Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

中々お目に掛かれない様

2019-09-23 | 試飲百景
口内が喉まで荒れている。週末の試飲会後に酷くなったのだが、酸とは関係なかったようだ。軽い風邪ひき症状だろう。喉雨で誤魔化しているが、このまま何とか治まって欲しい。流石にTシャツは走るときだけだが、体温調整も上手く行っていないようだ。今晩辺りは茄子を熱くして、また生姜などを効かして食事としたい。

書き忘れていたことがあった。週末の試飲会断章だ。今迄は軽食がどんどん出て来たが、もうでなくなったばかりか、先にデポ金を取るようになった。私はいつも忘れて払わないが、要するに立食パーティーにただでと言う輩が多かったのだろう。訪問客も減った。フランクフルトの顧客を持つといっても結局はこの程度だ。

今回は丸いバーに暫く行ったり来たりしていて、一人の男に気が付いた。酔っぱらってはいないが何となく閉鎖的な感じの男だ。反対側に立っているときに、その男がいた付近に老夫婦が座った。そして男が帰って来て、「グラスはどこ行った」と叱責する。「友達のグラスで、誰がワインを飲んだ」と乱立している空きグラスを覗く。

そして老夫婦も「片づけたのじゃないかな」と当然のことを言うのだが、男は興奮気味にグラスを除いて「どこだ」と騒ぐのだ。流石に爺さんも「気が違っているよ」と席を横にずらす。おかしな男がその場を外した。

こちらも正面から見ていて、おかしなことを言うなと、老夫婦と視線を交わして、「飲み過ぎているのだろうよ」というので「見てたよ、どうせ只じゃない」と私らしいことを言って援護した。

そして更に男の様子を観察していた。そして気が付いた。男は一人だと。中々本物の狂人にはお目に掛かる機会は少ないが、これは完全にサイコものだと分かった。身なりなどは若干乱れた感じはあるが、普通である。そして泥酔している様子はなかった。

そして後で考えると、自分自身は金も払わずにただ飲みしているが、当然あの男は早い時期から予約していて金を払っている。こちらは当然購入して返金されることしか考えていないが、30ユーロを払って飲みに来る者もいるのだろう。するとあの男はグラスが無くなっているので本当に怒っていたのかもしれない。新しいグラスに注がせればよいのだろうが、買わないとなると三杯目にはそっと出しになるのだろう。

ズビン・メータ指揮イスラエルフィルのベルリンでのコンサート評も良かった。ヴァイオリニストに関しては賛否両論あった。子供の弾くようなメンデルスゾーンを弾く親仁ギル・シャハンをどう思うかの違いかもしれない。音色も含めて狙っているところが正しいかどうか、少なくとも個人的には20歳の若造の様な演奏をしたカヴァコスよりは理があると思うが、見解の分かれるところかもしれない。管弦楽団の弱さもあるので放送の日によってはツアー中でもあまりよくなかったりするが、確かにこの日は上手く行ったのかもしれない。



写真:グレーフェンベルク2016年産アイスヴァイン、フルボトル430ユーロ



参照:
隠密のラインの旅 2019-09-22 | 試飲百景
眠れなくなる射幸心 2019-06-06 | 試飲百景
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隠密のラインの旅

2019-09-22 | 試飲百景
ワインを試飲してきた。天気が良かったので、気温も例年並みに上がった。それでも気持ちよかった。渡しも思いの外長く待ったが、その間対岸の船着き場も確認出来て、ジークフリートではないが向こう側へ呼びかけたくなった。ホルンを吹くところだろう。

今迄に無く視界も効いたので、メッテルニッヒ家のシュロースヨハニスブルク、ずっと右にエルトヴィレの城郭、その山の方に薔薇の名撮影でも使われたエバーバッハ修道所、さらに右にキードリの村の後ろ側にグレーフェンベルクの斜面が明るく見える。

ワインを取りに行く序でにいつものおっさんにその話しをすると、新しく植えたところは畝の幅を広げてあるという事だった。機械を入れやすいからと説明したので、「手摘みでしょ、だから作業ね」と重要なところを指摘しておいた。勿論説明としては、「日当たりも良く、風が抜けるように」まで加えなければいけないが、倉庫番の親仁を教育するまでの必要はない。但しグローセスゲヴェックスは平方当たりの収穫量は落としてあるからとポイントだけは加えておいた。

醸造所に行って細々と教育するのがVDP会長の隠密と言われる所以で、買い物をして無料で指導までしてくるのだから余程の大人好しである。しかしそうすることでこちらもインサイダー情報を貰える可能性が強いので、益々詳しくなる。

さてワイン自体は想定した通り、斜面の上の地所であるテュルムベルクが一番良かった。他の人を見ていてもそこへ杯が進んでいた。音楽でも同じだが、そうした好みと言うのは決して外れたものではないのである。

グレーフェンベルクは悪くはなかったがやはり酸が効いていない。予約しておかなかったのはそれを予想していたからだった。そして今年の収穫状況からすると2019年は良くなる可能性が強い。

2016年のアイスヴァインも試したが、こちらはかび臭かった。2013年にも似ていて、一般的には嫌われる要素だが、要するにハーブ風で甘さが隠れるのがいい。

グーツリースリングはやはりコクが無くてつまらない。安かろうでがぶがぶ飲む生活は辞めた。そして次のヴィラージュのオルツリースリング「キードリッヒ」は残糖を5.9gまで押さえてあるので悪くはない。兎に角酸が効いていないのであまり強い作りでは仕方がない。更に上の石灰土壌のクロスターベルクは重みがあって喉に引っかかる感じが悪かった。それ以外ではシャルタやテュルムベルクのシュペートレーゼなどまあまあだったが、買えるようなものはなかった。

結局可成り飲んで、帰宅後も飲んで、若干残る感じがあった。こういう時の原因はアイスヴァインに帰す場合が多い。

朝早く起きて、摂氏気温11.5度の森の中を走った。少し早めだったが、陽射しも強く、結構気持ちよかった。汗を掻いて、窓を開け放して、サンルーフを開けっ放しで走るとやはり目立つ。

土曜日は、仕事をしていて少し遅れたが、ミュンヘンのティケットネット一般発売の列に並んだ。新制作「死の街」の二日目の公演一般発売だった。初日の券を貰っているので、必要ないのだが今後の参考の為に情報収集をした。販売方法が若干変わったからで、重要な情報を得た。何時も絶えずこうしたノウハウの為の情報はアップデートしておかないといけない。



参照:
夕暮れの私のラインへの旅 2017-09-29 | 試飲百景
ラインガウへの途上で 2015-09-27 | 試飲百景

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アルコールも欲しくなる

2019-09-13 | 試飲百景
週末のワイン試飲会の事を纏めていない。これといった大きなことは無くはなかったが、ワインとはあまり関係ない。どうもそれが影響しているらしい。ナーヘでは、何時もの様に試飲会の前に、デンノッフ醸造所で発注していたリースリングを回収した。

