Mani_Mani

「音楽や読書好きなので、出会ったCD・本・映像などのことが中心になるかと」と思ってたら単なる垂れ流し日記になってます。

カネフスキーDVDBOXが出てしまう!!

2010-02-08 02:13:37 | cinema
ヴィターリー・カネフスキー DVD-BOX

紀伊國屋書店

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まいった!
出るだろうとは思っていたが、本当に出てしまう。
ヴィターリ・カネフスキーのDVDBOX。

お金はあまりないのだが、きっと買ってしまうのだろう。
収録はどうやらあの3作らしい。
『動くな、死ね。甦れ!』『ひとりで生きる』『ぼくら20世紀の子供達』

4月発売だそうです。


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「ハーモニー」伊藤計劃

2010-02-03 22:49:17 | book
ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
伊藤 計劃
早川書房

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第30回日本SF大賞(日本SF作家クラブ主催)受賞作。故人の受賞は初めてとのこと。各所でそのテーマ、特に人間の意識の取り扱い方の深化が言及され、早世を惜しむ声が聞かれたので、それはもう多大な期待をして読んでみた。

感想としては、あつらえられたSF的モチーフはそれほど新しい/深いものとは思えなかった。

生体を最良の状態に維持するためのナノボット、それをソーシャルなネットワークに接続することで形成される緩くて確実な管理社会。それによってできあがる、善意に基づく相互監視的均質社会のユートピア/ディストピア性。それらはウェルズ〜オーウェルからイーガンに至るSFにおける、科学技術と社会構造の相関についての考察・想像の口当たりよい集成といえるだろう。

意識の扱いについては、主体としての「わたし」の同一性を相対化し、脳科学的には報酬系の働きに押し突き上げられる様々な欲求同士がせめぎ合う会議のようなもので、目前のものに過剰に反応する価値判断の双曲線的特性を持つものとする。その帰結として意識や意志もまた報酬系を司る部位に化学的に働きかけることによってコントロールが可能な、相対的なものだという仮説に立つ。これにしても、近代以降の哲学、精神分析学、あるいは生化学やはたまた量子力学などでも語られていることの小説的応用であるだろう。(この辺はちゃんと調べてみたいと思っている)

小説の構成としても少し物足りないようにも思う。ミァハのグループがいかにしてどのようなロジックを得て、どのようにそれを持ち出し、どのように人々に仕組んだのか。そもそもその母体となったヌァザたちのグループはどこでどのような活動をしていたのか。ミァハはなぜその考えを変節していったのか。相手方の事情がほとんど描かれていないのが残念だし、相手方の手の内をSF的に大法螺吹いてでも描いてもらいたかった。
謎を追っていくと確信人物にたどり着き、たどり着いてみるとその人物がとうとうと種明かしを語ってくれる。そういうリニアな物語で終わってしまうのも残念なところだ。
加えて言うならワタシ的には、ミァハはナノボットで制御される意識のなかの像として共同体構成員の体内に存在していて欲しかったが、実のところは(以下略)(まあ、それにしてもさほど衝撃的な設定ではないにしろ)


それでもこの小説をつまらないと言い切ってしまう気になれないのは、その舞台となる世界のありようについての強いメッセージがあるからである。人間を共有のリソースとしてとらえ、その健康を損なう事柄をことごとく排除しようとする、「善き物」を極端に指向する社会=生命主義社会。そのなかで、個性を失い、自ら思考することを忘れ、自分のためでなく社会のために生きることにより個が希薄になっていく人間たちを描き、精神的アウトサイダーであるミァハや主人公トァンの目からそういう社会の閉塞感を訴える。善き物、健全なもの、正論に疑いを持たない社会へのほとんど憎悪に近い思いが、この小説からはぎらぎらと揺れ立っている。この嫌悪感にワタシは共鳴する。危機感に突き動かされるように書かれた小説ならば、ワタシは読んでよかったと思うのだ。



思うにこれは未来SF小説ではなく、今このときの、日本の社会のことを描いているのではないだろうか?街中が禁煙エリアと名づけられ、一定以上の体格の持ち主には特定保健指導が施され、遺伝的障害の子について出産前に知る方法が広まる社会。もしくは、「社会人としてあるまじき行為」の範囲とそれに対する嫌悪がどんどん広がっていく社会。道具立てがすこぶるローファイなだけで、実際生命主義社会は進行中の事柄なんじゃないだろうか。リアルタイムな恐ろしさを感じつつ読んだ。 

おわり。


こういう↑リアルな社会状況に結びつけるオチのつけ方は、大学入試の小論文(文系)くらいまではウケがいいんだよね(笑)


