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ロシアのウクライナ侵攻雑考(2)ソ連邦崩壊後の歴史素描

2022-03-15 17:06:56 | 戦争・平和
🔸 ソ連邦崩壊後の歴史素描
1990年 ドイツ再統一に関する高官協議(2プラス4条協議)
       仏・英・西独・米とロ(ゴルバチョフ)
 ◎ドイツ再統一を認める条件⇒NATOは旧ソ連領を脅かすような東方への拡大はしない。
   ←米国ベーカー国務長官(口約束)
2007年 ミュンヘンのプーチン演説
 ◎米国(ブッシュ・ジュニア政権);ポーランド・ルーマニア・チエコ共和国に米ミサイル防衛システムを導入する。
    ↓
 ▼当時の東欧諸国のNATO加盟状況
  旧共産主義の東欧諸国10カ国NATO加盟。
  2003年-4年に両国でのアメリカに率いられたカラー革命後、ウクライナとジョージア両国がNATO加入候補。

 ◎プーチン反論演説
 「・・・NATOが我々の国境に前線軍を配備する結果になっているが、我々は厳密に条約義務を果たし続け、これら行動に全く対応していない。私はNATO拡大は、連合自体の近代化、あるいはヨーロッパでの安全保障と無関係なのは明白だと思う。それどころか、それは相互信頼のレベルを下げる重大な挑発だ。我々は、こう尋ねる権利がある。この拡大は一体誰を意図しているのか?ワルシャワ条約機構解散後、我々の欧米パートナーがした保証に何が起きたのか?今日それらの宣言は一体どこにあるのだろう?誰もそれを覚えてさえいない。」

プーチンは付け加えた。「けれども私はあえて、聴衆の皆様に、当時言われたことを想起頂きたい。私は1990年5月17日、ブリュッセルでのウォーナーNATO事務局長演説を引用したい。彼は当時こう言った。「我々がドイツ領土外にNATO軍を配備しない準備ができている事実は、ソ連に強固な安全保障を与える」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆2014年 マイダンクーデター(ウクライナ)
   2013年11月→選挙でヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領選出(腐敗の噂が絶えない)
   当時のウクライナ→経済的に崩壊し危機的な状況←ロシアの経済的援助を受けると発表(ガス価格を30%値引き、150億ドルのウクライナ債券購入)
    ↓
 ◎マイダン広場抗議
  ヤヌコビッチ政権のこの方針を受けて、米NGO支援→ビクトリア・ヌーランド(ワシントン)、ジエフリー・パイアット(在キエフ大使)、アルセニー・ヤチエック(バイデン副大統領が選んだ男)たちが始めた。
 (目的)ウクライナをロシアの影響力から切り離すため。ロシアが申し出た援助が実施されると、民衆が新ロシアになびく恐れがある。それを阻止して、親欧米路線の政権を作るのが目的。ヤヌコビッチ政権は曲がりなりにも選挙で選ばれた政権。それをクーデターで倒すというのは、反民主主義的行為。実は、米国がそれを最初にやったのである。
    
当時、わたしは、マイダン広場で寝起きして抗議活動をしている若者たちの生活資金はどうなっているのか、を問うた記憶がある。当時のウクライナの経済状況下で、若者が半年以上、テントで寝起きして生活できる費用を捻出できるはずがない。上記のNGOが資金を提供したから、抗議活動が継続でき、クーデターも成功したのである。
    
 ●2014年2月20日、ジョージアから採用され(雇兵)CIAに組織された狙撃兵→抗議活動に参加した学生や警官を狙撃。→政府側が射撃したと思わせる→ヤヌコビチ政権に怒りの矛先を向ける→ヤヌコーヴィチ逃亡→アルセニー・ヤツェニュクが首相になる。
 ※クーデター成功

 ●ジョージ・フリードマン(CIAや国務省のコンサルタン会社社長)が、ロシア新聞へのインタビューで、アメリカが率いた2014年2月のキエフ政権転覆についてこう述べた。「ロシアは今年初めに起きた出来事をアメリカが組織したクーデターと呼ぶ。それは「本当に史上最もあからさまなクーデターだった。」と。
  ※ウクライナとより深い世界的自殺アジェンダ|新しい東部の見通し (journal-neo.org)

マイダン・クーデターに危機感を覚えたプーチン大統領の回答がクリミア併合である。
  ※ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%81%AE%E4%BD%B5%E5%90%88
それと同時にウクライナ東部2州の独立運動支援である。

当時のウクライナ政権と米国の関係について、評論家田中宇は、以下のように書く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
マイダン・クーデター政権→2014年の「カラー革命(マイダン革命)」による政権転覆後のウクライナ政府は、米大使館を拠点にする米当局・諜報界の司令のもとに動いてきた。カラー革命の首謀者は米諜報界であり、キエフの米大使館は革命(政権転覆)の司令塔だった。その後にできたポロシェンコや今のゼレンスキーの政権も、米大使館の司令で動いてきた。米諜報界(米軍やCIAなど)は米大使館を拠点に、ウクライナのナショナリストたち(主に右派)を扇動・組織・支援・訓練してロシア敵視の民兵団や政治活動家集団に育て、東部2州に送り込んでロシア系住民と内戦させてきた。
・・・・・田中宇・・ ウクライナをロシア側に戻す? (tanakanews.com)

よく知られているように、ウクライナはロシア語を話す国民とウクライナ語を話す国民がいる。国家としてのアイデンティティを保とうとするならば、ロシア語とウクライナ語の二つを公用語として認めるのが合理的だが、2014年以降の政権はウクライナ語のみを認めている。ロシア語を話す人々はウクライナではきわめて暮らしにくくなっている。

歴史が教えるように、言語というものは、それを話し、書く人にとっては存在証明そのもの。言語を奪われるということは、自らを奪われるという事と同義。ウクライナ国内に住むロシア語話者の置かれた立場が極めて厳しいものである事が了解できる。

▼ アゾフ大隊
問題はそれだけではない。実はマイダン・クーデター政権(アルセニー・ヤツェニュク→ポロシエンコ→ゼレンスキー政権)は、ネオナチ傭兵を使い、ロシア語話者を殺害し民族浄化作戦を展開しているとされる。この傭兵集団の名前が【アゾフ大隊】。現在は、「ウクライナ国家警備隊」兵士として公式な地位を与えられている。

※2016年 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、アゾフ大隊を大量略奪、不法拘留や拷問などの戦争犯罪を行ったと非難している。

こう見てくると、プーチン大統領が東部2州住民に対するウクライナ政府の大量虐殺や民族浄化を防ぐために派兵したというのもかなりの程度の根拠がある。すべてプーチンが悪く、ウクライナがすべて正しいというわけではない。

「ウクライナ オン ファイヤー」 というオリバー・ストーン監督の映画がある。これを見れば、マイダン・クーデター当時の状況が良く理解できる。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm40138028

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水

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