心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

めでたく退院

2010-03-07 10:26:58 | Weblog
 昨夜の雨で地面がしっとりと濡れた日曜日の朝、いつものように愛犬ゴンタと朝のお散歩でした。気づかないうちに、バス停付近の柳の木の枝先には、もう青い花芽が見えます。家々の庭さきにでは小さな白い花をたくさん身に付けたユキヤナギの枝が垂れています。なによりも目を引いたのは、あるお家の庭に立つフサアカシア(ミモザ)でした。わたしの周りには雨は降りませんよ、と言いたげな、そんな黄色い花房が大きな樹を覆っていました。その樹の周囲だけは、そんな明るさがありました。しばし立ち止まり、愛犬ゴンタと眺めていました。カメラを持ってくればよかったと。
 さて、きのうは家内がめでたく退院をいたしました。1カ月あまりに及んだ今回の入院騒ぎ、いろいろな出来事の連続でしたが、なんとか元の生活に戻ることができました。足首をみると、フランケンシュタインふうの手術の跡が痛々しく残ります。と同時に、医療技術の凄さを改めて思いました。で、病院の窓口で支払いを済ませると、3時間に及んだ手術費用と入院費用、心温まるサポート費用が、ざっと20万円。1日あたり6千円弱になります。健康保険に入っているとはいえ、安すぎないかなあ、と思ってしまいました。病院とほとんど縁のない者の贅沢な感想かもしれません。これから手続きする生命保険の給付を考えると、とりあえずの持ち出しはゼロ。これが医療保険制度のもつ意味なんでしょうけれど、驚きました。ナースセンターにお礼の品を渡すと、タクシーを呼んで自宅に帰りました。
 そんな次第で、とにかく、ひっそりとしていた我が家に、元の賑わいが戻ってきました。これからは、外出時に戸締りの心配をする必要がない。電気やガスのチェックもしなくてよい。なによりも食事のことを考える必要がない。なんと恵まれた生活をしてきたことか。改めて家内の存在の大きさを思ったものです。孫たちが初めて2本の足で立って歩いたとき、みんなで喜んだと同じことを、初老の夫婦が、術後に恐る恐る両足で立って数歩歩けた時、二人で味わった。須賀敦子さんのエッセーで知った1トンの塩の譬えからすれば、1トンとは言わないけれど1キロぐらいの塩は舐めることができた、ということなんでしょうか。そういうことにしておきましょう。
 そんな家内も、帰宅すると、さっそく日頃お付き合いをしている方々に葉書とメールで近況報告で忙しそう。主宰するお花教室の5月再開をめざして、当分の間、週1日の病院での専門的なリハビリを受けることになります。まあ元気であることは良いことです。

 話はがらりと変わりますが、我が家の水槽の主であったプレコ君が昨年末に急逝したあと、少し熱帯魚の飼育から遠ざかっていたのですが、やはり淋しくて、年があけると近くのペットショップでポピュラーな胎生メダカ種「プラティー」を8匹買ってきました。家内の入院騒ぎでどたばたしていたところ、水草の陰になにやら小さな生き物が。1週間もすると魚の姿が確認できました。そうです、プラティーの子供たちでした。胎生ですから、人間と同じように、卵ではなく魚の形をした子供たちが生まれてくる、4匹、5匹、4匹と増えていきます。今朝、数えたら10数匹になり、親たちを含めると倍増です。水槽に余裕があるとは言え、いつの間にか大所帯になってしまいました。その賑わいに水中の釣り人もびっくり。いや少し迷惑そうな顔をしています。
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