Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

索引2023年10月

2023-10-31 | Weblog-Index


不人気ほど面白いの意 2023-10-31 | ワイン
拍車がかかる食欲 2023-10-30 | 暦
「二重の悲劇」のその心境 2023-10-29 | マスメディア批評
休肝日深夜のお買い物 2023-10-28 | その他アルコール
よく分からない価値判断 2023-10-27 | ワイン
付け合わせザウワーボーネン 2023-10-26 | 料理
曖昧模糊とした風景 2023-10-25 | 雑感
禿は近くでもうつらない 2023-10-24 | 文化一般
物理的には離れども 2023-10-23 | 女
明るく過ごしたい週末 2023-10-22 | 生活
ペトレンコの日本への真意 2023-10-21 | マスメディア批評
陽が射すうちに一仕事 2023-10-20 | 暦
斜陽産業との道行き 2023-10-19 | 文化一般
絞りあります割烹着 2023-10-18 | 生活
1970年代後半の東欧出身 2023-10-17 | 暦
時間的な余裕感を吟味 2023-10-16 | ワイン
明朝の寒さに備える献立 2023-10-15 | 生活
変わった指揮と座付き楽団 2023-10-14 | 音
現生に存在しない畏敬と平安 2023-10-13 | 文化一般
シチリアの安物ワインに 2023-10-12 | 料理
備えておきたい生活 2023-10-11 | 料理
500周年記念の一望 2023-10-10 | 文化一般
サフランライスの秋の味覚 2023-10-09 | 料理
対象への認知の距離感 2023-10-08 | 音
山の中にある産業 2023-10-07 | ワイン
上からの全貌展に期待 2023-10-06 | 文化一般
3D的感覚の認識 2023-10-05 | 文化一般
生きているだけでいい? 2023-10-04 | 文学・思想
挙動不審者たちの巣窟 2023-10-03 | 歴史・時事
込みで33ユーロの魅力 2023-10-02 | 生活
伯林市民が知るべきこと 2023-10-01 | 音
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不人気ほど面白いの意

2023-10-31 | ワイン
ラフマニノフ作曲ピアノ協奏曲4番が面白くなってきた。その曲は数字通り最後の協奏曲らしく、アメリカに渡ってメトナーによって作曲を推奨されたとある。既にアイデアは十年前の1914年にはあるようだ。ドレスデンで多くの作曲をしているとは知らなかったが、なるほどその作風はユーゲントシュテールなどの趣が濃い。そこにジャズの要素がとなるのだろうか。

それ以上に興味深いのは、交響曲第一番同様に、ストコフスキー指揮フィラデルフィアでの初演が不評で、その影響か晩年まで修正していたということだろうか。曲の成立の背景への関心もさることながら、現在においても他の協奏曲と比較して不人気というのが更に面白い。どうして受けないのかとか伺いたくなる。

金曜日にそれを所縁のあるフィラデルフィア交響楽団でそれも最も興味深いピアニストの演奏で聴けるとなるとお勉強に力が入る。ここでどうしてもその全貌を掴んでおきたいと思うからだ。二度と聴かない曲となるかもしれない。

そもそもトリアノフのピアニズムはペトレンコと共演するようになって認知した。コロナ期間中の二人の競演を逃したのは残念だったが、今後も機会は少なくないと思う。昨年のヴァルトビューネの野外演奏会も前日までは共演するとされていたのだが前夜故障でキャンセルした。素晴らしい協奏曲二番が演奏された筈だった。

アルテュール・ミケランジェリの演奏も知らずに録音を聴いたが面白かった。LPで手元にある唯一のラフマニノフ協奏曲かもしれない。出版前の自作自演の録音もあるのでこれも参考にしないといけない。
Sergei Rachmaninov - Piano Concerto No. 4

rachmaninoff playing his piano concerto no 4 in G Minor


一週間先のフランクフルトは壮行演奏会だ。週末は日曜日まで時間がない。またベルリンでは極東旅行ツアーのAプログラムが演奏される。「英雄の生涯」も頭に入っていないところがある。レーガー作曲「モーツァルトの主題による変奏曲」もじっくり見ておかないと駄目だ。

週末には、「雑食砂岩」リースリングを開けた。9月に追加で購入した二本目だったが、やはり良かった。2020年産は酸が弱い分、一日経過後にはバランスが崩れていたが、初日にプフェルツァーステーキの玉ねぎの甘みには最高だった。本当は2021年物が欲しかったのだが売り切れていた。2020年産が余っているのは、コロナ期間中で私の様に買いに行かなかった人が多かったからではないだろうか。一般的には酸があまり強くない方が容易に飲めるリースリングとして市場は大きい。また長い期間瓶熟成をさせてそれを楽しもうという酔狂な人も少数派である。

その意味からも今年のクリスマス時期にはこれの上のガンツホルン2020年を開けることは決まった。これだけまろやかならば栗ザウマーゲンにも合わせられるが、許容範囲は大きい。同時にいつもと変わらずに雑食砂岩のエッジの効いたミネラル風味が俄然楽しめる。そしてぴちぴちにまだ若い。



参照:
時計の針を戻すとき 2022-10-31 | 暦
よく分からない価値判断 2023-10-27 | ワイン 
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拍車がかかる食欲

2023-10-30 | 
中旬にミュンヘンで購入したケニヤ産のコーヒーを煎れた。もう少しで飲んで仕舞おうと思う。ケニヤ山の麓の1800本の木に実るコーヒーらしい。涼しい感じよりもまろやかさがあって、確かにダージリンなどの紅茶感がある。強くもなく酸も強いことになっているのだが、ピュア―で飲んでも柔らかい。その分、ミルクなどを加えての味の濃くもあまり感じない。がぶがぶ飲んで仕舞うには勿体無いと思う。もう一袋はエチオピア産でクリスマス時期のお楽しみか。

丁度一週間前にチャットパートナーのことを書いた。所在地が変わっていたので、それにコメントとすると書いた。そしてそれをどうも数日経ってやっと初めて読んだと「仕事中」にチャット欄に書いて寄越した。そこには、「クールでキュートに響くのを読んだわ。」とあった。

