音楽の大福帳

Yoko Nakamura, 作曲家・中村洋子から、音楽を愛する皆さまへ

■ Brahms Drei Intermezzi Op.117 の源泉は、14番フーガ ■

2013-08-30 15:36:41 | ■私のアナリーゼ講座■

■ Brahms  Drei Intermezzi  Op.117 の源泉は、14番フーガ ■ 
    第14回 「 Chopin が見た
平均律・アナリーゼ講座 」
      第 1 14番、fis-Moll 嬰へ短調 prelude & fugue

                2013.8.30   中村洋子

 

 

★「 平均律 1巻 14番 fis-Moll 嬰へ短調 」 の prelude は、

日本の解説書には 「 インヴェンション風の前奏曲 」 と、

判で押したように、説明されています。

2声であるから “ インヴェンション ” という理由なのでしょうが、

「 インヴェンションの定義 」 や理解もないまま、そう書かれましても、

読者にはなんのことか、
さっぱり分からないでしょう。


14番 fugue フーガ は、24番 fugue と共通する

「 2度の motiv モティーフ 」 が、対主題の中で用いられています。

この 「 2度の mativ 」 を、研究し尽くしたのが、

Johannes Brahms ブラームス (1833~1897) です。

その成果が、 「 Drei Intermezzi 三つの間奏曲-No.3

Op.117  cis-Moll 嬰ハ短調 」 に、歴然と表れています。

Op.117  cis-Moll を写譜しているとき、まるで、

バッハを写しているような錯覚に、陥りました。


★Bach も Brahms も、絶えず、

その声部が 「 4声体 」 の、どこに位置するかを、

意識し、確認して作曲していました。

演奏の際も、 「 アルト声部 」 なのか、「 テノール声部 」 なのかを、

正確に把握していませんと、

曲の構造を、見誤ることになります。


 

★この Drei Intermezzi 間奏曲は、ブラームス晩年の作品ですが、

Op.100番台のピアノ小品集こそが、

20世紀音楽への扉を開いたことは、まぎれもない事実です。

「 ブラームスは晩年、創作力が衰えたから小品集しか、書けなかった 」

という、愚かな解説に、どうか、惑わされないでください。

この作品群を研究し尽くし、

20世紀音楽の土台を築いたのが、

Arnold Schönberg アルノルトシェーンベルク (1874 - 1951)

なのです。 

 

★ Brahms (1833年生)より、1世代前の、

Chopin (1810年生)が、この 14番 prelude & fugueから、

学んだ事につきましても、分かりやすくお話します。

------------------------------------------------------------

 

■日 時 : 2013年 9月 23日 (祝日・月)  午後 2時 ~ 4時 30分

■会 場 : カワイミュージックスクールみなとみらい        

       横浜市西区みなとみらい4-7-1 M.M.MID.SQUARE 3F

          ( みなとみらい駅 『出口 1番』 出て目の前の 高層ビル 3F )

■要予約 :  Tel.045-261-7323 横浜事務所

                 Tel.045-227-1051 みなとみらい直通

------------------------------------------------------------------

★次回講座: 15 1014日(祝日・月)  PM 2 4:30

----------------------------------------------------------

講師:   作曲家  中村 洋子

 

東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数。

2003年~ 05年:アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で新作を発表。

07年:自作品 「 無伴奏チェロ組曲 第 1番 」 などをチェロの巨匠
     W.ベッチャー氏 が演奏した CD『 W.ベッチャー日本を弾く 』を発表。

08年:CD 『 龍笛 & ピアノのためのデュオ 』、
    CD ソプラノとギターの 『 星の林に月の船 』 を発表。

08~09年: 「 バッハのインヴェンション・アナリーゼ講座」 全 15回を開催。

09年10月: 「 無伴奏チェロ組曲第 2番 」 が、W.ベッチャー氏により
         ドイツ・マンハイ ムで 初演される。


10~12年:バッハ平均律クラヴィーア曲集第 1巻の全曲アナリーゼ講座
        (24回)を、 カワイ表参道で開催。


10年: 「 Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲第 1番 」 を、
     ベルリンのリース&エアラー社 Ries & Erler Berlin から出版。

     CD 『 無伴奏チェロ組曲 第 3番、2番 』 W.ベッチャー演奏を発表。

     「 Regenbogen-Cellotrios レーゲンボーゲン・チェロトリオス
      虹のチェロ三重奏曲集」を、ドイツ・ドルトムントのハウケハック社
      Musikverlag Hauke Hack 社から出版。


11年: 「10 Duette für 2 Violoncelli チェロ二重奏のための10の曲集」を、
     ドイツの「Ries & Erler Berlin 、リース&エアラー社 」から出版。

12年: Zehn Phantasien für Celloquartett (Band 1,Nr.1-5)
     チェロ4重奏のための10のファンタジー(第 1巻、1~5番)を、
     ドイツ・ドルトムント Musikverlag 
Hauke Hack 社から出版。
     スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、
     自作品が演奏される。

★上記の楽譜とCDは、「 カワイ・表参道 」   http://shop.kawai.co.jp/omotesando/
「アカデミア・ミュージック 」 https://www.academia-music.com/ で、
 販売中。        

 

 

 

※copyright © Yoko Nakamura    
             All Rights Reserved
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする