自体もですが、制作サイド様の悪ノリっぷりが最高に素敵。
こういうのを公私混同っていうんだ(違)。

【今週の星】

「操縦しないと動けない」点を、無意味に深読みしてみたい。
つまりはメルヘンは読み手がいないと成立しないのです。
プリキュアさんだって、なりきり遊びしてくれるお子様がいなければ微動だにできず。
言いかえれば、現実が存在するからこそ、空想たるメルヘンも存在するのです!

やっぱり自分で書いてて良く分からなくなってきた。

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スマイルプリキュア! 第34話「一致団結!文化祭でミラクルファッションショー!!」

2012年10月14日 | スマイルプリキュア!感想
遅ればせながらようやく感想を。

■スマイルプリキュア! 第34話「一致団結!文化祭でミラクルファッションショー!!」

星空さんらは文化祭でファッションショーをやることになりました。
テーマは絵本。
ファッションと言うかコスプレショーな感がしますが、素人ショーならコンセプトに凝るのは多分正解。

ですが同級生の豊島君は猛反発。彼的にはライブがやりたいのです。
ファッションショーとかやっても楽しいのは女子だけじゃないか。
多数決で決めたということは、少数派は否定されたということ。
何が真に正しいかではなく、不満を持つ人間の数を減らそうというのが多数決の基本。
かといって不満を持つ人間が減るのは事実なので、おいそれと否定も出来ません。困ったものだ。

星空さん的にはやっぱりクラスみんなで盛り上がりたい。
そこで皆で寄ってたかって説得に走りますが、納得いかないものはいきません。
星空さんの理論「皆でやれば楽しい」は、乗り気にならない人にとっては苦痛でしかありません。
そんなに「皆でやれば楽しい」と思うのなら、ライブをやればいいじゃないか。
何故に「皆でやる」ことと「ファッションショー」をすり替えるのだ。



プリキュア娘の色仕掛けすら不発。
どうせなら「これショーの衣装」と称して、プリキュア変身して説得に向かえば、もしかしたら勝算があったのかもしれませんが…。
ファッションショーとかやって、喜ぶのが女子だけだと思ったら大間違いだ。

どうにも埒が明かないところに魔女さんがのしのしと。
今日のアカンベエは音響兵器。
賢いです。お歌は最強の兵器。避けられない全方位攻撃に悶えるがいい。

そんな苦戦の経験が、星空さんに音楽の偉大さを知らしめました。
そうだ、豊島君にはBGMを担当してもらおう。
「皆でやる」からといって「皆で同じことをやる」必要はないのです。



誰かが妥協したのではなく、元々やりたかったことを更に高い次元で行うために工夫をした。
その結果が「皆でやる」ならば、こんなにハッピーなことはありません。
よりよい「ライブ」をやるために「ファッションショー」の要素を取り入れたのか、「ファッションショー」のために「ライブ」を取り入れたのかは瑣末なこと。

皆で同じことをやるのでもなく、かといって個人で断絶するのでもない。
ショーのテーマ通り絵本のようなハッピーな理想ですが、現実でもかくありたいものだと思います。
戦うよりも抱き合いたい。相性ばっちりだけどバラバラ。そんな精神。


(左画像)
スマイルプリキュア! DXガールズフィギュア ~キュアハッピー&キュアビューティー~ 全2種セット

(右画像)
スマイルプリキュア! あつめてプリキュア2 キュアハッピー単品


蛇足。
劇中で緑川さんが「皆で決めたのだから、従わないのは筋が通らない」とおっしゃってます、が。
「皆で決めたら従わねばならない」も「多数決で決定する」も、主観によるもの。
本当はこれらの事項も事前に合意が必要。

緑川さんを批判する意図はないけれど、世の多くの「議論」は、この手の(一見すると美談に聞こえる)暗黙の主観をぶつけることでなされてる気がする。

【今週の青】



青木さん:
 「ファッションショーにお勧めのBGMはありませんか?」

他の皆さまと違い、豊島君が興味あると思われる音楽ネタを振った青木さん。さすがです。
残念ながら彼の拘りは「弾く」ことにあったので、いまいち乗ってはきませんでしたが。

