首相の給付金受領「どうでもいい」=読み間違い批判に不満-中川財務相(時事通信)
同相は「政府も与党も日本の経済をどうやってよくしようかと必死に頑張っているので、言い間違いもあるだろう」と強調。今国会の財政演説で「渦中」を「うずちゅう」と読み間違えたことにも触れ、「国が一致団結して(景気浮揚のために)戦わないといけないときに、後ろを向いて『言い間違えてごめんなさい』と言っている間に、戦いがおかしくなったら皆さんに申し訳ない」と語った。
未だに麻生を支持している人は、「マスコミは(漢字の読み間違いなどの)どうでもいいことばかり報道している!」と日夜憤っているようですが、似たようなことを中川財務相も言っています。しかし何でしょうね、「民間なら当たり前」のロジックを使うなら、一概にどうでもいいこととしてスルーしてはもらえないような気もします。そう、これが民間企業だったら、会社を代表して社外にメッセージを発信する場面で馬鹿げた言い間違いや読み間違い、右往左往を繰り替えせば「会社のイメージを損ねた!」とばかりに非難囂々でしょう。それを思えば麻生への評価は甘い、下っ端公務員はいざ知らず、「官」のトップは甘やかされていると言わざるを得ませんね。
ちなみに麻生首相、今回は「渦中」を「うずちゅう」と呼んだそうです。あ~、社長が演説中にとんでもない言い間違いをして、居並んだ社員は笑いをこらえるのに必死だったとか、そういう場面が思い浮かびますね。「うずちゅう」ですよ。真面目に議論している最中に突然そんなことを言われれば、我慢できず噴き出してしまう人がいたって不思議ではありません。「国が一致団結して(景気浮揚のために)戦わないといけないときに、下を向いて笑うのをこらえている間に、戦いがおかしくなったら皆さんに申し訳ない」ぐらいの気持ちを、麻生氏と中川氏には持って欲しい気がします。
しかしまぁ、この「うずちゅう」は果たしてどれだけ報道されていたのでしょうか。寡聞にして初耳でした。中川氏のこの抗弁を聞いて私は初めて知りました。こうも漢字の読み間違いを繰り返されるとネタとしての新鮮みも薄れ、それを報道するメディアも激減していた最中のこと、今回の「うずちゅう」もほとんどスルーされていたような気がするのですが、中川氏が余計なことを言い出したせいでかえって広まってしまうのではないでしょうか。自民党内でも立場の危うい麻生氏ですから、中川氏が意図して燃料投下するような真似をしているのではと勘繰りたくもなりますね。
郵政民営化「国民は内容知らなかった」=05年衆院選振り返り麻生首相(時事通信)
麻生太郎首相は10日夕、2005年の衆院選に関し「あの時『(郵政民営化関連法案に)4分社化(が盛り込まれていると)知ってましたか』と言われたら、知ってる人はほとんどいなかった」との認識を示した。さらに「国民が(争点と)感じていたのは、郵政民営化かそうでないかだけだった。(民営化の)内容を詳しく知っていた方はほとんどいなかった」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
漢字の読み間違いは許すとして、郵政民営化を巡る賛否についての「ブレ」はちょっといただけませんね。昨年9月には「私は郵政民営化を担当した大臣ですからね」と断言していたのに、その5ヶ月後に「わたしは総務大臣だったが、郵政民営化担当大臣ではなかった」と言い切るのはどうでしょう。自分の言ったことを憶えていられないのか、それとも単にその時々のウケが良さそうな立場を選んでいるだけなのか、こういう「ブレ」は信頼を損ねるだけです。まぁ、何が何でも民営化という名の私物化路線を正当化しようとする小泉や竹中のような輩に比べれば、それが日和見主義の結果であってもマシと呼べるのかも知れませんが。
