ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

感動してピアノを弾く

2013年01月10日 | レッスンメモ
私の教室に通う、ある大人の生徒さんのお話。彼女が今弾いているのはショパンのワルツの一つです。この曲が大好きだそうで、彼女のリクエストで始めました。だいぶ譜読みも進んできて、「少しでもショパンの香りのする演奏をしたい」と頑張っています。

もともとこの曲が大好きで良く知っている曲なのですから、彼女なりのショパン像というか、こんな風に弾きたい、演奏したいという「思い」を持っています。でもそれがどうもうまくいかず、「ショパンらしくいかないなあ」と、毎週、首をひねっています。そんなとき、思い余ってか、よく、「先生、ちょっと弾いてくださいませんか」と言われます。そこで私も弾いて弾きます。そのたびに「わあ、先生、なんでなんで~。」とか「ああ、くやしい。そんな風にひきたーい!」、「そんな風に、ショパンっぽく、いつになったら弾けるんだろーー!?」などと、声をあげます。実に楽しい方です。

でも、ニコニコしている彼女の目の奥に、時々涙が光っていることを私は知っています。本当に感受性の強い、感動する力をお持ちの方です。また、これまで生きてきて色々なものを背負って来られたからこその感動でもあるかもしれません。

最初ここでレッスンを始めた頃は、クラシックは苦手なので、憧れのポール・モーリアの「渚のアデリーヌ」が弾きたいとおっしゃっていました。それがだんだん上達してきて、「渚のアデリーヌ」はとっくにマスターし、そこからどんどんクラシックが好きになってきました。昨年の発表会ではついに初めてのショパンに挑戦して見事に演奏してくれました。

一つの音、一つのフレーズについてのレッスンをしているだけでも、「わあ、深い!」「わあ、楽しい。」「クラシックっていいわ~」と、本当にレッスンしているこちらまで楽しくなるくらい、ひとつひとつ感動して、生き生きと反応しながらレッスンを受けてくれます。

私とほぼ同じ年令の生徒さんですが、この素晴らしい感性に私も感動します。「これがあれば、きっとショパンも上手くなる!」こんな風に背中を後押ししています。

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