しかし星空さんはともかく、天下の青木さんの誘惑にすら耐えるとは。ロックな男だ。

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スマイルプリキュア! 第33話「映画村で時代劇でござる!?の巻!」

2012年10月07日 | スマイルプリキュア!感想
【今秋のスマイルさん】

東映映画村にて、9月15日(土)から12月2日(日)までイベント開催中です。
ハッピーさんが一人で頑張っておられるらしい。
今週のお話は、単身出張中の星空さんの陣中見舞いを兼ねてたのかしら。

【今週の鳥】

10月7日(日)に大阪でTEUCHIライブが開催されます。
関東外での初ライブ。玉砕した美翔さんの弔い合戦が、気がつけばこんなに大きくなりました。
私もこの記事書き終わったら、出発準備しよう。

■スマイルプリキュア! 第33話「映画村で時代劇でござる!?の巻!」

本日の撮影は映画村にて。
何ゆえに星空さん達がここに来てるのか分かりませんが、今や秘密図書館の利用法をマスターした彼女たちのこと、深い説明など野暮と言うものでしょう。
思いつきで世界を大放浪。来週はパリに行くよ!

気ままに村内を闊歩していたところ、撮影中の監督さんの目に留まりました。
ねぇねぇ暇なら映画に出てみない?いいよー!
こうして女優レビューが決まりました。そこに至るまで、レモネはどんだけ苦労したと思ってるんだ。



普段着と言われても納得しかねない自然体。

星空さんの名演により、とりあえず撮影は順調に進んで行きました。
名演すぎてもはや台本の原形をとどめてませんが、それはそれで良し。多分。
カメラ向けられて緊張しないとか、地味に度胸ある面子だ。

同時刻。バッドエンドの赤鬼さんも映画村にやってきた。
目的は鬼のアイドル・青鬼様に会うこと。
赤鬼さんはああ見えてミーハーでいらっしゃる。

いつものごとく赤鬼さんにより、台本は真っ黒に塗りつぶされ。
同じ「物語の改変」でも、物語が変わるのと、塗りつぶされるのは全く違う。
星空さんらによる改変は受け入れても、赤鬼さんらの全否定は受け入れない。

ただ乗り越えてしまえば、バッドエンドも物語の過程でしかないわけで。
無事に赤鬼さんを撃破した結果、それも含めて楽しい映画になりました。
もっともプリキュアさんの出演シーンは省かれましたけれど。
結果的に、星空さんよりも赤鬼さんの方が映画には貢献してた。
何か引っかかる気がしないでもないですが、そこが星空さんなんです。多分。


(左画像)
スマイルプリキュア! DXガールズフィギュア ~キュアハッピー&キュアビューティー~ 全2種セット

(右画像)
スマイルプリキュア! あつめてプリキュア2 キュアハッピー単品


のんびり過ぎると批判もされる「スマイル」さんですが、振り返ってみればちゃんと筋が通ってた。
ここ数年、「ここが不満だ」とされるところがテーマに直結してるのが凄い。
(花咲さんの「プリキュアが活躍しない。ゲストキャラとか良く知らないし興味ないのに」とか、北条さんの「誰が敵で何が正しいのかあやふやで落ち着かない」とか)
まもなく公開の映画に向けて、急激に盛り上がってきた感。

【今年のプリキュアさん】

ここ数週、いつもお世話になってるご近所さん間で考察が盛り盛りと。

プリキュアのシンデレラが解こうとする魔法について(「『真・南海大決戦』」)
スマイルプリキュア!感想/第33話「映画村で時代劇でござる!?の巻!」(「Girlls Fiction Fan Blog(GFFB)-少女創作ファンブログ-」)
【スマイルプリキュア!】怠け玉はネバーランドなのだろうか?(「1977年生まれのオタク人生」)
スマイルプリキュア考察。メルヘン世界における「バッドエンド」とは?(「色・彩(いろ・いろ)」)

