今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

県庁の星 8

2006-02-26 23:21:44 | 逆転サヨナラHR
文科省推薦とかじゃなくて、お前ら(写真の人たち?も含む)こそ必ず見ろ。

出世の事しか頭にないエリート地方公務員が、民間企業での研修でさびれたスーパーで働かされる。はじめは見下した態度で接していたものの、さまざまな挫折と教育係のパートとの出会いによって意識を変えていく…すごくわかりやすいストーリー。また結末もほとんどの人の予想通りのはず。悪く言うとほぼヒネリはない。

でも、なんだろうこの爽快感は。地方行政の見直しとか下流社会とか、社会的なテーマが含まれているのに全然カタくないし、劇的なことはほとんど起こらないのにちょっと前向きな気持ちになれる。いろんな意味で今しかない、すごくタイムリーな映画化だと思った。

「事件は会議室で起こってるんじゃない!」って室井さんに噛み付いていた青島が今度は会議室側で登場するわけだが、彼の現場での挫折ひとつひとつが胸に突き刺さった。
うわべだけのマーケティングからの推論、お客さんの感情を無視したこちらの都合での工夫、木を見て森を見ないサービス提供…職種によって枝葉の違いはあるだろうが、似たような事が思い当たる失敗ばかり。エンターテインメントとして充分楽しませながら、自省を促されるという点では最近なかなかない映画だと思う。
またこういういい話に水を差しがちなラブストーリーの方も、一応入れときました程度でサラっとしていて邪魔にならない。さすが「男勝りの酒豪」と「ウワサのゲイ能人」の組み合わせだ。

印象的だったのが、柴崎コウの「女は記念日とかイベントとか、形にならないものにお金を使うものなのよ」というセリフだ。なるほど深いなぁと思いながら、ふと気づいた。

…俺の誕生日もバレンタインも、ヨメさん一切カネ使ってないぞ!
コメント (1)
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