春の試飲会で2018年の酸の弱さとか力強さで、余り複雑なGCは発注せずに、その下の二種類のGCを購入した。最後の火山岩質のフェルツェンベルクは2013年以来だ。早く開いている時しか買い難く、それほど複雑さは無くても違う味筋のミネラルなので二年もすれば楽しめるだろう。もう一つのデルヒェンは早めに楽しめるバランスの良いリースリングである。一本41ユーロをどう見るか?片方は36ユーロ。三本づつにもう三本既に六本以上楽しんだトーンシーファーリースリングを日常用に買い足した。

更に谷奥に入って俗物ゲーテの愛したモンツィンゲンのシェーンレーバー醸造所で、グローセスゲヴェックスを試飲。古い年度の試飲が良かった。2018年産が2009年産に似ているという事で、ハレンベルク(ハルガンツ)、フリューリングスプレッツヒェンGC、ハレンベルクGCで、今回はハレンベルクが開いていた。二年前ぐらいは反対だった。シュペートレーゼも甘口乍ら、糖が徐々に落ちてきていて、チーズなどには使えそうだった。結局発注していたのは違っていてと言うのは既に書いた。しかし2016年産のリースリングのゼクトがきりっとしていたので三本所望した。

翌日の南ワイン街道のレープホルツ醸造所では、結局買い足しの三本の御用達リースリングのオェコノミラートとその上のクラスのフォンブントザントシュタイン、そして発注していた最上級のガンツホルン三本でかたを付けた。例年通りだが若干クラスを下の方へと比重を下げた。同じ超辛口でも2018年産はそれ程魅力が無かったからだ。

さて、一本は味見で開けた。次はどれを開けるか?自宅で開けていないで既に飲み頃の様な開けれるものはない。オェコノミラートでお茶を濁しておこうか?なぜならばトンシーファーの方はまだこれから年内は瓶熟成しそうだからだ。何か疲れて、軽く飲んで、リースリングでパリ風の棒々鶏でも食したくなった。ジャガイモが無いから米で誤魔化すか。レモンとニンニクを強めに効かせると合うだろうか。

最近はワインの消費は落としている。健康と経済的な一石二鳥を狙っているのだが、購入する数は減らず、高価な方へと寝かすワインへとスライドしているので、金額は明らかに増えている。その分在庫は増えていて、ついつい平素から高級リースリングへと手が出そうになる。価格も一軒当たり数百ユーロ支払うことになり、合わせると年間千ユーロを軽く超えるようになった。

稀に高額席を購入して音楽会や劇場に行くような額を一件に一回で支払い、それなりに交通費も掛かっている。やはりかなりの贅沢であることがこれでも分かる。

それでも昨晩の放送の様な演奏会中継録音を流すと芯から堪えるのでアルコールも欲しくなる。緊張が勝つシェーンベルクなどは出来るだけ流すようにしているが、それでも楽譜を見たりすると、誰かさんではないが発狂しそうになる。あまりにも見事な処理に声を何度も上げる。心臓麻痺になる婆さんに同情する。やはりシェーンベルクの音楽は図抜けて強烈である。あれほど美しい音楽なのでそれゆえに訴えが増強される。チュイコフスキーの方が意外に楽譜が必要になった。視覚的な情報がかなり強かったと思われる。放送ではそれ程の粒立ちが無い。来週のスイスからの放送を比較してみたい。



参照:
2018年産最初の試飲会 2019-05-05 | 試飲百景
眠れなくなる射幸心 2019-06-06 | 試飲百景
分かるようになる話 2019-06-02 | 試飲百景

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眠れなくなる射幸心

2019-06-06 | 試飲百景
日曜日の試飲会はそれなりに価値があった。昨年は忙しくて日程を忘れていた。だから数週間前に試飲していたのにも拘らず売り切れてワインを買えなかった。それどころか人のためにいいワインを勧めておきながら、その価値の分からぬような人間がワインを購入して自分自身が買えなかった。いい加減、そやつの口にワインの瓶を押し込んで流し込んで込んでやりたかった。そんな不条理なことは許せない。結局秋にお慰め程度に下から二番目のリースリングだけを六本別けて貰った。勿論それ以上は要らなかった。

そして今年は2018年という暑い年のリースリングに拘わらずそれなりに満足した。つまり昨年のように収穫量が少なく、貴重な神の雫をバカ者が口にしてしまうような不条理は起きない。しかしあまりにも親しみやすいリースリングとなっているので、選択がより難しくなった。このナーヘ側の上流にあるデーノッフ醸造所は昔のアイスヴァインなどに定評があって、有名人が押し寄せる。今回もバイロイトでも有名な歌手に会えて声を掛けれるかと思ったが日曜日には来ていなかった。以前見かけた時には誰か分からなかったが、既に数晩はキリル・ペトレンコ指揮で聞いている。

ベーシックなグーツヴァインも悪くは無かったが、流石に薄造りでミネラルも控えめだ。そして結局二番目のトーンシーファーが気に入った。アルコールも12.5%とと高めだが、2017年産のイガイガ感が全く無く、その完熟した果実の酸と同時に清潔さとシーファー土壌のミネラルが清涼感にさえなっていて、更に価格が12.8ユーロと大変お得だ。秋にもまだ残っている可能性があるが9本購入した。先代の奥さんがまた端をまけてくれたので、一本12ユーロ以下でこれだけの質の高アルコールのリースリングを購入した。充分に地元のオルツリースリングを地元価格で別けて貰ってもこれだけのミネラルは味わえない。要するに飽きが来ないということだ。

酸がどうしても効いていないのはゲストに来ていたラインガウのキュンストラー醸造所のそれで明らかだった。それからすると先月の同じナーヘのシェーンレーバー醸造所の2018年よりも酸が良く効いていた。やはり谷の冷え方も違うのだろう。そこで先日会った親仁がまた来ていた。「どこで会いましたかね」から始まって、親仁を追いかけまわした。オペルのデザイナーのようで、地元で案内してやるからと名刺を渡しておいた。その他に前々日にレープホルツ醸造所で出会った夫婦にも声を掛けた。

やはり人の話を聞くことは自身の選択の根拠をはっきりさせるためにも役に立つ。何事もそうであるが、考えの道筋をつけておくことは何事にもまして重要だからだ。でなければ試飲会などに出かけても無駄でしかない。しかし上の親仁を二回しか会っていないのにとても気に入ったのはオタクを超えた典型的な数寄者だからだ。

親仁はオークションにも札を出すのだが、その締め切りを前にして夜も眠れ無いと語る。嫁さんが「あんた何をしているのよ」と質すと「どうしようか、ああ幾らにしようか」とあれやこれや考えて眠れないのだ。もうこれを聞いただけで、一人でやらせておけないと思ってしまうのだ。あんたも好きねとしか言えない。差し詰め、音楽ファンならば、どの日にどの辺の席を狙おうかとか思ってあれやこれや考えて眠れなくなるのと似ている。オークションもネット販売もよく似たところがあり、簡単に手に入らないとなると余計に射幸心を煽るのだ。先日知り合ったモーゼルのリーザ―醸造所にも奥さんを運転させて早速訪問したという。我慢がならなかったのだろう。