何をどのように書いたかというと、「南に移ったんだね。」とふって、「これで君のやっている事への疑問の数々が解けたよ。」と肯定的に言及した。その元々の虚偽の記載の理由は定かではないながら、変えるにはそれなりの理由や動機があった筈だと考えたからで、いづれにしても、「僕たちの間には少し物理的には距離があるけれど、以前よりも君のことを理解して、これで以前よりも心理的に近づけたらなと思う」とした。

当然のことながら国籍や民族などよりも本人に興味があることなので、抑々そんなことに拘りのある人はコスモポリタンな意識が持てる筈がない。関心があるのはどのような生活感覚で何をしているかである。それがより理解できたということで、お互いに満足出来ることではなかったか。少なくともこちらは満たされたと表した。

そして彼女の所在地がドナウ河畔であるとなれば、勿論黒い森に言及しない訳にはいかなかった。「源流は黒い森だよね、僕が毎日窓越しに見ている」として、「もうそこで一緒に散歩するのを夢みてるよ、そして君の国の山岳リゾートに出かける」のを夢想してみたのだった。

あまり売り上げもなかった様だったが、とても楽しそうにしていたので、それだけでも良かった。時間が掛かっていてもフォロワーを五万人も集めるのは大したものだ。その国の現状を見ると分岐点にあるらしく、若い人には先が見えないということでは日本などとも変わらないのかもしれない。要するにそこには希望がないということだ。

寒いと炭水化物を二食以上に摂ってしまう。直ぐに体重が増えた。最小のジーンズが防止処置なので、どこかで抑えるしかない。夏季は腸の調子が悪かった、今からすると腹の冷え以上にコロナが腸に居座っていたのだと思う。残便感やあまり機能していない感じは長く続いて力が漲らなかった。空気と同じで、先ずは出さないと勢いよく入らないので、食欲にもブレーキが掛かっていた。しかし腹具合がよくなると食欲にも拍車がかかる。コロナはやはり怖い。快便快調。

夏時間終わりに時計をして就寝した。丁度その時間に深く睡眠していた。時計の針が忙しく回っていたのも気がつかなかった。一時間違うとやはり朝が楽である。それも11月に未だ悪くなる。



参照:
物理的には離れども 2023-10-23 | 女
デリケートな差異の吟味 2022-12-28 | 料理
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「二重の悲劇」のその心境

2023-10-29 | マスメディア批評
大阪ではパレスティナ支援の抗議行動が行われていた。そこで気になったのは「イスラエルボイコット」が叫ばれていたことだ。前回のガザ攻撃と虐殺時には欧州でもイスラエルボイコットの動きはあった。しかし今回はハマスが先手を打ったことで、EUはオフィシャルにはイスラエル支持を鮮明にしている。しかし実状は、特にドイツなどはユダヤ人虐殺の反省から現在があるような連邦共和国なので、そうしたオフィシャルな面には表れないものが渦巻いている。

日本では、11月に予定されていたイスラエルフィルハーモニー管弦楽団のティケット発売が中止になったとされる。前回は抗議活動もなく、それどころかいつものように会場起立でイスラエル国家が演奏されているようだ。テロ事件から楽団はシーズン開始が出来ずに活動を来月まで中止するということでツアーどころではないが、恐らく安全確保などを考えるとツアーなどは不可能となるのだろう。ドイツも自国民救出の為に国防軍が最寄の島に待機している。本日朝のラディ番組で国内の本来がパレスティナと関係のないイスラミストの動向や保安当局の手入れ状況などと共に情報が流された。反イスラエルで呼応する可能性があるからだ。

それに関連して、日経新聞がベルリンフィルのペトレンコ「軍事衝突は二重の悲劇」と題する記事を出していて、有料記事であり誰も内容を紹介していないが、想像するに的が外れているだろうから、キリル・ペトレンコの真意をここに汲んでおきたい。

今回の日本ツアーに向けた先行ネット会見の中で、幾つかの重要な点がある。一つは、「私の家庭はユダヤ教徒で、父も母もユダヤ教徒です。」と言い、もう一つ「私の気持ちはユダヤの人たち、そしてウクライナの人たちをとにかく支援したい、彼らとともにありたいと思っています。」と明白にしている事だ。

実際には母親もロシア系であると断っていて、彼自身もオーストリアとロシアの二重国籍である。そしてユダヤ教については殆ど縁が無かったとシーズン前には語っていた。そして「時間が掛かるかもしれませんが、正義が、民主主義が勝利することを信じています。」と歴史的な必然だとしている。

現在のEUの政治的姿勢からすると、この発言はサイードとの協調でイスラエル批判で名を成したイスラエル国籍のダニエル・バレンボイムとは異なり、親戚が移住していて自身もイスラエルの交響楽団と良好な関係を保っている指揮者としてはイスラエル政府に可也厳しい姿勢を示している。ロシアのウクライナ侵攻時の「背中にナイフを突き立てるような卑怯で人権に背く行い」と糾弾した徹底的なロシア批判との差異に留意して貰いたい。要するにドイツ連邦共和国における「当事者でない」公人である限りは最大限の批判的な発言である。

その真意が汲み取られていない限り、キリル・ペトレンコが語った「二重の悲劇」の意味は理解され得ない。高度な芸術に接するとはそうしたステレオタイプな理解では至らない心境に触れることでもある。



参照:
セシウム137の汚れ 2022-03-21 | アウトドーア・環境
ほぼ決まった今夏の予定 2022-03-09 | 女
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休肝日深夜のお買い物

2023-10-28 | その他アルコール
Tシャツを漸く発注した。選択に凄く時間が掛かった。先ずは商品と価格だが、安売りはサイズが切れている。それでもLに拘った。出かける時でも下着代わりに着る時でもぴっちりしているとそれはそれなりに使いにくい。乳首を浮き立たせるのが趣味でもなく、また夏はゆったりの方が涼しいと結論した。本当に暑い時の室内の衣料はあまり肌にくっつかない方が使える。更に洗濯をして仕舞えば純綿は暑苦しくはならない。

