老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

鎌仲ひとみさんの講演を聞いて

2013-09-24 09:01:38 | 原発
9月22日、映画監督の鎌仲ひとみさんの講演を聞いてきました。

福島原発事故から2年半の歳月が経ち、いまだに何の救済もされていない福島の人達。「子ども被災者支援法」が決まったのに、いまだに何の手当も受けられず福島に留まる子ども達。

福島では10万人の子ども達の内43人に甲状腺癌の疑いがある腫瘍が見付かっているのに、検討委員会は「チェルノブイリの原発事故の後4、5年経ってから子どもの甲状腺癌は発生したのだから、今回の調査結果は、原発事故とは因果関係は認められない」という結論を出したというのです。原発に関係ない地域では、百万人に1人の割合で出来る甲状腺癌であるはずなのに。

鎌仲さんは、原発と地球環境をテーマとする映画を撮る前にイラクに行き、「何でイラクでは白血病で死んでいくこどもが多いのだろう?」と疑問を感じたそうです。それから、色々な事を調べてイラクでアメリカ軍が使用した劣化ウラン弾という爆弾は、原発のゴミから出来ているという事実に行き着き、「劣化ウラン弾や核兵器だけでなく、原発も危ないのではないか?」という結論に達したのだそうです。

そして「六ヶ所村ラプソティー」などのドキュメンタリー映画を制作した後に、あの3.11の原発事故が起きました。

「日本政府はあの原発事故を出来るだけ小さく見せたかった」と言っています。「低線量被曝は(ただちに)健康には影響を及ぼさない」というプロパガンダ情報が大量に流され、マスコミがそれを拡散し、福島の人達だけでなく、私達も確証のある情報は中々得られないという状況に陥ってしまったのです。

私は鎌仲さんの講演を聞いて、低線量被曝と言えどもしきい値は無い、実態は誰にも分からないというのが現実ではないか、と思いました。

福島の方が「放射性物質は拡散し、濃縮し、まった戻って来る」とおっしゃっていた、と鎌仲さんが紹介しておられました。

この汚染された日本という国で、いまだに「原子力が無ければ電気が足りない、仕事がない、経済も駄目になる」と言っている人がいます。

2020年の東京オリンピックの招致の為に、安倍首相は「汚染水は完全にコントロールされている」とウソを言いました。原発の事故は汚染水の問題だけではないのに。いざ、オリンピックが近づいて来るとまた、「経済発展だ、高度成長だ」と騒ぎ立て、「オリンピックのために使う電力が足りない、もしオリンピックが開催されなければ国際社会に顔向けが出来ない」というプロパガンダ情報が大量に「拡散され、濃縮され、また戻って来る」のでしょうか。

そのためにも、何年経っても私達は福島を忘れてはいけないのです。あの、原発事故を無かった事になどさせてはいけないのです。オリンピックや日本の経済発展のために踏みにじられ、黙って亡くなって行く人達のことを忘れてはならないのです。

それは明日の自分達につながる事でもあり、ふみにじられる人達の側に自分達もいるのであり、「無知は罪である」という言葉と共に、それが福島からの電力を使ってきた私達が多少でも出来ることではないかと、鎌仲さんの講演を聞いて思いました。

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
パンドラ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする