デルタ変異株に関する話題を多く目にするようになってきております。今回のDeutscheWelleの話題も参考になればと思います。
変異株・デルタは80カ国以上に広まっている。変異株・アルファより伝染性が強く更なる死者数とロックダウンを引き起こす懸念がある。
インドが破滅的第二波と格闘する中、UKはワクチンの接種が進んだにもかかわらず、感染の増大が起こっている。ドイツもまたデルタ種で再度の波の恐れが指摘されている。
“変異株・デルタとは正確にはどんなものか?”
変異株・デルタ(B.1.617.2)によるCOVID-19感染の最初の報告はインドのMaharashtraで2020年10月にさかのぼる。その後インド国内だけでなく世界に感染拡大していった。
WHOはこの5月11日に“要注意変異株(VariantOfConcern:VOC”)と指定した。
今までにVOC に指定された株はアルファ(B.1.1.7)・ベータ(B.1.351)・ガンマ(P.1)とデルタである。
デルタ変異株は多重に変異している株である。現段階ではこれら多重変異の正確な役割・詳細は不明であるが、ウイルスの人間細胞への結合の助長とある種のワクチンから逃れることの役に立っている、とロンドンクイーンメリー大のGurdasani教授は指摘している。
変異株デルタは拡大しておりWHOによれば、今では80カ国以上に確認されている。
UKでは数万人の感染が確認されており一国内で同定されたデルタ感染数としては最大である。
“変異株デルタと変異株デルタプラスとの違い”
感染性を高めている変異株デルタの直系近縁株(時にデルタプラスとかAY.1と呼ばれる)についての報告も現れ始めている。この変異株はK417N変異体であり、この変異は南アで初めに同定されている変異株ベータにおいても通常観察されるものである。
現段階ではこの変異株の感染例は多くはない(PANGO Lineages:Sars-CoV-2シークエンスに最適の家系を与えるウェブサイトによる)。
“この変異は多分ワクチンからの逃避性を高め、伝染性を高める働きをしているだろう”とGurdasani教授は言う。
“この特異な変異を伴った新しい変異株の性質はまだ良く分かっていない。”
“この変異株は伝染性が更に高まっているか?”
公共の健康・英国(PublicHealthEngland:PHE)によるとUKで発生している新規COVID-19の感染例の90%以上が変異株デルタからとされている。
6月9日段階で変異株デルタの感染例が42000以上とされていた。このうち6月2日~9日の期間にほぼ30000例の増加が記録されている。PHEにより確認された感染例の大半がワクチン非接種者か一回だけ接種の人だった。
PHEによると変異株デルタはUKで初めて観察されたアルファ変異株(B1.1.7)に比べ家庭内感染の確率が64%増大しているとされている。
“インドでの最初の印象は変異株デルタが変異株アルファ(ケント株とも呼ばれる)よりウイルス数の増加速度が大きい”というものであった。“変異株アルファ自体が中国で初めて発見の大元のウイルス株より伝染性が高まっていると観察されていた点を加味して考えると変異株デルタは極めて危険であると言える。”
“変異株デルタはより致命的であるか?”
変異株デルタがより高い致死率を与えるものかどうかについては、データがいまだ不足している状況である。
2月1日から6月7日までの期間でUKのデルタによる死亡者は42人であったが、その内の23人はワクチン非接種者、7人は一回目接種後21日以上たって死亡、12人は2回接種後14日以上たっての死亡であった。
PHEによればアルファに比べて、変異株デルタは入院を要するまでに至る症状の悪化を引き起こしやすいという。
6月7日から13日の期間、全てのCOVID-19変異株に罹患して入院した患者は1300人以上であり、前の週の7日間より43%増大していた。
Pfizer-BioNTechとアストラゼネカ両ワクチンともデルタ株患者の入院を阻止する効果はアルファ株に対する阻止効果より若干劣っている。PHEによると2回接種後のPfizer-BioNTechワクチンはデルタ株に対しは6%の効果が減少するとされ、一方のアストラゼネカワクチンは2回接種後に1%の効果の減少が起こるとされている。
“UKでのデルタ株がより入院に至る症状の悪化が起こりやすいと言う結果から、デルタ株がより致命的であるとの結論付けは出来るだろう”とGurdasani教授は言う。
WHOのCOVID技術担当のKerkhove氏も変異株デルタがより重症化を引き起こすかどうかについはもっと多くの研究・報告が必要とした上で、次のように言っている。
“変異株だけの力で重症化が起こっているのか、あるいは何らかの別の要因も加わった形で重症化に至っているのか?いずれにしてももっと多くの情報がもとめられる。”
“ワクチンで変異株デルタから人は守られるか?”
