☆・。.・☆写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 愛犬のハートリーと共に瀬戸内の岩国から…… 茅野 友

雪の下

2017年05月23日 | 季節・自然・植物

 エッセイの月例会の折、男性会員の一人がプラスチックの小さな苗カップに、葉の大きな植物を入れて数カップ持ってきた。「欲しい人がいたらどうぞ持って帰って植えてみてください」という。

 いったい何なのか聞いてみると、「雪の下」という。常緑の多年草で、湿り気のある半日陰や日陰の岩場などに、親株の根本から横に長く伸びた地上茎である走出枝(ランナー)を出して繁殖するという面白い植物のようだ。夏には白い花をつけ俳句では鴨足草と書いて「ゆきのした」と読ませ夏の季語となっている。

 ランナーを伸ばし地を這って繁殖する植物を調べてみると、良く知られているものとしてはイチゴがあるが他にはオリズルランやホテイアオイがある。

 小さな植物といっても、子孫を残すためにはこのように独創的な発想で生きながらえてきている。したたかと言えば強かだが、親株からの距離は近いとはいえ空間を飛び越して新しく支店を設け、そこに根を下して新天地を開くという優秀な営業マンのようなことを、あの草のどこで考え付いたのかと感心するばかりである。

 古くより雪の下の葉は、生薬として炙って腫れものなどの消炎に用いたリ、煎じて解熱・解毒に利用する。また食料としては、葉の裏面だけに薄く衣を付け、揚げたものを「白雪揚げ」といって天ぷらにして食べるという。

 そんな「雪の下」といえば、鎌倉に「雪ノ下」という大字の地名を持つ地域が鶴岡八幡宮の周辺にある。1191年2月、降雪が5寸になった雪見のため、鶴岡八幡宮を訪れた源頼朝が山辺の雪を長櫃に入れて夏に備えて貯蔵させたことが由来とされる。

 かくも由緒ある地名のようだが、「○○の下」という名は何か悪い印象を抱かせる言葉がいくつかある。「鼻の下」とか、政治の世界ではいつの時代でも「袖の下」がまかり通り、浜の真砂と同様尽きることはないようだが、「雪の下」に限っては、周辺はすべて真っ白け。黒い噂話はどこにもなさそうである。

 
 

 

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上向き志向

2017年05月18日 | 生活・ニュース

 玄関入り口のアプローチに、背の高いヤマボウシの木を植えている。それを取り囲むようにアンジェラというつるバラが今を盛りに赤く小さな花を沢山咲かせている。玄関への出入りで、このバラに目が行くばかりであったが、何かの拍子に2階から覗いてみると、なんとヤマボウシの白く清楚な花が、これこそ今を盛りに花開いているのを見つけた。

 ヤマボウシとはハナミズキと同属で、花のように見えるのは本来の花弁ではなく、総苞片(花のつけ根の葉)だという。さわやかで落ちついた印象のある白い花が特徴だが、どの花も凛としてまっすぐに上を向いて咲いているのが清々しい。

 バラなどは、満開になると自らの重さに耐えかねて細い茎をしなだれさせ、花は下を向いて恥ずかし気に咲いているが、ヤマボウシの花は最後まで誇らしげに、あくまでも上向きに咲いている。

 そういえば、現役時代「ヒラメ社員」と名がつくような男がいた。目玉はいつもヒラメのように上ばかり見ている男のことであり、当然部下からは疎んじられていた。ヤマボウシは上を向いて咲いているとはいっても、上向き志向であって決して上目遣いではないようだ。

 そのせいだろう、花言葉は「友情」だという。花の一つ一つが競い合って上を向き、隣の花同士が友情という強いきずなで結ばれて大きくなっているに違いない。茎は細いが勢いよく上向きに咲くヤマボウシの花を見て、その昔のサラリーマン時代のころを思い出してみた。

 

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春作業 一段落

2017年05月17日 | 木工・細工・DIY

 春を迎え、桜が散ったころから急に庭仕事が忙しくなった。生垣の剪定に始まり、バラに薬液の散布、東屋の整備にライトアップの照明設備の設置、ラティスの塗装と大忙しであった。

 さてこれで一通りの春の作業を終えたと思いながら、久しぶりに居間続きのウッドデッキに出てコーヒーを飲んでいると、足元の床板が腐食して浮いているのに気が付いた。その気になって調べてみると、すぐそばのもう一枚も傷んでいる。寒い間はウッドデッキに出ることがなく、傷んでいることに気が付かなかった。

 早速ホームセンターに走り、2*6の防腐剤処理をした板と塗料を買って帰り、ウッドデッキの補修に取り組んだ。腐食した板を取り外し、根太を補強した後、その上に床板を張り付ける。床下にもぐったり顔を出したりしながら仕事を進め、1時間半かけて床の補修を終えた。

