老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

自由こそ創造性のゆりかご!

2019-10-22 14:54:54 | 社会問題
ラグビーワールドカップ。日本チームはベスト8に進出したが、準々決勝で南アフリカに涙を呑んだ。

日本チームの戦いの軌跡を振り返ると、【自由】がいかに大切かと言う事が見えてくる。全てのチームスポーツに共通して言える事だが、戦いの要諦は、いかにしたら、自チームに【自由】を獲得できるかに尽きる。ラグビーと言う競技は、その【自由の争奪戦】の様相が大変良く分かる。

第1戦 ロシア、第二戦 アイルランド、第三戦 サモア、第4戦 スコットランド。この4戦に共通しているのは、日本の柔軟な戦いぶりだった。体格で相手に劣るフォワード戦でも負けず、接点(ブレークダウン)の攻防でも負けなかった。身長で劣るラインアウトも見事に取り切った。ハイパントの攻防も勇気をもって前に飛びあがり、競り負けなかった。

その為、日本チームの長所である早い球出し、スピードに溢れた短いパスの交換でゲイン(前に出る)を切り、臨機応変なキックで相手バックスを混乱に陥れた。

これを一言で言うと、日本チームは【自由】を手に入れ、創造性あふれる攻撃を仕掛け、見事に勝利を手に入れたのである。

ラグビー競技の本質は、陣取りゲーム。まず相手の陣地で勝負をすることが最重要。その為に、痛くて、辛い苛烈な努力をしなければならない。

日本チームの選手が口癖のようにいう「ハードワーク」とは、相手陣地で勝負をし、自チームの選手に【自由】を勝ち取るために自己犠牲も厭わぬ献身的プレーを続ける事を意味する。

これができて初めて創造性あふれる攻撃ができる。ラグビー競技においては、自チームの選手の【自由の領域】が広ければ広いほど攻撃が成功する可能性が高い。そして、攻撃にどんなプレーを選択するか、に選手やチームのセンスが問われる。

オールブラックス(NZ)は創造性とセンスの塊のようなチームである。アイルランドとの試合でのオールブラックスの攻撃は、これぞラグビーのお手本とでもいうべき見事なものだった。

アイルランド得意のフォワード戦でも負けず、生きた球をバックスに供給。その球を、一人一人の選手が創造性に富んだセンス溢れる攻撃手段で生かし切り、アイルランドを完全に翻弄していた。

彼らを見ていると、彼ら一人一人が「自由」に「奔放」にプレーをし、彼ら一人一人が味方の選手のアドリブに見事に反応し、サポートをしていた。

オールブラックスに体現されていたのは、一人一人の自由で個性あふれたプレー選択と、それを可能にする高いスキル。同時に、15人の選手がそれらの個性的なプレー選択に何の迷いもなくサポートしている。そこにはお互いの力量を信頼し、迷いなくサポートする。個人の能力とチーム(組織)としての一体感が矛盾なく存在している。

15人がムカデの足になった、組織と個人のお手本のようなチームだった。
※『15人がムカデの足たれ』 https://blog.goo.ne.jp/rojinto_goken/e/09f558e0dc0c48ea1e26f2456a2354e3

今大会の日本チームもオールブラックスに似た素晴らしいチームだった。予選4試合は、ラグビーのお手本に近い戦いぶりだった。

ただ南アフリカとの試合はそうはいかなかった。理由は単純明快。後半、相手陣で闘えなかった。ブレークダウン(接点)の攻防で負けてしまった。相手のモール攻撃を止められなかった。(体格・フィジカル勝負に持ち込まれた)

日本の勝機は、日本チームがどれだけ【自由】を勝ち取れるかどうかにかかっていた。この【自由】が勝ち取れなかったため、残念ながら勝ちきれなかった。

わたしがラグビー競技から学ぶのは、【自由】というものは、痛くて、辛くて、汚くて、しんどくて、もう辞めたいと思うほどハードワークをしなければ、手に入らない、と言う事だ。痛くて、つらくて、汚くて、しんどくて、を耐えきる努力を重ねなければ手に入らないと言う事である。

15人全員がムカデの足になり、一人一人が自由で、個性的で、創造性あふれるプレーを選択し、それを15人全員でサポートする。組織と個人の双方が生きる、「民主主義」とはそんなものだ、と考える。