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「アデュー・フィリピーヌ」ジャック・ロジエ

2010-02-02 00:00:41 | cinema
アデュー・フィリピーヌ [DVD]

紀伊國屋書店

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アデュー・フィリピーヌADIEU PHILIPPINE
1960−62フランス/イタリア
監督:ジャック・ロジエ
脚本:ジャック・ロジエ、ミシェル・オグロール
出演:ジャン=クロード・エミニ、ステファニア・サバティーニ、イヴェリーヌ・セリー


冒頭いきなりカウントから入る映画。カウントに続きジャズの演奏。なんとも小気味よい。冒頭音でぐっと引きこむのは『オルエットの方へ』のタイプライター乱打音(台詞が聴こえないくらいだ!)にも通じるね。(あれ?『メーヌ・オセアン』の冒頭はどうだっけ?駅を走る彼女だったかな。)

TVスタジオで演奏を収録する喧騒。それにもまして騒々しいのは舞台裏でカメラに指示を出すディレクター?の大声。喧騒、喧騒。
仲間と車を共同購入したミシェル。家に友人と車で乗り付けるとちょうどお昼ご飯。食卓の両親・弟夫婦たちのしゃべることしゃべること。喧騒、喧騒。

喧騒からのがれるようにミシェルはTV局で引っ掛けた女の子二人と車に乗ってあてのないヴァカンスへ。最初のデートはグライダー場。セスナに引っ張られたグライダーが画面奥に向かって悠々と飛び立つ運動性。移動が始まるのだ。車で野を越え山を越え、海辺へ。
ミシェルは兵役前の身を考えて仕事をやめてコルシカ島へ。女の子たちも着いてゆく。テントに寝袋。ドライブにキャンプ。ドライブにキャンプ。
つかのまのモラトリアム気分のなかで、3人は3人ならではの微妙な力関係の揺らぎを、しっかりとじっくりとねっとりと味わいつつ繰り広げつつ、どこかあっけらかんと笑いころげる。ああ、この永遠のような自由の倦怠よ。
女の子たちはどちらが彼に愛されているか、どちらが彼を愛しているか、牽制し譲り合いし、キレながら笑いながらミシェルに迫る。じゅてーむ!じゅてーむしか言えないのか?!もっと大事なことだってあるんだぞ!どこかさめたミシェルの答え。これもまたゆったりよどんだコルシカの風の中で切なくも暖かい。

ああ、どうして、こんな他愛もない、何事も起きない人たちを淡々と写しているだけなのに、こんなに豊かな映画になっちゃうの?車やボートや最後の客船、それを追う別れのシーンで走る走る女の子、移動に移動を重ねるエキサイティングな道具立てをずらりと並べて、どうしてこんなに他愛ない映画を撮っちゃうの?他愛なさのくせに、他愛なさのゆえに?スクリーンの彼らは容易にこちらがわに転がり出てきて、蜂に追われて石でごろごろの海辺を逃げ回ったり、夜の波打ち際で心細いテントでまどろんだり、ぼんじゅーる・ふぃりぴーぬ!ごっこをしたりする。目の前にいる。この生き生きとした現前性。この映画は3Dだ。ロジエは最初から3D映画作家だったのだ。

*****

多彩なカメラワークと編集の妙技はここでも見られる。食卓での大騒ぎも巧妙な切り替えしを多用し皆が口々にしゃべる感じをコミカルに描いている。女の子二人が出演するらしいCF?のラッシュを見るシーンも大笑い。ラッシュ自体が絶妙な編集の産物だが(あの声の早回しかかぶさるタイミングが可笑しいこと)、それを見ている企業のおじさんの苦虫顔がまたいいタイミングではさまるんだよね〜

こういうギャグは前半に多く、あの謎のTVディレクター(後半でもひとりギャグ映画しているが)が車内で演じる残念なオヤジっぷりとかは実に笑える。(ふぁっははははは〜〜〜〜〜ははは〜〜〜〜はは〜〜〜・・・・、泣きたい気分だよwwww)


もっともっとたくさん面白いところがある。
全部を話しつくしてしまうのはもったいない。
話すより、ぜひとももういちど観たいね!


