■いつでもバッハ、どこでもバッハ 、「 平均律第 1巻 2番 」の講座を終えて■
10.2.18 中村洋子
★東京は、未明から雪が降り続きました。
本日は、「 平均律第 1巻 2番ハ短調 」 のアナリーゼ講座の当日。
遠方より、お出でになる方もたくさんいらっしゃり、
交通機関の乱れに対しても、さまざまな智恵を絞って、
驚くほど、たくさんの方に、ご出席いただきました。
★本日は、前奏曲とフーガを、どのように 「 暗譜 」するか、
というお話を、いたしました。
「 暗譜 」 とは、≪ 正確に記憶する ≫ということですが、
①理論的に、頭の中に定着させること、
②指が記憶して、動くこと、
③心の動き方、つまり、どのように表情をつけるか、その手順。
以上、三つことを、いかなる時にでも、間違いなくできる・・・
ということを、指します。
以下で、その一部をご紹介します・・・
★この前奏曲は、4分の 4拍子、1小節に 16分音符が 16個あります。
頭の中での定着と、心の動き方の、二点については、
1小節を 4分音符 4つに要約し、
まずは、頭の中で、和声の知識を、動員しながら、
憶えることです。
★その要約を、何度も弾くことにより、
バッハが、どのように、心を動かしながら作曲していたか、
それを追体験し、自分の表現法を創造します。
★指の記憶の一例としては、第 1小節目では、右手の部分を、
各拍の頭の音「 ド ド ド ド 」 を、左手で弾き、
それ以外の 「 ミ レ ミ 」「 ミ レ ミ 」
「 ミ レ ミ 」 「 ミ レ ミ 」 を、右手で弾きます。
★この右手を、さまざまな指使いで、練習することは、
大変に有効な 「 トリルの訓練 」 と、なります。
こうしますと、右手だけで全部を弾くより、おそらく、
上手く、正確に弾くことができると、思います。
★それを、自分の理想の弾き方として、記憶し、
右手だけで、その理想に近づくよう、練習する。
それをしますと、右手の部分が、実は 1声ではなく、
2声または 3声であることに、気付きます。
2声というのは、強拍の部分を 1声とし、
「 ミ レ ミ 」 の、内声の部分を、 2声とすることです。
より詳しく考えますと、1拍目と 3拍目のドが、ソプラノ、
2拍目と 4拍目のドが、第一アルト、「ミレミ」の 16分音符が、
第二アルトの、 3声になります。
★左手の部分も同様に、練習します。
ですから、この 1小節は、右手が 3声、左手も 3声、
計 6声として、記憶し、練習すべきです。
★「 フーガ 」 につきましては、
「 インヴェンション講座 」 で、お伝えしました、
「 暗譜の方法 そのⅠ 」 による、 30通りの手順を踏めば、
1週間で、きちんと効率的に「暗譜」できる方法を、お話しました。
★これは、決して機械的な手順、方法ではなく、
それを、実践することにより、
バッハの音楽の本質を、探求するという営みに、ほかなりません。
ですから、無味乾燥な、指の訓練のためだけの、芸術性に乏しい
「練習曲」は、全く、必要ありません。
★バッハの音楽に、ピアノに向かっているときだけ、あるいは、
CDや演奏会で、聴くときだけ向かいあうのは、
もったいない話です。
★「 完璧な暗譜 」 が出来ていますと、
≪ いつでもバッハ、どこでもバッハ ≫ が、可能となります。
★しかし、最も重要なことですが、この2番の前奏曲は、
解説書に書かれている「指の練習曲」では、全くないことは、
上記の要約による 「 暗譜法 」 を勉強すれば、
如実に、分かることです。
2番の前奏曲と深い関連をもつ、「 1巻 24番フーガ 」 、さらに
「 マタイ受難曲 」からの、引用も例にとり、
詳しく、ご説明いたしました。
★この 「 暗譜 」 を、マスターしますと、
「 ♯ 」や 「 ♭ 」が、たくさん付いた調号が、怖くなくなります。
次回の、「 第 3回平均律アナリーゼ講座」の「 第 3番 嬰ハ長調 」は
7つの「♯」を、調号にもっていますが、それをストレスとすることなく、
バッハの美しい音楽に向かい合うことが、可能となります。
次回の講座でも、「暗譜」について、「 第 3番 嬰ハ長調 」 を対象に、
さらに、深めて分かりやすくお話いたします。
(雪と瓦)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
