■ 「 平均律第 1巻 2番ハ短調 」を、どう暗譜するか ■
10.2.16 中村洋子
★明後日18日に開催の「 第 2回平均律アナリーゼ講座 」 で、
「 第1巻 2番ハ短調 」 の暗譜の仕方について、お話いたします。
★「 第 12回インヴェンション講座 」 で、ご紹介しました
「 暗譜の方法 そのⅠ 」 を復習し、さらに、具体的に
それを「 2番 ハ短調 前奏曲とフーガ 」 で、どのように、
応用し、実践するか、ご説明いたします。
★私は、高校時代、平均律第 1巻の曲を学ぶ際、
第1回目のレッスンの前に、その曲を暗譜し、それから、
先生のもとに、うかがいました。
★ほぼ 1週間に、 1回のレッスンでしたので、
7日間でどうやって、正確に覚え込むか、
その方法を自分で考え、実践しました。
その結果、いまでも、なんとか、平均律第 1巻は、憶えております。
若かったからだけでなく、その方法が妥当だったからでしょう。
★「 暗譜の方法 」というのは、実は、「 正しい練習の方法 」である、
と、いえそうです。
漠然と、全曲を楽譜を見ずに弾けるのは、
「 暗譜 」 とは、いえません。
それですと、弾くたびに違うところで間違えたり、
忘れたり、してしまいがちです。
何年それをしても、手の内に、入りません。
★暗譜=記憶 ですが、いまつくづく、よかったと思いますのは、
ピアノがなくても、電車のなかでも、お風呂のなかでも、
バッハの音楽を、頭のなかで再現し、楽しんだり、
感動したりすることが、出来ることです。
私の作曲家としての土台は、ここにあります。
この喜びを、皆さまに是非、お伝えしたい、と思います。
★「 平均律第 1巻 2番 」 の前奏曲は、いろいろな解説書で、
「 トッカータ風 」 と、書かれています。
孫引きが多く、その根拠ははっきりとしません。
★確かに、そう思えなくもないのですが、本当にそうでしょうか?
「 トッカータ風 」 とすることで、「 力強い 」、「 活気ある 」、
「 元気はつらつ 」 などの性格づけがなされることが、
多いのですが、そのイメージに、
引きずられないほうが、よいと思います。
★私の方法で、この 「 2番前奏曲 」 を、勉強いたしますと、
大きく、浮かび上がってくる曲想は、
バッハの ≪ 受難曲 ≫ の一節、といっても過言ではない、ものなのです。
この前奏曲が、1番の前奏曲と対を成す曲であると同時に、
1巻の最後「 24番 ロ短調 」 とも、対応していることが、分かってきます。
あの「 ロ短調ミサ 」 の 「 ロ短調 」なのです。
★私自信、正直に申し上げますと、これまで、
「 トッカータ 」という言葉に、惑わされ、暗示を掛けられていました。
今回、自分の暗譜の方法を使って、新たに、2番前奏曲を、
勉強し直しましたところ、
≪ 受難曲 ≫のような、曲想であったことを、改めて発見しました。
★さらに、前回のブログと同様、
バッハの自筆譜と、一部の原典版との相違点を、新たに発見しました。
33小節第 1拍目 上声 「 ソ ド シ ド」 の 「 シ 」に、
≪ バッハの自筆譜 ≫ は、「 ナチュラル記号 」を、付けていません。
しかし、「 ヘンレ版 」 や 「 ヴィーン原典版 」 では、
ナチュラル記号が、付けられています。
「 べーレンライター版 」では、
小さい活字のナチュラルが、付けられています。
★これは、
① 1小節前の、32小節第 1拍目上声の
「 ソ ド シ ド 」 の 「 シ 」 に、
≪ バッハの自筆譜 ≫では、「 ナチュラル記号 」が付いている、
② 32、33小節の他の「シ」でも、
すべて、「 ナチュラル記号 」が付いている・・・ことから
“ バッハが、書き忘れたのであろう ”と、
“ 親切な校訂者 ” が、勝手に、ナチュラル記号を付けてしまった、
と推測されます。
★この曲を、きちんとアナリーゼしますと、
この ≪ シ ≫ が、≪ シ♭ ≫ でしか、ありえないこと、
さらに、そこにこそ、
バッハの天才が、発揮されている、ということを、
講座で、お話いたします。
★前回、第 1回講座のアンケートで、ご質問がありました
≪バルトークの校訂した 「 平均律 」の曲順は、
なぜ、 1番から順番に並べられていないのか? ≫、についても、
講座で、触れる予定です。
「 大作曲家 」バルトークだからこそ、読み取れる バッハ像が、
この校訂版から、浮かび上がってくるのです。
(マンサクの初花)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