さて重要なグローセスゲヴェックスの品定めである。新たにグランクリュ指定された「クローテンピュール」と「ミューレンベルク」はもう少し様子を見てみなければいけないが、火山性の「フェルツェンテュルムヒャン」が珍しく癖が無かった。通常は何年か寝かしてバランスが取れたところで味わうリースリングだが、これほどすんなりと楽しめそうな年度は初めてだ。要するに葡萄の熟成が健康極まったのだろう。すると「デルヒェン」も更にどんな食事にでも合わせ易そうでよかった。最も複雑で完成する「ヘルマンスホェーレ」はその分拮抗する内部バランスが弱く感じられた。一本50ユーロ近くするグローセスゲヴェックスであるから何もそういった年度に無理して購入する必要はない。

ほかの甘口などは決して良くなく、オークションリースリングの辛口「ブリュッケ」も良くは無かった。総じて、逃した2017年産よりは遥かに清潔で、ミネラルも充実しているが、酸がどこまで効くかだけだ。少なくとも現時点で弱く感じていなければ、こなれた酸であれば弱ることは無いので大丈夫だと思う。但し寝かして放って置いたら思いがけなくよくなったということはなさそうだ。ミネラルが開いたところでお楽しみである。



参照:
2018年産最初の試飲会 2019-05-05 | 試飲百景
ラインガウワーの印象 2018-05-19 | ワイン
しぶいゼクトを購入 2018-09-20 | 試飲百景
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分かるようになる話

2019-06-02 | 試飲百景
明日試飲会に出かける前に金曜日のそれを纏めておこう。出かける前に冊子を読んでいたように、特別な葡萄の成長過程についての話しがあった。つまり異常に地中に水分の含んだことから、葡萄の生育が遅くなって、今度が四月からの成長が通常は二月掛かるところを四週間で育ってしまったこと、そして八月に摘み取りが始まるという高級ワインを醸造する醸造所では例外的な作業になったこと。それによって集中した手摘みの作業に若い人が奮闘して、そのお蔭であったとの特別な賛辞が発せられた。

そして我々消費者にとってはその出来上がりだ。オーナーでドイツ高級ワイン協会VDPの支部長レープホルツ氏の御講話である。先ずは色の付いたロゼが出された。匂いを嗅ぐとむっとした。その通り1990年産だ。皆はこの醸造所で期待するのは白ワインでしかないが、アメリカでバカ売れしているようなので、試しにこの古いものを出してきたらしい。その心は、2018年の異常な天候からの出来上りのなかでアルコールを11.5%に抑えつつ残糖を0.4gに抑えた出来は、そんなに急いで飲まなくても30年前のものにもまだ酸が効いているので、数年は何ともないという話しである。当時は駆け出しで尖がっていて更に辛口に仕上げていたのだが、その成果である。

三本目は2009年のピノブランが出された。貝殻石灰土壌のもので、現在のそれに相当するものとしての比較試飲である。つまり2018年産は2009年産と共通点があり、ハーブの味はこうして寝かせると食事に合う旨みとなるということで、オリーヴ油のような感じとなると南欧食に合そうということになるか。

五本目はムスカテラーで2005年産であったが、完全に青臭さが落ちていて、なるほどこれぐらい置けば、食事にも合わせやすいというのが分かった。

七本目は貝殻石灰のリースリングだった。これが2005年産で、黄色く成っておらず、ぺトロール香への説明もあったが、その大事な酸は最初に駄目だと思ったら後まで変わらないということを挙げた。つまり、分解された酸でいい感じに感じなければ幾ら寝かしても駄目だということだ。獣臭とか駄目だと。

九本目は同じく今度はロートリーゲンデス土壌のもので2007年産であった。

重要な情報として、雑食砂岩リースリングが百パーセントガンツホルンの地所からのワインになったということで、正真正銘のセカンドワインとなった。

あれ程酸が弱いと思ったリースリングなどを試飲したが酸にやられて歯がガタガタになっている。それでもクールさがあるのは、こなれた酸だけで無しにミネラルの出方だとの話しになった。さて明日はどうなるだろうか?

その前に今晩は幾つもの放送がある。ミュンヘンからのストリーミングはオンデマンドがあるので、それを観ておけば十分だろう。同じような時間に重なっているが、私は真っ直ぐベルリンへと向かう。なんと言ってもユロウスキー指揮の先月16日の中継録音が楽しみだ。メンデルスゾーンのヘルブリーデン序曲からシュトラウスのヴァイオリン協奏曲を日本で人気のイブラギノーヴァのソロで、そして田園を指揮する。通常版での演奏だと思うが一体また何を口から出まかせで語るのか、フィラデルフィアのネゼセガン、ブロムシュテットの講話と同じぐらいに面白い指揮者の哲学の出まかせが楽しみである。

写真:醸造所に行く手前の踏切。何度となく通っていても初めて踏切を待った。そして多方向に遮断機がある。まるで自分の車が間違って踏切内に停車しているような不安に陥った。どこをどのように通るのか中々分からなかった。



参照:
ブロムシュテットの天命 2019-02-14 | 文化一般
トレンドは冷えた「神の雫」 2018-05-15 | 試飲百景
花火を打ち上げる奴 2019-01-01 | 暦
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2018年産最初の試飲会

2019-05-05 | 試飲百景
週末はお勉強とか言いながら、試飲会に出かけた。ナーヘのモンツィンゲンである。ゲーテの推しのワイン産地であった。2018年は暑い夏で、酸が弱い分、残糖を多めにしたものと完全にアルコール化したものとに二種類に大きく分かれた。勿論後者の若干アルコールが高い方を買うのだが、それでも酸が効いていないと重くて退屈になる。

今回飲んだ2018年産シェーンレーバー醸造所のものではオークションワインの「アウフデアライ」が飛ぶ抜けて酸が効いていた。残念ながらオークションであることとどうも高くなりそうなので、初めから試みない。しかし今まで試したこの地所の成果としては一番良かったかもしれない。

そしていつものように「フリューリングスプレッツヘン」と「ヘレンベルク」を比較する。樽試飲であるので両方とも開いていないが、今年も「ヘレンベルク」は購入しにくかった。青スレートとしては平べったく構築感が無かったからである。もう一つの「フリューリングスプレッツヘン」は熟成度が高くて丁度南ティロルのトラミナーのような感じがあったので三本だけ予約しておいた。

しかし今回の目玉は皆口を揃えて好評だった新製品だった。「ヘレンベルク」地所の若干谷奥側の斜面の真ん中当りの新たな区画で昔の名前から「ニーダーベルク」と称するピュルミエクリュである。導入年度なのでまだ正式には名を名乗っておらずNBとしか表示されていない。これが二番目ぐらいに酸が働いていた。全く今飲んでも楽しめるのだが、少なくともまだ半年ぐらいは更に大きく開花して貰いたい。これは価格も中間の26ユーロなので比較的容易に判断が付いた。半ダース予約しておいた。土壌も青スレートの大き目の石ということで期待度は高い。

