心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

幽体離脱??

2023-02-17 22:33:10 | Weblog

 立春を迎え早くも第4候:雨水初候「土脉潤起」(つちのしょううるおいおこる)。春の雨が大地を潤し始める時季となりました。もう少し辛抱したら、待ちに待った穏やかな「春」がやってきます。
 そんな季節に誘われて次の日曜日は2回目の四国遍路バスツアーがあります。初回は雨模様でしたが、お天気予報では今回も怪しい雲行きです。でもバスでの移動ですから苦にはなりません。巡るのは7番札所の十楽寺から熊谷寺、法輪寺、切幡寺、藤井寺の5カ寺です。前回の歩き遍路のときは秋でしたから、秋晴れのもと彼岸花や萩の花を愛でながら、稲刈りが終わった広大な田園地帯をてくてく歩き、遠くに見える山裾をめざして吉野川を渡りました。
 四国遍路といえば、先日、古本屋さんで「四国霊場 仏像を訪ねて」上巻(香川・徳島編)/宮帯出版社に出会いました。帯には「四国88カ寺の秘仏を網羅」とあります。
 お寺のご本尊の多くは、ふだんは拝むことができなかったり、できても薄暗い本堂の奥に鎮座しているのが通例で、お顔の表情をまじまじと見ることはできません。運良く拝顔できるときは、何百年にもわたって衆生の思いを一身に受け止めて来たお姿の前で立ち竦んでしまいます。私のように宗教心の薄い者にとっても自然に手を合わせてしまいます。
 そんな仏像を一体ずつカラー写真に収めた本です。3巡目の四国遍路では、お寺のご本尊にお目にかかるというもうひとつの視点が加わりました。さっそく「四国霊場 仏像を訪ねて」の下巻(高知・愛媛編)をAmazonで買い求めました。
 ところで、私が日頃ネットで愛読しているものに新潮社のWEBマガジン「考える人」があります。https://kangaeruhito.jp/ 以前季刊誌だった「考える人」に代わるもので、サブタイトルは「シンプルな暮らし、自分の頭で考える力。知の楽しみにあふれたWebマガジン」とあります。
 その連載記事のひとつに「考える佛教」があります。執筆者は南直哉さんという禅僧です。南さんは永平寺で約20年修行生活をおくり2005年から恐山に移り現在は恐山菩提寺院代(住職代理)をお勤めになっていて、「お坊さんらしく、ない。南直哉」と銘打って投稿されています。先日投稿されたのは「二十二、育成の困難――優秀な上司のもとで部下が育たない理由」でした。「お坊さんらしくない」平易な言葉でこの社会を綴っていらっしゃいます。ついつい読んでしまいます。
 年度末年度初めの準備で相変わらず落ち着きのない日々が続いていますが、現役時代と変わらず忙しくなればなるほど、夜な夜なふっと現実を離れて未だ見ぬ世界を彷徨う私がいます。これを「幽体離脱」っていうんでしょうか(笑)。

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