ただ、「(民営化の)内容を詳しく知っていた方はほとんどいなかった」という指摘は正しいのかも知れません。何を今さらではありますが。実際に何をやるのか理解しないまま、知ろうともしないままとにかく「改革」が必要なのだと信じて小泉自民党に賛成票を投じた人は多かったでしょう。その恩恵を受けている自民党の総裁が何を言うかと思わないでもありませんが、内容を吟味せずに国民が投票し、その結果として現行の郵政民営化諸々が進められてきた点は否めないでしょう。
国民が理解しないまま投票した結果であるなら、もう一度問い直すべきだ、それももっともです(野党が言うなら!)。しかし、壊すのは簡単でも直すのは難しい、10mの穴を掘ってからそれを埋めたり、あるいはまた別の場所に穴を掘るのは大変です。失敗を認めて計画を練り直すのも大事ですが、その前の段階の過ちを改めないと、同じ失敗を繰り返すだけでしょう。社会の閉塞感に乗じて、「とにかく改革が必要なのだ」と中身を説明しないまま賛成を取り付けようとする、無理解に基づく世論の支持を背景に暴論を押し通そうとする、そういう手口にも反省が欲しいところです。有権者が自党の政策に賛成ならば良し、ではなく、理解した上で賛成しているのか、それとも内容を知らずに賛成しているのか、そこまで気にするのが責任ある政治というものであり、そういう政治であれば今の混乱は防げたはずです。まぁ国民の側が知ろうとすれば知ることが出来たという点では、国民に責任もありますけれど。
アソー閣下の「郵政見直し発言」にコイズミ大先生が郵政民営化を堅持し推進する集いとやらで「怒るというよりも笑っちゃうぐらい、ただただあきれてしょうがない」酷評されたそうで、実働部隊の中川や武部は、閣下の見直し発言は、世迷い言から生まれた妄言と必死の「見直し論」火消しを図ったいる模様。
3年周期で民営化を見直す機会を決めたのはコイズミ大先生自身ですが(閣下の問題提起の仕方はアレ過ぎますが)、やはり目の前のカイカク利権(北海道新聞には既得利権の対義で「新得利権」と書かれてました)を目にするとどんな人でも目の色変わるんでしょうか。
私自身は郵政民営化自体には反対の立場でしたが、国会内の政争には「所詮、郵政族とカイカク派の利権闘争」と冷めて見てました。
全面広告で「郵政民営化で全ての諸問題が解決する!」といった図解が載ったものでしたが、
私は「究極の屁理屈!」といった感想しかありませんでした。
しかし、ああいう結果になったのは、その広告を鵜呑みにした人が多かったということなんでしょう。
何か小泉が麻生叩きを始めたようですが、
また両者の争いにメディアが矮小化して、
せっかく盛り上がってきた改革批判が吹っ飛ぶんじゃないかと危惧しています。
旧暦ならまだ正月みたいなものです。今年もよろしくお願いします。
それはさておき思わぬところから自民党内に亀裂が走りましたが、安穏としていたカイカク派の逆ギレのごとき反撃でも始まるのでしょうかね。上手いこと自滅してくれればいいのですが、未だに結構な支持があるのが怖いところです。
>観潮楼さん
郵政民営化すれば身長も伸びて彼女ができると、もうそんなノリと同レベルの持ち上げ方でしたよね。有権者の側にもうちょっと、中味を吟味する姿勢があればという思いがないでもありませんが、結果はご覧の通り。カイカク批判は歓迎したいところですが、眠っていた小泉がどう出るか、ですね。中味はなくとも人気は今なお健在ですから……
今こんなこと言ったら余計紛糾しそうですけど、そういう当り前の頭が全く廻らないんですね。権力闘争なら長じている癖に。
ここらへん、麻生氏や安倍氏の自滅的で無意味なKYぶりも「この親(分)にしてこの子」という観があります。
小泉は郵政で否決された時を思わせるキレ台詞が出ましたが。(当時よりは随分余裕ある立場とはいえ)
この先どうするんでしょう、もしかして支持率再生の見込みが無くなった総理をヒールに転用し、性懲りも無く小泉劇場をやるのか。
渡辺離党なんぞも、何かそういう方向の臭いがしましたし。
麻生氏が当時の経緯を語って問題視されてますが、あれ自民党員のほとんどの本音でしょう、間違いなく。
