■■ 緑陰読書・・・and「舞いクッキー」のお話 ■■
2006/8/17(木)
東京は湿度が高いですが、気温は西日本ほどは暑くありません。
読書には最適です。
「花のほかには松ばかり」謡曲を読む愉しみ 山村修著(檜書店刊)を読みました。
著者は、「狐」というペンネームで知られた随筆家で、「禁煙の楽しみ」(新潮OH!文庫)、
「遅読のすすめ」(新潮社)などの著書があるそうです。
この本の発想で面白いのは、謡い、あるいは、舞うためのお能の謡本を、純粋に読んでみる、ということです。
考えてみれば、謡本は最高の戯曲集です。
凝縮された科白と一言一句が、日本文学や中国の歴史や文学を背負っており、読めば読むほど、
含蓄がある読み物であることに、気がつきました。
著者はあとがきで「一日に一曲は、謡曲を読んでいます。
普通の謡曲集で一曲は、5、6ページから10ページほどですから、読むのにそれほどの時間は
要しません。・・・それが一日のうちで、私にとってキラキラ光る愉しみの時間です」と語っています。
確かに、世阿弥をはじめ日本文学の頂点をなす人たちの作品を「読む」ことは、大変な贅沢ですね。
★★ 逆に、古典を文章で、目で読むのではなく、朗読で聴きますと、また新たな発見があります。
新潮カセットブック日本の古典(六)「風姿花伝」は、狂言の野村万作さんの朗読、観世栄夫さんの解説です。
観世栄夫さんは、風姿花伝が、芸の道のみならず、現代日本の会社に勤めるごく普通の人にとっても、
いかに身近で得るところがあるか、を説いています。
野村万作さんは、アナウンサーとは違うきびきびした小気味いい朗読で、これだけで一つの芸術と言えます。
この朗読はお薦めです。
同じく、日本の古典(一)「方丈記」は故堀田善衛さんが解説、貴重な肉声です。
堀田さんは、第2次世界大戦中の日本と方丈記の日本とが、どれだけ似ているか、
人間は変わらず愚行を繰り返すかを、分りやすく説いています。
これは最もお薦めで、私は何度も聴いています。
古典は過去の遺物ではなく、現代に生きるために必要であることが分ります。
★★ 檜書店は、約340年の歴史をもつ謡本の出版社ですが、クッキーを販売することになりました。
お能にちなんで【舞いクッキー】と命名。
千葉県いすみ市にある≪社会福祉法人-槙の里-「いすみ学園」≫を『ささやかながら応援するため』です。
「いすみ学園」は、知的障害者の方々の援護施設で、社会自立に向けた訓練等を行っています。
その一環として、入所者の皆さまが、丹精込めてクッキーを焼き上げます。
同学園では、従来から梅干やジャム、漬物などの自然食品、さらに野菜、石鹸なども作り、
その純粋な美味しさで知る人ぞ知る存在です。
クッキーの試作品を頂きましたが、お世辞抜きで高級ブランドのクッキーより美味です。
特に「ショウガ味」は、いつまでもショウガのピリピリ感が心地良く口に漂います。
甘みが極限近くまで押さえられています。
ショウガの鋭角的な刺激を、薄い甘みが“まあまあ”となだめ、丸めているいるような感じがします。
“このようなクッキーもあったのか!!!”と、軽いショックを受けます。
あまり甘いものに手を伸ばさないような方々に、この「大人の辛口のクッキー」は、きっと大受けでしょう。
また、このショウガも入所者の方々が、有機農法でお作りになったもので、香りが抜きん出ているゆえんです。
緑茶や紅茶にとても合いますし、お酒の軽いつまみにもなりそうです。
添加物は極力使用せず、どうやら私の“ 常備菓子 ”となりそうです。
★観世能楽堂の売店、檜書店の店頭などで、9月から販売いたします。
★檜書店へのクッキーの注文は、電話03・3291・9554。
ホームページはhttp://www.hinoki-shoten.co.jp/
★いすみ学園のホームページはhttp://www4.ocn.ne.jp/~ismigakn/
▼▲▽△▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲▽
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2006/8/17(木)
東京は湿度が高いですが、気温は西日本ほどは暑くありません。
読書には最適です。
「花のほかには松ばかり」謡曲を読む愉しみ 山村修著(檜書店刊)を読みました。
著者は、「狐」というペンネームで知られた随筆家で、「禁煙の楽しみ」(新潮OH!文庫)、
「遅読のすすめ」(新潮社)などの著書があるそうです。
この本の発想で面白いのは、謡い、あるいは、舞うためのお能の謡本を、純粋に読んでみる、ということです。
考えてみれば、謡本は最高の戯曲集です。
凝縮された科白と一言一句が、日本文学や中国の歴史や文学を背負っており、読めば読むほど、
含蓄がある読み物であることに、気がつきました。
著者はあとがきで「一日に一曲は、謡曲を読んでいます。
普通の謡曲集で一曲は、5、6ページから10ページほどですから、読むのにそれほどの時間は
要しません。・・・それが一日のうちで、私にとってキラキラ光る愉しみの時間です」と語っています。
確かに、世阿弥をはじめ日本文学の頂点をなす人たちの作品を「読む」ことは、大変な贅沢ですね。
★★ 逆に、古典を文章で、目で読むのではなく、朗読で聴きますと、また新たな発見があります。
新潮カセットブック日本の古典(六)「風姿花伝」は、狂言の野村万作さんの朗読、観世栄夫さんの解説です。
観世栄夫さんは、風姿花伝が、芸の道のみならず、現代日本の会社に勤めるごく普通の人にとっても、
いかに身近で得るところがあるか、を説いています。
野村万作さんは、アナウンサーとは違うきびきびした小気味いい朗読で、これだけで一つの芸術と言えます。
この朗読はお薦めです。
同じく、日本の古典(一)「方丈記」は故堀田善衛さんが解説、貴重な肉声です。
堀田さんは、第2次世界大戦中の日本と方丈記の日本とが、どれだけ似ているか、
人間は変わらず愚行を繰り返すかを、分りやすく説いています。
これは最もお薦めで、私は何度も聴いています。
古典は過去の遺物ではなく、現代に生きるために必要であることが分ります。
★★ 檜書店は、約340年の歴史をもつ謡本の出版社ですが、クッキーを販売することになりました。
お能にちなんで【舞いクッキー】と命名。
千葉県いすみ市にある≪社会福祉法人-槙の里-「いすみ学園」≫を『ささやかながら応援するため』です。
「いすみ学園」は、知的障害者の方々の援護施設で、社会自立に向けた訓練等を行っています。
その一環として、入所者の皆さまが、丹精込めてクッキーを焼き上げます。
同学園では、従来から梅干やジャム、漬物などの自然食品、さらに野菜、石鹸なども作り、
その純粋な美味しさで知る人ぞ知る存在です。
クッキーの試作品を頂きましたが、お世辞抜きで高級ブランドのクッキーより美味です。
特に「ショウガ味」は、いつまでもショウガのピリピリ感が心地良く口に漂います。
甘みが極限近くまで押さえられています。
ショウガの鋭角的な刺激を、薄い甘みが“まあまあ”となだめ、丸めているいるような感じがします。
“このようなクッキーもあったのか!!!”と、軽いショックを受けます。
あまり甘いものに手を伸ばさないような方々に、この「大人の辛口のクッキー」は、きっと大受けでしょう。
また、このショウガも入所者の方々が、有機農法でお作りになったもので、香りが抜きん出ているゆえんです。
緑茶や紅茶にとても合いますし、お酒の軽いつまみにもなりそうです。
添加物は極力使用せず、どうやら私の“ 常備菓子 ”となりそうです。
★観世能楽堂の売店、檜書店の店頭などで、9月から販売いたします。
★檜書店へのクッキーの注文は、電話03・3291・9554。
ホームページはhttp://www.hinoki-shoten.co.jp/
★いすみ学園のホームページはhttp://www4.ocn.ne.jp/~ismigakn/
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