 補修個所にだけ塗装を済ませて眺めてみると、既存の床板の汚さが目に余る。思い起こしてみると、ウッドデッキを設置した当初は、年に一度、この季節に防食の塗装をやっていた。ところがこの頃は3、4年に1度くらいしか塗装をしていない。傷んでいるのも納得がいく。

 これではいけないと思い、急きょウッドデッキの全塗装をすることにした。まずは置いてあるテーブルや椅子、バーべキューの道具や燃料などが入った段ボール、大きな植木鉢などを庭に移動させ、箒できれいに掃き掃除をする。その後、拭き掃除までやればいいのだろうが、これは省略して塗装をした。

 汗をふきふき30分の塗装作業を終えると、床面は静かな山奥の湖面のように、きらきらと光り、まるで買ったばかりの応接台のようにきれいになった。やっぱりこれでなくっちゃあ、と出来栄えに自己満足をするが、ほめてくれる人は誰もない。

 庭にも木製の品が沢山あるが、ウッドデッキと同様、年から年中雨ざらしになっているので、適宜塗装での腐食対策は欠かせない。これを怠ると、大きなしっぺ返しを食らう。ウッドデッキの腐食を見ながら、わが身の健康管理も同じことだと肝に銘じた。

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くにひき

2017年05月15日 | 木工・細工・DIY

 出雲国風土記に「くにひき」という神話がある。八束水臣津野命(やつかみずおみつののみこと)が、出雲の国の狭さを補うために、新羅や北陸地方の余っている部分に綱をつけて、「国来、国来」(くにこ くにこ)といって引き寄せ、これを出雲の国に縫いつけたという。

 そんな出雲神話のようなことを奥さんと2人でやってみた。午後2時から広島カープ対巨人戦をテレビ観戦した。先発した九里亜蓮の好投と鈴木誠也の2ランホームランなどがあってカープが快勝し、満足のいく試合であった。直後、裏庭のバラ園に出ると、奥さんが何か言いたそうな顔をして私を見る。

 「なにか?」というと「この東屋の向きを南
向きにしてほしいの」と言うではないか。バラを植えているエリアに対面するように西向きにしている東屋を、90度回転移動させなければいけない。我が家では東屋と呼んでいるが、実は足場用の鉄パイプで骨格を作り、アクリルの波板で屋根をふいた構造のものである。

 突風で吹き飛ばされないように4本柱にはコンクリートの土台を取り付け、総重量は120~130kgはあろう。そんな重量のある建物を持ち上げて向きを変えることが果たして奥さんと2人でできることなのか。試しに柱の1本を腰を入れて持ち上げてみると、何とか持ち上がらなくはない。

 「よし、やってみようか」、柱を持ち上げコンクリートの土台の下に奥さんが細い丸太を滑り込ませる。ピラミッドの巨石を運ぶ要領でジワリ東屋の位置を移動させ始めて30分後、思っていた場所に希望していた向きに無事移動させることができた。
 

 まさに「くにひき」の神話さながらの大仕事を終えた時にはくたくたの体であったが、「くにひき」もやってみればいろいろ知恵が出て、思ったよりは簡単にできた。さあ、カープも連勝し「くにひき」も完了したことだし、今宵は思いっきり祝杯を上げよう。

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ファン気質

2017年05月14日 | 生活・ニュース

 「私は○○のファンです」「僕は△△のファンです」なんて会話は良く交わすことがある。改めて「ファン」とは一体どんな存在なのか。調べてみると「特定の人物や事象に対する応援者や愛好者のことで、『狂信者』を意味するファナティック(英:fanatic)の略。古来日本語では贔屓(ひいき)といった」とある。

 こんなことを考え始めた理由は、広島カープにある。熱狂的というほどでもないが、広島に近い所に住んでいることや、テレビを見ても広島圏の番組をよく見るが、どの局もカープ一色であることから、昔は阪神ファンであったがいつの間にかカープファンになってしまっている。

 実況放送を見ていても応援に力が入るが、このところのカープは、シーズン当初の勢いはなく投壊が目立ち、大量得点を取られて敗れる試合が多くなっている。こんな時には楽しみにしていた実況放送のチャンネルも、早々に切り替えて他の番組を見ている。

 ファンというものはどうしてファンになるのだろうか。何事であれ、好きになるという行為は理屈で説明することは難しい。それが映画スターや鉄道などに対してであれば問題はなさそうであるが、プロ野球や相撲・競馬・競輪などの勝負ごとのファンとなると、少しややこしくなる。