10.2.16 中村洋子
★明後日18日に開催の「 第 2回平均律アナリーゼ講座 」 で、
「 第1巻 2番ハ短調 」 の暗譜の仕方について、お話いたします。
★「 第 12回インヴェンション講座 」 で、ご紹介しました
「 暗譜の方法 そのⅠ 」 を復習し、さらに、具体的に
それを「 2番 ハ短調 前奏曲とフーガ 」 で、どのように、
応用し、実践するか、ご説明いたします。
★私は、高校時代、平均律第 1巻の曲を学ぶ際、
第1回目のレッスンの前に、その曲を暗譜し、それから、
先生のもとに、うかがいました。
★ほぼ 1週間に、 1回のレッスンでしたので、
7日間でどうやって、正確に覚え込むか、
その方法を自分で考え、実践しました。
その結果、いまでも、なんとか、平均律第 1巻は、憶えております。
若かったからだけでなく、その方法が妥当だったからでしょう。
★「 暗譜の方法 」というのは、実は、「 正しい練習の方法 」である、
と、いえそうです。
漠然と、全曲を楽譜を見ずに弾けるのは、
「 暗譜 」 とは、いえません。
それですと、弾くたびに違うところで間違えたり、
忘れたり、してしまいがちです。
何年それをしても、手の内に、入りません。
★暗譜=記憶 ですが、いまつくづく、よかったと思いますのは、
ピアノがなくても、電車のなかでも、お風呂のなかでも、
バッハの音楽を、頭のなかで再現し、楽しんだり、
感動したりすることが、出来ることです。
私の作曲家としての土台は、ここにあります。
この喜びを、皆さまに是非、お伝えしたい、と思います。
★「 平均律第 1巻 2番 」 の前奏曲は、いろいろな解説書で、
「 トッカータ風 」 と、書かれています。
孫引きが多く、その根拠ははっきりとしません。
★確かに、そう思えなくもないのですが、本当にそうでしょうか?
「 トッカータ風 」 とすることで、「 力強い 」、「 活気ある 」、
「 元気はつらつ 」 などの性格づけがなされることが、
多いのですが、そのイメージに、
引きずられないほうが、よいと思います。
★私の方法で、この 「 2番前奏曲 」 を、勉強いたしますと、
大きく、浮かび上がってくる曲想は、
バッハの ≪ 受難曲 ≫ の一節、といっても過言ではない、ものなのです。
この前奏曲が、1番の前奏曲と対を成す曲であると同時に、
1巻の最後「 24番 ロ短調 」 とも、対応していることが、分かってきます。
あの「 ロ短調ミサ 」 の 「 ロ短調 」なのです。
★私自信、正直に申し上げますと、これまで、
「 トッカータ 」という言葉に、惑わされ、暗示を掛けられていました。
今回、自分の暗譜の方法を使って、新たに、2番前奏曲を、
勉強し直しましたところ、
≪ 受難曲 ≫のような、曲想であったことを、改めて発見しました。
★さらに、前回のブログと同様、
バッハの自筆譜と、一部の原典版との相違点を、新たに発見しました。
33小節第 1拍目 上声 「 ソ ド シ ド」 の 「 シ 」に、
≪ バッハの自筆譜 ≫ は、「 ナチュラル記号 」を、付けていません。
しかし、「 ヘンレ版 」 や 「 ヴィーン原典版 」 では、
ナチュラル記号が、付けられています。
「 べーレンライター版 」では、
小さい活字のナチュラルが、付けられています。
★これは、
① 1小節前の、32小節第 1拍目上声の
「 ソ ド シ ド 」 の 「 シ 」 に、
≪ バッハの自筆譜 ≫では、「 ナチュラル記号 」が付いている、
② 32、33小節の他の「シ」でも、
すべて、「 ナチュラル記号 」が付いている・・・ことから
“ バッハが、書き忘れたのであろう ”と、
“ 親切な校訂者 ” が、勝手に、ナチュラル記号を付けてしまった、
と推測されます。
★この曲を、きちんとアナリーゼしますと、
この ≪ シ ≫ が、≪ シ♭ ≫ でしか、ありえないこと、
さらに、そこにこそ、
バッハの天才が、発揮されている、ということを、
講座で、お話いたします。
★前回、第 1回講座のアンケートで、ご質問がありました
≪バルトークの校訂した 「 平均律 」の曲順は、
なぜ、 1番から順番に並べられていないのか? ≫、についても、
講座で、触れる予定です。
「 大作曲家 」バルトークだからこそ、読み取れる バッハ像が、
この校訂版から、浮かび上がってくるのです。
(マンサクの初花)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