Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

あなたになら言える秘密のこと

2007-02-12 20:04:47 | 映画 あ行
             公式サイト
2005年/スペイン/114分
監督:イサベル・コヘット
出演:サラ・ポーリー 、ティム・ロビンス 、ハビエル・カマラ 、エディ・マーサン 、スティーヴン・マッキントッシュ 、ジュリー・クリスティ
原題:The Secret Life of Words

監督・脚本:イサベル・コイシェ、そして主演のサラ・ポーリーに惹かれてこれは絶対観ようと決めていた作品だが、内容については全く何の情報もなかった。なので、まさかこれほどの深い話、重い話だとは思いもよらなかった!言葉を越える事実、そして言葉を越える言葉、言葉に傷つく心、言葉によって深い慰めを与えられる心・・・。ほんとに素晴らしかった!!

全く過去というものがないのではないかのように生きているハンナ、工場と部屋を往復するだけの単調な毎日、そこに存在するのは今だけ、過去とも未来ともつながらないという不思議な今。そんな彼女が無理やり取らされた休暇で出かけた先は海の中の油田掘削所、周囲をぐるりと暗い灰色がかった波が打ち寄せる寒々しい海の中だった。
偶然、彼女に看護されることになる油田事故で重症を負ったジョゼフは、事故により目も一時的に見えなくなるという厳しい状況の中にあってもユーモアを忘れない。ハンナとの淡々とした会話の中に彼の背負ってきた過去が語られた時に、ハンナの心に起こったものの大きさ。彼女の語る秘密の悲惨さ、過酷さに観ている私はわあぁ~っと大声で喚きたくなる。そして全く世界から音が消えてしまったかのように沈黙してしまう。ジョゼフは彼女が自分自身の秘密について語ったその時に、彼女の痛みに寄り添いその嘆きに耳傾ける。あくまで静かなラストに一筋の光を感じ救いを覚える。

さりげなく映し出される波の色、風の音、朝のそして夜の油田掘削所、デッキに響くバスケット・ボールの音、アヒルの姿、静かに揺れるブランコ、水色の壁に青いドア、などの色・音がそおっと心の深い所に触れて忘れられない印象を残す。

ところで、パンフを読んでいたら「ハンナとヴィクターが出会う中華料理屋で流れている日本語の曲」がシンガーソングライター神山みさが歌う「ケンカは嫌い」だと紹介されていた。この曲は初めて聴いたんだけれど、神山みさ・・・?・・・♪・・・確か息子がCD持ってたハズ!彼女の歌流れていたの私も聴いてたから、覚えてたんだぁ~♪
家にある彼女のアルバムは、これ↓『神山みさ*きれい』
             
コメント (6)
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