毎日いろんな世界のいろんな出来事が次々と起きるので、
新聞、テレビ等のニュースも連日、大忙しのことだろう。
その一つに、山本有二という農林水産大臣の話題がある。
ま、「話題」というより「問題」というべきだろうけど、
10月中旬の某政治家のパーティでTPP承認案をめぐる
「強行採決」発言をして「不適切だ」と責任追及をされ、
謝罪をした後、また今月1日の某政治家のパーティでは、
「冗談を言ったらクビになりそうになった」
と凝りもせずに、それをネタにした発言をして、
またまた野党などから大批判を浴びることとなり、
あげくに2日前、国会で不信任決議案を出されて、
まあ、それは与党が数の力で否決したけれど、
「よくもまぁ、アホなことばっかり言うわ」
…と、世間で評判になっている人物である。
そして、この人物の名前を最初に聞いた時、
「あっ、あの、高知県の山本有二か!」
と、口に出してしまうほど、思い当たることがあった。
あれは1996(平成8)年のことだから、今からちょうど20年前である。
30代から50代までの僕のマラソン人生の中でも、特に印象深いレース、
高知県の四万十川ウルトラマラソンに出場した時のことである。
今年は10月16日に開催されたようで、第22回だった。
僕が走ったそのレースは、96年の10月20日に行われ、
当時はまだ第3回で、参加者も今ほど多くなかった。
そしてそのレース当日は、衆議院議員総選挙の日だった。
(これが、今日のテーマと密接に関係しているのです)
四万十川ウルトラマラソンは、100キロを走り抜くマラソンである。
午前5時にスタートして、僕のタイムは13時間余りだったので、
ゴールしたときは、午後6時を過ぎていた。
スタート時は日の出前で、ゴールした時は日が暮れていた(笑)。
そのあいだ、ず~っと走り続けるのである。気の長い話ですよね。
コースは次のようになっている ↓
http://www.shimanto-ultra.jp/course/
くねくねとしたコースで、いくつもの山中や村を通り抜ける。
30キロ地点を過ぎたところで、四万十川が見えてくる。
そこから、川沿いの道をトコトコと走り続けるのだ。
なにしろ13時間も走り続けるのだから、これほど単調なことはない。
脚にはどんどん疲労がたまってくるが、頭の中は常にヒマである。
ボンヤリしたり、完走後のビールを楽しみにしたり、
まわりの人たちを見て「みんなしんどいねんで」と、
自分に言い聞かせたりして、ひたすら黙々と走る。
そのとき、衆議院議員選挙の高知選挙区候補者のポスターが、
あちらにもこちらにも、いっぱい貼ってあるのが目についた。
たいてい、そんなものは無視するのだが、
一人、目についた候補者がいた。
それが「山本有二」だった。
なぜなら…僕は中学の頃から大学の頃にかけて、
本ばっかり読んでいたのだけど、中でも山本有三の、
「女の一生」とか「路傍の石」とか「真実一路」とか、
そういう小説に魅せられて、何度も繰り返し読んだものだった。
だから「山本有三」の名前を見るだけでハッとするのだ。
そこへ「山本有二」という4文字が目に飛び込んできたのだから、
最初は「あの山本有三か」と思って驚いた(そんなわけないやろ!)。
それから、長~い長~いコースをひた走りながら、
僕はどれだけ多くの「山本有二」のポスターを見たことか。
走っても走っても「山本有二」のポスターばかり目につく。
70キロ、80キロと走り続けていると疲労も激しくなってくる。
するとそんなポスターも、目ざわりな存在になってくるのだ。
だからこの名前は、僕の記憶の奥底に染み込んでいたのだろう。
…そんなポスターのことは、忘れていたはずなのに。
あれから20年…
その山本有二という人が農林水産大臣になったのも知らなかった。
もう、すでにその名前すら、すっかり忘れていたのでね~
知ったのは、今回の「失言騒動」があってからである。
初めてこのニュースでその名前を耳にしたとき、
「はぁ? これって四万十川の山本有二じゃないか」と思い、
ネットで調べたら、やはり高知県から出ている国会議員だった。
やれやれ…。こんなことで「20年ぶりの再会」だなんてね~
この人は自民党の衆議院議員として、すでに9期も務めている。
政治家として大ベテランで、こうして大臣にもなっているのに、
なんでそんなつまらないことを言ったのだろうか、と思う。
長いこと「先生、先生」とチヤホヤされていると、
知らず知らずに気が緩んでくるんでしょうかねぇ。
ま、おかげでこのブログにひとつネタができて、
四万十川の思い出にも浸ることができましたけどね。
さて、終わりに、せっかくですので、
(何がせっかくなのかわかりませんが)
その時の写真を載せます。
山本有二のポスターは写っていませんけど(笑)
40キロ地点の給水所で。この時はまだ余裕がありそう。
同行した妻か長男かどちらかが撮ってくれた写真です。
ここが何キロ地点なのか、よくわかりませんが、
主催者が撮影してくれたのを購入した写真です。
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