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「増補 友よ映画よ、わがヌーヴェルヴァーグ誌」再版ですかね

2010-01-31 23:41:41 | book
増補 友よ映画よ、わがヌーヴェル・ヴァーグ誌 (平凡社ライブラリー)
山田 宏一
平凡社

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しばらく古本でしか入手できなかった本ですが
どうやら重版したようですね。
読みたかったのでうれしいです。
さっそく注文し、おととい届きました。

山田宏一氏は、近著で「ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代」というのもあるらしく、そちらも楽しみです。
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「メーヌ・オセアン」ジャック・ロジエ

2010-01-31 00:30:30 | cinema
メーヌ・オセアンMaine Ocean
1986フランス
監督:ジャック・ロジエ
脚本:ジャック・ロジエ、リディア・フェルド
出演:ベルナール・メネズ(検札長)ルイス・レゴ(リュシアン)イヴ・アフォンソ(プティガ)リディア・フェルド(女弁護士)ロザ=マリア・ゴメス(デジャネラ)


いや〜面白かったですよ。
ジャック・ロジエ85年の長編
めちゃめちゃ面白かったですよ〜。
135分もあるのに長くないし。

コメディタッチでそれなりにストーリーというか
それぞれモチーフにストーリー性があって
「オルエットの方へ」のようなただひたすら記録って風情はないんだよね。
そういう点では一般受けも可能な作品

でもよ〜く考えると、人物がいろいろな関係性を軸に
場所と時間をどんどん移ろっていくので変化はあるんだけど、
その変化を、ただひたすら撮っているだけ〜っていうのは実は変わっていない。
ただ撮るだけ(実際はかなりいろいろ凝っているけれど)〜


最初は慣れないパリで列車の切符の扱いを知らないブラジリアン女性が、特急「メーヌ・オセアン」号のなかで車掌さんに罰金とられそうになるところから始まるんだけれど、そこから人物がひとり、ふたりと増えてきて微妙な関係を築きつつ、場所をアンジェからユー島へと移していく。

この関係性の変化、場所の変化、人物像の変化、そして主眼を注がれる対象の変化。変遷の映画であり、究極のロードムーヴィーでもある。移動とは映画である、という言葉がつい頭をよぎる。
ラストに至る、最も頭の固い車掌さんの変遷は、もっともこの映画の内容を象徴しているだろうし、その行き着く先が、容易ならざる道、孤独な道、辺境への道だということが、理由はよくわからないがとても面白く感動的だった。



あと、編集の技に長けているという印象。たとえばあの弁護士さんが活躍する場面。ここは腹を抱えざるを得ない映画中でももっとも幸福な場面のひとつだが、そこで主に観客を吹き出させるのは、弁護士さんのセリフを背景にした、画面の繋ぎ方にほかならない。カットが変わるたびに、それだけで客席はどっと湧く。絶妙なのである。

絶妙な編集=精緻な計画を駆使して、ただ記録しただけ〜な映画を作ってしまい、しかもそれが移動と変遷を本質としたダイナミックな映画になってしまった。おまけにたくさん笑える。そんなすばらしい映画でありました。

****

全編にただようローテク感もすばらしく好みである。
ほんとにこれ80年代の映画だろうか?
田舎の島とはいえ、ラジオ局のインタビューアーが持ってきた機材は・・・だしww


ロジエ、いまユーロスペースで上映中だが、だんだん活況を呈し、今日は立ち見も出たということである。
『アデュー・フィリピーヌ』を未見なので、頑張って観に行こうと思う。



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「オルエットの方へ」ジャック・ロジエ

2010-01-27 22:20:04 | cinema
オルエットの方へDu côté d'Orouët
1969−71フランス
監督・脚本:ジャック・ロジエ
編集:ジャック・ロジエ、オディール・ファイヨ
音楽:ゴング/デイヴィッド・アレン、ジリ・スマイス
出演:ベルナール・メネズ(ジルベール)、ダニエル・クロワジ(ジョエル)、フランソワーズ・ゲガン(カリーン)、キャロリーヌ・カルティエ(キャロリーヌ)他


ユーロスペースで観てきましたよ。
ジャック・ロジエ

ほとんど事前に得た先入観を裏切らず、
パリで働く都会の3人娘が海辺でまったりすごすバカンスを
ただ追っただけ・・・という、なんとも朗らかで甘酸っぱい映画です。
事件性のあることはなにも起こらず、
箸が転がってもきゃっきゃと笑う3人+2人のヤサオトコの行状をひたすら追うこの作品は、まず間違いなくある人々には、中身のない映画だな〜という感想をもたらすことでしょう。
観終わって劇場を出るお客さんの中にも、「長過ぎる!w」とつぶやいている人もおりましたし(笑)。

実際のところ、バカンス風景としてはそれでもかなりはしょっていて、
きゃっきゃと騒いでいるなあと思ったら、いきなり「9月17日」とかテロップ出て次の日になり、またきゃっきゃと騒ぐというような、スピード感wはありますのよ。