さてお持ち帰りは、ここは価格を落として「ミネラール」で手を打っておいた。酸が少々弱くとも早飲みなのでいいだろう。14ユーロをどう見るかであるが、最近は飲む量を落としているので許容範囲である。但し来月明け向かうデーノフ醸造所の「トーンシーファー」と比較して土壌感は落ちる。兎に角、家で食事と合わせて甘過ぎないかを試してみなければいけない。

夜中にメトからの中継を録音しておいた上手く行ったようだが、まだ全編は流していない。プーランクのオペラでこの辺りになるともはや音楽監督ネゼセガンに任しておかなければどうしようもない。今晩は同じ指揮者がフィラデルフィアでブルックナーの八番を振るが、こちらは期待できないでも聴かずにはいられない。しかし30分遅れでロンドンからのYouTube中継がある。前半のジョンアダムスはどうでもよい曲であるが、後半の幻想交響曲でラトル指揮のロンドン交響楽団の芸術程度がよく分かるのではなかろうか。

気温が下がって、摂氏2度ほどになったが日差しが強くてパンツ一丁で峠往復を走れた。土曜日早朝も雨降り前にチャンスがあったのだが、サボってしまった。週明けにでもまた一回分ぐらいは取り返せるだろう。

ヴィーンから中継録音でマルキという女性指揮者が交響楽団を振っている放送が流れている。写真でよく見る顔だが、初めて聴いた。「パルシファル」などの難しい曲を持ってくるのも大胆だと思うが、なるほどいいところは分かったが、やはりこの程度の指揮では一流には程遠いと思う。女性枠で仕事はあるが、一流女性指揮者が活躍するまでにはまだ暫く時間が必要だと思う。ヴィーンの交響楽団も監督ジョルダンの実力を反映してか大分下手なのも分かった。

来週は千人の交響楽の生中継があるようで、丁度バーデンバーデンに出かけるので留守録音しなければいけない。オーストリアの東端と西端で一週間違いで同じ曲が演奏させる。地理的にも遠いので重なる人は殆どいないであろう。本来なら都での演奏の質が比較できないほど高くても良い筈だが、ヴィーナーフィルハーモニカーがいつものようにごちゃごちゃの演奏をしそうでこれもあまり質を期待できない。



参照:
二日間の試飲の旅 2018-05-08 | 試飲百景
週末に考えること 2019-01-26 | マスメディア批評
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もぞもぞとした地所の味

2018-11-05 | 試飲百景
ボストンからの生中継を録音した。上手くいったようだ。同時刻にアーカイブ録音として、エッシヘェンバッハのアメリカデビューをセル指揮でというのがあった。クリーヴランドの楽団からも「いいよ」を貰ったが聞けなかった。やはり過去のものよりも現在のトレンドの方が重要な情報だ。その過去もそのモーツァルトのピアノも嫌というほど聞いているので確かめるだけでしかなかったからだ。実は寝入ったのは、放送が始まる午前一時の十分ほど前だが、起きだすと三時まで眠れない。徹夜する価値はない。両方を録音することも可能だが、これも睡眠に影響を与えるので断念した。

最初のハイドンの交響曲もボストンのあのアンサムブルの妙が心地よく、同時に鳴りは小澤の時よりも遥かに良い。なるほどライプツィッヒでは出来ないことも可能としているので、二足の草鞋は続くのかもしれない。高名なホールの音響も綺麗に捉えられている。生放送の鮮度が違うのだろうか?

タネージの新曲は、意外に交響楽団が発音に慣れていないような感じで、なぜかゲヴァントハウス管弦楽団の方が初演慣れして遥かに上手いという先入観を覆す印象である。確かに小澤のころからボストンはぐずぐずした発音が特徴で、メリハリがない代わりにボストンサウンドのようなものを形作っていた印象がある。何か当時は、ケンウッドかトリオか東芝がそのようなキャッチフレーズで観音開きのステレオ家財道具を販売していたような記憶がある。シックと称するそれは、些かもこもこした音がしたのだろう。

そうしたなにか歯切れの悪さは後半のエルガー作「エニグマ変奏曲」には向いているのかもしれない。その意味ではいかにもな感じだったが、総合的にゲヴァントハウスとの演奏比較は、芸術性文化性を度外視しても、一長一短であり、よほどのことがない限りアンドリス・ネルソンズがゲヴァントハウスを投げ出す根拠はないと思う。

試飲会に出かけた。結論からするとそれほどいいものは見つからなかったが、悪くもなかった。三種の一級地所からの三種類を比較するのに熱心になった。毎年は出ないギメルディンゲンの「マンデルガルテン」と称する地所のものが出ていたからだ。それの問題はアルコールが13.5%もあって糖が三グラムとなる。要するに栄誉たっぷりなのだが酸が乗っていて、同類のナーヘのシェーンレーバー醸造所の「ハルガンツ」などよりも軽く感じる。いくらでも飲めそうなのが厄介で、飲み過ぎ食い過ぎになりそうだ。日本酒感覚ならばこれでもよいのだろうが、小さな食事と合わせるとやはりぶつかる。今すぐ飲み干すならば香りも高く一番上手かったかもしれないが、半年も置いておくと丸くなって退屈しそうなのだ。だから結局クラシックな選択で「ビュルガーガルテン」を購入した。これは、もぞもぞとしたミネラルで2017年産は特別な出来ではなかったが二年ぐらい掛けて熟成して開いてくる可能性高いからである。要するにがぶがぶ飲んで無駄をすることがないリースリングだ。価格も20ユーロを切っているので文句はない。それに比較すると29ユーロのグローセスゲヴェクスならよそで更におもしろいものが買える可能性が高い。



参照:
赤みが薄い今年の紅葉 2018-11-03 | 生活
還元法は十五年も前のこと 2015-05-06 | 試飲百景
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しぶいゼクトを購入

2018-09-20 | 試飲百景
朝の車中のラディオや夕刻のそれは可成りの時間を割いて、日本人の月旅行とその背景などを報道解説していた。なによりも興味を持ったのは芸術家を四人招待というところで、どのような人が応募するのだろうか。旅の危険性だけでなく、準備に体を動かさないといけないことなので、それだけで限られてくるのではなかろうか。昔から王侯貴族に旅行に連れられて行った芸術家が、どのような作品を後世に残しているのか知りたいと思う。

次の試飲会の前に防備録。ナーへでは、例年のように先ずはデーノッフ醸造所で予約していたワインを回収した。予約と言っても試飲会に行けなかったので予約できなかった。その分残り物を少し押さえておいたのを回収した。ベーシックのグーツリースリングも残っていたので三本ぐらい足した。それほど良くは無いのだが、数が少な過ぎるので買い足したことになる。お目当てはその上のシーファー土壌のトンシーファーと称するリースルリングで幾つかの土壌のものを集めているのでそれほど個性は強くないが、2017年産は酸が効いていてよかったのだ。例年は重すぎる傾向がある。グローセスゲヴェックスの代わりとはならないが、足しにはなる。

さて本年は遅くならないように時間的余裕を以って出掛けたが、結局二件目の更に山奥のシェンレーバー醸造所に着いた時には既に試飲会は始まっていた。こちらは2017年は初めてグローセスゲヴェックスをケース買いした。昨年は仮注文をしていなかったので入手できず、この春に一つのグランクリュ地所「フリューリングスプレッツヒュヘン」の出来を確認していたからだ。逆にもう一つの青シーファーのヘレンベルクは問題があった。春の時に確かめたそれが再び閉じていたのは、樽試飲と最終のビン詰めとの違いだ、つまり時間が経って瓶熟成するとどうなるかが分っている。とてもクリアーで私好みなのだ。

その話しをザールからの夫婦と話をしていた。地元であるからファンフォルクセム醸造所も良く知っていたが、彼らは昔の濁りのあった時の方が食事に合ったと全く反対な意見だった。これはどうも何とも言えないが少なくともそこの醸造所のワインがここ暫くで変わってきたことはこれでハッキリと証明された。醸造所自身が認めていなくて、ある意味認めたくない理由があるという事だ。

その他では、2015年産のリースリングが詰められたシャンパーニュ風ゼクトが良かった。ブルートで数年前に購入したものよりも良い。トロッケンの方が誰にも勧められるが、自分で飲むならこっちと言われて、なるほどあの渋みのある感じがシャンパーニュの近い。今まで飲んだ中で最も良いリースリングゼクトの一つだと思う。それも2015年の葡萄の出来の良さが裏打ちしていた。

結局普通のリースリングは買えなかったが、下のフリュータウも悪くは無かった。但しデンノッフの同クラスのものと比較すると少し落ちる。最初の日だけのお目当てはなんといっても垂直試飲だ。特に最も健康な葡萄となった2012年産の「フリューリングスプレッツヘン」を2010年とも比較したが、それほど優れてはいなかった。若干ペトロ―ル香があって、これならばそろそろ開けた方が良いのではないかとも思った。逆にもう少し熟れてしまう方がいいのかなとも思った。それに比較すると2010年の方がしっかりしていた感じだった。



参照:
習うより慣れた判断 2018-05-11 | 試飲百景
二日間の試飲の旅 2018-05-08 | 試飲百景

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トレンドは冷えた「神の雫」

2018-05-15 | 試飲百景
五月の試飲会を終えた。日曜日も天候も悪く出掛けてつまらないワインを口にする意欲は無かった。金曜日の講話について纏めておかないと忘れて仕舞う。大切なことは書き留めて身に付けないと何度試飲していても経験値が上がらない。そのような人は目前の下らない情報誌に踊らされてトレンドを追うだけの大衆市場の頭数となるだけだ。通への道からは程遠い。習うより慣れろ、数より質、手当たり次第よりも先ず頭を使え、どのような分野にも通じるのではなかろうか。一生を掛けても到達しないような遠い道は遥かに延びる。無駄なことはしないに限る。

さて5月の試飲の二つ目の山はその講話の内容だった。数十人のお馴染みの檀家さんが遠くはチューリッヒなどから集った中で開かれた。最初のグラスはロゼで、色が充分についているシュペートブルグンダーとなっている。

二つ目は現行のグーツリースリングで、如何に2016年は早めに収穫が始まり、一月早く10月4日には全てが終わっていた。それだけ早く開花して推移した反面、所謂「アイスケーニゲン」と呼ばれる「クリストの昇天」までに遣ってくる霜被害に見舞われた。つまり早く開花していればその分被害が大きく、多くの葡萄がやられた。そこで残った葡萄とそこから発芽した葡萄の二種類の収穫がなされたことになる。つまり収穫も二段階になり、その成長も全く異なり、幹の上部と下部の二種類の収穫となった。これだけを聞けば農協さんやいい加減な大手の醸造所の機械摘みのワインの出来上がりの程度が知れよう。

だからワインの味も二種類のミネラルと酸が混じる感じが下位のこうしたベーシックなワインの特徴となっている。それこそが2015年の完熟と2016年の葉緑素の多いクラシックなリースリング年との中間となっている。その結果を良しとするとか、どう思うかは意見の分れるところだが、少なくともレープホルツの残糖を落としたリースリングにおいては最初から馴染みやすい売れる年となっただろう。未だに2016年が売り切れていないのと対照的だ。

ありがたやありがたや。こうしたお話しは、高等専門学校に通っていてもどこにも書いていないと思う、とても具体的なことである。つまり、ベーシックなワインで量が出るから選別は出来ないので、この二種類の葡萄が混ざっているという事になる。そのお陰で、15年の様に分厚くも無く、16年の様に酸が前面に出ることも無い。中庸なのだ。勿論バイヤーとしてもとても需要な情報で、通常は霜被害で量よりも質とか程度で終わる知識がここでは傾向までをグラスに味わえることになる。農民と同じように愛飲家はこうして大きな経験を積み重ねる。酸が6.7gであるから、ほとんど残っていない糖に比較すると結構こなれていることになる。要するに薄っぺらくないので売れ筋だと思う。

三つ目はブラインドで、黄色い液体が出てきたが、心配しないでくれと、つまり当時の単純な作りでありながら今でも酸が効いていて、熟成臭が抜ければ食事に合しても悪くないとなる。要するに二番目の経年変化はこれよりも優れていてという対象年度の一つとして敢えて出している。2002年はモーゼル流域でも面白い年度で、地元でもクリーミーな酸が楽しめた年度だ。

四つ目は、貝殻石灰質の「フォムムッショエルカルク」で、黄色い果実や「黄色い」というのがまさしく経年変化で現れる石灰質リースリングの特徴だ。くわばらくわばら、早めに飲み干すか、石灰は避けた方がリースリング愛好家には精神健康上好ましい。

五つ目は、もう一つの土壌からのリースリングであるが、再びブラインドで、少し古いがそれ程ではない。つまり2017年と比較対象にされたのは2012年のつまりフランケンヴァイラ―のリースリングだ。その特徴は所謂赤シーファー土壌と共通点のある「フォムロートリーゲンデン」のそれとなるので、同じようにスパイシーとなる。それは土地の色目の赤が示すように鉄分が多く、その味質となる。面白いのはリースリングにおける強い土壌の影響は其れこそその根が深く長く伸びる傾向からとしていて、これは単刀直入な理由付けであって分かり易い。要するにリースリングほど根の伸びる葡萄は少ないのだろう。それならば崖っぷちや斜面に育つ葡萄は同じ傾向ではなかろうか?

