私が今回のコラムで言いたかったことをひと言い足すとすれば、「日本のメディアが取り立てていることと、現実をデーター化したものから読み取れるギャップをもとに、本当の外交の姿を、私たちは自分の目である程度は確かめることができる」ということです。
学問とは別に、経済活動について、日仏の経済について、日本外務省が発表したデーターを抜粋します。
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「フランス経済と日仏経済関係」(外務省)
平成18年9月
2.日仏経済関係
(1)貿 易
2001年以降、仏からの日本の輸入は毎年漸増している。日本の仏への輸出は年により増減があるが、傾向としてはやや増加する方向にある。
(貿易収支)【2005年の日本の対仏輸出額はEU加盟国中第4位、輸入額は同第2位】
年度 対仏輸出 (前年同期比増減) 対仏輸入 (前年同期比増減) 輸出入 合計収支
2001年 7,588 -5.6% 7,504 8.5% 15,092 84
2002年 7,679 1.2% 8,168 8.8% 15,847 ▲489
2003年 8,178 6.5% 8,374 2.5% 16,553 ▲196
2004年 9,033 10.4% 9,023 7.8% 18,056 10
2005年 8,562 -5.2% 9,407 4.3% 17,969 ▲845
(単位:億円/出典:財務省「通関統計」)
※主要貿易品目(2005年)
○日本→仏:1)自動車 2)映像機器 3)二輪自動車 4)原動機(エンジン・タービン等) 5)ポンプ及び遠心分離器 6)事務用機器 7)自動車部分品 8)医薬品 9)科学光学機器 10)有機化合物
○仏→日本:1)アルコール飲料(ワイン等) 2)バッグ類 3)医薬品 4)有機化合物 5)精油・香料及び化粧品類 6)電気機器 7)放射性元素 8)原動機(エンジン・タービン等) 9)自動車 10)自動車部分品
(2)直接投資
仏政府は外国投資に係る規制緩和(法人税制優遇措置等)、対仏投資庁の設立(2001年)等、外資誘致に積極的に取り組んでいる。近年は日仏企業間のパートナーシップ構築も多く行われている。
1)ネット・フロー
年度 我が国の対仏直接投資 フランスの対日直接投資
2000年 315 2,454
2001年 274 515
2002年 5,024 2,888
2003年 1,360 757
2004年 27 1,159
2005年 607 ▲88
(単位:億円/出典:日本銀行「国際収支統計」)
2)ストック(2005年)
○日本→仏 13,304億円
日本の対外直接投資にしめる仏の割合2.9%(EU諸国ではオランダ(8.9%)、英(6.3%)についで第3位)。
○仏→日本 12,611億円
対日直接投資に占める仏の割合10.6%。1999年のルノーの日産への出資(6,430億円(約54億ドル))により、ストックベースで仏は米国(43.3%)、オランダ(11.5%)に次ぐ世界第3位の対日直接投資国となった。
(出典:日本銀行「国際収支統計」)
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このように、双方の国が、お互いの得意分野を売り込んでいることが分かります。そして対日直接投資国の第2位がオランダで、第3位がフランスです。フランスも日本に魅力を感じていないわけではないと分かります。しかし、学問的なことと経済交流はまた別物であるということを、この数字が表しています。
ほかにもこんな資料があります。国際交流基金が調べた各国の日本研究についての資料です。 http://www.jsnet.org/gdb/2004.html
また、日本においてEUが現在行っている活動についてはこちらで見てみますと
http://www.deljpn.ec.europa.eu/
絵画展だのサッカーの親善試合だのに眼が付いてしまって、こんな事しかできないの?という感想を持っています。日本がEUとつきあっていこうと思ったら、EU加盟国で日本に関わりのある人たちには日本を勉強してもらいたいし、日本語の読み書きはして欲しいですね。言葉ができれば、他の研究や交流へとつなぐことができますから。
また、こんな資料もあります。
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「中央教育審議会(2003年中間報告)」
(留学生数の現状)
我が国が受け入れている外国人留学生の数は,近年大きく増加しており、平成14年5月1日現在、95,550人で過去最高となっている。そのうち国費留学生は、9,009人であり全体の約1割を占めている。
留学生全体の9割以上はアジアからの留学生であり、中国の58,533人を筆頭に韓国、台湾を加えると全体の8割に達している。これらの留学生の多くは、学位の取得を目指している。一方,いわゆる短期留学生の数は、6,171人で全体の6.5%となっている。
海外に留学する日本人の数は年々着実に増加し、平成12年には、主要32か国で76,464人となっている。しかし、このうち国からの支援を受けて留学している者の数は極めて少ない。留学先を地域別に見ると、全体の6割は北アメリカへの留学生であり、これにヨーロッパへの留学生を加えると全体の約8割に達している。
以上のように、我が国に受け入れた外国人留学生及び海外へ留学した日本人学生の数は増加している。しかし、我が国の大学等の在学者全体に占める割合で見ると、受入れは2.6%,派遣は1.5%にすぎない。
これを国際的に比較すると、例えばフランスでは、受入れは7.6%、派遣は2.6%となっており、我が国の水準はまだ十分とは言えない。
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日本も、優秀な外国人留学生の獲得には苦労しているようです。日本からの留学生は6割がアメリカへ行くのに、日本に来る学生は9割がアジアからであることなども、それぞれの国の人たちがその国へ行くことで「何の得になるのか」が読めるような気がします。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
