Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

カローンが水脈引き行く

2007-04-28 | マスメディア批評
今週流れた幾つかのニュースを顧みる。

9人の中国人がエチオピアで惨殺されて、6人が行方不明となっている。65人のエチオピア人と共に油田で作業中に襲われたようだ。犯人グループは、地元オガデンのイスラム過激派に属し、ロンドンの事務所から中国人を狙ったのでは無いと声明している。しかし、油田の帰属権を巡って二百名ほどの武装グループが襲ったと言う。中国人は南アフリカで先頃も誘拐されて、フウ・ジンタオ主席が身代金を払っている。アジア最大の精製所の油田開発グループは、少々の危険性を顧みることなく燃料の供給に東奔西走している。

プーティン大統領がモスクワの国会で、軍事削減条約の凍結を演説した事から、ベルリンでも強く批判されている。内政面の問題を外交の慟哭などで乗り切ろうとしているとされる。先日来のウクライナの民主化運動や昨今のロシアでの動きから、NATOの東方拡大にも警戒感を示している。ミサイル防御網の東欧への設置への反対が、強硬な立場を目立たせている。欧州と米国の分断を図るロシアの意図があるとして、プーティン大統領の反民主主義的姿勢が指摘される。そして、ここに来て冷戦への逆行を示唆するような政治戦略が、何か政権の末期を暗示しているようである。

モスクワでチェリストのロストロポーヴィッチ氏の死去が伝えられる。リサイタルは一度しか聴いた事がないが、大ホールをその楽器の音色でなく、音楽の恰幅と静寂で満たして、オーラがあった大チェリストに他ならない。奥さんの伴奏なども聴いている。弓選び(バッハの組曲をあまりにもつるつるに弾いていた記憶がある)も変わったのか、西側に出だした時期の名録音と比べて後年のそれでは、ライヴで聴いた1974年以降愛用の楽器(ストラディヴァリ・デュポール1711)を奏でて、洒脱さと共に至芸の境地を記録している。その指使いなどから乾燥した無機的なイメージもあるが、その体から響いてくる音は、熟した果実のような音楽の流れそのものであった。

乾燥した日が続いて4月は最後までお湿りが無いようである。杉の花粉などが酷く、空中を白い物が飛び交う。目が乾き、痒みをに三日前から感じ出した。一雨来れば治るが暫らく望めそうに無い。目薬を買うかどうか躊躇している。

あまりに暑いと言うほどでは無い筈だが、トレヴィの泉を、有名なフェリーニの映画「甘い生活」を洒落て、素っ裸で泳ぐミラノからの40歳のロベルタと名乗る旅行者がいた。あれだけの白昼の出来事でも、質の悪いVIDEOと写真しか存在していないようで、「神曲」の美しい神々などが必ずしもスクープされて記録されたとは言いがたい。

ドナー不足から、本人が生前に臓器利用を否定していなくて、家族の了解があれば、移植できるとする法案が出来るようである。つまり、なんらかの宗教的な信条があれば告白しておかないといけない事になる。同じように、子供の洗礼をしようとした友人夫婦が二人とも教会税を払っていないということで、奥さんの故郷ですることになったと聞いた。


今日の音楽:
ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ演奏
-フォン・カラヤン指揮ベルリナーフィルハーモニカー
ドヴォザーク チェロ協奏曲
シュトラウス ドンキホーテ
-小澤征爾指揮ボストン・シンフォニック管弦楽団
グラズーノフ 「吟遊詩人の歌」
ショスタコーヴィッチ チェロ協奏曲二番
コメント
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