Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ホルテンさんのはじめての冒険

2009-03-25 00:18:29 | 映画 は行
               
2007年/ノルウェー/90分
原題:O'HORTEN
監督・脚本・製作:ベント・ハーメル
出演:ボード・オーヴェ、ギタ・ナービュ、ビョルン・フローバルグ、エスペン・ションバルグ

        勤続40年の生真面目な運転士、ホルテンさん。
       定年退職日に人生初の遅刻をしたから、さあ大変!
          はたして彼を待ち受ける運命とは?(チラシより)

ベテラン運転士ホルテンさんが運転するノルウェーの首都オスロと第2の都市ベルゲンを結ぶ”ベルゲン急行”が何処までも続く雪原を走っていくその勇姿に先ず心奪われる。目が痛くなるほどの「白」の世界を疾走する急行列車、はあぁ~、素敵だぁ~!
ハンで押したような正確な毎日、それがホルテンさんの生活だ。彼は朝早く起き、お弁当を作り、水筒にコーヒーをつめ、出かける前には小鳥のかごにふんわりとカバーをかけて職場に向かう日々を退職する67歳まで続けてきた。ひょっとしたらこうした規則正しい日々が退職後も永遠にずうっと続くような気がしていたのかも。
そんなホルテンさんに思いがけない転機が訪れたのは、なんと!退職するその日。
そこから始まる変化に次ぐ変化の日々、それは彼が望んでそうなったのではなく、いつの間にかその変化の渦の真ん中にいることになっていたのだけれど・・・。その中にいるホルテンさんはその変化に最初はどこか戸惑いながら、その変化の中でどんどん変貌していくのだ。「人生は手遅ればかりだが、逆に考えれば何でも間に合う」と言うシッセネールの言葉はホルテンさんに、またスクリーンのこちら側にも温かく響く。そしてここで出会う人々、遭遇する出来事に何度クスクスさせられたことだろう!
スキーのジャンプ台に立つホルテンさんの姿に向こうに見える街の灯を、ちょっと怖いけれどわくわくすると彼の目と同化したような気分になって眺めていた。ラストで黒い制服を脱ぎ捨てて、犬のモリーとともにベルゲン駅に降り立つホルテンさんの素敵に素晴らしい笑顔がいつまでも心に留まる
コメント
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