心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

シニアも夏休み。「世界を変えたレコード展」に行く

2017-07-21 21:12:17 | Weblog

 ここ大阪もやっと梅雨があけたと思ったら、連日35度を超える猛暑日が続いています。でも、この暑さはまだ始まったばかりです。「大暑」。暑い暑い夏を迎えました。
 そんな夏の清々しい朝、近くのお不動さんへお散歩にでかけます。ときには本堂で行われている護摩供祈祷を眺めたりもします。その間およそ1時間、歩数にして5千歩強。これがわたしの日課になっています。.....暑い夏が過ぎて秋を迎え、寒い冬を越えて春を迎える。四季の移り変わりを肌で感じながら、心身の健康を確かめてもいます。
 今朝、境内にいくと、蝉取りに夢中になっている母子に出会いました。きょうから夏休みなんですね。クーラーの効いた休憩所でひと休みしていると、広い空間の端っこに子供たちのグループがいます。宿題をしています。ゲームをしている子どももいます。いい場所を見つけたものです。
 それにしても1年が経つのはほんとに早いものです。この調子でいけば、あれよあれよという間に健康寿命が終わってしまうかもしれません。それは避けたいなあというわけで、昨年の10月からシニア向けのカレッジに通っていますが、今週、終業式を迎え、1カ月の夏休みに入りました。
 カレッジには、いろんな人生を送ってきた方々がいらっしゃいます。企業戦士だった方もいれば、コンサルタントやアナウンサーだった方、学校の先生だった方もいます。もちろん専業主婦だった方や今も自営業を営んでいる方もいらっしゃる。皆それぞれの人生をそれぞれのスタイルで頑張ってきた元気なシニアたちです。それにしても、世の中の柵から解放されると、言葉のひとつひとつが新鮮に感じられるから不思議です。日々、良い出会いをいただいています。時々集まっては冷たいビールをいただきながら盛り上がります。これもまた楽しいことです。
 なんとか留年することなく2年生に進級できそうです。きょう来期の学費を納めましたが、来期のプログラムも興味をそそるものばかりです。先日初めて学んだ風景画、まだまだ知らないことばかりなのに1枚の絵が描けただけで満足してしまい、秋からは「水彩画教室」にも通う予定です。半年後にどれだけ上達できるか楽しみでもあります(笑)。
 来期といえば、この秋から四国八十八カ所の「歩き遍路」に挑戦することを計画中です。挑戦というほど気負ったものではありませんが、この1年間、バスツアーで巡った際に見かけた「歩き遍路」さんに、妙な憧れをもってしまいました。期限は設けず、場合によっては途中で断念ということも織り込みながらも、とにかく歩いてみたい。
 幸い、「発心の道場」といわれる徳島県で「歩き遍路」をサポートしていらっしゃる方と出会うことができました。地元の銀行にお勤めのあと、先達や旅行関係の資格をおとりになってガイドをしていらっしゃる方です。1400キロもの距離を歩き通す自信は毛頭ありませんが、まずは9月の半ば、1番札所の霊山寺から11番札所の藤井寺まで歩いてみることにしました。弘法大師空海らが千数百年も前に創建した寺々を巡り、樹齢数百年の大杉の肌に触りながら、無心でただただ歩き続ける。これもありかと。
 話は変わりますが、先日、カレッジの帰りに、大阪駅前のグランフロント大阪北館で開催中(23日まで)の「世界を変えたレコード展~レコードコレクションからたどるポピュラーミュージックの歴史」を覗いてきました。主催はなんと工業専門の金沢工業大学です。この大学、2年前の秋には所蔵するコペルニクス、ニュートン、キュリー夫人、アインシュタイン等の初版本などを展示した「世界を変えた書物展」を主催した、懐の深い大学です。
 一歩中に入るとロックン・ロールやジャズをはじめとするポピュラーミュージックのLPレコードがずらり。この分野が好きな方にはたまらない内容だろうと思います。1枚のレコードのジャケットをじっと見入っている方があちらこちらにいらっしゃいました。
 ブース7「モノ~無形化」のパネルには、つぎのように記されていました。「1989年を境にアナログレコード生産が消滅してCDにとって変わられ、ポピュラーミュージックの世界にデジタル化の波が押し寄せた。レコーディングのスタイルが変化し、機材も含め、音楽の聴き方も変わっていった。そしてインターネット上での音楽配信が一般化し、世界中の町からレコードショップが消えていった。LPはもちろんのこと、CDも手に入れず、CDプレーヤーも持っていない新しい世代。ポピュラーミュージックは現在、デジタル波に乗って世界中を駆け巡るようになった」と。シニア世代としては寂しいような、楽しいような複雑な心境です。
 こうした進化に、どこまでついて行けるのか一抹の不安もあります。最近は、パソコンはもとより家庭電器製品に至るまで、便利さという名の付加価値がどっさりついていて、それを使い熟すのにひと苦労します。もっとシンプルであっても良くはないか。
 そんななかで少し元気をいただいた新聞記事がありました。数か月前の読売新聞だったと思いますが、「アナログレコードの人気が高まり、国内生産枚数が2009年に10万2千枚だったのが、16年には79万9千枚にまで増えた」とありました。また、つい先日、アナログレコードの人気再燃を受けて、ソニーがレコード生産を約30年ぶりに復活するという新聞記事も目にしました。
 レコードのもつ温かみと深みのある音は、何物にも代えがたい。シニアの熱い思いが若者にも徐々に広がっているということなんでしょうか。それともシニアの単なる回顧主義?帰り際に駅前のヨドバシカメラを覗いたら、ハイレゾ対応のオーディオ機器が並ぶ一画に、レコードプレーヤーがずらり並んでいました。
 暑い夏の昼下がり、シベリウスやグリーグ、ニールセンなど北欧の作曲家のレコードを取り出して聴くのも楽しいかもしれません。
(注)子豚さんの写真は、6月に北海道旅行をした際、帯広の「紫竹ガーデン」の売店の窓際に飾ってあったものです(笑)。

コメント