記事を読んだり、自分でも書いたりしてる内に、星空さんの理解を一歩進められた気がします。

「メルヘンはいつか終わる」というのは、考えれば考えるほど、シリーズの終結を連想します。
特に来年は10年目。
スペシャル企画になるのか、それとも通常シリーズなのかは何とも不明ですが、このタイミングでの「スマイル」さんか…。

まぁ「いつかは終わる」とはいえ、それは旧来の視聴者の視点。
ウェンディはネバーランドを卒業したけど、ネバーランド自体が消滅したのではないし、次の世代はやっぱりネバーランドで楽しんでる。
10年前と全く同じ楽しみ方としては存在しなくても、これからも「プリキュア」さんには活躍して欲しいです。

【今週のハッピー】

マクドナルドさんでハッピーセット展開中です。



今回は全8種。
全部そろえようと思うとなかなかに過酷です。
既にして2個かぶった。ハッピーが遠い。。

ちなみにマクドナルドさんのクーポン使うと、相当に割安で購入できます。
以前、教えてもらったけど、これはお得だ。というか、正規料金で購入するのが虚しくなる。
安くなった分、星空さんの人件費が削られそうですけど、まぁ我慢していただこう。

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スマイルプリキュア! 第32話「心を一つに!プリキュアの新たなる力!!」

2012年09月23日 | スマイルプリキュア!感想
【今秋のスマイルさん】

遅ればせながら新EDを買いました。
EDもですが、カップリングが熱い。
当たり前と言えば当たり前なんでしょうけど、痛いほど本編を反映してる。

 『笑う、笑えば、笑おう』
 『もしも力になれたら、嬉しいな』

■スマイルプリキュア! 第32話「心を一つに!プリキュアの新たなる力!!」

目の前には強敵ジョーカー。頼りの仲間は怠け玉の中。
絶体絶命の状況で始まった今回。
残された星空さんの取った戦略は…。



星空さん:
 「あたしもその世界に行く」

変身すらしないまま、怠け玉に突入していきました。
苦しい選択ですがやむをえません。戦ってもジョーカーさんには勝てる気がしない。
かつて問答無用で殴りかかっていった先輩方が羨ましい…。

迷い込んだ世界は、一見すると平和極まりない世界。
一見どころか、よくよく見ても平和極まりないです。
辛いことはしなくていい。面倒なことは考えるな。それで幸せじゃないか。

初めは違和感を覚えた星空さんも、ほどなくその世界に埋没していく。
だって楽だし。
全シリーズを通じて最も幸せそうな顔をして、星空さんが蕩けておられる。



突入時⇒突入後

時間にしてわずか3分での陥落である。

そこに遅れてキャンディも参戦。
威勢よく星空さんの顔面を痛打して。
よし、これで星空さんも惚けから立ち直…



星空さん:
 「えへら」

ダメだ…。
あんなに頻繁に行ってきた顔面痛打なのに、それじゃ現実に引き戻すキーにならないか。
むしろ痛打になれすぎて、気付けにすらなっちゃいねぇ。

キャンディ:
 「そうだ」
 「クッキー。みんなで分けて食べたほうがおいしいクル」

そこで、前回ご自分が怠け玉から脱出した時のキーワードを出してみた。



星空さん:
 「?」

きょとん?星空さんが小首をかしげる。
多分、さっき痛打したときに首を痛めたんでしょう。
こきり?

