Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

九月ならずに四月に販売

2007-04-17 | 試飲百景
ここでも2006年の不順な天候の被害は出ていた。月曜日と言うこともあってか、ご主人が電話番も、販売も全て請け負っていた。それでも店仕舞いに、八種類のワインを試飲する事が出来た。

天候不順の減反は、そのカテゴリー分けにも影響していて、購買者もそれに合わせて試飲しなければいけない。先ず一番単純なリッターワインは、もはやピュアーリースリングではなくて、リスラーナーが混ぜられている。但し自己で収穫したものらしい。これの試飲は固辞した。勿論不味くは無いのだろうが、リッターで1ユーロ49セントほどの大量生産品と6ユーロの比較となると勝負は難しい。

次ぎは、今年から出来た醸造所の所謂ハウスワインである。これは、お手ごろな価格でも、質は低い。不健康な葡萄が交じっている2006年の特徴が色濃く出ている。これを数売る事で、帳尻を合わせたいのだろうが、結構厳しくなりそうである。そのムスバッハー産のリースリングは甘すぎて、ピノブランの方が辛口の印象がある。但し同じ価格で、両者を比較すると後者は割高となる。

リースリングほど天候の影響を受けなかったのか、ピノブランを主にピノグリやムスカテラーが並んでいる。どれも悪くはないが、最後の者が葡萄の香りで面白い。メロンパンの味である。このカテゴリー、つまりクラシカーと呼ばれるリースリングは、ビュルガーガルテン産であるが、一般消費者向きに地所をリストには記載しない。消費者を混乱させないためと言うが、どうしたマーケットを狙ってのドイツ高級ワイン団体の市場調査が基礎に置かれているのか。2006年度のマイナス要素を繕う所か、それを象徴しているように映る。しかし瓶に貼られているエチケットには明記されている。これらはギメルディンゲンのマンデルガルテン産である。

さて、2006年産で最高のカテゴリーに輝くのは、テロワーと呼ばれる地所別のワインである。その中から、ビュルガーガルテン・リーズリングとヘーレンレッテン・ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)を試飲する。

つまり2006年産のグローセス・ゲヴェックスと呼ばれるカテゴリーは、この醸造所には存在しない。なぜならば、そのカテゴリーには細身過ぎる事から、従来のシュペートレーゼ・カテゴリーに格落ちさせて、価格も安くするばかりか、その規定である9月発売を先倒しして、4月に購入出来るようにした。しかし、量が少ない事から一般に流通する量は少なく、非公式な商品と言えるかもしれない。

大きな将来性はないが、13.5%のアルコール、リッターあたり5.1Gの残糖、8.45Gの酸を読むと想像がつくのでは無いだろうか?少なくとも、9月には大変楽しむ事が出来るのは間違いない。このクラスでも摘み取りは、通常は9月なのだが10月10日から12日の間にされたらしい。

力を入れているヴァイスブルグンダーのこれは、新しく入れた木樽を使っているので木の香りがする。これを気にしなければ、瑞々しく素晴らしい。
コメント (2)
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