2日前の火曜日の夕方、ヤマハのレッスンから帰ってきたあと、
モミィの様子が、なんとなく元気がなくて、変だった。
夜ご飯の大好きなカレーライスも、ほとんど残した。
熱を測ると、案の定38度以上あったので、すぐに布団に寝かした。
翌日は幼稚園を休ませてお医者に連れて行こうと思っていた。
しかし、朝にパッと起きたモミィは、
「さあ、幼稚園に行かなくっちゃ」
と、昨晩とは打って変わって元気な声を張り上げた。
熱を測ると、平熱に下がっていた。
ふ~ん、回復が早いなぁ。
じゃあ、幼稚園に行くか…
まあ11時半までだから、幼稚園で過ごすのは2時間半余りである。
いつものように、支度をして、幼稚園へ送って行った。
毎朝、門の前に立っておられる園長先生に事情を話した。
「何かあればすぐ電話ください。迎えに来ますから」と僕が言い、
「は~い、わかりました。でもモミィちゃん、大丈夫だもんね~」
と、園長先生がモミィを抱きしめるのを見ながら、僕は家路についた。
妻がこの日は市民病院の健康診査の日で、午前中は不在であった。
僕はいつ幼稚園からあるかもしれない緊急電話に備え、自宅待機だ。
10時ごろ、電話が鳴り響いた。
「あっ、幼稚園からかな…?」とあわてて電話を取った。
「はい。〇〇です」と言うと、電話の向こうは女性の声。
幼稚園の先生みたいだった。緊張した次の瞬間…
相手は、「投資信託のご案内なのですが…」
おいおい。
ややこしいときにそんな電話、かけてくんな。
「いま天ぷらを揚げているところですので、手が離せません」
と、僕は適当にウソをついてさっさと電話を切った。
(午前10時に天ぷらを揚げている人ってあまりいないだろうけど)
すると、10分ほどして、また電話が鳴った。
また「もしもし~」と女性の声で、今度こそ幼稚園からと思われた。
「はい」 と、再び緊張する僕。
するとその電話の主は、
「あぁ山田さん? さっき2袋注文したお米だけど、1袋でいいわ」
「は…? 山田さん…? お米…? なんですか…それ?」
と僕が聞き返すと、
「だから1袋でいいのよ。まだ家にお米たくさん残っていたから」
もぉ~、バカバカバカ。
僕は電話を受けたとき、必ず「はい、〇〇です」と名前を名乗る。
それを聞こうともせず米屋の山田さんと間違うって、何だそれは。
しかも、まだ間違い電話だとは気付いていない様子なのだ。
「わかりました。では米百表、配達させてもらいますわ」
と言って切ろうかと思ったけれど、さすがにそれはちょっと…。
「間違い電話ですよぉ」と、少しうんざりした言い方で伝えると、
相手は「すみません」の一言も言わずガチャっと電話を切った。
まったくぅ…
マナーを知らないオバチャンだと、としばらく不快な気持ちが残った。
結局、幼稚園からの電話はなく、11時半に迎えに行った時には、
担任の先生から「元気にしていましたよ~」と言っていただいた。
まずはほっと一息ついた。
そんなモミィの幼稚園生活も、間もなくピリオドを打つ。
ちょうど今から1週間後の3月15日が卒園式である。
すでに、一昨日の火曜日に、お弁当は終わった。
このあと卒園式までは、ずっと午前中だけの保育である。
モミィのお弁当が終わったことで朝の家事がひとつ減った。
一昨年の9月に今の幼稚園に変わってからずっと弁当を作ってきた。
まあ、僕は食べ物を作るのは元々好きなので、苦にはならなかったが、
それでも朝の必須義務から解放されると思うと気持ちもグンと楽になる。
卒園式が終わると、春休みを経て4月5日が小学校の入学式である。
僕たち夫婦の「ジタバタ子育て日記」も、次の章へと移ってゆく。
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