老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

国民投票法(憲法改正手続法)の怪

2007-05-15 20:13:09 | 憲法
昨日、小倉さん司会の朝の情報番組では自民党・船田氏、夜の情報ステーションでも自民党議員を招いて国民投票法案の問題点を質問していました。

船田氏は「地位を利用した政治活動は許されない」との意で公務員・教員の憲法改正に関する政治活動禁止の項目を説明しましたが、小倉さんもピーコさん他コメンテーターも「地位」の範囲・条件が曖昧すぎると苦言。確かに、この規定が曖昧だと、官憲が喜んで恣意的な取締り・検挙をするでしょう。

特に、大学の教授職にもあるコメンテーターは「なぜ、公務員・教員の地位利用に限るのか。会社員だって上司から意見を強制されたら逆らえない」と述べていました。私には特に改憲反対の意見が多い教員を封じ込める策に思えてなりません。

また、情報ステーションでは自民党議員が国民投票の最低投票率を決めない(又は低くても有効とする)理由をもっともらしく解説していました。例えば、投票率40%で改憲賛成が8割だった場合、国民の32%が改憲賛成でも「過半数でないと無効」規定があると投票において8割の賛成意見がムダになる。また、投票ボイコット運動が起きて投票率が低くなっても賛成多数の意見がムダになる、と。

古館さんも朝日新聞論説委員も数字のマジックに首を傾げていましたが、私の耳にはこの議員が「改憲は正しい。意思表示の投票をした正しい国民の意思がムダになるのはおかしい」と力説しているように聞こえました。まさしく、改憲のための手続法。改憲できる投票条件を整えようとしているのです。笑いながら「そんなことは全くない」と否定する、その議員の不敵さが許せません。

おかしくありませんか?民主主義の投票ならば過半数による可決が原則でしょうに。今まで国会を「数の論理」でゴリ押ししてきた与党が、「少数の『正しい』意見が通らないのはオカシイ」と主張するなんて。

おかしいでしょう?重要な憲法改正問題を低い投票率で結論付けようなんて。投票率が低い(国民の関心が薄い)ならば、高める努力をした上で再投票を行って問うべきです。一部の国民にボイコットされたなら、なぜボイコットされたかを反省した上で説明責任を果たし、再投票を行うべきです。

いずれにしろ、低い投票率や過半数以下でも賛成票を生かすというならば、それは憲法改正手続法ではなく「憲法改正ゴリ押し法」です。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
猫家五六助
コメント
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改憲で平和は得られるか?

2007-05-15 17:22:57 | 憲法
国民投票法がこの5月14日に成立した。その問題点は、護憲+のHPでも指摘されている。速記録:護憲+主催学習会「国民投票法案」について
 
しかし法案は通過し、施行は3年後の2010年になる。次期国会から「憲法調査会」に代わり「憲法審査会」が設置されるだろう。そして2010年には「改憲原案」が国会に提出・審議され、国民投票への道を歩んでいくことになるだろう。
 
ここで、もう一度、なぜ護憲つまり改憲反対なのかを、もう一度明確にしておきたいと思う。

改憲派の人たちは、平和を願う護憲派に対して、現憲法では拡大解釈が可能だから、新憲法で自衛隊の存在を認め、文民統制の自衛のための軍隊として、海外派遣を禁止するなど、明文化した憲法にすることに反対なのか?という。現在の自衛隊が憲法の拡大解釈でイラク派遣されたことを例に挙げ、こうしたことを禁止するためにも、改憲は必要であるという。実に最もで、そういった平和実現のための改憲なら賛成だと私も思う。
 
しかしここにトリックがある。国民投票で改憲賛成多数となれば、その改憲に手をつけるのは誰か? 国会に改憲案を持ち出すのは政府与党となる。その政府与党は、今まで何をしてきたかを両の目でしっかり見つめなくてはならない。過去を忘れて甘言に乗ってはいけない。
 
現憲法の拡大解釈をして、どう考えても憲法違反のイラク特措法を制定し、自衛隊の海外派遣をしたのは与党自民党である。それ以前も、90年代からの自民党政権は、周辺事態法や、武力攻撃事態対処法を含む有事関連三法と、日本が戦争のしやすい国となるよう努力を重ねてきた。その政府与党が、いったいどういう方向で改憲をしようとしているのかは、明らかではないだろうか? 
 
あなたは米国の要求に唯々諾々と従って海外に軍隊を派遣して、治安の名目でその国の人々に銃を向けて恨みを買い、挙句の果てに敵国を持ち、戦々恐々と暮らしたいのか? 
 
それとも、憲法九条を誇示して「決して戦争をしない国」であると宣言し、平和条約を結ぶべく努力し、世界の災害救助や医療、インフラ整備、教育や環境などに尽力する役に立つ仲間として、その存在を認められる国にしたくはないか?
 
アメリカの言うままに軍隊を出して前線で戦わされ、相手国の日本への攻撃に怯える日々を想像してみようではないか。そのとき銃を持つのは、あなた、あなたの恋人、連れ合い、子ども、孫、曾孫…日本の若者なのだ。そのためには、現与党のあり方を考えれば、今は護憲しかないと思う。平和憲法を守り通せるかどうかは、国民一人ひとりの1票にかかっている。まずは参院選からその1票を平和のために行使したい。

「護憲+コラム」より
コメント (1)
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