PHEの調査からPfizer-BioNTechワクチンは1回の接種で入院に至るまでの重症化を94%抑制、2回接種で96%抑制できるとされ、アストラゼネカワクチンは1回の接種で71%抑制、2回接種で92%抑制できるとされている。
変異株デルタに感染し更に症状が発現するに至るかどうかの観点での有効性・抑制性については、Pfizer-BioNtechは1回接種で36%有効、2回接種で88%が有効とされ、アストラゼネカは1回接種で30%、2回接種で67%有効とされている。
“インドとUKに起こっているパンデミックは変異株デルタによるのか?”
インドのパンデミック(累計2900万人以上の感染者が確認されている)が主にデルタによるか否かは現段階では科学的には立証されてはいない。
Gurdasani教授はウイルスの変異株が拡大したことに加えて他に幾つかの要因がインドの爆発的拡大に絡んでいるという。
”政府の対応の遅れと集団免疫が達成される前に集団免疫の効果を過信してしまったこと、この二つが主因だろう。”
一方UKでは5月の始め頃の時期、全てのウイルス種を原因とするCOVID-19感染者数は7日間当たりで20以下であった。その後徐々に上昇しており7日間あたりで人口10万人に付き70人以上が感染となっている。
”変異ウイルスからどうやって自身を守るか?”
1.5メートルの距離をとること・手洗いをすること・マスクをすること・換気に心がけること等がデルタを含めての全てのウイルスから身を守る手段である。
いわゆる変異株の蔓延が起こっている地域へ行くことは、ウイルスの拡散の助長に繋がることになるので、避けるべきである。全面的な隔離の規制が行われている理由である。
WHOのKerkhove氏は市民の健康と社会の活動の上で、われわれは戦略的であるべきであり、政府・共同体・個人全てが流行防止のため協力が求められる、としている。
“変異株デルタの症状は?”
UKのZOE COVID Sympton Study appによるとデルタに感染した際の症状は元々のウイルスや他の変異株による症状とは異なるという。
“若年層には悪性の風邪に似た症状、すなわち頭痛・のどのヒリヒリ感・鼻水・発熱と時に咳き込み、と言われている。”これがために単なる風邪と思いこんだ感染者は普段と変わらない生活を続けることになる。このアプリ(app)の共同開発者のSpector氏はかかる風邪の症状でも外出を避けて検査を受けることを勧めている。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
変異株・デルタは80カ国以上に広まっている。変異株・アルファより伝染性が強く更なる死者数とロックダウンを引き起こす懸念がある。
インドが破滅的第二波と格闘する中、UKはワクチンの接種が進んだにもかかわらず、感染の増大が起こっている。ドイツもまたデルタ種で再度の波の恐れが指摘されている。
“変異株・デルタとは正確にはどんなものか?”
変異株・デルタ(B.1.617.2)によるCOVID-19感染の最初の報告はインドのMaharashtraで2020年10月にさかのぼる。その後インド国内だけでなく世界に感染拡大していった。
WHOはこの5月11日に“要注意変異株(VariantOfConcern:VOC”)と指定した。
今までにVOC に指定された株はアルファ(B.1.1.7)・ベータ(B.1.351)・ガンマ(P.1)とデルタである。
デルタ変異株は多重に変異している株である。現段階ではこれら多重変異の正確な役割・詳細は不明であるが、ウイルスの人間細胞への結合の助長とある種のワクチンから逃れることの役に立っている、とロンドンクイーンメリー大のGurdasani教授は指摘している。
変異株デルタは拡大しておりWHOによれば、今では80カ国以上に確認されている。
UKでは数万人の感染が確認されており一国内で同定されたデルタ感染数としては最大である。
“変異株デルタと変異株デルタプラスとの違い”
感染性を高めている変異株デルタの直系近縁株(時にデルタプラスとかAY.1と呼ばれる)についての報告も現れ始めている。この変異株はK417N変異体であり、この変異は南アで初めに同定されている変異株ベータにおいても通常観察されるものである。
現段階ではこの変異株の感染例は多くはない(PANGO Lineages:Sars-CoV-2シークエンスに最適の家系を与えるウェブサイトによる)。
“この変異は多分ワクチンからの逃避性を高め、伝染性を高める働きをしているだろう”とGurdasani教授は言う。
“この特異な変異を伴った新しい変異株の性質はまだ良く分かっていない。”
“この変異株は伝染性が更に高まっているか?”