この映画に抱いた最大の感想は、退屈な(語弊アリ?)被写体のくせに、すごい臨場感があるんだよ〜ってことですね。まるで3人にくっついて自分もあの海辺の(おかしな形をした)別荘で過ごしているような錯覚におちいるのです。極度に。
いっしょになってうなぎだかアナゴだかを満載のバケツをひっくりかえしてぎゃーぎゃー大騒ぎをしているような気分になるのです。

これは題材が日常的なものだからこその臨場感なのでしょうね。『アバター』のリアリズム的別世界には、どんなに形式がリアルであってもここまでの臨場感は実はない。
キャメラを持って街へ出るというロッセリーニ的精神の継承が、ある時期の(あるいはある側面での)ヌーヴェルヴァーグだとするならば、これはその精神の純粋な達成だったのかもなと思ったりするわけで。
(映し出す事柄の特権性を決定的に捨て、街へ出るという精神だけを純粋にじっこうしているかのような)

なんてことは実はどおでもよく?と思ってしまうほどに、このプライヴェートなバカンス感覚にどっぷり浸ってほんわか気分なんですよね〜

***

カメラワークや編集は実はけっこう凝っていて、例えばヨットで大騒ぎのシークエンスなんかも、ボート上のカメラ(それも複数の視点からの)、ボートをすこし離れたところから撮るカメラ(そのときボート上にカメラはいない)、海辺からとおく観るカメラ・・とかなり複雑な設計がされている、とか。ヨットのシーンは複数のセッションを行っているはずで、それらを上手く繋ぎあわせて1回のセッションに仕立てているのですね。

あるいは、釣ってきたでかい魚を料理するところも。狭いキッチンのなかをたくさんの視点からのカメラを仕込んで、カットとつなぎは凝りに凝っています。(でもひたすらご飯つくってるだけ〜)

そういう用意周到かつ量力をつぎ込んで、それであの他愛ない映画ができてしまう、そのことに不覚にも深くw感動してしまうのでした。実に素晴らしい。



そいから、ふとこれはヌーヴェルヴァーグ版『ぼくの伯父さんの休暇』かなあとか思い。ヌーヴェルヴァーグなのであからさまなギャグはやらないし、内容は全然違うんだけど、ひとつのバカンスの高揚と終わりの物淋しさを通じてなんか納得しちゃう気分を描くというところが似ている。
彼女たちの泊まる別荘がへんてこなところはタチ的だし、一日の終わりにその別荘の夜のシルエットがうかび、室内灯がふっと消えたりするところも、なんとなくタチ的。
もちろん作者はそんな意図はないだろうと、これは想像。



音楽のクレジットに、GONGとデイヴィッド・アレンがあり。
某所でDavidと書いたら、彼の綴りはDaevidだ、とおしかりをウケてしまった。
でも映画ではDavidだったと思う(負け惜しみ)、が、それも定かではない。
もしかしたらワタシが見間違えているのかもしれない。


今回上映の3長編+短編をひとまとめにしたパンフを販売しているが、ここに掲載されている山田宏一氏のエッセイが大変面白く、というか、なんでここまで事情通なんでしょうねえ??というくらいにいろいろなエピソードを披瀝する。
そのなかで、氏による「ゴダール、わがアンナ・カリーナ時代」という本が近刊とあるので、これも楽しみです。


『メーヌ・オセアン』も観て、そちらも大変に面白かったのですが、それはまた後日・・


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ラ・ジュテ -HDニューマスター版も出ましたねえ。。

2010-01-25 23:58:43 | cinema
ラ・ジュテ -HDニューマスター版- [DVD]

コロムビアミュージックエンタテインメント

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ギリアム「12モンキーズ」の元ネタとして有名なんですよね。
でも作品自体もなにか、静止画を使った実験色のあるものだとか。
そんな認識しかありませんけれど、とても観たいですね〜

ちょうど早稲田松竹でやるんですよね。
このプログラムも魅力的で。



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「落葉 他12篇」ガブリエル・ガルシア=マルケス

2010-01-24 01:44:30 | book
落葉 他12篇
ガブリエル・ガルシア=マルケス
新潮社

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落葉 他12篇: ガブリエル・ガルシア=マルケス
三度目の諦め/エバは猫の中に/死の向こう側/三人の夢遊病者の苦しみ/鏡の対話/青い犬の目/六時に来た女/天使を待たせた黒人、ナボ/誰かが薔薇を荒らす/イシチドリの夜/土曜日の次の日/落葉/マコンドに降る雨を見たイサベルの独白