脳の芯まで堕落した星空さんを前に、キャンディにも軽く絶望がよぎる。
こいつ、自分で言った事を忘れてやがる。
ですがそこで気がついた。

キャンディ:
 「大切なことはちゃんと自分で考えなきゃ駄目クル!」

アプローチを変えてみました。
分けるとか分けないとかではなく、自分で考えたことの重みを問うてみた。
この言葉に、ようやく星空さんも復活。なんて世話の焼ける…。

立ち戻ってきた星空さんは、同じ論法で他の4人の説得を試みます。
が、あっさりと失敗。
まぁ当然です。
この場合の「分け合う」は不足していることが前提。妄想世界は食べ物が溢れてるのだから、無理な分け合いは不要。
何せ実際に分け合ってましたし。ほらドーナッツをお食べ。チョコもいっぱいあるよ。



かといって「自分で考えろ」も虚しく響く。
考えた結果、この楽園を選んでしまえばそれまで。
それに「楽園から抜け出してくれ」と頼んで、「はい、そうですか」と受け入れてしまったら、「自分で考える」ことと矛盾します。

普段は凛々しい青木さんが、どうして怠け玉に抗えなかったのかも理解できます。
あの方は「自分で考える」ことにコンプレックスを持っておられる。
人から言われて修行するのは、人から言われて楽をするのと、本質的には変わりません。

星空さん:
 「………。」

さて困ってしまった星空さん。
どうやら「自分で考えろ」と説得することの自己矛盾に気がついたようです。
厄介なことに、このバッドエンド妄想は抜け出せないと不幸になる類のものでもない。
正真正銘、幸せなんです。実は足元が崩れ出していて目を覚まさないと危険、とかじゃない。
困った。これは説得のロジックを組み立てるのが難し…

キャンディ:
 「みゆき!ハッピーシャワーでこの世界を浄化するクル!」

そうだ、破壊しよう。それだ。

よくよく考えてみれば単純な話だった。
今が幸せだから目を覚まさないなら、不幸を突き付けて見せればいい。
もっとシンプルに、直接4人に殴りかかるのもアリですね。
さあこれでも何も考えないのが幸せだと抜かすか!ごつり。ごつごつごつり!!
星空さんはすぐそうやって気合いに頼る。

しかしそれすらもジョーカーさんは予想済み。
あっさり簡単に防がれてしまいました。
厳しすぎる。あまりに打つ手がない。打つ手はないが、目の前に危機が迫った以上、戦うしかない。



苦しみながら戦う星空さんを見ても、やっぱり4人はぼんやりモード。
徹底していることに、星空さんは4人を庇って戦ってるわけではありません。
依然として、妄想から目を覚まさなくても幸せなんです。
4人を始末しようとしてジョーカーさんが攻撃、必死に星空さんが防いでいる…という状況ならともかく、単に星空さんが戦ってるだけ。
うむ、幸せだ。目を覚ます理由がない。むしろどうしてハッピーはこっち側に来ないんだろう…?



星空さん:
 「あたし、メルヘンランドであなたにボロボロにされたときに分かったの」
 「泣いたり悩んだり、一生懸命考えたおかげで」
 「それまで知らなかった自分に気づけたし、自分にとって何が一番大切かも分かった」

 「みんな一緒がいい」
 「みんな一緒の未来が、きっとあたしのウルトラハッピー」

 「答えを出すのは大変だし、面倒だし、苦しいし」
 「あたしたちはそうやって、少しずつでも前に進んでいきたい」
 「不器用かもしれないけど、あたしたちは皆と一緒に未来に歩いていきたい」
 「皆で歩いていく未来は、きっとキラキラ輝いているから!」

勝算がないまま、星空さんは戦い続ける。
現実は厳しいんです。誰もが何もしないまま皆さんウルトラハッピーになれるわけがない。
しかし、そうは言っても自分は今、幸せなんです。
わざわざ面倒なことをする理由が、一体どこに…



友が目の前で絶望と戦ってるのに、理由も糞もあるか馬鹿野郎。

「自分で考えた」その結果、日野さんら4人は飛び出した。
確かに考えなくてよい世界は幸せだった。
が、目の前で星空さんが苦しんでいるのに、何が幸せだ。みんなで幸せにならなきゃ意味がない。

