心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

明治の人って強い ~ 玉岡かおる原作ドラマ「お家さん」

2014-05-11 09:18:07 | Weblog

 暖かくなって、昨秋植えたイチゴも色づき始めました。タイムの花が咲き、レモンやスダチの柑橘類も真っ白い花を広げています。そんなゴールデンウィーク最後の休日は、畑仕事に汗を流しました。今年は種蒔きの時期を逸しましたので、近所のホームセンターでキュウリ、ナス、トマト、オクラ、枝豆の苗を買ってきて、耕しておいた畑に植え付けました。愛犬ゴンタも一緒に土いじりです。
 さて、先週末、読売テレビ開局55周年記念ドラマ「お家さん」(玉岡かおる原作)を見ました。腰を据えて長時間のテレビドラマを見るのは久しぶりのことでしたが、夕刻遅くまで会議が続いたため、自宅に着いたのは始まる5分前、午後8時55分でした。それから2時間半、遅めの夕食をいただきながら、美味しいお酒をいただきながら、見入ってしまいました。かの鈴木商店の盛衰を史実に基づいて著した玉岡さんの力作です。もちろん、誇張した部分があったにせよ、鈴木よね役の天海祐希さん、金子直吉役の小栗旬さんの演技も素晴らしく、テレビドラマにしては見応えのあるものでした。見終わって家内がひと言。「明治の人って強いねぇ」と。どうも最近、あの時代のような生き生き感に乏しいのが気になります。
 それはさておき、先週の日曜日に次男君が束の間のご帰還でありました。畑で草むしりをしていたら、目の前にぬくっと立つ次男君、「ただいま」と。その夜は美味しいお酒をいただきながら楽しい時間を過ごしました。といっても次男君はビール党、お酒は味わうだけでした。
 せっかくだからと、翌日は京都に出かけました。知恩院へのお参りが目的ですが、それだけではとネットで探した行先は、京都文化博物館の「光の賛歌 印象派展~パリ、セーヌ、ノルマンディの水辺をたどる旅」でした。京阪電車の三条駅を基点に、西に東に時々小雨舞う京の街を散策しました。
 シスレーの「モレの橋」「春の小さな草地」、ピサロの「ルーアンのボワエルデュー橋、日没」「小川で足を洗う女」、モネの「睡蓮」「アルジャントゥイユのセーヌ川」「荒天のエトルタ」。ルノワールの「ブージヴァルのダンス」は、数年前のボストン美術館展以来の再会でありました。
 中世の物語絵画の世界から、一歩屋外に歩み出る時代。そして、目の前の風景を描いていく時代から、色彩や形態などの形式を重視するフォーマリズムの台頭、そんな時代状況の中で、それぞれの画家が自分の世界をカンバスに描いていく。かのゴッホも、同時代人でした。
 小説「お家さん」の時代とは若干のずれはあるものの、ほぼ同時代のフランスと日本の時代風景を、ひとつは経済史(商い)の視点から、もうひとつは絵画の視点から眺めたことになります。視点は違っても、人間が自分の足で歩き、もがき、苦しみながら時代を作っていったという意味では、同じ営みです。昨夜は、ぼんやりとそんなことを考えながら眠りにつきました。

 
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