■バッハの「インヴェンション2番」は、「二声」の曲にあらず■
10.2.7 中村洋子
★風が強く、とても、寒い日曜日でした。
新潟県十日町市では、積雪が 3メートル近くにもなっているそうです。
本日 2月 7日は、旧暦では「 12月 24日 」と、クリスマスイヴです。
寒くて、当然ですね。
「 旧正月 」は、“ 春の始まり ” ということが、実感できます。
★ 2月 18日の、第 2回目「 平均律クラヴィーア・アナリーゼ講座 」
の準備で、
同じ、ハ短調である「 インヴェンション&シンフォニア 2番 」の、
「 バッハ直筆譜 」を、勉強しています。
★あらためて、インヴェンションの奥深さに、のめり込みました。
同時に、バッハが、ハ短調の「 インヴェンション&シンフォニア 」、
「 平均律の前奏曲&フーガ 」の 計 4曲を、
大きな構想の下で、
作曲していたことも、実感できました。
★バッハの「 直筆譜 」によりますと、
インヴェンション 2番(全 27小節)の下声は、
曲頭から、 22小節目 2拍目まで、
「 バス記号 」(ヘ音記号)ではなく、
「 アルト記号 」で、書かれています。
このような例は、インヴェンションでは、 「 8番 ヘ長調 」 のみです。
★この下声の「 アルト記号 」の部分を、
「 アルトまたはテノール声部 」 と、とらえますと、
22小節目後半から、最後までの「 バス記号 」 部分、
( ほぼコーダに一致 ) の、力強い音色とは、
自ずと、音色が異なってきます。
★この 「 二声のインヴェンション 」 を、
≪ 二声の曲 ≫ と、とらえずに、
「 ソプラノ声部 」、「 アルトまたはテノール声部 」、「 バス声部 」 による、
≪ 三声の曲 ≫、あるいは、
アルトとテノール声部を、分割して、
≪ 四声 ≫ の曲として、演奏してみてください。
★“ソプラノ“、“アルト”・・・というのは、
人間の声をなぞって、そのように称しているのですから、
当然、その音色も、人声すなわち、
バッハの声楽作品や、コラールなどから、
想像することが、できるのです。
★下声が、テノール声部を「 歌っている 」 ときにも、
休止している「 バス声部 」 が、“ 存在している ” ことを、
想像して、あたかも 「 指揮者 」 のような気持ちで、
“ いま、どのパートの人が歌っているか ”、
“ テノールからアルト声部へと、どのようにつなぐか ” などと、
考えながら、弾きますと、
実に、活き活きと、知らぬ間に、
色彩豊かな、演奏となります。
★そうなりますと、「 校訂版 」 に頼ることなく、
フレージング、アーティキュレーション、音色、ディナミークを、
“ 借り物 ” ではない、
「 ご自分の解釈 」 で、創造することができます。
★そのためには、ピアノ作品だけを聴いたり、
弾いたりしているだけでは、足りません。
今後のブログで、バッハの 「 マタイ受難曲 」 の、
「 声楽作品 」 を、例として、
第1回「 平均律アナリーゼ講座 」 で、お話しました
「 アウフタクトとは何か 」 についても、お伝えします。
★その声楽作品を聴いたり、ピアノで伴奏部分を弾きながら、
ご自分で歌ってみるという、一見、ピアノの練習とは、
かけ離れているように、思われることが、
バッハの 「 鍵盤作品 」 を、深く理解し、
その結果として、弾きやすくする
「 最短距離 」 であると、思えてなりません。
★ 2月 18日の第 2回 「 平均律アナリーゼ講座 」 でも、
引き続き、バッハの 「 アウフタクト 」 について、
ピアノで、実際に音を出しながら、
ご実感できるように、ご説明する、予定です。
(石畳と雪)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲
10.2.7 中村洋子
★風が強く、とても、寒い日曜日でした。
新潟県十日町市では、積雪が 3メートル近くにもなっているそうです。
本日 2月 7日は、旧暦では「 12月 24日 」と、クリスマスイヴです。
寒くて、当然ですね。
「 旧正月 」は、“ 春の始まり ” ということが、実感できます。
★ 2月 18日の、第 2回目「 平均律クラヴィーア・アナリーゼ講座 」
の準備で、
同じ、ハ短調である「 インヴェンション&シンフォニア 2番 」の、
「 バッハ直筆譜 」を、勉強しています。
★あらためて、インヴェンションの奥深さに、のめり込みました。
同時に、バッハが、ハ短調の「 インヴェンション&シンフォニア 」、
「 平均律の前奏曲&フーガ 」の 計 4曲を、
大きな構想の下で、
作曲していたことも、実感できました。
★バッハの「 直筆譜 」によりますと、
インヴェンション 2番(全 27小節)の下声は、
曲頭から、 22小節目 2拍目まで、
「 バス記号 」(ヘ音記号)ではなく、
「 アルト記号 」で、書かれています。
このような例は、インヴェンションでは、 「 8番 ヘ長調 」 のみです。
★この下声の「 アルト記号 」の部分を、
「 アルトまたはテノール声部 」 と、とらえますと、
22小節目後半から、最後までの「 バス記号 」 部分、
( ほぼコーダに一致 ) の、力強い音色とは、
自ずと、音色が異なってきます。
★この 「 二声のインヴェンション 」 を、
≪ 二声の曲 ≫ と、とらえずに、
「 ソプラノ声部 」、「 アルトまたはテノール声部 」、「 バス声部 」 による、
≪ 三声の曲 ≫、あるいは、
アルトとテノール声部を、分割して、
≪ 四声 ≫ の曲として、演奏してみてください。
★“ソプラノ“、“アルト”・・・というのは、
人間の声をなぞって、そのように称しているのですから、
当然、その音色も、人声すなわち、
バッハの声楽作品や、コラールなどから、
想像することが、できるのです。
★下声が、テノール声部を「 歌っている 」 ときにも、
休止している「 バス声部 」 が、“ 存在している ” ことを、
想像して、あたかも 「 指揮者 」 のような気持ちで、
“ いま、どのパートの人が歌っているか ”、
“ テノールからアルト声部へと、どのようにつなぐか ” などと、
考えながら、弾きますと、
実に、活き活きと、知らぬ間に、
色彩豊かな、演奏となります。
★そうなりますと、「 校訂版 」 に頼ることなく、
フレージング、アーティキュレーション、音色、ディナミークを、
“ 借り物 ” ではない、
「 ご自分の解釈 」 で、創造することができます。
★そのためには、ピアノ作品だけを聴いたり、
弾いたりしているだけでは、足りません。
今後のブログで、バッハの 「 マタイ受難曲 」 の、
「 声楽作品 」 を、例として、
第1回「 平均律アナリーゼ講座 」 で、お話しました
「 アウフタクトとは何か 」 についても、お伝えします。
★その声楽作品を聴いたり、ピアノで伴奏部分を弾きながら、
ご自分で歌ってみるという、一見、ピアノの練習とは、
かけ離れているように、思われることが、
バッハの 「 鍵盤作品 」 を、深く理解し、
その結果として、弾きやすくする
「 最短距離 」 であると、思えてなりません。
★ 2月 18日の第 2回 「 平均律アナリーゼ講座 」 でも、
引き続き、バッハの 「 アウフタクト 」 について、
ピアノで、実際に音を出しながら、
ご実感できるように、ご説明する、予定です。
(石畳と雪)
▼▲▽△無断での転載、引用は固くお断りいたします▽△▼▲