南アフリカ戦後半、日本は、自陣に釘付けにされ、チームと個人の自由を奪われ、何の創造性も発揮できなかった。ところが、その日本チームが、アイルランドやスコットランド戦では見事な創造性あふれるプレーを見せた。同じチーム。同じ選手でありながら、天と地ほどの違いがある。如何にチーム全体が【自由】を獲得する事が重要であるかが了解される。

翻って現在の日本を見てみよう。

日本沈没が叫ばれて久しい。日本の各分野で指導者(人間)の劣化が止まらない。この最大の要因は、指導者連中が死に物狂いで【自由】を獲得した経験がなく、地位がもたらす「所与の現実」としての【自由】を手にしているからである。

何の努力もせずに手に入れた『自由』だから、全く大切にしない。ただ、『自分勝手の自由』を振り回している。痛くて、辛くて、汚くて、辞めたいと思うほどしんどくて、それでも懸命に獲得した【自由】なら、そんな粗末な使い方をしない。

自分だけが『自由』で、他者は自分が自由に振る舞うための僕(しもべ)だと勘違いしているから、他者が自分の自由を尊重しない事に腹が立つ。安倍政権の閣僚どもの言説を聞けば、自分の自由だけを語って恬として恥じない連中ばかりだ。

そうではなくて、他者の自由を尊重し、それをサポートする事によって、自分の自由も尊重してもらえるという発想を持たなければならない。

以前、「先憂後楽」と言う言葉を紹介したが、実はラグビー競技に見られる【自由獲得】競争は、この「先憂後楽」の精神に満ちている。

英国やラグビー先進国でラグビーがエリートのスポーツだとされているのは、【自由】獲得に対する心構えがエリートの基礎的資質だとされているからであろう。

英国や欧州の正義が全て正しいとは思わないが、彼らのレーゾンデートルである【自由】の考え方には、血を流して獲得した【自由の精神】に対するきわめて真摯でストイックな考え方に溢れている。

最後にこの国の野党連中に一言いいたい。

政治の戦いの本質は、【権力争奪戦】。権力を把握すると言う事は、自らの政党の政策を実現する【自由】を獲得する事を意味する。

現在の野党の立ち位置は、南アフリカ戦の後半の日本チームと同じだと言う認識がなさすぎる。相手の圧力に負けて、自陣に釘づけにされ、【自由】を失い、何一つ創造性を発揮できない状況に追い込まれている。

相手(自民党)にスキがないわけではない。逆にスキだらけとだと言って良い。ところがラグビーでいう所の捨て身のタックルがない。辛うじて「れいわ新選組」の山本太郎だけが、【消費税廃止】ないし【消費税5%減税】というタックルを連発している。

立憲民主党にしろ、国民民主党にしろ、無所属の野田一派にしろ、過去の自分たちの間違った政策に縛られて、捨て身になり切れない。タックルするのが痛くて厭だと言っている。

彼らは自らの『自由』には敏感だが、国民の『自由』には鈍感。これだけ貧富の格差が拡大し、福祉はカット。医療費は値上げの一途。国民の生活は火の車。国民の生活を第一に考えるなら、過去の自分たちの言説に反していても(どんなに痛くても)、「消費税廃止」ないし「消費税5%減税」の主張に踏み切るべきである。

その政策を打ち出すときには迷ってはならない。思い切りのよいタックルでなければ、相手は倒れない。どんなに痛くても、どんなに倒されても、明快に【消費税廃止】などの政策を語る事である。

痛みをこらえて、捨て身のタックルを繰り返す【野党の戦う姿】にこそ、国民は心を惹かれる。捨て身で闘うからこそ、創造性あふれる戦術が生まれる。参院選の山本太郎の戦術は、彼の捨て身の敢闘精神から生み出されたものだ。そうすると、ラグビーでいうなら、フォワードの捨て身で闘う姿に信頼を寄せるバックスの存在に国民がなる。

捨て身で闘わない野党を国民は応援しない。野党こそ、ラグビー日本代表の献身的敢闘精神に学ぶべきである。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
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一連の豪雨災害、台風災害を激甚災害。一連は、まだ終わっていない!

