Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

深夜特急(1~6)

2005-09-21 00:24:46 | 
沢木耕太郎さんの「深夜特急(1~6)」を読む。(新潮文庫)
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ある日、部屋を整理し一円硬貨までかき集め、仕事をすべて放擲して旅に出る26歳の沢木さん、『インドのデリーからイギリスのロンドンまで乗り合いバスで行く』という主題の旅の記録。

彼の書いたものを本で読むのは初めて。新聞で連載した「一瞬の夏」、今、連載中の「銀の森から」を読み、いつかまとまった作品を読もうと思っていたのである。(この時、新潮文庫だったということも選んだ理由の一つとなったわけだが)

深夜特急:(1)香港・マカオ(2)マレー半島・シンガポール(3)インド・ネパール(4)シルクロード(5)トルコ・ギリシャ・地中海(6)南ヨーロッパ・ロンドン

<年>の単位でユーラシア大陸を旅した旅行記。巻頭にある『ミッドナイト・エクスプレスとは、トルコの刑務所に入れられた外国人受刑者たちの間の隠語である。脱獄することを、ミッドナイト・エクスプレスに乗る、と言ったのだ。』が読んでいる間中、頭の中で鳴り続ける。
いきいきとして、まるで自分がその場に一緒にいるかのように感じられる。もう一勝負はしてはいけないっ、とか窓の外に広がる海にはっとする、とかね。この時だったからこそ、できた旅なのだと感じ、同時にでも私はこの厳しさには耐えられそうにない、とも思っていた。そして旅は始める時より終えるときの方が何倍も難しいということ・・・これは想像することができる。だって気持ちの中では日常でも同じようなことがあるもの。ほんとに、本を読んでいる中で色々感じたのだけれど、それらを実際の生活の場で、何故かふいっと思い出し反芻していく気がする。

きっとまた読み返すんだろうなぁ。
コメント (4)
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