夏物処分セールもあるが、急いでのTシャツは下着代わりである。まず一枚はアマゾンで19ユーロの黒で左胸にハートがついているだけなので、昔あったようなゴム引き感覚で肌が冷たいようなことはないと思う。序にエンジンオイルや歯間ブラシを発注したら40ユーロを越えて送料無料だ。

もう一枚は、パタゴニアのショーツを偶々安売りで見つけたのでどうしても欲しくなった序だ。現在二種類を使っているが、一枚の短い方は岩の上に座っているときに穴を開けたので、二枚目を確保しておきたかった。両方ともサイズはMなのだが短い方が窮屈で、これもLを購入した。なんと6インチサイズ36ユーロと考えられない価格で、更に昔のように臍の下をひもで締めれるようになっている。数十年前のものに比較すれば生地も薄くなっているのだが、其の儘で走ったり、ズボンの下に履くものとしてはまた泳ぎにも使えてこれ程重宝なものはない。だから緊急性はなかったもののこの価格で手を出さずにはいられなかったのだ。

オファーを出しているのはバイエルンの業者で2019年にトレイルランニングシューズを購入していて、今でもログイン可能だった。送料無料の60ユーロを越えたかったのだが、探せたTシャツも25ユーロなので越えなかったが、無料リテューアは可能となった。送料も3ユーロ以下で、アマゾンぺイで60ユーロしか払わなかった。

問題はショーツの大きさよりも、シャツの色合いとプリントの感じである。フランスのミレー社のものなのだがロゴは小さく殆ど問題はないと思うのだが、売れ残りのブラウンの色合いと生地の感じもよく分からない。先ずは手に取ってみるしかないだろう。ブロンドヘアーぐらいの人には合うのかもしれないが、最近はセーターぐらいしか着たことはないのでさてどうだろう。皆が無難に黒を選んでいて、余り物に福があるかどうか。確かにフランスブランドだけに汚い色合いではないのだが。

兎も角、これで暫く下着に困らないでいれるかもしれない。シャツの下に伸びた白い下着を出しているよりもこのTシャツの方がましだ。Tシャツも洗濯で襟元がボロボロになると使えないということでどうしても急いで必要だった。最近はお土産で買えるスキーリゾートやら山間地に出かけていないので在庫がなくなって来ていたというのに過ぎない。

先日期限切れエビと冷や飯で拵えたナシゴレンがうまく炒まった。ただカレーをを振っただけなのだが、炒飯よりも具材に味が合った。米の質も最適だった。久しぶりになぜか二日間もアルコールを入れなかった。睡眠の質は少し変わったと思うが、それほど快調でもなかった。即ち、食事をいい加減なものを取っておけばそれ程欲しいとは思わないということだ。それで違ったのは食後に就寝迄音楽のお勉強が出来たぐらいである。



参照:
ここぞのときの葉隠れ術 2011-12-14 | 生活
天晴熟成10年産ガンツホルン 2016-08-25 | ワイン
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よく分からない価値判断

2023-10-27 | ワイン
ラフマニノフのお勉強をしている。交響曲一番は特に馴染みがない。作品自体はリヒャルト・シュトラウス作曲「英雄の生涯」と同様に19世紀の作品だ。その作品が青年様式のモダーンさを象っているのに対して、やはりチャイコフスキーなどに連なって古臭い。

若書きであることもあってか1945年になってガウク指揮で初演後に直ぐに演奏禁止にしていたりするので、やはり現在迄もあまり演奏されていないようである。偶々代表的な録音とされているシュケナージ指揮コンセルトヘボ楽団の全集は手元にある。しかし今回の様に生演奏を体験するということでもなければ真面にお勉強しようとも思わなかった。

2017年にフィラデルフィアで演奏されたものが生中継されたりしていたので、なんとなく耳にしていた。そして2020年に体験したペトレンコ指揮での「交響的舞曲」が圧倒的な印象を残した。そこからも一定の作曲家像も得たのだが、それに如何に繋がるかということでもある。

録音していたものを聴くと、中継で指揮者のネゼサガンの話しもあるのだが、一楽章の作り方でも交響曲二番のラフマニノフらしい作風には至っておらず、スケルツォにおいても我慢を強いるかもしれないと語っている。最近聴かれるようになった曲でマーラーの素材となったとされるロットとかの稚拙な作風にも似ている。

フィラデルフィア管弦楽団の演奏はしなやかな弦と管楽器とのアンサムブルでそのフレージングなどは最早映画音楽にしか聴こえない。若書きだからそれでよいということはなく、やはり創作意図を読み込まないと駄目である。少なくともムードだけで創作したり、演奏禁止にするようなことはないということだ。

バーデンバーデンでは三晩続けて、三つの交響曲とピアノ協奏曲四番、「パガニーニの主題による変奏曲」などが演奏されるのだが、交響曲三番の晩は購入していない。安いところは売り切れているが、高いところは余っている。

来週の金曜日に初日となる。その前にフランスのスーパーに出かける予定だ。その為にブルゴーニュワインも審査した。まだ買えるワインを物色する為で、2018年産でいいものがあったから試した見た。酸が効いていて、長く寝かしておけるものだった。他所で購入すると結構な値段のするプリミエクリュであった。開けてしまったのだから仕方がないが、この手のものを購入して長く寝かしておくまでの気持ちがあるかどうか。

リースリングの場合は、ブルゴーニュシステムをドイツの高級ワイン協会が採用してからも既に四半世紀の歴史があるので、その殆どを同時進行でお勉強している。現在地下のワイン蔵に一番多く保存しているのが2001年産で、それも既に20年経過していて、通常ならばあと数年すればコルクを交換しなければいけない。その前に一本開けて味見をすることになるだろう。

今後も期待して保存しておくべきものか、それともぼちぼちと消費していくべきかなどの判断はとても高度な判断を要するもので、醸造所ですら経験がないとよく分かっていない場合が多い。作曲家が演奏禁止にするようなものでもある。