「スマイル」さんは従来よりも子供向けと言われます。
制作サイドの思惑はともかく、実際には決してそんなことはない、むしろ過酷な物語だと思う。
現実は甘くない、なるほど、その通り。ですが個人レベルでは幸せになることはできる。思考を放棄すればいいんだから。

星空さんはそこを許さなかった。玉砕すると分かっていても、特攻することをハッピーだと定義された。
そして一人でもその道を選んだのなら。
友が玉砕しようとしてるのに、見捨てることなんてできるか。勝算なんざ関係ない。

かつての夢原さんは、夢に向かって邁進する姿が、相互の励みになった。
花咲さんらも同様の方向性です。
しかし星空さんは全くの逆。絶望に特攻する姿が、私らを立ち上がらせてくれる。

「みんなで分けあう」のも「幸せを分け合う」というよりも、「苦難を分け合う」の方向性です。
楽しい時間はいずれ終わり、苦しい時が必ずくる。
刻一刻と進み続けるバッドエンド時計やクロック玩具の針のように。
遊園地のようなこの夢いっぱいの楽しい時間は、いつまでもは続かないんです。
「未来」が希望を叶える場所だった夢原さんとは、つくづく逆すぎる。

「NS」でハッピーエンドを守るために戦っておられたのも納得です。
いわば、しんがりを努めるのが星空さんなんですよ。
誰かが苦しんでいる。じゃああたしが最後尾で戦う。現実は甘くないんだから。

そして最も苦しいところで気合いで玉砕してる姿を見てしまったら、私らも立ち上がるしかない。
思考放棄して寝てた方が楽だし幸せなのに、星空さんが特攻してるんだ。戦うしかないじゃないか。
血反吐を吐きながら、皆で一歩、前に進もう。



目を覚ました4人と星空さん+1匹の気合いが届き、新玩具も起動。
謎の不死鳥アタックを授けてくれました。
まぁそれは良いのですが、この光景を見て、女王様は何をやってるんでしょうか。
星空さんが特攻してるのに、軽く知らんぷり。
あ、あれ?、ハッピー理論には何か穴があるような…。


(左画像)
スマイルプリキュア! DXガールズフィギュア ~キュアハッピー&キュアビューティー~ 全2種セット

(右画像)
スマイルプリキュア! あつめてプリキュア2 キュアハッピー単品


「NS」といい「スマイル」さんといい、夢いっぱいの時間はやがて終わり、目の前の現実に立ち向かおうなノリ。
テーマの流れでいえば、「プリキュア」シリーズの大きな区切りになりそうです。
企画的には来年10年目までは続編が確定しているそうですが、その先はどうなるんだろう。

仮にシリーズが終了したとしても、この10年のメルヘンな時間は、私にとって大きな人生の財産です。
楽しい時間はいずれは終わるけれど、無駄なんかじゃない。
あの勇敢な伝説の戦士様を見習って、私も現実に立ち向かっていきたいです。

【今週の星】

星空さんは「現実は甘くない」と認識しておられる。
ハッピーの名を冠していながら、ある意味、誰よりも「ハッピー」を疑ってる。
おそらく彼女は、転校してくるまであまり幸せな学生生活は送ってないだけに、言動に重みを感じます。
(「赤毛のアン」エピソードや「夏休みに予定がない」こと等から)

自分が幸せになってもダメ。全員一緒に幸せにならないと。
でもそれって言いかえれば、自分は最後まで絶望の淵で戦うことを意味する。
なんて過酷な。

今のご時世、希望を提示して突き進む夢原さんは、ちょっと眩しすぎる。
それに対し、最後尾で支えてくれる星空さん。
自分が立ち上がらない限り、星空さんはそこで玉砕し続ける。しかも無理やりにスマイルをチャージして。
じゃあ立つしかない。
一人の脱落者も許さない星空さんの思想が胸に沁みます。

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