六つ目は、それの現行もので、PH値が高く、燻製っぽいニュアンスが特徴だ。比較対象に2009年の上位の「フォムロートリーゲンデン」が七つ目、つまり更にスパイシーでコクがある。だから若い時には躊躇わずデキャンタ―白となる。八つ目に、現行の「フォムロートリーゲンデン」とここまで何時もの進み方であるが、九つ目に最後の山があった。2016年から始めて密かなプロジェクトとしていたレープホルツの「甘口リースリング」だ。アルコール8%で、なんと10gの酸に50gを超える残糖。専門家に飲ましても恐らく残糖15gだろうと答えると思うと語る、その通り全く甘くないのである。まさしく、先日ホッホハイムで試飲したドイツ最高の甘口醸造所デーンノッフのカビネットと同じラインである。

まさかドイツで最も辛口のレープホルツ醸造所が甘口のカビネットで勝負するなんて誰が想像しただろうか?それも残糖50g以上である。当然のことながら香味豊かなロートリーゲンデス土壌つまり赤シーファーのモーゼルなどの土壌と殆ど一緒である。微炭酸が綺麗に落ちて静かなリースリング、そして喉に引っ掛からない残糖。後でレープホルツ氏に直接誉めたが天晴なアイデアだ。

五月試飲の一つ目のハイライトはデーノッフ醸造所の2017年物で、その辛口と甘口のクールさに感動したが、そのクールさには欠けるもののシャンペンの様にぐっと冷やしてテラスで楽しめる純天然飲料リースリング。これは完全にトレンドになる。涼しげな質の高い甘口が醸造される可能性が出てきたのは、辛口におけるその栽培の清潔さと貴腐の無いカビネットを綺麗に糖を残しながらの醸造技術にほかならない。嘗ての様な安直なカビネットではなく、ここ数年のライトなカビネットではない本格的な甘口カビネット、これは数年後には味の複雑さでは勝負にならないシャンペン以上に価値が出る可能性があると思う。その素材の良質さと醸造技術の清潔さがあるからだ。まさしく神の雫の旨味である。勿論旨味のある土壌からしか醸造されない。のど越しが悪いワインは飲まない、だから甘口のワインは買ったことが無い。しかし、デーノッフの涼しさは一度バルコンで冷やして飲んでみようと思った。食事も合せてみたい。如何にその甘みが今までと違うか、それが言いたい。



参照:
二日間の試飲の旅 2018-05-08 | 試飲百景
土産になる高品質甘口ワイン 2016-05-30 | 試飲百景
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習うより慣れた判断

2018-05-11 | 試飲百景
車をサーヴィスに出した。半日スマートを借りた。安い車の割には走りはよかった。最初期に感じたぐらいの好印象だった。実際には走る機能は大分よくなっていると思う。但し喧しく、ゴーカートに乗っているようなものだ。クーラーの効きも良くて、ラディオもそこそこだ。視界はあまり良くなく、ミラーなどが上手く調整できなかった。燃費もそれほどよくない。レンタル料が安いのが取り柄だった。

先週末に購入したリースリングを開けた。昨年に続いて「ハルガンツ」と称する青スレート土壌のグローセスゲヴェックス「ハレンベルク」の早摘み葡萄で醸造された中級品である。昨年瓶詰めされた2016年産で、2015年産よりも遥かに軽い。2015年の場合は醤油のようなスパイシーで強い味にも合わせることが可能で、日本食や中華にも合わせられたが、2016年産はぐっとリースリングらしくなって、本来のナーへ産の味筋になっている。だから単品でもしつこくはならないのだが、その分青スレート特有の馬糞のような匂いが漂う。

要するにモーゼル流域などで一般的で日本でも愛されたドイツのリースリングは、スレートの一般的な匂いを出さないように、糖を残しながら強いアルコールで香りが目立たないように醸造してあった。しかしVDPの方針もあり、欧州での競争力強化から本格的辛口の推進によって、薫り高いスレート土壌のリースリングの品質が問われるようになった。その意味からすると、2016年の昔通りの気候からのリースリングはその品質が問われる。このような事情が雑食砂岩のリースリングこそが本格的な辛口リースリングになった所以である。

今回のシェーンレーバー醸造所の試飲では、そもそもの果実風味の強さとその押しが話題となった。一つには収穫量を落とすことでどうしても味が濃くなたことと、気候の温暖化があると思われる。その意味からすると、2015年よりも2016年産の方が素晴らしいのだが、例えば青スレート土壌からの葡萄に求められるその構築感のようなものは薄かった。例えば2016年「ミネラル」ではスパイシーさが舌を刺激して落ち着いた食事の伴侶にはなり難い感じがした。恐らくエキゾティックな食事などに合うのだろう。個人的には昨年秋の試飲時と同じように、自身の食生活からそれは選べなかった。その点「ハルガンツ」は落ち着いて滔々としているのが良かった。

また2017年産は、丁度2015年と2016年の中間になるという説が多いが、この青系のリースリングは霜被害の影響を強く感じて決して品質も良くなかった。量も2割落ちたというが、質もそれ以上に落ちている。だからオークション用の「アウフデアレイ」の樽試飲もあまり手が出なかった。残念ながら青系は選べなかった。

しかしその分「フリューリングスプレッツヒェン」は白い花の香りで、味もオレンジの皮を想起させて久しぶりに良かった。なるほど樽試飲であるから、本格的なワインになるのはこれからだが、とても期待が膨らむ。思わず、グローセスゲヴェックスを一箱予約してしまった。言えば、秋にもう一度試飲してもそれ以上のものは一切ないと分かったからだ。思い切った先行買いであるが、グローセスゲヴェックスの瓶熟成やその樽試飲の経験を重ねて決断可能になってきたのだ。やはり習うより慣れろである。

またまた昨年デンノーフ醸造所で再会した夫婦に再びシェーンレーバー醸造所で再再会した。次はどこで出合うか分らないが、情報を交換できるのが嬉しい。こういう情報が貴重なのである。



参照:
スマートに行こう! 2017-08-25 | 雑感
現時点最高の2015年リースリング 2017-05-12 | ワイン
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決してCPで負けない

2018-05-09 | 試飲百景
日曜日に録音したフィラデルフィアからのシューマンの交響曲四番をぼちぼち聞いている。予想していたよりも遥かに面白い。シューマンの交響曲といえばその管弦楽法の問題などが良く語られていて、本当に上手に演奏出来るのかどうかあまり確信の持てないようなレパートリーになっている。実際にメディアで聞いた経験からしても、フルトヴェングラー指揮の一番や四番、サヴァリッシュ指揮の三番とか、印象に強く残っているのはそれほど多くは無い。今回ルクセムブルクでもツアーでなぜこの曲がプログラムに入ったのか全く理解出来なかったのは、これほど難しい曲だとは知らなかったからだ。これはとても楽しみになったと同時にお勉強に力が入るようになった。

月曜日は近場の醸造所二件を訪問した。お客さんを連れるのを口実にして自身の関心ごとである2015年産のシュペートブルグンダーの試飲をした。もっとも単純なベーシックなものしか買えなかったが、それはそれでとても価値があった。兎に角、南国風のシュペートブルグンダーで、殆どボルドーを感じさせるほうなのだが、勿論それほど膨らんでいない。どこか涼しさもあって、30度近い気温の下でも全く問題なく楽しめそうだ。個人的には6ユーロ安いラインの対岸のヴィースロッホにあるゼーガー醸造所のピノノワールとの比較になる。勿論ブルゴーニュと比較するのはピノノワールだが、これはシュペートレーゼとしても熟成度が素晴らしい。印象からするとあの記録的な暑さの2003年よりもいいと思う。

