心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

南方熊楠に惹かれて

2016-01-23 22:03:28 | Weblog

 二十四節気「大寒」とはよく言ったものです。今週は久しぶりに冬らしい冬になりました。そして明日には大寒波がやってくるのだとか。そんな週末、私の職場の部屋から窓の外を眺めると、川面に釣り糸を垂れる人の姿。寒さより釣果に関心があるのでしょう。じっと竿の先を見つめていらっしゃいます。
 ところで、先日、某特許事務所から季刊誌が送られてきました。手にとってみると、私のかつての上司の一文がありました。テーマは南方熊楠。これには驚きました。あの方も熊楠に関心をお持ちだったのかと。単身赴任で東京から大阪にやってきた上司に、大阪の某古書店で出会って以後、神保町のお話をよく伺ったものです。さっそくメールで近況伺いをいたしました。 まったくの偶然ですが、この季刊誌と相前後して、Amazonから松居竜五編「南方熊楠の謎~鶴見和子との対話」が届きました。昨年の夏に刊行されたものですが、今回はAmazonの中古品を購入しました。この本の編者である松居先生には、昨秋、京都大学であったシンポジウム「ロンドンの南方熊楠」で初めてお目にかかりました。思っていた以上にお若い先生だったことを覚えています。鶴見和子の「南方熊楠~地球志向の比較学」に触発されて研究の的を絞られたようです。
 まだ第Ⅰ部を読み終えたばかりですが、南方熊楠への対峙の仕方は、研究を志す方々の思い、姿勢を彷彿とさせるものでした。一昨年見学させていただいた京都文京大学図書館の鶴見和子文庫のことも触れてありました。第Ⅱ部は、宇治のゆうゆうの里にお住まいの頃の鶴見和子を囲んでの座談会です。86歳の鶴見和子と30から40歳代の新進気鋭の研究者との間でどんなことが話し合われたのか興味津々です。ブログ更新が終わったら、もう一度本を開くことにいたしましょう。
 本といえば今週の「週刊文春」。週刊誌はめったに見ませんが、今週号は世間をお騒がせしている特集記事がふたつ。ひとつは甘利大臣の疑惑報道、もうひとつはSMAPの内輪もめ。きょう、電車の時間待ちをしている間に、ついついホームの売店でご購入でした。売れると見込んでか、山積みにされていました。でも、数頁をめくっていくうちにしんどくなってしまいました。私のお肌には合いそうにありません。
 今週は、仕事帰りに百貨店で開催中の「関西らん展」を覗いてきました。特設催事場には所狭しと洋ランが並んでいました。夕刻、終了時刻の30分前に覗いたので、お客はまばらでしたが、そのぶんじっくりと見て回ることができました。数ある中から私が手にしたのは庶民的なもの、杉浦園芸さんの「都小町・万葉」でした。 
 さあて、明日は大寒波がやってくるのだと。先日の強風で庭が散らかってしまい掃除をしなくてはならないのですが、どうなることやら。こんな週末の夜は、レコードでも聴きながら、「南方熊楠の謎~鶴見和子との対話」を読み進みましょう。今夜は、グレン・グールドの演奏で、バッハの「平均律クラビーア曲集」に針を落としています。このレコード、第1巻と第2巻に分かれていて、全部で4枚。こんなゆったりとした時間は、週末しかありません。そしてあとは温かくして眠るだけです。
 

 

コメント