非国民通信

ノーモア・コイズミ

使っちゃう人に支給すればいいのです

2010-01-23 22:49:42 | ニュース

定額給付金、消費に回ったのは支給総額の3割(朝日新聞)

 内閣府が行った定額給付金の効果に関するアンケートで、支給総額約1.9兆円のうち、新たな消費につながったのは3割にあたる約6300億円分だったとみられることが明らかになった。貯蓄に回った分も多いとみられ、当初内閣府が試算した支給総額の4割、8000億円分を下回った。

 調査は昨年4月~9月末に行い、全国の約9200世帯が回答した。給付金をすべて消費に回した世帯は50.0%だったが、まったく使わなかった世帯は26.9%。世帯平均では支給額の64.5%を消費に回したことになる。

 「給付金がなければ購入しなかったもの」「給付金があったため支出を増やしたもの」を合わせた「新たな消費」は、給付金の支給額の32.8%で、これが実際の消費押し上げ効果となる。昨年9月末時点の支給額の1兆9159億円に当てはめて換算すると6284億円となる。

 1999年に実施した地域振興券でも、当時の経済企画庁(現内閣府)の調査では、新たな消費に回ったのは支給額の3割程度だった。「バラマキ政策」は、形を変えても予算額の3割程度の消費押し上げ効果しかないことが実証された形だ。

 高速1000円とか定額給付金とか、麻生内閣時代の政策は民主党の政策の参考になりそうなものも多いですけれど、子ども手当などはどうなるでしょうか。3割でも押し上げ効果があれば何もしないよりはマシなんじゃないかと私なんかは思うのですが、この定額給付金は自民党支持層からもバラマキと呼ばれたほど不評だったわけです。もちろん民主党支持層の大部分は自民党のやることなら評価しませんから、もう誰が応援しているんだと同情したくなるような空気の中で支給された給付金、結果は微妙なところのようで……

 お金ってのは使われることで初めて意味が出てくるものであって、それが貯蓄であれ内部留保であれ、貯め込まれることでお金が滞留してしまうと景気が悪くなるわけです。だからお金を貯め込ませない、いかに使わせるかが成功の鍵になるのですが、貰ったお金をどう使おうが個人の自由ですから計画通りには進みません。景気対策としての現金給付であれば「受け取った金をすぐに使ってしまう」人に集中的に資金を投入するのが理想ですけれど、公平性とか事務コストとかを考えると簡単には行かないのでしょうね。

 ……で、「公設」派遣村がらみでくだらないバッシングが起こっているそうです。なんでも就職活動費として給付されたお金を遊興費に使ってしまった人もいるとか。その辺は話に尾ひれが付いている節もあって真面目に受け取るほどのこともあるまいと思いますが、仮に「受け取った金をすぐに使ってしまう」人が続出しているとしたらどうでしょうか。定額給付金よりもずっと効率の良い、消費押し上げ効果が得られたことになるはずです。いくら給付しても貯蓄に回されたらアウトですが、すぐに消費に回されれば景気回復への力強い第一歩となりますから。

 一口に不景気と言っても、モノが不足して貧乏な場合と、お金が動かなくて貧乏な場合があって、日本は後者に該当するわけです。前者であれば生産力の向上が必要な対策になりますが、後者の場合はお金の流通量を増やすことが対策になります。ついでに後者の場合にモノの生産量を増やしてしまうと供給過剰になってものの価値が下がる、デフレが進みます。ですので極論すれば「働かずにお金を使う」ことが景気回復の鍵になってくるわけです。だから(本人が望もうと望むまいと)安定した職に就かず、かつ手に入ったお金はすぐに使ってしまうような人々、そういう人のためにこそお金をどんどん給付していくのが景気対策としては最も効率の良い支給方法なのではないかと思います。あんまり真面目な人は給付されても将来に備えて貯金に回してしまう(=消費押し上げ効果を損ねる)、そして低賃金でもしっかり働いて過当競争に拍車を掛けてしまう(=デフレ傾向を強める)可能性がありますから、むしろ不真面目な人を優遇しましょう。

 

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333 :金持ち名無しさん、貧乏名無しさん:2010/01/16(土) 07:46:26
ときは8月、黒海沿岸の町。雨にぬれる小さな町は活気がなく、すっかり寂れていた。
人々は借金を抱えて苦しい生活をしているのだ。

その町へ、一人の旅人がやってきた。そして町に一つしかないホテルに入ると、
受付のカウンターに100ユーロ紙幣を置き、部屋を選ぶために2階へ上がって行った。
ホテルの主人は100ユーロ紙幣をひっつかんで、借金返済のために肉屋へ走った。
肉屋は同じ紙幣を持って養豚業者へ走り、100ユーロの借金を返した。
養豚業者はその紙幣を握ると、つけにしてある餌代と燃料代を払うために販売業者に走った。

販売業者は100ユーロ紙幣を手にすると、この厳しいご時世にもかかわらず、つけでお相手をしてくれる
町の遊女に返そうと彼女のもとに走った。遊女は100ユーロ紙幣を懐にしてホテルに走り、
たびたびカモを連れこんだホテルに借りていた部屋代を返済した。

ホテルの主人は、その100ユーロを受け取ると、紙幣をカウンターの元の位置に置いた。
ちょうどそのとき、部屋をチェックして2階から降りてきた旅人が、どの部屋も気に入らないと云って
100ユーロ紙幣をポケットにしまいこみ、町を出て行った。

誰も稼いでないけど、町中の誰もが借金を返し終わり、町は活気を取り戻した。


コメント (9)    この記事についてブログを書く
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9 コメント

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だから投票できなかったんだよ・・・orz (Unknown)
2010-01-24 07:54:48
累進課税すら元に戻せないならいる意味ないじゃないですか
その上で一律消費税増税って??(さらに人権無視の分限免職?