 勝ったときには気持ちがいいが、負けたときには大変不愉快となる。特にプロ野球では、リーグ優勝したとしても勝率は6割そこそこ、残る4割がたは悔しい思いをする。大雑把な言い方をすれば、どのチームのファンでも、約半分の試合では負けを味わうこととなる。

 贔屓チームが勝とうが負けようが、どっちにしたってわが身に金銭的な損得は発生しないので、歌の文句じゃあないが「勝った負けたとさわぐじゃないぜ」と生きていきたい。

 それでなければファンなんかにならなければ平穏な気持ちで人生を送ることができると思うが、そんな人生は山も谷もない味わいのない人生になるかもしれない。やっぱり今年もカープファンで行くしかない。あーあ、今日もルーズベルト ゲームで負けるんだろうか。怖いもの見たさで今夜もテレビ観戦と行くか。

 

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オベリスク

2017年05月12日 | 木工・細工・DIY

 お天気が続けば奥さんからなにかと注文が舞い込んでくる。朝、咲き始めたバラを見に庭に出てみると、「ここにもう1基オベリスクがほしいわ」という。

 オベリスクとは、古代エジプト期に神殿などに立てられた記念石碑の一種で、上にいくほど細い四角錐になっているものをいうが、この形をしたバラなどのつる性植物を這わせたりする格子状の垣のことを園芸の世界ではオベリスクと呼んでいる。

 数年前に手作りしたオベリスクを1基置いているが、もう1基あればバランスが取れたバラ園の景色になるので作ってほしいという。要請を素直に受けて、この際2基をDIYで作ってみることにした。

 高さは1.8m、4本柱の最下部の1辺は50cmとして設計する。ホームセンターへ行き、3cm角の木材を買って帰リ、さっそく部材の切断に入った。                         

 オベリスクを作るうえで一番厄介な仕事は、最先端で4本の柱が合わさる個所の芯となる部材の加工である。4隅を裾広がりに7度の角度に切り欠いた部材を作らなければいけない。これがなかなか厄介であるが、まあ園芸品で雨ざらしの庭に置くものであるから、それほど正確に作る必要もない。

 2時間かけてオベリスクの組み立てを終え、次は塗装である。買い置いていた塗料の缶を見ると、「オールドグリーン」という、ローズガーデン用のものがあり、それを塗ってみた。新緑の若葉の色なのでちょうどいい。

 すべての作業を終え、塗装も乾いたころ、奥さんが出先から帰ってきた。「どうだ?」というと「あらもうできたの。いい色ね。うれしいわ」と満足げな様子。今夜は缶ビールを丸々1本飲ませてくれそうな雰囲気となった。

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パリジャン ブルー

2017年05月11日 | 木工・細工・DIY

 2年前の5月、我が家のバラ園の西側にある敷地境界に、高さが1.2m、全長が16mのメッシュフェンスを自力で設置した。メッシュフェンスは、フェンスとはいいながら向こうの景色が素通しで見える。逆に言えば、こちらの様子も素通しで眺められる。

 プライベートを見られて困るようなことは特にないが、庭に座ってコーヒーでも飲んでいると、通りかかる人と目があったりでちょっと気まずい時がある。昨年、その対策として木製のルーバータイプのラティスをメッシュフェンスの内側に合計16枚を張り付けた。

 ルーバータイプなので、風は通すが人目はさえぎられるので重宝していたが、色が濃い茶色をしているのでバラ園には今一つそぐわない感じを抱いていた。なにか良い色を塗りたいと、いつも思っていたところ、つい先日広島にオープンしたLECTに行ったとき、気に入った色の塗料を見つけたので買って帰った。

 色の名前は「パリジャンブルー」といい、パリの都会的な色で、春霞がかかったような薄いブルーで、パリッ子好みのブルー ということだろうか。2時間ばかりかけてラティスを塗り終えてみると、2L缶にまだ3割がたが残っている。残りを庭のそこいらじゅうにある既存のラティスに塗り、見回す限りの木製フェンスすべてを「パリジャンブルー」にした。

 奥さん自称の「バラのイングリッシュガーデン」が、半日にして「バラのパリジャンガーデン」に変わったが、イギリスっぽいどんよりとした濃い茶色の庭が、パリの空の下のように明るい庭に大変身し、満足しながら今コーヒーを飲んでいる。
 

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薔薇開花宣言

2017年05月10日 | 季節・自然・植物

 天気がよい日には庭に出て、自称「ROSERY」と名付けたバラ園を眺めながらコーヒーを飲んでいる。このバラ園には、奥さんが一時も目を離すことなく愛おし気に育てているイングリッシュローズが30株ばかり植えてある。

