■■ 銀座百点 皆川達夫先生 音楽界批判 ■■ その1
2006/9/3(日)
【 銀座百点 】
★ 銀座へ出掛けますと、いつも「銀座百点」という小冊子を頂いてきます。
老舗の集まりである「銀座百店会」が毎月、発行しています。
店頭に置かれており、無料です。
横長で大きめの手帳ぐらいのサイズ、とても見やすいです。
≪百店≫でなく≪百点≫としているところが、GINZAの心意気を表していますね。
★ 向田邦子さんが本格的にエッセーを発表し始めたのも実は、この小冊子からです。
ファッションやお料理などの美しい写真に溢れ、かつては、池波正太郎さんの日記、
座談の名手「円地文子」さんや「吉行淳之介」さんが、““ 旬のお客さま ””と
丁々発止やりあう「銀座サロン」など・・・・。
毎月、漂ってくる““ 最先端の香り ””をワクワクしながら楽しんだものです。
この冊子を隅から隅まで眺めますと、曇り一つないウインドウ越しに
最新のドレスをウットリと眺め、向田さんと一緒に美味しい食事を楽しみ
““ 絶滅した昭和の雷親父 ””のお話に花咲かせてきたような満足感です。
「机上銀ブラ」を堪能できます。
池波さんの随筆は「銀座日記」として出版され、私の長年の愛読書でもあります。
★ 銀座の価値は、「美しい」、「最高級」、「手抜きがない」ことに集約されると思います。
その広告塔である「銀座百点」を、何十年間、欠かさず読んできましたが、最近は、
かつてのような魅力に乏しく、惰性でパラパラと眺めるだけになっていました。
「空疎な随筆や、自慢話たらたらの話が多い」と、同様に長年ファンである友人も指摘しています。
筆者の人選に問題があり、名前だけ有名な方に依頼しても内容が伴わないためでしょう。
【 懐かしいお名前 】
★ しかし、9月号では、懐かしいお名前を発見しました。
皆川達夫先生です。
かつて、NHK・FM放送で「バロック音楽の楽しみ」を毎日午前6時すぎから、
服部幸三先生と交互に長年放送されていました。
高校生の私は、ラジオの前で心をときめかせて始まるのを待っていました。
いまでも「バロック音楽の楽しみ」というタイトルを見るだけでブロックフレーテの
テーマ曲が頭に流れてきます。
先生の愛情こもった解説、初めて接する音楽の数々。その奥深さ、歴史の厚さ、清楚な美しさ・・・
。
私の全身に染み入り、糧として蓄積されていきました。
ビーバーの「戦争ソナタ」、オルランド・ギボンズの合唱曲やバージナル曲集、
オルランド・ド・ラッスュスのマドリガルやミサ曲などなど、
訥々といとおしそうに解説される語り口はいまでも、私の耳から離れません。
バッハより百年くらい前の作曲家たちです。
最近のNHK・FMは、放送内容の質がかなり低くなっています。
このような曲を魅力ある解説で聴くことは、夢の夢になってしまったようです。
解説から、音楽への愛情や感動が滲み出てこないうえ、
外国の文献の翻訳を朗読していることが多い、などの理由でしょう。
さながら訓詁学の砂を噛む講義のようです。
ちなみに「バロック音楽の楽しみ」は1985年まで約20年間続きました。
歴史に残る、文化的価値の高い誇るべき名放送です。
しかし、NHKにはそれを成し遂げた、という自覚はないかもしれません。
それが問題です。再放送をして欲しいものです。
▼▲▽△▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲▽
コメント(1)
2006/9/3(日)
【 銀座百点 】
★ 銀座へ出掛けますと、いつも「銀座百点」という小冊子を頂いてきます。
老舗の集まりである「銀座百店会」が毎月、発行しています。
店頭に置かれており、無料です。
横長で大きめの手帳ぐらいのサイズ、とても見やすいです。
≪百店≫でなく≪百点≫としているところが、GINZAの心意気を表していますね。
★ 向田邦子さんが本格的にエッセーを発表し始めたのも実は、この小冊子からです。
ファッションやお料理などの美しい写真に溢れ、かつては、池波正太郎さんの日記、
座談の名手「円地文子」さんや「吉行淳之介」さんが、““ 旬のお客さま ””と
丁々発止やりあう「銀座サロン」など・・・・。
毎月、漂ってくる““ 最先端の香り ””をワクワクしながら楽しんだものです。
この冊子を隅から隅まで眺めますと、曇り一つないウインドウ越しに
最新のドレスをウットリと眺め、向田さんと一緒に美味しい食事を楽しみ
““ 絶滅した昭和の雷親父 ””のお話に花咲かせてきたような満足感です。
「机上銀ブラ」を堪能できます。
池波さんの随筆は「銀座日記」として出版され、私の長年の愛読書でもあります。
★ 銀座の価値は、「美しい」、「最高級」、「手抜きがない」ことに集約されると思います。
その広告塔である「銀座百点」を、何十年間、欠かさず読んできましたが、最近は、
かつてのような魅力に乏しく、惰性でパラパラと眺めるだけになっていました。
「空疎な随筆や、自慢話たらたらの話が多い」と、同様に長年ファンである友人も指摘しています。
筆者の人選に問題があり、名前だけ有名な方に依頼しても内容が伴わないためでしょう。
【 懐かしいお名前 】
★ しかし、9月号では、懐かしいお名前を発見しました。
皆川達夫先生です。
かつて、NHK・FM放送で「バロック音楽の楽しみ」を毎日午前6時すぎから、
服部幸三先生と交互に長年放送されていました。
高校生の私は、ラジオの前で心をときめかせて始まるのを待っていました。
いまでも「バロック音楽の楽しみ」というタイトルを見るだけでブロックフレーテの
テーマ曲が頭に流れてきます。
先生の愛情こもった解説、初めて接する音楽の数々。その奥深さ、歴史の厚さ、清楚な美しさ・・・
。
私の全身に染み入り、糧として蓄積されていきました。
ビーバーの「戦争ソナタ」、オルランド・ギボンズの合唱曲やバージナル曲集、
オルランド・ド・ラッスュスのマドリガルやミサ曲などなど、
訥々といとおしそうに解説される語り口はいまでも、私の耳から離れません。
バッハより百年くらい前の作曲家たちです。
最近のNHK・FMは、放送内容の質がかなり低くなっています。
このような曲を魅力ある解説で聴くことは、夢の夢になってしまったようです。
解説から、音楽への愛情や感動が滲み出てこないうえ、
外国の文献の翻訳を朗読していることが多い、などの理由でしょう。
さながら訓詁学の砂を噛む講義のようです。
ちなみに「バロック音楽の楽しみ」は1985年まで約20年間続きました。
歴史に残る、文化的価値の高い誇るべき名放送です。
しかし、NHKにはそれを成し遂げた、という自覚はないかもしれません。
それが問題です。再放送をして欲しいものです。
▼▲▽△▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲▽
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