ここに来て小泉氏がしゃしゃり出た背景は、中川氏の追い落としや郵政見直し、さらに地味に報じられましたが与謝野、鳩山等の自民党からも否定的な話が出始めた事が大きいでしょう、もっとも高橋洋一あたりが裏で暗躍して、行政を司る官僚から政治を取り戻すといった運動をしようと目論んでいますので、道を危めた連中が「改革」とやらの美名で延命しないよう注視すべきと考えます。
ただ、大阪の橋下に代表される「プロレス」的な劇場政治が持てはやされる状況を見るに、一抹の不安はやっぱりあるんですよね、いい加減目はさめてると信じたいですがどうなるやら。
党の要職にあったはずの人から、今さらそんなことを言われても……という感じですが、まぁ失言あっての森氏ですよね??? それはさておき、麻生内閣が昔年の森内閣の役目を果たし、小泉(もしくは新しい小泉)が再び自民党批判の声を上げながら「カイカク」に乗り出すことで、同じ過ちを繰り返してしまう可能性も考えられます。有権者に学習能力があればいいのですが、橋下の人気を見るに連れ……
>ふみたけさん
小泉政権時代は、郵政民営化等々の「カイカク」に異議を唱えようももなら「総括」を要求されそうな雰囲気でしたからね。議員として生き残ることを重視して、嫌々ながらに従った議員も多かったはずです。一方で未だに小泉には(とりわけ若年層の)支持が強く、新しい小泉候補である橋下も大人気、悪夢の再来は十分に考えられる、ここでクビをすくめているだけじゃ済まないのかも知れません。
ところがそんな麻生ですが、「この人こそ首相にふさわしい」と仰った方がいます。橋の下にいる腐知事ではありません。
某非モテ系極右評論家(http://bogusne.ws/article/33665735.html)が歴史“改竄(連中が自分のイデオロギーを振りかざし、歴史を捩じ曲げている点で「修正」という言葉が、私個人にはしっくり来なかったもので。無論彼らにしてみればそれが「正しい歴史」なのでしょうが)”主義、排外主義が炸裂している極右系雑誌「WiLL」にて、熱く語っていました。
いわく、<<私は麻生太郎氏のご自宅に何度か伺ったこともあり、その時、見た光景から首相に相応しい人だと思ったものです。麻生氏が若い頃のことでしたが、アメリカの駐日大使がご夫妻で遊びに来ており、横で大使館夫人がピアノを弾いてたりされてた。
海外の要職にある方々とプライベートで交流を深めることができる能力こそ、政治家に必要であると思っていますから、麻生氏を頼もしく思ったものです。(以上、「WiLL2008年11月号より抜粋」)>>だそうです。
しかし、蓋を開けてみれば、この「非モテ」氏の主張とは裏腹に、国民から嘲笑の的となっているのが現状です。この現状を見て、「非モテ」氏は、どう思っているのでしょうか?
ただ、この「非モテ」氏の主張も逆説的には参考になります。この「非モテ」氏が「この人こそ首相に相応しい」と主張したなら、「ああ、こいつは首相には相応しくないんだな」と思えばいいのですから。
以上です。乱長文にて失礼しました。
お世話様です。
TBの件、お手数をおかけしました。
今後ともよろしくお願いします。
お久しぶりです。
安倍もそうでしたが、麻生も総裁に就任するまでは、その筋の人の期待の星だったんですよね。想像以上の早さでボロが出たわけですが、麻生を持ち上げてきた人は今どんな顔をしているのやら、ですね。
>大脇道場さん
TBの件、わざわざありがとうございます。こちらからもよろしくお願いいたします。
実を言うと、私も当初は民営化に賛成派だったんですがね。というのも公務員を減らすべきという考えや賃金は低い人に合わせるべきという考えは当然だと思っていましたので。あの当時、自分に選挙権がなくてよかったと、安心しております。ちなみになぜこれらの考えが変わったかというと、非国民さんのおかげです。非国民さんのお話を聞いて、それらはおかしいことだと気づきました。なんだか、今更の上に本題と離れてしまいましたが、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。