桃李
学問とは別に、経済活動について、日仏の経済について、日本外務省が発表したデーターを抜粋します。
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「フランス経済と日仏経済関係」(外務省)
平成18年9月
2.日仏経済関係
(1)貿 易
2001年以降、仏からの日本の輸入は毎年漸増している。日本の仏への輸出は年により増減があるが、傾向としてはやや増加する方向にある。
(貿易収支)【2005年の日本の対仏輸出額はEU加盟国中第4位、輸入額は同第2位】
年度 対仏輸出 (前年同期比増減) 対仏輸入 (前年同期比増減) 輸出入 合計収支
2001年 7,588 -5.6% 7,504 8.5% 15,092 84
2002年 7,679 1.2% 8,168 8.8% 15,847 ▲489
2003年 8,178 6.5% 8,374 2.5% 16,553 ▲196
2004年 9,033 10.4% 9,023 7.8% 18,056 10
2005年 8,562 -5.2% 9,407 4.3% 17,969 ▲845
(単位:億円/出典:財務省「通関統計」)
※主要貿易品目(2005年)
○日本→仏:1)自動車 2)映像機器 3)二輪自動車 4)原動機(エンジン・タービン等) 5)ポンプ及び遠心分離器 6)事務用機器 7)自動車部分品 8)医薬品 9)科学光学機器 10)有機化合物
○仏→日本:1)アルコール飲料(ワイン等) 2)バッグ類 3)医薬品 4)有機化合物 5)精油・香料及び化粧品類 6)電気機器 7)放射性元素 8)原動機(エンジン・タービン等) 9)自動車 10)自動車部分品
(2)直接投資
仏政府は外国投資に係る規制緩和(法人税制優遇措置等)、対仏投資庁の設立(2001年)等、外資誘致に積極的に取り組んでいる。近年は日仏企業間のパートナーシップ構築も多く行われている。
1)ネット・フロー
年度 我が国の対仏直接投資 フランスの対日直接投資
2000年 315 2,454
2001年 274 515
2002年 5,024 2,888
2003年 1,360 757
2004年 27 1,159
2005年 607 ▲88
(単位:億円/出典:日本銀行「国際収支統計」)
2)ストック(2005年)
○日本→仏 13,304億円
日本の対外直接投資にしめる仏の割合2.9%(EU諸国ではオランダ(8.9%)、英(6.3%)についで第3位)。
○仏→日本 12,611億円
対日直接投資に占める仏の割合10.6%。1999年のルノーの日産への出資(6,430億円(約54億ドル))により、ストックベースで仏は米国(43.3%)、オランダ(11.5%)に次ぐ世界第3位の対日直接投資国となった。
(出典:日本銀行「国際収支統計」)
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このように、双方の国が、お互いの得意分野を売り込んでいることが分かります。そして対日直接投資国の第2位がオランダで、第3位がフランスです。フランスも日本に魅力を感じていないわけではないと分かります。しかし、学問的なことと経済交流はまた別物であるということを、この数字が表しています。
ほかにもこんな資料があります。国際交流基金が調べた各国の日本研究についての資料です。 http://www.jsnet.org/gdb/2004.html
また、日本においてEUが現在行っている活動についてはこちらで見てみますと
http://www.deljpn.ec.europa.eu/
絵画展だのサッカーの親善試合だのに眼が付いてしまって、こんな事しかできないの?という感想を持っています。日本がEUとつきあっていこうと思ったら、EU加盟国で日本に関わりのある人たちには日本を勉強してもらいたいし、日本語の読み書きはして欲しいですね。言葉ができれば、他の研究や交流へとつなぐことができますから。
また、こんな資料もあります。
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「中央教育審議会(2003年中間報告)」
(留学生数の現状)
我が国が受け入れている外国人留学生の数は,近年大きく増加しており、平成14年5月1日現在、95,550人で過去最高となっている。そのうち国費留学生は、9,009人であり全体の約1割を占めている。
留学生全体の9割以上はアジアからの留学生であり、中国の58,533人を筆頭に韓国、台湾を加えると全体の8割に達している。これらの留学生の多くは、学位の取得を目指している。一方,いわゆる短期留学生の数は、6,171人で全体の6.5%となっている。
海外に留学する日本人の数は年々着実に増加し、平成12年には、主要32か国で76,464人となっている。しかし、このうち国からの支援を受けて留学している者の数は極めて少ない。留学先を地域別に見ると、全体の6割は北アメリカへの留学生であり、これにヨーロッパへの留学生を加えると全体の約8割に達している。
以上のように、我が国に受け入れた外国人留学生及び海外へ留学した日本人学生の数は増加している。しかし、我が国の大学等の在学者全体に占める割合で見ると、受入れは2.6%,派遣は1.5%にすぎない。
これを国際的に比較すると、例えばフランスでは、受入れは7.6%、派遣は2.6%となっており、我が国の水準はまだ十分とは言えない。
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日本も、優秀な外国人留学生の獲得には苦労しているようです。日本からの留学生は6割がアメリカへ行くのに、日本に来る学生は9割がアジアからであることなども、それぞれの国の人たちがその国へ行くことで「何の得になるのか」が読めるような気がします。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
桃李