2019-10-22 09:46:11 | 災害
直前に、台風15号、17号被害に遭い、政府も、8月13日~9月24日の、佐賀県などを襲った記録的豪雨や台風10、13、17号を含め激甚災害に指定、農地や林道、農林水産関連施設の復旧支援には、地域を限定しない激甚災害とした。

また、TV・新聞挙げて、台風19号を警戒、「巨大台風に備えよ」「1,200人犠牲の狩野川台風に匹敵」「白い渦 列島丸のみへ」と訴え、JR等も計画運休などで、来襲に備えていた…。10月12日には、「台風 きょう東日本上陸へ」とも。
 
直前に、良いニュースもあった。東日本大震災の津波で犠牲になった石巻市立大川小学校の児童23人の遺族訴訟が原告勝訴、市・県の敗訴が確定したことである。上訴は、国にも相談の上のこと。地方自治体等に、当然『喝』が入ったことだろう。前例踏襲ではいけないと。
 
また、前後に、国民を鼓舞するニュースもあった。吉野彰・旭化成名誉フェローのノーベル化学賞受賞とラクビーW杯、日本が8強進出、4強逃すのビッグニュース、“One Team”のビッグプレイ・大活躍である。「ハードワーク続け8強」と讃え。

ノーベル平和賞に、若きエチオピア・アビー首相。「紛争のるつぼ」に希望と。最大の功績は、国交が断絶していた隣国エリトリアとの関係改善だ。…そんなことは、安倍氏には望めないか。

10月13日朝刊では、台風直撃 13都県特別警報、多摩川など氾濫7都県と来襲を伝えた。翌日には、「台風 35人死亡、17人不明」21河川24ヵ所決壊 東日本縦断、各地に爪痕、と。

10月15日、死者68人 堤防66ヵ所決壊 捜索続く 被害の全容見通せず、命、暮らし、奪われ、茶色の町 水のち泥、大雨3日 不安に震え、北陸新幹線浸水 全面再開に「相当期間」。

10月16日、「台風死者12都県73人」東日本、堤防73ヵ所が決壊 激甚災害指定へ、と。
「気候変動による豪雨の頻発・激甚化はほぼ確実」「これまで経験のない事象も発生し得る」として、治水政策 転換の矢先だった。
行き場失う水 堤防破壊、河川氾濫 地形に要因 本流増水し支流滞留、幅狭まり水位上昇(バックウォーター現象)、停電頻発 もろい送電網、【社説】台風広域被害 温暖化踏まえ治水強化を、と。
惨状に落胆 まさか、孤立住民『SOS』、濁流の爪痕 あらわ、浮かぶ寝具と消えた母、家族4人の車のむ。

10月17日、台風被害 6割が水害 土砂崩れも、被害多岐に、72時間経過 捜索懸命。
台風 東北の想定超え、『関東直撃』避難遅れに 命の道寸断 集落孤立 覆う土砂、陥没・崩落、濁流、濁流の中 妻に告げた感謝 凍える手を握り「世話になった」。

10月18日、台風浸水21都県3.9万棟 11都県4063人避難 停電、断水 復旧遠く、土砂崩れ多発、浄水場水没。 
▽即位パレード 来月10日 ▽五輪マラソン札幌開催へ ▽病院再編案に地方反発 ▽水俣病救済 阻む線引き。

10月19日、台風死者7割60歳以上 上陸1週間 79人犠牲10人不明 捜索現場 無情の雨、被災地二次災害警戒、冠水なおボートで家へ、失った未来 なぜ。 
▼自衛隊 中東独自派遣へ ▼伝統踏襲の一斉恩赦 国民理解薄い「慶弔行事」「議論もなく時代錯誤」。

10月20日、台風19号の号ごみ 処理2年超 数百万トン、西日本豪雨超す。

10月21日、堤防整備改革3割未達成(国管理河川)台風19号で決壊の地点も、九州の河川2割未達成。
▽日本4強逃す 桜あっぱれやまぬ拍手、スタイル貫き 輝き残す。

10月22日、水道民営化検討せず 九州10市(政令市、県庁所在市、中核市) 災害対応、高騰懸念、水道管老朽化 九州深刻 職員減、技術継承も課題。▼改正法、今月施行 ▼看護職最大27万人不足。

以上、地元新聞紙の見出しを紹介してみました。

その他、心に残ったものは、ホームレスの避難所受け入れ拒否、武蔵小杉のタワマン浸水被害、北陸新幹線・車両センター・車両浸水など 記憶に残る大事はあるが、これも含め、後日談に譲ることとします。今日は、此れ迄。

「護憲+コラム」より
蔵龍隠士
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