10.2.18 中村洋子
★東京は、未明から雪が降り続きました。
本日は、「 平均律第 1巻 2番ハ短調 」 のアナリーゼ講座の当日。
遠方より、お出でになる方もたくさんいらっしゃり、
交通機関の乱れに対しても、さまざまな智恵を絞って、
驚くほど、たくさんの方に、ご出席いただきました。
★本日は、前奏曲とフーガを、どのように 「 暗譜 」するか、
というお話を、いたしました。
「 暗譜 」 とは、≪ 正確に記憶する ≫ということですが、
①理論的に、頭の中に定着させること、
②指が記憶して、動くこと、
③心の動き方、つまり、どのように表情をつけるか、その手順。
以上、三つことを、いかなる時にでも、間違いなくできる・・・
ということを、指します。
以下で、その一部をご紹介します・・・
★この前奏曲は、4分の 4拍子、1小節に 16分音符が 16個あります。
頭の中での定着と、心の動き方の、二点については、
1小節を 4分音符 4つに要約し、
まずは、頭の中で、和声の知識を、動員しながら、
憶えることです。
★その要約を、何度も弾くことにより、
バッハが、どのように、心を動かしながら作曲していたか、
それを追体験し、自分の表現法を創造します。
★指の記憶の一例としては、第 1小節目では、右手の部分を、
各拍の頭の音「 ド ド ド ド 」 を、左手で弾き、
それ以外の 「 ミ レ ミ 」「 ミ レ ミ 」
「 ミ レ ミ 」 「 ミ レ ミ 」 を、右手で弾きます。
★この右手を、さまざまな指使いで、練習することは、
大変に有効な 「 トリルの訓練 」 と、なります。
こうしますと、右手だけで全部を弾くより、おそらく、
上手く、正確に弾くことができると、思います。
★それを、自分の理想の弾き方として、記憶し、
右手だけで、その理想に近づくよう、練習する。
それをしますと、右手の部分が、実は 1声ではなく、
2声または 3声であることに、気付きます。
2声というのは、強拍の部分を 1声とし、
「 ミ レ ミ 」 の、内声の部分を、 2声とすることです。
より詳しく考えますと、1拍目と 3拍目のドが、ソプラノ、
2拍目と 4拍目のドが、第一アルト、「ミレミ」の 16分音符が、
第二アルトの、 3声になります。
★左手の部分も同様に、練習します。
ですから、この 1小節は、右手が 3声、左手も 3声、
計 6声として、記憶し、練習すべきです。
★「 フーガ 」 につきましては、
「 インヴェンション講座 」 で、お伝えしました、
「 暗譜の方法 そのⅠ 」 による、 30通りの手順を踏めば、
1週間で、きちんと効率的に「暗譜」できる方法を、お話しました。
★これは、決して機械的な手順、方法ではなく、
それを、実践することにより、
バッハの音楽の本質を、探求するという営みに、ほかなりません。
ですから、無味乾燥な、指の訓練のためだけの、芸術性に乏しい
「練習曲」は、全く、必要ありません。
★バッハの音楽に、ピアノに向かっているときだけ、あるいは、
CDや演奏会で、聴くときだけ向かいあうのは、
もったいない話です。
★「 完璧な暗譜 」 が出来ていますと、
≪ いつでもバッハ、どこでもバッハ ≫ が、可能となります。
★しかし、最も重要なことですが、この2番の前奏曲は、
解説書に書かれている「指の練習曲」では、全くないことは、
上記の要約による 「 暗譜法 」 を勉強すれば、
如実に、分かることです。
2番の前奏曲と深い関連をもつ、「 1巻 24番フーガ 」 、さらに
「 マタイ受難曲 」からの、引用も例にとり、
詳しく、ご説明いたしました。
★この 「 暗譜 」 を、マスターしますと、
「 ♯ 」や 「 ♭ 」が、たくさん付いた調号が、怖くなくなります。
次回の、「 第 3回平均律アナリーゼ講座」の「 第 3番 嬰ハ長調 」は
7つの「♯」を、調号にもっていますが、それをストレスとすることなく、
バッハの美しい音楽に向かい合うことが、可能となります。
次回の講座でも、「暗譜」について、「 第 3番 嬰ハ長調 」 を対象に、
さらに、深めて分かりやすくお話いたします。
(雪と瓦)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