都市部の人は「よく歩き、肥満も少ない」 食育白書(朝日新聞)
都市部の人は、よく歩き、肥満の割合が低く、地方は肥満の人が目立つ――。こんな傾向が、政府が28日に閣議決定した08年版食育白書で分かった。1日の歩行数を都道府県別で見ると、2千歩以上の開きがあった。
1日の歩行数は全国平均で成人男性7525.5歩、成人女性6662.6歩。都道府県別で多い順に、男性が(1)神奈川8371.5歩(2)兵庫8281.2歩(3)東京8237.8歩。女性は(1)高知7777.5歩(2)兵庫7499.8歩(3)神奈川7371.4歩。
歩行数が少ない順に、男性が(1)高知6173.1歩(2)山形6207.2歩(3)徳島6217.7歩。女性は(1)山形5214.8歩(2)和歌山5842.4歩(3)岩手6005.7歩。内閣府は「地方は車の利用が多いからでは」と分析する。女性で高知が最も歩行数が多いが、高知県健康づくり課は「階段を使うなど健康づくりを推進しているが、理由は分かりません」という。
他の国でも同様のものがあるのかどうかは寡聞にして知るところではありませんが、日本は田舎信仰が強いわけです。都会は「悪」であり、田舎暮らしを理想とする、というより美化する傾向は強いですよね? ところが歩行数を見てみると、都会人の方がよく歩き、肥満も少ない傾向にあるとか。
男性のワースト1位と女性のベスト1位をダブル受賞した高知県の存在が大いに謎ですが、それを例外とすれば都市部の住民の方が歩いています。都市部の方が弱冠、年齢層が若いことも影響しているかも知れませんが、やはり移動手段の違いが大きいでしょう。都市部では徒歩と公共交通機関を組み合わせた移動が主ですが、地方では自動車の利用が中心とするなら、今回の結果にも頷けます。駅やバス停までは歩くしかない(自転車もありますが)ですから必然的に歩数が増える一方、自家用車で移動するなら、庭に出るまでしか歩きませんからね。
漠然としたイメージ、思いこみとしては「都会=不健康」であり、その対極にあるものとして「田舎=健康的」という位置づけがあると思います。ただそれは作られたイメージと言いますか、田舎暮らしへの憬れが入り交じっているような気もしますし、単なる懐古趣味、都市化が進んでいなかった(ように思われる)時代へのノスタルジーでもあるのではないでしょうか。
今回歩行数が調査対象になっているわけですが、住民一人当りのエネルギー消費量などはどうなのでしょう。自分の足で移動する傾向の強い都市部よりも、車で移動する機会の多い地方の方がエネルギー消費量は多そうです。時に、田舎暮らしよりも都会で暮らした方が環境負荷は小さいのではないかと思われるのですが、いかがなものでしょうか。都市と同様、「効率」もまた「悪」のイメージが強いですが、それを否定するあまり、かえって環境負荷の高いものを推進していたとしたら……
聞くところによると、布オムツも紙オムツも、環境負荷に大した差はないそうです。繰り返し使える布オムツの方が環境に優しいイメージが強いですが、洗濯に要する環境負荷は紙オムツを使い捨てにする環境負荷に劣るものではないらしいのです。ただ昔からあるものの方が「正しい」イメージがあり、新しく生み出されたものには「利便性のために○○を犠牲にした~」等の負のイメージが付け加えられる、それだけの話です。
まぁ誰でも住みたいところに住む権利がありますから、地方に住みたければ地方に住み続けられることが最良です。ただ、本気で環境負荷云々を考えるのであれば、都市化、集約化も視野に入れる必要はありそうです。夜間営業を拡大して、昼間に集中する経済活動を昼夜フラットなものに近づけるなども、(人間には必ずしも優しくありませんが)環境に優しくなるためには必要ですね。農業/食料生産も然り、旧来のやり方を頑なに守って門戸を閉ざすだけのノスタルジーで乗り切れる時代じゃありません。地球に優しくなるためには、むしろ伝統的なものから人為的な方向へシフトすることが重要にもなってくるのです。
田舎でいいところといえば・・・そうですね。島の人口が100人にも満たない島というものがありました。そこでは全員が知り合いで、人を許す文化というものがあるそうです。我々にとっては貴重なものがあるような気がします。ただその反面、コンビニエンスストアすらない状況なので、物質的には改善していかなくてはならないかなと思いました。というか、その島にそういう意見を送りました。さすがに「近代化が進めば、良さが損なわれる。」とは言わないでしょうが、その他にも壁がありそうですし、無責任かもしれませんが大変そうです。
余談ですが、私の住んでいる町は住みやすいところだと自負しております。都会ほど(会社のビルとか集中して)騒がしくもなければ田舎ほど(コンビニやスーパーがなくて)不便でもない。これが理想なのではないですかね。まあ、その人が自分が住みやすいと思うところに住むのが一番ですが。
ただ庭とかあれば当然水はたくさん使いますよね。
ちなみに今はよほどの片田舎でもコンビニはありますから、そこへ深夜車で移動したりしたら、確かに環境に良くはないと思います。
ちなみに個人的には、私は世田谷区みたいな環境が好きです。
田舎の肯定的な側面ばかりがクローズアップされがちですが、実態は明るいところだけではないでしょうからね。それでもイメージばかりが一人歩きしているような……
ちなみに私の住んでいるエリアは、自転車で15分かけて駅まで行かないとコンビニがないです。歯医者だけはたくさんありまして、もういっそのこと公共料金の納付や宅急便の受け付けも歯医者でやってくれたらいいのに、と思うくらいなのですが。
>Bill McCrearyさん
田舎の庭付き一軒家より、都会の集合住宅の方が、人口当りの環境負荷は大きいと思いますね。コンビニに行くのさえ車を使う必要のある地域と、徒歩で行ける地域であればなおさら差は広がりますし。