なによりも嬉しかったのは先代の元気な顔を見れたことである。90歳を超えるだろうか?息子さんのクリストマンVDP会長は晩婚の子供さんなので、その年代の他の親父さんよりも大分世代が上である。「長いお客さんだからな」といってくれるのはやはり嬉しい。決して良いお客さんだった訳でもなく、蔵出しレストランで挨拶するだけの時も長く続いたが、今こうしてブルゴーニュを愛する会長のシュペートブルグンダーを物色する。その手の掛け方は小規模の醸造所だけに可成りのものだ。バリックの使い方も上手い。時間を掛けて熟成させる。葡萄さえしっかり熟成した年度ならば決してCPでブルゴーニュに負けない。

ハムブルクのエルプフィルハーモニーでの演奏会を予約した。いつもの抽選である。当たるかどうかは分からない。来年1月8日のユース管弦楽団をキリル・ペトレンコが指揮する演奏会である。ベルリンが9日だから楽日の前日である。他の日に行くつもりにしているが、これが当たれば出掛けてもよいかと考えた。翌月にはべルリナーフィルハーモニカーがネゼセガン指揮で演奏する。これも興味はあったが、ダブルブッキングになる可能性と先ず何よりもフィラデルフィアで実際に聞いてみないと判断が出来ない。



参照:
価値のあるなしを吟味する 2017-04-05 | ワイン
隠れ練習、お前もか? 2018-04-22 | 文化一般
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二日間の試飲の旅

2018-05-08 | 試飲百景
土曜日のシェーンレーバー醸造所での試飲会も盛況だった。要点は、大まかに二種類の系統のどちら側を狙うかだった。最近は赤系統の土壌の方を選んでいたが、昨年はその「フリュータウ」の評判も悪かった。もともとは青系一点張りだったが、最近は反対の方に靡いている。その理由は、もう少し厳しく芳醇なフォンフォルクセン醸造所の地所のリースリングやヴァイル醸造所の構造的な「グレーフェンベルク」などの出来が向上しているからで、どうしても他の醸造所との比較になる。

今回も以前購入していたグーツリースリングなども価格的には魅力的なのだが、その果実の強さや押しの強さが鼻につくようになっている。要するに以前よりもドイツのリースリングは繊細で複雑になって来ているからだろう。一点張りの味の嗜好では頂点には残れない。だからやはり「フリューリングスプレッツヘン」などのチョットしたオレンジの皮の苦みなどがとても好ましく、その樽試飲においても広がる香りは先を期待させるものがある。その点「ハレンベルク」の青スレートの構築感も崩れや苦みなどがあるとあまり受け付けられない。昨年の秋の親仁の反応を見ていてもかなり酷く遣られて何とか収穫に漕ぎ着けたことを知っているから、その先入観念からはどうしても逃れられない。

同様にその時に立ち寄ったデーノッフ醸造所の収穫への見込みは期待させるものがあり、今回の便りにおいても小試飲においてもそれを裏付けた。つまり量より質の収穫年となったという事である。その意味において、例年とは異なる美しい酸を堪能できた。

何時もの様にキュンストラー醸造所のゲストとして先代の奥さんが来ていたので彼女に言った。「正直、毎年酸が物足りないので下位の物は買えないのだけど、今年は違う」とグーツリースリングや「カーレンベルク」が買える出来だったのだ。そして昨年売れ残りを購入した「カーレンベルク」について「あれから寝かすとどんどんとよくなったよね」と話した。

この醸造所に通うようになってそれほど経たないが、「いつも酸が物足りないから何時もグローセスゲヴェックスしか買わないんだ」と告白した。今年は最初からつまり瓶熟成の前から酸が綺麗に出ていて気持ち良い。「カーレンベルク」も欲しかったが、六月に出かけるので、先ずはグーツリースリングを持って帰ることにした。それだけでない。簡単なカビネットも中々で、全く糖の嫌味を感じない。これならばテラスワインとして特に日本なんかではきりっと冷やしてシャンペン代わりに飲めるよとなった。そして泡物とは違って、ワインの複雑さまで楽しめる。これに文句を言う者は居まい。甘くなんて全くないのだ、美味いのだ。奥さんに言った。「甘口ではオタクが一番だよといつも言っているのだ」と。



参照:
土産になる高品質甘口ワイン 2016-05-30 | 試飲百景
飲み頃を探る試飲談話 2015-09-15 | 試飲百景
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着陸コースの空の下

2018-05-07 | 試飲百景
二日間続きの試飲会は疲れた。毎年のことだが今年は結構腸にも堪えた。以前にも具合が悪くなったことがあるが、その時の感じに近い。理由は分からないが、試飲の酸が堪えていることは間違いない。ボルドーでの苦しい夜を思い出すほどでも、試飲中にトイレに駆け込み続けた時のようなことも無いが、腹がぐるぐるした。もしかすると酸の質が腹に来るのかもしれない。同じようにこなれている酸としてもリンゴ酸に近いような割合が多いのかもしれない。但し、歯に来たり、上部には来ていないので、リンゴ酸が多いという訳ではないと思う。それほど歯には堪えていない。

初日の試飲会を終えてから、バートクロイツナッハ近くの宿に宿泊した。農業大臣クロックナー女史の家にそう遠くない共同体である。明け方気が付いたのは飛行機の着陸ルート沿いにあって、思ったよりも静粛な村ではなかったことである。最初はフランクフルトかと思っていたら、フランクフルトハーン飛行場の路線だと分かった。なるほど距離的には可成り近いのだろう。近所を何度も通っていても気が付くことが無かったので、やはりそこに住んでみなければ分からないことは少なくないのである。そしてホッホハイムの二日目の試飲会に向かうと、もうそこはフランクフルトの飛行場にとても近い。一層大きな飛行機が頭上を飛んで行く。

今回出かける前にフォンジムメルン醸造所のオーナーであるフォンジムメルン家から挨拶状が入っていた。それによるとエルトヴィレの醸造所を締めるということで、2017年産は醸造していないということだった。昨年は偶々試飲会に出かけていたので驚いた。その話しをキュンストラー醸造所の親仁に聞くと、不在にしていて先日聞いたところだと語っていた。如何に情報が洩れていないかということだ。少なくとも昨年の収穫をどこかの醸造所が買い取った訳だから、そこの醸造所が今後も名地所を借りることになる。地所の権利は保持するということだった。あれだけの地所を問題なく醸造可能なところは限られる。州立醸造所か、そのほかは殆ど決まってくるのではなかろうか。個人的には売券が気になって、興味津々である。



参照:
着陸コースの空の下 2018-05-06 | 暦
鮒ずしには白ワインが最高 2017-06-02 | 料理
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'15年シュペートブルグンダ

2017-11-20 | 試飲百景
一週間の締めに山登りコースを走った。週に五回走るのはそれほどなかった。大抵は二回ほどクライミングが入るので、五回走ることは珍しい。山登りコースは冬シーズン初めてで、この冬に何回こなせるか分からないが、先ずは心拍計を着けてペースを落として走ってみた。殆ど160を超えない走りは初めてだったと思う。このペースならば10キロ超えも15キロぐらいまでぐらいは問題ないと思う。それも一つの経験だ。なによりも疲れを残さずに週五回走れたのがよかった。