新潮社ガルシア=マルケス全小説シリーズの1冊。ガルシア=マルケスが第1長編「落葉」を刊行するまでの、作家としての道をつかむ過程にある20代の頃の作品を発表順に収めたもの。著者が「頭の中だけで作ったもの」として習作と位置づける作品も多く含まれるが、それでも発表順に読むことで作家としてのテーマに次第に迫っていく過程を見ることができるという観点で刊行を許しているのだという。
この本からガルシア=マルケスを読み始めるというのもよいが、後の傑作群を読んでからこちらを読むのもまた著者のテーマをより俯瞰できると思う。ああ、あのエピソードはこういうルーツがあったのか。。等々。

短編の多くは10ページほどのごく短いもので、いきおいテーマというかアイディアをむき出しで置いてあるという感がある。もちろんそこが短編のスリリングなところで、心に響くものもあればちょっとピンと来ないものもある。この本からガルシア=マルケスを読み始めた方は「なんだこんなもんか」と思ってしまうかもしれないが、評価を下すのは「落葉」を出発点とするその後の小説群(特に「百年の孤独」)に触れてからがいいと思う。

****

ワタシが印象的だったものは、まずは冒頭の「三度目の諦め」で、生と死の境界のあいまいな世界の意識を描くもの。カフカ「変身」を読んだ衝撃のまま一気にかいたという割には、7歳から死体であり続ける人間というなんともガルシア=マルケス的主題であることに感心する。

それと「死の向こう側」。双子の弟の死が兄の意識に深く影を落とす。ここでも生と死の間を生きる者がモチーフ。その設定で思い出したのはP.K.ディックの生い立ち。双子の妹の死が彼の著作に投げかける影について。「鏡の対話」も同じ線上にある作品かも。

「土曜日の次の日」も印象深い。これは大分後のガルシア=マルケス風味に近づいてきた風情。鳥が窓に激突死する異変がおき始めた村、その村に住み着く100歳近い神父の人となり、その村に偶然足止めを食った若者(ガルシア=マルケスその人をイメージさせる)、など脈絡のないモチーフを並置して、けだるくゆっくり疲弊していく南米の村マコンドのイメージを形作っていく。ガルシア=マルケスの創作の舞台が出来上がってきた。

そして長編の「落葉」。ガルシア=マルケスが20代のころに母親と故郷アラカタカを訪ねたときに大きな転機が訪れ、その体験に根ざした小説ということだが、予想と違って物語は架空の街マコンドでのある男の葬儀を行おうとしている家族の心持を、父、娘、孫の3者の視点で語るという極めて閉じた世界での出来事を描いている。限定された視点ながら、マコンドの雰囲気や歴史を背後に茫洋と浮かび上がらせるところはなかなかいい感じだ。

最後の「マコンドに降る雨を見たイザベルの独白」は、「落葉」の後に読んでさらに味わい深い。もともと「落葉」の中の断章として構想されていたとのことで、「落葉」の娘イザベルの若い頃からの、家族を巡る思い出を綴ったもの。その中でやはり倦怠に満ち希望を抱き得ないマコンドでの人生が、雨の降り止まぬじめじめした日の描写とともに肉感的に迫ってくる。

****

てな感じです。ガルシア=マルケス自伝「生きて、語り伝える」を読むとさらに面白く読めるのだが、伝記的な事柄を踏まえた読みと、作品自体の強度とは分けて考えなくてはいけないのかも知れない。もう知っているということはどうがんばっても覆せないので、その峻別はとても難しいし、もしかしたら不毛な分類なのかもしれないけどね。



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ソクーロフDVD−BOX3が出るようです

2010-01-23 01:01:37 | cinema
アレクサンドル・ソクーロフ DVD-BOX 3

紀伊國屋書店

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内容は
チェチェンへ
牡牛座
ボヴァリー夫人
だそうです。

う〜む

モレク神+牡牛座+太陽
とかのBOXならわかるんだけどねw

ま、出るのは歓迎です。
発売予定日は2010年3月27日です。



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the brilliant greenが再始動だ。

2010-01-21 21:58:42 | music
LIKE YESTERDAY(初回盤)

ワーナーミュージック・ジャパン

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the brilliant greenが再始動だ!
2010.2.24にシングルが発売だそうです。
ブリグリは昨年?だったっけ?
ベスト出してから事務所との契約も切れて
どうなることかと思っていたんだけど
新しい事務所も決まったみたいで。

ギョウカイのドロドロには興味はないけれど
再出発が成功にむかっていくといいね。

で、なんとブリグリのmy spaceがあるのよね!
ここでLIKE YESTERDAYのデモバージョンが聴ける。
すっごいブリグリ色丸出し^^;
こてこてだ!
http://www.myspace.com/thebrilliantgreen


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