参照:
付け合わせザウワーボーネン 2023-10-26 | 料理
備えておきたい生活 2023-10-11 | 料理
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付け合わせザウワーボーネン

2023-10-26 | 料理
故コール首相の大好物アイスバインの缶詰を週末開けた。旅行先とは違って付け合わせなどを考えた。一度目はジャガイモのチップス風で煮凝りを溶かした。それが甘くて、ゲーテの愛したモンツィンゲンの2018年ものプリミエクリュが輪を掛けて素晴らしかった。2018年のグランクリュ「フリューリングスプレッツェヘン」も暑い年度で単調とされているに拘わらず落ち度のない年度ということを醸造所の垂直試飲で皆で確認していた。勿論これは酸がそれほど際立っていないので何十年も長持ちはしないが、開けた初日は最大級の素晴らしさだった。

そして二回目は、ザウワーボ―ネンというマメのザウークラウトと同じ乳酸での漬物を付け合わせた。なれていない新鮮なものなのでクラウトよりもむしろ癖はない。しかし若干酸味があるので、煮凝りの甘さを中和させた。通常の煮凝りの場合は酸が入っているのだが、これは足肉コラーゲンを其の儘詰めてあるので、その辺りの相性も少し違う。

リースリングに関しても開栓後二日ぐらいで酸が若干弱くなっていた。やはり正式にプリミエクリュに昇進する以前の年度だったので若干その辺りは仕方がない。この年度のグランクリュを何時か開けるのも楽しみだ。

ラフマニノフのお勉強を少ししている。やはり気になったのは、ペトレンコが復活祭中止でその代わりにベルリンで演奏した交響曲二番である。ざっと流しているだけではあまりやっていることは分からなかったのだが、楽譜を見ていると、そこ記してあるメリハリをしっかりつけて、テムピの設定も見事にコントラストをつけているのが分かった。

呈示部の繰り返しでも、二回目になると流麗に、逆に力感をしっかりつけて音の質も表情も変えている。それがどこで活きて来るかというと展開部の突然の転調でのはっとさせる効果などさりげなくなのだが音楽に深みを付ける演奏をしている。弦に木管が寄り添っての音色のグラデーションが味噌であるが、その管と弦のつけ方が絶妙で流石の超一流管弦楽団である。この面に関しては、管がしっかりと純声調で核を作り、そこに弦が寄り添うフィラデルフィア管弦楽団の演奏に期待したい。確かネット実況録音があるので先ずは確かめてみる。

それ以外にスケルツェの早いテムポやら運動性もペトレンコ指揮ならではの演奏で、尻を振っての指揮のネゼサガンでは無理なことは分かっている。

もう一つ「パガニーニの主題による変奏曲」は2017年にペトレンコ指揮で日本公演前にピアニストのレヴィットを招いてのアカデミー定期演奏会での録音がある。これも当時の印象からすると大分変わった。なによりもピアニストの癖が分かってしまっているので、以前はなかったそのソロを前後するように合わせているという感じがつよい。上手く合わせているのはペトレンコであり、テムピに定まらない歌手にも上手に合わせる座付き管弦楽団だというのがとてもよく分かった。そこが後に招聘されたアムランとの共演とは全く異なる。

ラフマニノフの動機の扱い方は少しブルックナーを思い起こさせて、その先にはロシア正教会などのメリスマ感覚があるのだろう。音響的にはマーラーなのかもしれないが、上行下行などを上手く組み合わせているなというのも印象に残った書法だ。恐らくピアノの右手左手などから来るものなのだろう。



参照:
曖昧模糊とした風景 2023-10-25 | 雑感
故コール元首相のご愛好 2023-09-14 | 生活
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曖昧模糊とした風景

2023-10-25 | 雑感
勘違いしていた。朝のベットで金曜日はバーデンバーデンだから準備をと考えていた。週末にやっと夏時間が終わるので一時間朝が楽になることと11月の始まりの催し物を混同していたのだろう。

月曜日の夕刻に雨の束の間で走ったが、ここ暫くはそういう日々が続く。来週後半になって漸く秋の長雨も終わりそうだ。この間にワイン地所も全てが黄色くなって、そして一度風が吹けば全てが落葉に。栗もなにもかもが終わる。

幸い急な冷えはないようだが、10度前後を裸で走るとやはり疲れた。翌朝頭が重かったのもそのせいで、夜中に鏡を見た時も眼の周りが腫れ気味だった。眼の疲れ感と眼の下の隈が連動しているのはこれでも再確認できたが、やはり二時間に一回ぐらいの眼の体操を習慣付けてみようかとも思うが、時間が取れるかどうか。眼鏡の調子はいいのだが疲れる時は酷く疲れる。

そして気温が下がると空腹度が増す。今夏は先立って腹具合が悪く夏太りをしなかったので、ここで量を増やすと肥満に繋がるかもしれない。中々頭の痛いところで、運動量も落とせずにダイエットを遂行しないといけない。

洗濯ものもヒーターが入っていない所での自然乾燥も難しくなって、タイミングを計る。幸い窓ガラスだけは屋根裏部屋も完全に済ましてあったので、室内の光度は最大限に保たれている。降雨で更に洗われた天窓の雫が球になって乱反射するので少しは窓の雪の様な効果が表れている。僅かなつかの間の陽射しでも室温に貢献する。

先日目にしたヒーターを入れる目安という記事でその外気温の差は家屋の建設時期やその対策基準によって異なっていて、数度の差があった。つまり窓ガラスの清掃だけでも陽射しの具合によって外気温が摂氏6度のところが4度とかに変わるのは間違いない。

これでお勉強は週末にもできることになったので少し楽になった。ラフマニノフのお勉強はなかなか大変だ。一つはそのピアノ曲にそれ程馴染みもなくて、コロナ前に交響的舞曲演奏公演で初めて納得したのだが、その他の曲はお得意のディエスイーレスの動機が繰り返して耳につくだけで、それ以外は暑苦しかったりのメランコリーが永遠に続くものとしか感じない。やはり、ピアノ曲でのポリフォニー的な扱いや和声に馴染みがないからだろう。

