Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ザ・チャイナシンドローム

2007-04-13 | アウトドーア・環境
温家宝首相の日本訪問が伝えられている。日本と中国が、環境保護に同意したとする見出しが躍っている。何を意味するのかは良く分からなかったが、原子力発電の技術協力とあり、なるほどと思った。

中国は京都議定書から度外視されているが、近く米国のCO2排出量を抜いて世界のトップに上るとされている。そうした事から、原子力発電の促進が図られる。現在世界で456炉が駆動しているうち、米国の103炉、フランスの59炉、日本の55炉にロシアが続く。それに比べて中国の10炉は甚だ少ない ― 因みに世界最大の輸出大国ドイツは現行17炉の停止・全廃が決まっていて、フランスその他から電力を購入する。中国が化石燃料にエネルギー危機を迎えているとすれば、100炉以上の需要が潜在的に存在する事になる。

韓国において毒性をもった黄砂の健康に与える影響が議論されているようだが、原子力発電も事故となると風下の広い地域に渡って被害が予想される。欧州大陸のように、日本は中国から電力を買うことが出来ないのだろうか。すると、その危険性の割に、プラントを受注する日立やGEグループほどに、日本社会は利を得るのだろうか?少なくともエネルギーに飢えている大食漢を他の地域の資源から目を逸らせる効果は期待出来るのだろう。ハリウッド映画ではないが、ザ・チァイナシンドロームが起きない事を祈るしかない。

中国は、米国の重関税課税への脅しにも、冷静に対応出来ると自負している。つまり、あの時の日本のようにあたふたと、経済的な圧力の下に「子分」になるような道は決して歩まないというのである。そうした前提において、日中の間で戦略的関係が強調されているのは良く解せない。

先日からのベルリンでのミサイル邀撃構想の議論で、その効果のほどが疑問視されている反面、防衛の当事者からはイランの核ミサイルへの現実的な対応策が必要との反論が聞かれるようになっている。これも今後の進展から目を離せない。

本日は、四月としても摂氏24度ほど暖かく、週末には28度と予想されている。明らかに、ドイツは以前の日本並みの陽気で、初めて日本のあの新学期の時分のような空気を感じた。どこかしっとりとした篭った地鳴りの聞こえるような春の夜の空気である。



参照:NUCLEAR POWER PLANT INFORMATION, IAEA
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