 二人で庭に出ているとき、奥さんから出る話題といえばバラの話ばかり。品種や育て方、防虫剤などの話ばかりで、私はただ聞いているだけ。ほとんど興味を示さないが、ただ一つ頼りにされている役割がある。

 それは、若葉が出そろった頃を見計らっての防虫剤の散布作業である。水で500倍に薄めた薬液を電動の噴霧器で隈なく葉の表裏に丁寧に撒いていく。マスクとゴム手袋で身を守り30分ばかりかけて散布していく。肥料やりや植え替えなどの作業は得意な奥さんも、こればかりは「わたし、薬には弱いから」といって私の仕事になっている。

 そんな役割分担をしながらも、毎年5月の10日にもなると約束をしていたように薔薇の開花が始まる。雨上がりの今朝早く、庭に出ていた奥さんが「今年最初のバラが咲きましたよ」と言いながら部屋に入ってきた。早速カメラをもって記念の開花第1号の写真を撮りに出た。

 雨に濡れながらも、健気に頭をもたげた赤いバラのそばで、明日には開きそうな黄色いバラがまさに咲き出でんとしている。これからしばらくは、我が家の狭いバラ園はコーヒーすらもバラの香りに変わるという鄙の異空間となる。

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緊急事態

2017年05月07日 | 生活・ニュース

 連休最後、広島カープは阪神にまさかの3連敗を喫し、あえなく首位から陥落した。ここぞという時の一発が出なくなっている。あれほど打っていた野手陣も、ひょっとする打ち疲れしたのではと思うほど勝負強さが失せてしまっている。カープは今、緊急事態である。

 緊急事態といえば、他人ごとではない。我が家の道路に面した中庭に、家を新築した時に1本ケヤキを植えていた。肥料も与えていないにもかかわらず成長を続け、幹は直径が20㎝にもなっている。数年前、背丈は2.5mくらいで切りそろえていたが、夏場に入ると沢山の長い枝が生えそろい、手に負えなくなっていた。

 そんなこともあって、この春、思い切って手の届く2m足らずまで低く切っておいた。外から見ると、太い幹の頂に短く太い枝が2本乗っているだけで、およそ立木の体をなしているようには見えない。言ってみれば庭に置いたオブジェ同然であった。

 ところが1週間ばかり前から、突然あの「胴吹き」とやらが頂上付近から勢いよく、しかも沢山生え始め、いっぱしの樹木の様子に変わってきた。「胴吹き」は、上方の枝が弱ったり、根が弱ったりした時など緊急事態で芽吹き、木が若返りを図ろうとして出すものと、先日勉強したばかりであったが、このケヤキはまさに、緊急事態だと悟ったのに違いない。

 胴吹きのお蔭で、このケヤキ以外に何もない庭が、少しは庭らしくなってきた。幹を切りすぎて枯れてしまうかもしれないと心配したが、どっこい盛り返してくれている。

 広島カープもこの緊急事態に大なたを振って、我が家のケヤキの「胴吹き」のように、今こそ新しい芽を出させてほしいものである。どんな状況になっても、カープファンであることに変わらないから……

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こどもの日風景

2017年05月05日 | 生活・ニュース

 ゴールデンウイーク、半年ぶりに次男家族が昨年秋に生まれた孫娘を連れて帰ってきた。7か月になった孫娘は、まだハイハイは出来ないまでも見違えるほど大きくたくましくなっている。

 こどもの日、孫娘を連れて近場にある和木の蜂が峰に出かけてみた。思っていた以上の人出で、臨時の駐車場も出来ている。キャンプ場では、予約の名前が書かれたスペースで家族や友人たちと一緒にバーベキューをしているグループが多い。

 そんな楽しそうな雰囲気の中を通り抜けてミニSLに乗った。どの車両も家族連れで満員であったが、そのいずれもが幼い子どもを1人連れ、その子を若い両親と祖父母が取り囲んでいるという構図であった。

 少子高齢化の今の日本を象徴するような景色が見られ、我が家も同じ構図になっていることに苦笑する。続いて観覧車に家族全員で一つのケージに乗り込んだ。1周、わずか数分間の観覧であるが、孫娘はまだ喜ぶ様子はなく、保護者である大人4人が瀬戸内海を眼下に見て歓声を上げて喜んだ。

 お昼は街のファミリーレストランに入った。そこも蜂が峰と同じ構図の家族ずれでいっぱいであった。どこにいっても幼い子どもの数を大きく上回るじいちゃんにばあちゃんの数である。たった一人の子どもを囲んで家族総出で子どもサービスにいそしむ少子高齢化の日本の風景が印象的なこどもの日であった。

 
 

 

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