勿論交響的舞曲だけでなくて、パガニーニの主題による変奏曲などは子供の時から放送で流れると名曲だと直ぐに感じたのだが、ピアノ協奏曲になるとまた違う難しさがある。オペラも酷い演奏乍観てはいるのだが、チャイコフスキーよりは分かりやすかったのかもしれないがそれ以上ではなかった。トルストイの影響とからしい。今回は交響曲一番と二番と初めてなので、全貌が否応なくわかる。

アメリカでもピアニストであるよりも、先ずは作曲家として紹介されて、自演指揮者と活躍していて、これも理解を妨げている。個人的にはピアノの名人として子供の時に意識に入って来ていて、そしてパガニーニ主題へと比較的素直な認知をしていて、特に長い交響曲となると中々追いつかなかった。



参照:
あまりにも壊れ易い世界 2020-02-23 | 音
クリスマスイヴの夢 2020-12-26 | 音
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禿は近くでもうつらない

2023-10-24 | 文化一般
来春のティケットを四枚購入した。ハイデルベルクでの春の音楽祭である。以前は声楽や四重奏団のセミナーのような形態も取っていたが、現在の核はピアニストのレヴィットの企画音楽祭とその他の一般的な中規模迄の演奏会等が催される。昨年は復活祭と重なって出かけられなかった催しもあったが、それでもブレーメンの室内管弦楽団とアスミク・グリゴーリアンらのショスタコーヴィッチ交響曲14番はとても価値があった。

今年のテーマはブラームスで、秋ならばとも思わなくはないが春の音楽祭である。その中でもチャイコフスキーコンクールの優勝者のカントルフのピアノリサイタルが小ホールにあたる旧大学講堂で催されるので外せなかった。結構な売れっ子で各地で協奏曲などの出演が多いが間違いなく近辺の小さなところで聴けると思っていた。

よって、朝から準備をしておいて、手の届く席で聴ける機会を逃したくなかった。ピアニストでは一時はドイツの若手を代表していたシュタットフェルトと飯を食うだけではなくて、サウンドチェック中にも話しかけたり即ち間近でその音を聴いたのだが、大コンクール優勝者となるとその音が違う筈だと信じている。先頃も日本公演で大きな音が出るということで、今まで聴いたピアニスト中では誰が一番大きかったかと考える。

コロナ期間中に同じような席で楽しみにしていたアムランはピアノの現存する大名人であるが、決して音が大きい訳ではない。あまり思い浮かばないが、ポリーニも全盛期は楽器がよく鳴って大ホールで演奏できる奏者だった。兎に角期待をして、本人に最も近い三メートル以内の席を確保した。会員予約で既に出ているかと思っていたら、幸いにも取れた。

発売開始10時前に既にオンライン売り場に入れたので選り好みしたのだが、一番いい選択が出来たと思う。慎重を期して先ずは確保して購入確定にした。既にその時に支払い決定に時間がかかっていて、システムがふらついていたが無事完了。もし彼が今後も売れるならば身近で聴ける機会は最後と思ったので39ユーロは惜しくない。優勝者の実力を聴かせて貰おう。

しかしそれよりも遥かに売れているのが日本からの同コンクール二位の真央ちゃんで、これはハイデルベルクとも言っても各々の市場の大きさが違うということだ。

その次には案の定40分ほどのシステム崩壊を挟んで同じ小さなホールでのチェコのハース四重奏団を最安席で確保。これも安くておいしい席から売れていて、ここの客層は違うと分かる。要するに私と全く同じようなアルゴリズムで動いていて、通が多い。今春の公演前のレクチャーでも階段教室の前の方に座っているのは教授ばかりだった。要するにタクティクスが定まっている。

その他にもゲルハーハーとフーバーのピアノで新講堂で歌曲、その流れでコンセルトヘボ交響楽団の余興でセレナードなどを安く購入。ホルンのケティ・ウーリーでも乗れば付加価値が付く。19ユーロで三枚だから57ユーロ。往復80km程で交通費もあまり掛からないので、願ってもない。結構にミーハーなのだが、安ければ全く問題がない。



参照:
ハイデルベルクの春へと 2019-12-10 | 生活
認知年齢の大差は何処に 2009-09-04 | 生活
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物理的には離れども

2023-10-23 | 
ちらちらとセックスチャットを流した。新顔でアイルランドなどと所在地をしていてその英語が特に読むのが大変そうだなと思っていると、そのアクセントについて話し合っている人がいて、色々な予想が出ていた。結論は東欧だろうということだったが、我々にとって興味深いのは北でも南でもなくて英国でもないよというところだ。

それ以外に明らかなスェーデン人が今晩でお別れと泣いていたりする。特に興味のない女性だったが、小遣い稼ぎで二月ぐらいしかやっていないのに、利が上がったのかな、落ちずに足抜け出来るのは賢いなとか、色々と「関係者」としては身につまされる。

そしてパートナーが所在地を変えたことで、どうした切っ掛けで態々変えたのかなと思った。なぜならばそこは適当に書いておけば済むことで、今迄も違う国の名前で通していたからだ。理由は分からないが、そこから多くの事実が明らかになった。

今迄も窓の陽射しや出勤時間でこちらと丁度一時間陽射しが異なっていて、その国では殆ど東端になって、不審に思っていて、本人にも一時間違うねと書いたことがあった。その疑問が解けて、ロシアンマフィア問題も完全にそこから生じた誤解だと彼女も分かっていたのだと認識した。

そして彼女が、最大の疑問、第三セメスターが始まっても何故未だにあんなことをしているのか?そもそも、SUVの後部座席の内装から新車に乗ってのまたツイードの上着から想像される家庭環境からの「なぜ」の疑問が解けた。