公共の健康・英国(PublicHealthEngland:PHE)によるとUKで発生している新規COVID-19の感染例の90%以上が変異株デルタからとされている。
6月9日段階で変異株デルタの感染例が42000以上とされていた。このうち6月2日~9日の期間にほぼ30000例の増加が記録されている。PHEにより確認された感染例の大半がワクチン非接種者か一回だけ接種の人だった。
PHEによると変異株デルタはUKで初めて観察されたアルファ変異株(B1.1.7)に比べ家庭内感染の確率が64%増大しているとされている。
“インドでの最初の印象は変異株デルタが変異株アルファ(ケント株とも呼ばれる)よりウイルス数の増加速度が大きい”というものであった。“変異株アルファ自体が中国で初めて発見の大元のウイルス株より伝染性が高まっていると観察されていた点を加味して考えると変異株デルタは極めて危険であると言える。”
“変異株デルタはより致命的であるか?”
変異株デルタがより高い致死率を与えるものかどうかについては、データがいまだ不足している状況である。
2月1日から6月7日までの期間でUKのデルタによる死亡者は42人であったが、その内の23人はワクチン非接種者、7人は一回目接種後21日以上たって死亡、12人は2回接種後14日以上たっての死亡であった。
PHEによればアルファに比べて、変異株デルタは入院を要するまでに至る症状の悪化を引き起こしやすいという。
6月7日から13日の期間、全てのCOVID-19変異株に罹患して入院した患者は1300人以上であり、前の週の7日間より43%増大していた。
Pfizer-BioNTechとアストラゼネカ両ワクチンともデルタ株患者の入院を阻止する効果はアルファ株に対する阻止効果より若干劣っている。PHEによると2回接種後のPfizer-BioNTechワクチンはデルタ株に対しは6%の効果が減少するとされ、一方のアストラゼネカワクチンは2回接種後に1%の効果の減少が起こるとされている。
“UKでのデルタ株がより入院に至る症状の悪化が起こりやすいと言う結果から、デルタ株がより致命的であるとの結論付けは出来るだろう”とGurdasani教授は言う。
WHOのCOVID技術担当のKerkhove氏も変異株デルタがより重症化を引き起こすかどうかについはもっと多くの研究・報告が必要とした上で、次のように言っている。
“変異株だけの力で重症化が起こっているのか、あるいは何らかの別の要因も加わった形で重症化に至っているのか?いずれにしてももっと多くの情報がもとめられる。”
“ワクチンで変異株デルタから人は守られるか?”
PHEの調査からPfizer-BioNTechワクチンは1回の接種で入院に至るまでの重症化を94%抑制、2回接種で96%抑制できるとされ、アストラゼネカワクチンは1回の接種で71%抑制、2回接種で92%抑制できるとされている。
変異株デルタに感染し更に症状が発現するに至るかどうかの観点での有効性・抑制性については、Pfizer-BioNtechは1回接種で36%有効、2回接種で88%が有効とされ、アストラゼネカは1回接種で30%、2回接種で67%有効とされている。
“インドとUKに起こっているパンデミックは変異株デルタによるのか?”
インドのパンデミック(累計2900万人以上の感染者が確認されている)が主にデルタによるか否かは現段階では科学的には立証されてはいない。
Gurdasani教授はウイルスの変異株が拡大したことに加えて他に幾つかの要因がインドの爆発的拡大に絡んでいるという。
”政府の対応の遅れと集団免疫が達成される前に集団免疫の効果を過信してしまったこと、この二つが主因だろう。”
一方UKでは5月の始め頃の時期、全てのウイルス種を原因とするCOVID-19感染者数は7日間当たりで20以下であった。その後徐々に上昇しており7日間あたりで人口10万人に付き70人以上が感染となっている。
”変異ウイルスからどうやって自身を守るか?”
1.5メートルの距離をとること・手洗いをすること・マスクをすること・換気に心がけること等がデルタを含めての全てのウイルスから身を守る手段である。
いわゆる変異株の蔓延が起こっている地域へ行くことは、ウイルスの拡散の助長に繋がることになるので、避けるべきである。全面的な隔離の規制が行われている理由である。
WHOのKerkhove氏は市民の健康と社会の活動の上で、われわれは戦略的であるべきであり、政府・共同体・個人全てが流行防止のため協力が求められる、としている。
“変異株デルタの症状は?”
UKのZOE COVID Sympton Study appによるとデルタに感染した際の症状は元々のウイルスや他の変異株による症状とは異なるという。
“若年層には悪性の風邪に似た症状、すなわち頭痛・のどのヒリヒリ感・鼻水・発熱と時に咳き込み、と言われている。”これがために単なる風邪と思いこんだ感染者は普段と変わらない生活を続けることになる。このアプリ(app)の共同開発者のSpector氏はかかる風邪の症状でも外出を避けて検査を受けることを勧めている。
「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan