Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

現実的エネルギー政策

2006-10-18 | アウトドーア・環境
核反応は、武装のためにだけあるものではない、平和利用という選択がある。核分裂の原子力発電利用である。ドイツ連邦共和国は、緑の党が政権党のシュレーダー首相時代に、原子力発電全廃を決めた。2021年までに段階的に火を消して行くのである。そして、来年にはヘッセン州のビブリスA号反応炉停止がカレンダーに書き込まれている。

こうした時点で、操業会社は反応炉使用の延長を申し出た。他の炉への発電移転に代わり更なる運用継続を申し出た。その背景には、現在の政府連立与党のキリスト教民主同盟のグロス経済相が方針の変更と運用の延長の可能性を表明したことがある。

しかし、ガブリエル環境相は基本姿勢の核全廃の固持を主張しており、「同核反応炉は突出して事故が頻発しており延長申し入れは解せない。」としている。いずれにせよ申し出に対し半年の審査期間が必要になるという。

反対に、運用延長可能となると制御棒の注文などをしないといけないとのことで、即判断せよと民主同盟側は要求している。

この状況において、どうも昨今連立政権与党三党間でのギクシャクが目立つが、緑の党の原子力発電廃止のごり押しを 現 実 的 対 応 から覆そうとする戦略がキリスト教民主同盟では働いているように見える。

こうした政治姿勢は、緑の党が将来への基準を設けて技術的進展を期待した政策以上に、まやかしの政策にしか思われない。なぜならば原子力発電に将来性も経済性もないことが知られていてそれを前提としているからである。だから各党ともお荷物である原子力発電の処理に苦慮している。しかし、現時点ではエネルギー政策にこれを避けては通れない。そしてこの場合、現実的対応とは現実的政策とは異なっている。

連立与党社会民主党の今後の対応を注意深くみて行きたい。



参照:
時間当りの変化量の問題 [ アウトドーア・環境 ] / 2007-02-06
風車と冷却塔のある風景 [ アウトドーア・環境 ] / 2006-04-14
経済成長神話の要塞 [ 文化一般 ] / 2005-10-13
打ち寄せ、打ち返す漣の様 [ 雑感 ] / 2005-09-07
悪夢の特命潜入員 [雑感] / 2005-09-01
核反応炉、操業停止 [ アウトドーア・環境 ] / 2005-05-27
デジャブからカタストロフへ [ アウトドーア・環境 ] / 2005-02-19

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