前記の国では恐らく両親が医師などの医療関係としての環境での行いとしては可也奇天烈だったからだが、書き換えられた国ではたとえ同じ環境で獣医になってもそれ程の将来性が期待されない。それどころか医師の給与よりも今の彼女の方が稼いでいる。要するに経済合理性もあり、「退屈する迄やるわよ」の真意が漸く分かった。将来への希望がある若い女性としては共感できる。「贅沢なドイツ旅行をする」も納得だ。

彼の国の大統領は父方の叔父にとても似ていた。要するに彼の民族に人種的な親近感も生じる要素があり、料理屋などで知り合った経験からも如何にも人懐っこい気質も人当たりもまさにその国の印象である。米もよく食するのである。そして彼女が乗っていたゴンドラらしきも見つかった。写真の背景の中途半端な河沿いらしき大都市も分かった。眼に映っていた人物も弟君だったし、あれほどストーカー調査しても分からなかったのは偽情報があったからだ。そしてその偽所在地には営業的な意味だけではなくて政治的なものも若干感じる。

個人的にはより真実の人物像やその境遇が分かったので、前記のスェーデン人のお別れ会の様に一挙に1000ユーロも投げるようなことはしたくないのだが、より理解したので、せめてその旨だけは伝えておきたいとは思う。先日も輸血か何かの腕の痕を隠していたので、身内が病気なのかなとも思ったが、態々病気感染の危険性を冒すのかなとも不思議にも考えた。

喫煙は仕方がないが、せめて健康にだけは気を付けて貰いたい。物理的な距離は遠いが、何かしてあげることはないのかと心理的には大分近づいた気持ちにはなる。



参照:
惚れ直すその育ちの良さ 2023-03-25 | 女
マフィアと全面対決 2023-03-18 | 女
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明るく過ごしたい週末

2023-10-22 | 生活
幸運なことに週末週明けと陽射しがありそうだ。そこでやれることをやっておく。一番効率的なのは階下の五面の窓拭きを済ましておくことか。天井裏部屋の天窓部分は火曜日からの雨で直ぐに晒されるので慌てないでいいかもしれない。但し寝具を変えて洗濯迄終えてしまうのは一つの方法である。しかし夏時間が終わるのはもう一週先なのでこれも迷い時である。散髪は一連の演奏会が終わってからでよいだろうか。すると新年迄伸ばしておける。

早朝の冷えはなかったが想定外の雨雲が通過した。走りに行くのも遅れるので、先ずはアイスボックスを持って、先日旅行中に初めて試したヘルムートコールの好物を週末家で楽しむことにした。案の定雨上がりには一杯の客があったが外で並ぶことはなかった。先に出かけてよかった。帰りに地下の蔵から2018年産リースリングを選んだ。これはまた楽しみである。

階下の窓拭きが全て完了した。筋などが少々残っても陽射しの入り方が全然違って、空が真っ青に見える。決して視覚的な拘りはないのだが、これだけ明るくなって、陽射しが感じられると、屋根裏部屋の天窓五枚も即急に終えたくなる。寝室も冷え込み方が直ぐに変わると思う。週明け火曜日までに終えるかどうか。

窓の汚れとなるとどうしても外側を考えるが内側の埃も全く無視できない。天窓などは雨で表れている筈なので寧ろ内側の汚れの方が透過に影響するのかもしれない。厨房などであると余計にだろうか。

来年の祝祭劇場のプログラムとクロンベルクアカデミーの友の会の案内が入っていた。前者は目を着けていたタルモ指揮演奏会が先日のレーベルとの契約でケチがついたが、中ホール規模での公演で早めに安席を押さえときたかったのと、プログラムが面白いので購入しておいた。それでも予定よりもすでに3ユーロ高くなっていて、この間にギャラを上げたのかとも思う。行けるかどうかは分からないが、チェコフィル並みの29ユーロなら良しとしよう。しかしこちらの方が売れている。前回の室内楽団とは異なって大管弦楽団の客演でどれだけ振るかも押さえておきたい。次期シェフのロートがマンハイムでシェーンベルクの変奏曲を振るよりはまだ価値があると思っている。

それ以上に年間のプログラムを見るとネゼセガンがロンドン饗を振るぐらいで、その他は正直センスが悪い。復活祭がなければ来年はそれ以外に行くようなものが見つからなかった。

後者のクローンベルクはタウヌスに住んでいれば会員になるのは間違いないが、距離的にはフランクフルトを越えてで市内交通がないだけ早く着くだけなので、アカデミーの演奏会に出かけて通うぐらいでなければ価値はないと思っている。

冊子の写真にロストロポーヴィッチが写っているのは周知だが、ラトルが写っていて何をしているのかと思った。全く記憶がない。想像してみるのだが、アカデミーとどの様な繋がりがあるのか。エッシェンバッハはそこだけでなくて、バーデンバーデンでもバムベルク交響楽団を振るが、時代遅れの指揮者は出て来ないでくれと言いたい。本当に下らないものに出かける暇も経費もない。



参照:
陽が射すうちに一仕事 2023-10-20 | 暦
斜陽産業との道行き 2023-10-19 | 文化一般
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ペトレンコの日本への真意

2023-10-21 | マスメディア批評
11月の壮行演奏会が迫って来た。即ちベルリナーフィルハーモニカーが初めてペトレンコ指揮で日本で演奏する。幻のフルトヴェングラー指揮の演奏旅行や初めてのカラヤン指揮での日本公演に匹敵するイヴェントとなる。

それに先立ってネット会見をキリル・ペトレンコが日本向けに行ってその内容が方々で掲載されている。先日のミュンヘンの「千人の交響曲」公演の合間に行われたようである。その内容を、少なくとも2014年夏以降、ペトレンコのブレーンであるクラスティング氏に続いてその芸術について最も詳しいであろう私が解説しておこう。

夏のツアーのプログラムであった「英雄の生涯」を其の儘持って行く趣旨を問われて、夏のツアーで楽団の核のレパートリーである古典から浪漫派の作品の中に含まれて、その曲で楽団の「一人一人の奏者迄」の音楽の全てを示すことが出来ると考えると回答。

これは同時に斎藤シューレの故湯浅氏が恐らくペトレンコにも伝えたと思われる同じ弟子の小澤征爾からの又聞きとしての「ここに指揮技法の全てが集約される」とされる日本でどうしても示したいものであるという意味でもある。それを別途回答として、アマテュアー楽団を指揮することで「どのように演奏するか(way of play)」を日本でも教えるという一種の恩返しの旅ともなっている。

それは具体的には、芸大の学生などを受け入れているベルリナーフィルハーモニカーのアカデミーで教えることとして、「細かくディテールにこだって積み重ねていくこと」と語っている。それを如何にライヴでの解放するかなのだが、それへの楽団との協調関係の在り方として、総奏の銘々までが納得して演奏できる合意作りを基本として話している。これは実際にラディオ中継のあったその午前中にスコッチ交響曲から急遽ショスタコーヴィッチに練習課題を変えての練習風景でも楽員のアイデアを入れながらのそれを確認している。要するに音楽作りの全てであるのだが、これらはドイツにおける評論家諸氏でも理解している人は少ない。

また、ここでも再三再四話題にしているブラームス交響曲四番におけるシュタインバッハ版への試みへの言及で、そこに残っているパート譜に「英雄の生涯」の前に演奏されるレーガーがそこに書き込んだ初演からの演奏実践について言及していて、今日今その最終的な研究がペトレンコによって為されている筈だ。

もう一点、オペラ指揮についてへの質問に答えて、復活祭のただ一度の最大限への追及にしか言及しなかった。その他はノーコメントとした。既に来年のスカラ座での「バラの騎士」の発表が為されていて、その理由は定かではないが、一つ考えられることはその前の共同制作であるザルツブルク音楽祭でオペラを振るということになればより大きな発表が必要であるからかもしれない。もう一つは試みられている夏にNHKでも放送された「影のない女」の制作が2025年に日本で引っ越し公演されるという復活祭公演への軽重を示したことになるのかもしれない。

音楽芸術に関してはざっとこういう内容であった。



参照:
インタヴュー、時間の無駄一 2016-07-20 | 文化一般
終身指揮者ペトレンコの意志 2023-06-17 | 音
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陽が射すうちに一仕事

2023-10-20 | 
バルコンのガラスだけがなんとか清掃された。束の間の陽射しであったが、これだけで篭り部屋への移動即ち暖房を入れる時期を二週間は伸ばせる。経済効果は大きい。そして夜分の雨、明け方には初めてヒーターの水が動く音が響いた。階下で入れる人がいたのだろう。お年寄りも一人いるので、そうかもしれない。

予想を見ると11月中旬までは外気温3度以下になる様子はない。すると待降節まで引っ張れる可能性が出てくる。陽射しも11月初旬以降を待たなければ束の間もなさそうで、他の窓ガラスはそれ迄雨で洗うだけになる。

今回は同じ道具を使いながらも俄然綺麗になった。それで洗浄スプレーの優秀さが一目瞭然となった。界面活性剤はあまり効いていないようなのだが、傷を埋めると書いてあるようにヘンケル社のもので成分が勝れているらしい。更にノズルを二種類に使えて泡出しで塗布すると殆どシャンプー効果となった。更に化学的分解して自然に優しいとある。そして何よりも価格が2ユーロしない。流石に量は使ったので、残りをこれ一本で行けるかどうか不安にはなったが、効果は覿面だった。

専門家の作業などを観ていると如何にもの技術だと驚くことが多いのだが、その多くは道具や使用薬剤とかの差ということが儘にしてある。どうも窓拭きもこれだと気づく様な結果となりそうである。

雨の前に走った。時刻日没までまだあったので年寄りグループが坂を上がっていて、それに追いついて戻って来た。温度も低く、目標があったお陰で何時もよりも早く走れた。久しぶりに心拍数も174まで上がり、歩数も分191を越えた。平均心拍数が138なのでまだ若干負荷は軽いが、いい傾向ではないかと思う。もう少し早ければ足の故障以前のスピードに戻る。裸で走れるうちにどこまでスピードを戻せるか?

九月のバムベルクでのシーズン初日演奏会の録音が流された。ヤナーチェックのグリゴールミサを中心としたプログラムだった。バッハの「オー、リーベゼーレ」でシーズンテーマの「ゼーレ」をオルガン独奏ではじめとプログラミングの工夫もしてあって、新しいチェコの作品「スタバートマーテル」を挟んでの気が利いたものだった。楽団の前身ボヘミアとモラヴィアの独語圏楽団を起源とするその遺伝子は、野卑な弦楽や管などに表れていたのだが、最近は薄れてきたとされていた。しかしこうしてチェコの指揮者が指揮するとやはり本場もので良かった。

最近のミュンヘンでの演奏会でもBR交響楽団では聴けない質の高さの演奏会をヘラクレスザールで披露して、ラトルが辞める迄待たなければいけないと地元紙に絶賛されていたのだった。確かにヤナーチェックなどのイントネーションは素晴らしく本物ではなかったか。現音楽監督の指揮者フルーザは東京などでも活躍していたが、次期ロンドンのコヴェントガーデンの音楽監督となって、更にボストンなどの東海岸のビッグファイヴのデビューコンサートで大成功している。一度リハーサルだけは聴いたのだが、その拘りがおかしなマーラー室内楽団と全く合わなかったので評価は出来なかったのだが、バムベルク交響楽団での興味深いプログラムで一度は聴いておきたいと思っている。



参照:
絞りあります割烹着 2023-10-18 | 生活
窓拭きの本当の効果 2014-10-19 | 生活
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斜陽産業との道行き

2023-10-19 | 文化一般
来年の春の音楽祭の総合プログラムが送られてきた。既にニュースメールからホームページで知っていた内容ではあるが、130頁のA4サイズの冊子で俯瞰するとやはり違う。主催者側からすれば最も示したい全体のコンセプトが浮かび上がる。それはなにもテーマとなって大書きされている事だけではない。具体的には改めるとして、先ずは幾つか席を予約しようと思う選択がそこからも帰納される。