さて先日IKEAに序に寄ったのは、ハイデルベルクの南の町ライメンのゼーガー醸造所を訪れるためだった。これも送らせることもできたが、情報収集を兼ねてそれを重視した。先々週に電話をしたときに2005年産が販売になっていると確認していたのだが、出遅れている内にDMが来て、プライズリストなどが入っていた。

そこにチラシが入っていて、ドイツ赤ワイン大賞の一位にブラウフレンキッシュが、二位にシュペートブルグンダー「シュペルメン」が入ったと紹介してあった。どのような賞か知らないので、調べてみると、シュペートブルグンダーの一位はワイン街道最北部グリュンシュタットも醸造所マティアス・ガウルが獲得、二位もゼーガー以外のワイン街道北部ご近所の二醸造所と南バーデンの一醸造所である。

個人的に最も興味を引いたのはグローセスゲヴェックスとなっていて、VDPが地所を認証したことになっていることで、嘗てはVDP醸造所でありながらブルゴーニュシステムになっていなかったので、その変化を認めたことだ。木樽を使いながら、果実風味を膨らませ、全くバリック臭を感じさせない、新鮮に開花したブラウフレンキッシュやシュペルマンRの開いたアロマと果実風味は、どのようになしたか謎であるとコメントされている。

その下の所謂テロワーワインはSと称するがこれは樽のタンニンが強く出るタイプで、個人的にはそこまでして飲みたくないというピノノワールである。そしてベースのものは年度によるとタンニンがきつ目で硬い。しかし2015年は十年に一度以上の夏だったので、とても柔らかく、簡単に一本を一人で開けられるようなワインだ。硬いワインの時は、飲み飽きもして、何か不純物があるような感じなのだが、果実がきれいに熟成していたので全くそのような傾向がない。2015年のピノノワールはフランスでもドイツでも同じで、ドイツに関しては十年に一度以上のフランス物に対抗できる年度となった。

それも価格が8.40ユーロなので、フランス物ならば素性の分からないワインなのだが、このゼーガーのワインはハイデルベルガ―セメントの裏山の葡萄で丹念に作られている。これに対抗できるピノはなかなかないと思う。三分の一ほどのボージョレー新種のガメ種とは、全くそのしなやかさや飲みやすさも濃くも深みも違う高品質な食事用ピノノワールである。



参照:
民主主義を叫んだ独裁体制 2016-07-22 | マスメディア批評
価格に注目して貰いたい 2013-10-16 | ワイン
ブルゴーニュらしいピノノワール 2013-08-13 | ワイン
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夕暮れの私のラインへの旅

2017-09-29 | 試飲百景
週末はラインガウへと車を走らせた。例年のようにロベルト・ヴァイル醸造所の試飲会に向かった。夕方から出かけて結構アルコールが入った。それでも2016年のラインガウを見通せた。今年はザールリースリングなど中々高品質なリースリングも試飲して、ラインガウでも二件の試飲をして、ナーヘでは失望しながらも、ある程度の期待があった年度だった。そこでグローセスゲヴェックスの「グレーフェンベルク」も予約してあったので是非試飲する必要があった。

先ずは、ベーシックなグーツヴァインを飲む。それほど悪くはなかったが、やや薄っぺらい感じがするのは致し方ない。次にオルツリースリング「キードリッヒ」である。これはふにゃふにゃで甘い感じがした。実際に辛口リースリングの中で最も残糖値が高く8.8Gほどだった。そこからエルステラーゲ「クロスターベルク」を試すと驚いたことに尖がっていた。酸は皆あまり変わらない様だがリースリングらしく角があるのだ。通常はこの重めの地所はだるいリースリングしかできないのだが、2016年産は面白い。恐らく「キードリッヒ」と同じく石灰成分が多いので例年は丸いのだが、今回に限っては尖がっているのだ。それならば反対側の斜面の上部にある昨年購入した「テュルムベルク」に期待が集まる。それがなぜか駄目だった。要するに甘いのだ。この醸造所のワインは、プファルツのビュルクリン・ヴォルフ醸造所のリースリングのように糖を残すことで長持ちを考えているようだ。勿論一本25ユーロもするようなワインは急いで飲むべきものであるべきではない。

やはりそのような年度でも「グレーフェンベルク」は最も辛口に整えられていて切れが良い。それでも2015年のように分厚くないので適当な時期に開けて楽しめるだろう。2015年産は「テュルムベルク」の酸が丸くなるまでゆっくり待とうと思ったが、2016年産は適当に開ければよい。勿論そこまで良くないものは早く飲み干さない締りが悪くなると思う。

それでもグーツリースリングは、藁の様な中に出てくるのはファンタオレンジ・レモンの味だ。そこに海の香りの様なものもあって、ミネラルには石灰っぽいドロッとした感じもある。若干のアーモンドもあって、グーツリースリングとしてはまあまあ複雑だろう。13ユーロであるから、レープホルツ醸造所の「オェコノミラート」よりも高価となると当然かもしれない。

結局自分用には、高価な「クロスターベルク」とグーツリースリングで価格を相殺して、予約していた「グーレーフェンベルク」と合わせた。また人のためにも「クロスターベルク」中心となった。2015年産は「グレーフェンベルク」を購入しなかったが、今年は自分用には甘い「キードリッヒ」を断念した。やはり辛口のリースリングは、幾ら酸が丸いと言っても、スッキリ感が無いと駄目だ。

クリーヴランドの交響楽団が今年もやって来る。前回も評判は大変良かったようだがプログラムに興味がなかった。毎年のように行われる欧州ツアーの今年は、場所は限られるが、三種類のプログラムはそれほど悪くはない。一つのマーラーの交響曲はエルプフィルハーモニーで15ユーロの券を申し込んだが抽選で落ちた。もう一つは春の祭典と大フーガなどだ。そして一番近いところのルクセムブルクでは、ヴィーンでも行われる「利口な女狐の物語」の演奏会形式である。そもそも下手な歌芝居などは聞いていられないので、このオペラも体験したことが無い。そしてなんといってもこれだけ優秀な交響楽団の演奏ならばと期待が高まる。指揮のメストもフランクフルトの会でロ短調ミサを振った時も決して悪くはなかった。そしてクリーヴランドでの仕事はとても評価が高い。ヴィーンなどでは到底出来ない音楽をしているのだと想像している。またお勉強するものが増えた。先ずはヴォーカル譜だけでも落としておいた。まだ「魔法の不思議な角笛」がお勉強できていないのでどうしよう。
The Making of The Cunning Little Vixen: Production Diary #1

The Making of The Cunning Little Vixen: Production Diary #2

Behind The Opera: The Cunning Little Vixen

The Making of The Cunning Little Vixen: Production Diary #3



参照:
12本選択するとすれば 2016-09-26 | 試飲百景
時間の無駄にならないように 2017-05-09 | 文化一般
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