馬鹿もいい加減にしろと言ってやりたいです
小泉以上に最悪じゃないですか
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『Foresight』(2月号)の冒頭に (貝枝五郎)
2010-01-24 08:38:02
「デフレは市場からの警告だ」(8ページ)という記事があります、まだ読んでませんが。あと、まえにも紹介したとおもいますが『豊かなアジア 貧しい日本』(学陽書房)が指摘するように、そもそもモノがあっても政治経済社会関係で服従を強いられていたらまずしいのですから[注]、テンスケおよび天皇制を打倒しないかぎり、日本は普通の民主国家なみにゆたかになることは未来永劫ありえません。

http://www.geocities.jp/abe_netsuzo21/tennoh/index.html

[注]このかんがえは、「アマルティア・センの潜在能力アプローチ」とよばれることがあるそうです。学術界においてどの程度普及している呼称であるかはわかりませんが。
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Unknown (非国民通信管理人)
2010-01-24 11:47:22
>Unknownさん(次回よりハンドルネームをご記入ください)

 あくまで小泉路線の後継者ですからね。「古い自民党」や官僚一般に対する敵意に乗じただけであって、決して小泉以降の自民党路線を覆そうとするものではないですから。

>貝枝五郎さん

 天皇はどうでも良いんですがね、まぁ天皇が祭祀を務める国家神道的なものの考え方は足枷の一つなんでしょうけれど。
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ふと思いました (コンポコ)
2010-01-24 19:39:31
現在の不景気は、日本人の気質が起こしてるのではないかと思えてしまいます。
すぐに貯金の事ばかり気にする打算的な所と、
不景気だからと言って十分余裕があるのに出費(投資)を控えるマイナス思考な所。
これらが不景気の一因になっているのかもしれません。

なんか哀れなものを感じます。
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すぐに (介護員)
2010-01-24 20:04:32
使いはたしましたよ‥自分は‥?に使ったか忘れてたよ‥もっと下さいな‥賃金安いんだから
介護員は、半分貯金して半分使いたい、旅行にも行きたいし、日本航空にも乗ってあげないとね!

関西旅行したいな!

エアードゥーは大阪行きはないから‥
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私も・・・ (えちごっぺ)
2010-01-24 21:13:17
すぐに使いました!(苦笑)
全く、仰る通りでお金持ちは消費財にそれほどお金を使うとは思えませんし・・・

何があっても生きていけるような国ならば、庶民ももっとお金を使うのでしょうが、即生存が危ぶまれるこの「美しい国」ではそうもいかないようです・・・
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Unknown (非国民通信管理人)
2010-01-24 23:28:28
>コンポコさん

 しかも「デフレ(不況)もまた良し」みたいな風潮すらありますから堪りません。定額給付金は規模の面では不十分ですが、景気対策の方向性としては間違っていなかったように思うのですが、ただそれを活かすか殺すかは国民次第…… 財政出動が効かないとなると「やっぱり構造改革しかない」みたいな方向に進みそうで恐いのですが。

>介護員さん

 半分貯金されてしまうと景気対策としては効果が薄れてしまいますから、全額消費に回して貰うためには何が必要でしょうかね。1回限りではなく、次から次へと給付していくのはどうかとも当時は思ったものです。

>えちごっぺさん

 そのためには将来不安を取り除かないといけないんですよね。社会保障が機能していないと、自助努力で将来への備え=貯金に回してしまう人が増えてしまうますので。使った人にはどんどん追加で給付するぐらいのことをやれば、より効果的だと思うのですけれど、その辺はむしろ国民の反対が強くなりそうな……
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Unknown (nanami)
2010-01-26 09:30:27
よく覚えてませんが、多分生活費の足しにして終わりだったと思います。あるいは貯金したかもしれません。金額が少なすぎるんですよ。ゲームを買いたい小学生くらいにしか嬉しくない金額でしょう。全国民一律で低い金額を渡すのではなく、低所得者に絞ってもっと高い金額を渡せばいいのに。
どうしても使って欲しいのであれば現金ではなく、期限を定めたクーポン券みたいなものを渡すとか。
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Unknown (非国民通信管理人)
2010-01-26 18:50:30
>nanamiさん

 そういう意味では貯蓄に回せる現金より地域振興券的な形式の方が効率は良さそうなのですが、まぁ事務的なコストの問題もあるのでしょう。私なんかは1回限りではなく継続して支給すべきではないかと主張したものですが、あの不人気ぶりでは打ち切りにならざるを得なかったのかも知れません。
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