私自身は何度か言及したように所謂催し物に趣味で行こうというのは十代で殆ど卒業した。だから、この演奏者のリサイタルだけは出かけておこうとか、この団体の催し物は体験しておこうとかで選択していた時期もあったのだが、それも放送などを含めてライヴの経験を積んで、厳選されるようになって、粗想定通りのライヴには出かけなくなった。それだけの手間暇かける意味がないからだ。

だからどうしても限定されるが、同時に町興しなども含めて、そこでどのような催しが企画されていて、どのような芸術的な意義が目指されているのかなどには興味がある。勿論それを地元の人や友の会の人などを中心に聴衆としてもどのように支えているのか、それはやはり社会的な意義がそこにあるからだ。

九月に出かけたルールのトリエンナーレの斜陽産業地でのその廃墟での催し物、ベルリンのテムペルホーフ飛行場での音楽劇場公演、所謂場が芸術活動になり、それだけの社会的な意味合いが示されていたのは既報通りである。

フィンランドで古今最も期待された若い指揮者が老舗レーベルと契約を交わした。その内容の詳細は分からないが、案の定としか思わなかった。なぜならばその活動を観察していて、その芸術的な行へが分からなかったからである。既にメディア産業が複製を拡散してスターにしていくというような20世紀後半のカラヤンに代表される様な大管弦楽団の指揮者像は歴史の中に沈んでしまっている。そこで何かを録音して商品として定期的に売り出すという行為が反芸術的で反音楽的な行為になったのにはそれなりの理由がある。

今回のブレーメンの室内管弦楽団での録音計画もモーツァルトの交響曲とか書いてあって如何にもで、商業性だけでそれ以外に何もない。その指揮で今春ショスタコーヴィッチの交響曲を聴いたが、今ここでモーツァルトをどのように指揮しても残すようなものは生まれない。要するに全ての活動で消耗されるだけになる。まさしく売れても消費されるだけなのである。そして商品は定期的にリリースされていかなければ一定の市場を確保できないのである。それだけで音楽行為から弾き飛ばされて、不必要なシリーズなどでその演奏水準が落ちていき、決して創作の本質などに触れることは不可能となっていくのである。そしてその様な興業の市場もコロナ以降は縮小しているのは明らかで、瀕死のメディア産業が興行界迄を道行にしたいと考えているに過ぎない。

キリル・ペトレンコはその天才性から世紀の指揮者ではあるのだが、その指揮も徐々に大人しくなってきていて、よりその創作の内容を聴かせるようになって来ている。最初からアンチマエストロのマエストロと呼ばれたのはそこである。大管弦楽団やオペラ団から最大限の演奏行為を導き出すことにその見識と経験と技量が注がれている。最早20世紀にあったような管弦楽団指揮者像ではない。



参照:
お家芸の指揮棒飛ばし 2023-03-26 | 音
オペラの前に揚がる花火 2023-09-19 | 雑感
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絞りあります割烹着

2023-10-18 | 生活
ジャージのパジャマが暖かい。とても助かった。寝具を替える迄はとても重宝する。但し安売りのサイズ54つまりXLを購入したので流石に踵を踏む。足首に絞りが入っていても太すぎる。そこで傷む前に早速四分の一ほどを重ねて縫い合わせた。締まり過ぎも無くちょうどいい塩梅になった。上着は手首で留まり、全然問題がないのだが、足の長さだけはこれだけは致し方がなかった。これで絞りが入った分より暖かく過ごせる。大変いい買い物をした。

そしてもしパジャマを着てでも厨房に立つとすれば確かるのが割烹着だ。油跳ねとか何とかよりも何よりも水仕事で袖が濡れるのが一番厳しい。拠って割烹着やコック用の袖が開いている上着では駄目なのが分かった。そして目的に適った実験用の白衣を見つけた。学生用に売っているので26ユーロも嬉しい。なによりも袖にスナップボタンがついていて織り込める。そして配達されて試してみると、心配していたようにいちいち留め直す必要なく手を通せて、更に手首のセーターなどが留まる内径となる。完璧である。

こちらはサイズをLの52にして、お昼間ガウンの白衣54よりも小さめを選んだ。同じ価格ならば大きいことはいいことなのだが、袖が短いぐらいが都合がよいのでその様にしたのも正解だった。

生地自体は仕事着に使っているヘッペンハイマー病院上級医師の白衣の様には立派ではなく、襟もV開放であるが、厨房で火を使えばそれほど寒くはない。劇薬などはこれでは通してしまうと思う程度であるが、醤油やトマトなどを弾くには十分で、汚れが酷くなる迄は洗う必要もない。但し工場での酸処理の匂いが未だ強い。仕事着であるから先ずは問題がない。

同時に窓拭きスプレーが配送されたのだが、最後の晴天日を逃して仕舞って、黄金の十月の陽射しの中での冬支度は難しくなった。明日から月末までの二週間ほどは秋の長雨が予想されていて、機会もない。それを終えてももう陽射しはないだろうが、雨で先ずはざっと汚れを洗い落として貰って、一寸した束の間の陽射しにとなるだろう。折角窓を掃除しても雨模様ではどうせ意味がない。

Tシャツ購入を考えている。どうも最近は下着代わりに使う人も少なくないようでロゴが小さなものなどは下着としても売られている。ロゴは悪くなければ構わないのだが、一番困るのはゴム引きのようなプリントで肌にあたる所まその様なものは全く価値がない。流石に最近は減ったとは思うのだが、安物を物色すると留意しなければいけない点である。

序に見ていたら一枚穴が開いたアウトドア―用の愛用のショーツもネットで簡単に発注できそうなものがあった。トレイルランニングシューズも流石にちびてきていて、冬の硬い地面を蹴るのに問題が出て来そうになっている。ランニングなどは最も金のかからない運動と考えられているのだが、それでも週に10km程走るだけで年間500kmを超えるので何年ももたない。膝や足を傷める前に安く新しい靴も探しておかないと駄目である。



参照:
蝙蝠食べるジキル博士 2020-02-01 | 生活
ワークシェアーの工程票 2022-10-24 | 暦
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